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2021-06-07 22:28:54

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診療マル秘裏話  号外Vol.1872 令和2年8月4日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体の第3相臨床試験
2)AD治療薬が米国での新薬承認申請手続きが完了

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体の第3相臨床試験

 
 
 
 
 
 
 
 マルホ株式会社は7月9日、ネ
モリズマブについて、アトピー
性皮膚炎に伴うそう痒を対象に
日本国内で実施した第3相臨床
試験(比較試験)の結果が、「
The New England Journal of M
edicine 」に掲載されたと発表
しました。

 ネモリズマブは、中外製薬が
創製した抗IL-31レセプターAヒ
ト化モノクローナル抗体です。
IL-31 は、そう痒誘発性サイト
カインであり、アトピー性皮膚
炎、結節性痒疹および透析患者
さんにおけるそう痒の発生に関
与していることが報告されてい
ます。また、IL-31 はアトピー
性皮膚炎の病態における炎症惹
起および皮膚バリア機能の破綻
への関与も示唆されています。
ネモリズマブは、IL-31 とその
レセプターの結合を競合的に阻
害することで、IL-31 の生物学
的作用を抑制し薬効を発揮しま
す。今回試験では、中等症~重
症のそう痒を有する13歳以上の
アトピー性皮膚炎の患者215 人
(ベースラインのそう痒VAS 中
央値75.4)が、ネモリズマブ群
(60mgを4週ごとに皮下投与)
またはプラセボ群(プラセボを
4週ごとに皮下投与)に2:1の
比でランダムに割り付けられま
した(ネモリズマブ群143 人、
プラセボ群72人)。そう痒視覚
アナログスケール(Visual Ana
logue Scale:VAS)は、痒みの
程度を10cmのスケール (0:痒
みなし、10:想像されうる最悪
の痒み)上に線を引き、痒みの
程度を判定する評価指標です。
同試験では抗炎症外用薬を併用
し、ネモリズマブ投与16週後の
有効性と安全性をプラセボと比
較しました。

 試験の結果、主要評価項目で
ある投与開始16週後のそう痒VA
S 変化率は、ネモリズマブ群-4
2.8.%に対し、プラセボ群-21.
4%であり、統計学的な有意差が
認められました(p値<0.001)。
副次評価項目である投与開始4
週後までのそう痒VAS 変化率の
経時推移では、そう痒VAS 変化
率の減少が投与翌日から確認さ
れました(ネモリズマブ群-10.
3%、プラセボ群-4.4%)。

 投与開始16週後のEASI変化率
はネモリズマブ群-45.9%に対し
プラセボ群-33.2%でした。Ecz
ema Area and Severity Index
(EASI)は、アトピー性皮膚炎
の皮膚所見の重症度と病変範囲
から全身のアトピー性皮膚炎の
重症度を数値化した評価指標で
す。

 皮膚疾患に特異的なQOL 尺度
であるDLQIスコア4以下を達成
した患者さんの割合は、ネモリ
ズマブ群40%に対しプラセボ群
22%でした。睡眠に関する患者
さんの主観的評価指標であるIS
Iスコアを7以上改善した患者さ
んの割合はネモリズマブ群55%
に対しプラセボ群21%となりま
した。

 有害事象の発現率は、両群と
もに71%であり、ほとんどが軽
度あるいは中等度の事象でした。
高度な有害事象はネモリズマブ
群で3人(2%)に認められまし
た(メニエール病、急性膵炎、
アトピー性皮膚炎)。ネモリズ
マブ投与後に有害事象のため投
薬を中止した患者さんは3人で、
その内訳は、メニエール病およ
び円形脱毛症、末梢性浮腫、ア
トピー性皮膚炎でした。頻度の
高かった有害事象はアトピー性
皮膚炎の悪化で、発現率はネモ
リズマブ群24%、プラセボ群21
%でした。注射関連の反応の有
害事象の発現率は、ネモリズマ
ブ群8%、プラセボ群3%でした。

 ネモリズマブ群では血清TARC
の上昇が認められたが、血清TA
RCの上昇とEASI悪化との相関は
認められなかった。血清中のTA
RC値は、アトピー性皮膚炎の短
期病勢のマーカーとして用いら
れています。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 有害事象の発現率について、
発言する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 AD治療薬が米国での新薬承認申請手続きが完了

 
 
 
 
 
 
 
 エーザイと米バイオジェンは
7月8日、共同開発しているアル
ツハイマー病(AD)治療薬「
アデュカヌマブ」について、米
国での新薬承認申請手続きが完
了したと発表しました。当初は
今年の「早い時期」に完了する
計画でしたが、開発を一度中止
したため試験データが複雑化し
たことや、新型コロナウイルス
感染症の影響で遅れていました。
米国食品医薬品局(FDA)が
2カ月以内に申請を受理するか
判断します。審査期間が原則6
カ月以内に短縮される優先審査
の適用も申請しました。

 段階的にデータを提出する方
法で申請手続きを進め、7月8日
付で完了しました。

 米国では今年の早い時期に申
請完了する目標でしたが、4月
の時点で7~9月期にずれ込む
との見通しを示していました。
同剤は開発を一度中止した経緯
があり申請データが複雑化して
いることに加え、バイオジェン
の社員が新型コロナに感染した
ことが影響しました。同社が2
月末に米国で開催した社内会議
で、100人規模の集団感染が
起きました。

 アデュカヌマブは、ADの原
因物質とされる「アミロイドベ
ータ(Aβ)」に結合して、脳
内にAβが蓄積しないようにす
る作用を持っています。Aβを
標的とする治療薬は、多くの製
薬企業が開発に失敗してきまし
た。承認されれば、アデュカヌ
マブは「Aβ仮説」を実証した
初めてのAD治療薬になります。
一方で同剤は、第3相臨床試験
(P3)で有効性を証明するの
が難しいと評価され、開発を一
度中止した経緯もあります。

 日本と欧州でも承認申請に向
けて薬事当局と協議を行ってい
ます。

AD治療薬が上手く行っていな

いことを示している動画です。

 
 


 
 
 軽易に経緯を説明して敬意を
表された。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 マルホ株式会社が7月9日、ネ
モリズマブについて、アトピー
性皮膚炎に伴うそう痒を対象に
日本国内で実施した第3相臨床
試験(比較試験)の結果が、「
The New England Journal of M
edicine 」に掲載されたと発表
したのは、素晴らしい業績です。
アトピー性皮膚炎の痒みは半端
ありません。先日も痒みで夜も
眠れないという患者さんがいら
っしゃったのですが、腸の制御
性T細胞を増やす目的でトレハ
ロースの少量投与を勧めました。
アトピー性皮膚炎の原因として、
黄色ブドウ球菌が挙げられてお
り、抗生物質の投与でもすぐに
耐性のMRSAに変化してしまい、
抗生物質の投与だけではなかな
か成果が得られないと思われま
す。
 エーザイと米バイオジェンが
7月8日、共同開発しているアル
ツハイマー病(AD)治療薬「
アデュカヌマブ」について、米
国での新薬承認申請手続きが完
了したと発表したのは、偉大な
業績です。まあ薬は実際に臨床
で使ってみるまでは、なんとも
言えません。動物実験で成功し
ていても、人間には耐え難い副
作用がある場合もあります。臨
床試験で分からなかった副作用
が表面化してくることもありま
す。新薬承認申請手続きが完了
したと言っても当局が認めなけ
れば、水の泡となってしまいま
す。加えて今年は武漢熱の感染
症がパンデミックとなったため、
新薬承認申請手続き自体が伸び
伸びとなったこともあり、これ
からの承認の状況を見極めたい
と思います。

 非常事態宣言自体が、事態を
悪化させる。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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