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診療マル秘裏話  Vol.812 令和1年7月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)黄色ブドウ 球菌の嘔吐型食中毒発症メカニズム解明
2)重症気管支喘息に対する新薬が、相次いで登場

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】黄色ブドウ 球菌の嘔吐型食中毒発症メカニズム解明

 
 
 
 
 
 
 
 北里大学と弘前大学は6月5日、
コモンマーモセットを用いて黄
色ブドウ球菌による嘔吐型食中
毒の発症メカニズムを解明した
と発表しました。この研究は、
北里大学獣医学部の小野久弥講
師、弘前大学大学院医学研究科
の中根明夫特任教授らの共同研
究チームによるものです。この
研究に関する論文は、国際学術
誌「PLOS Pathogens」に6月3日
付で掲載されました。

 黄色ブドウ球菌による嘔吐型
食中毒は古くから知られており、
1930年に米国のDackらにより、
この食中毒は黄色ブドウ球菌自
体の感染によるのではなく、菌
が食品中で作る毒素「ブドウ球
菌エンテロトキシン」で起こる
ことが明らかにされました。そ
の後、この毒素については多数
の種類があることや、毒素性シ
ョック症候群といった別の病態
の原因になることも判明しまし
た。一方で、ブドウ球菌エンテ
ロトキシンは嘔吐活性を持ちま
すが、その嘔吐メカニズムは不
明でした。また「ブドウ球菌エ
ンテロトキシン」による嘔吐は、
ヒトや霊長類で特に強くみられ
るため、霊長類を用いた研究が
必要でした。

 今回、小型の霊長類であるコ
モンマーモセットにブドウ球菌
エンテロトキシンを投与したと
ころ、嘔吐を確認しました。こ
れにより、コモンマーモセット
を嘔吐モデル動物として確立し
ました。続いて嘔吐メカニズム
を解明するために、コモンマー
モセットの消化管においてブド
ウ球菌エンテロトキシンと結合
する細胞を探しました。 その
結果、ブドウ球菌エンテロトキ
シンが粘膜下組織の肥満細胞を
標的としていることが明らかに
なりました。さらに、ブドウ球
菌エンテロトキシンの作用によ
り肥満細胞が脱顆粒を起こして
いたため、肥満細胞が放出する
物質が嘔吐に関わると考えられ
ました。そこで、消化管組織に
ブドウ球菌エンテロトキシンを
作用させた所、ヒスタミンの放
出を確認しました。さらに、脱
顆粒やヒスタミンの働きを阻害
する薬剤をコモンマーモセット
に投与すると、ブドウ球菌エン
テロトキシンによる嘔吐が抑制
されることが明らかになりまし
た。以上の結果から、食品とと
もに経口摂取されたブドウ球菌
エンテロトキシンは、消化管の
肥満細胞に結合し、脱顆粒を引
き起こすことでヒスタミンを放
出させ、このヒスタミンにより
嘔吐が引き起こされることが明
らかになりました。

 研究グループは今後、ブドウ
球菌エンテロトキシンが脱顆粒
を引き起こす仕組みを明らかに
する事で肥満細胞の新たな機能
を見出し、腸管における種々の
疾病への関与を解明するとして
います。また、「コモンマーモ
セット嘔吐モデルは黄色ブドウ
球菌食中毒に限らず多くの嘔吐
関連疾患・薬剤副作用の解明に
利用することができる」と研究
グループは述べています。

黄色ブドウ球菌の食中毒につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 理容店を利用する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 重症気管支喘息に対する新薬が、相次いで登場

 
 
 
 
 
 
 
 気道が炎症を起こして狭くな
り、せきが出たり、呼吸するた
びにヒューヒューと音がしたり
するぜんそく。発作がひどいと
呼吸困難で死に至ることもあり
ます。炎症を抑えるステロイド
薬の吸入療法が普及し、ぜんそ
くによる年間死亡者数はこの20
年間で4分の1に減少しました。
近年、吸入療法などを行っても
発作が出る重症患者さんに対す
る治療の選択肢も拡大していま
す。ぜんそくの治療では、発作
が起きないように普段からステ
ロイド薬の吸入療法を行うこと
が基本です。重症の場合は吸入
ステロイド薬の量を増やし、他
の複数の薬剤を併用して発作が
出るのを抑えますが、それでも
発作を起こす例もあります。全
国の喘息患者(推計約800万
人)さんの5~10%が重症と
されています。山王病院(東京
都港区)アレルギー内科の足立
満医師によると、重症患者さん
には通常の薬に加え、発作時に
ステロイドの飲み薬や注射薬を
用います。ただし、ステロイド
の吸入薬は、嗄声などの局所の
副作用を除けば比較的安全に使
えますが、飲み薬や注射薬を長
期間使用すると、感染症や骨粗
鬆症などの副作用が生じる可能
性があります。そうした中、重
症気管支喘息対する新薬が相次
いで登場しています。その一つ
が気道炎症の鍵を握る「IL―
5」という物質の働きを阻害す
る「抗体医薬」というタイプの
薬で、2018年4月にベンラリズ
マブ(商品名ファセンラ)が発
売されました。

 IL―5は気道の炎症に関わ
る好酸球という白血球の産生を
促したり、気道に集めたりしま
す。普段の治療に、この新薬を
追加すると、発作の回数を減ら
すことができます。

 ベンラリズマブ等の抗体医薬
について、足立医師は「専門医
と相談して上手に使うことが大
切です」と語っています。薬剤
費が従来の薬よりも高いことや、
いつまで使用を継続すべきかが
明らかでないといった課題もあ
ります。

 また、重症喘息と思われても
実際は異なる病気だったり、吸
入ステロイド薬の使用法が不適
切だったりする場合もあるとい
うことです。足立医師は「抗体
医薬を使用する前に、そのよう
な要因を除外します」と指摘し
ています。さらに「普段から吸
入ステロイド薬を主体とした治
療を確実に続け、良好な状態の
維持を心掛けることが重要です」
と強調しました。

医師国家試験の喘息に関する

講義の動画です。

 
 


 
 
 普段から不断の努力を続ける。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 北里大学と弘前大学は6月5日、
コモンマーモセットを用いて黄
色ブドウ球菌による嘔吐型食中
毒の発症メカニズムを解明した
と発表したのは素晴らしい業績
です。 黄色ブドウ球菌による
嘔吐型食中毒は古くから知られ
ており、1930年に米国のDackら
により、この食中毒は黄色ブド
ウ球菌自体の感染によるのでは
なく、菌が食品中で作る毒素「
ブドウ球菌エンテロトキシン」
で起こることが明らかにされた
のは周知の事実です。 その後、
この毒素については多数の種類
があることや、毒素性ショック
症候群といった別の病態の原因
になることも知られていました
が、そのメカニズムを解明した
ということで、最終的に、エン
テロトキシンは、消化管の肥満
細胞に結合し、脱顆粒を引き起
こすことでヒスタミンを放出さ
せ、このヒスタミンにより嘔吐
が引き起こされることが明らか
になったのは、意外でした。
 気道が炎症を起こして狭くな
り、せきが出たり、呼吸するた
びにヒューヒューと音がしたり
するぜんそくは、非常に苦しい
病気です。 アレルギー反応が
起こることで、気道が狭くなる
ということは、よく知られてい
ますが、更にその原因を辿って
ゆくと、腸の炎症にたどり着く
場合が多いと思います。実際に
当クリニックの患者さんで西洋
風の食事を止めて、鶏がらスー
プのお粥に変えただけで、発作
が起こりにくくなったという人
は、たくさんおられます。医食
同源とは、良く言ったもので、
食事を改善するだけで、呼吸苦
の苦しみから逃れられるのであ
れば、実行して頂いた方が良い
と思うのですが、患者さんの中
には、食事など生活習慣を改め
ず、薬だけで治そうと安直に考
える人が多く、ぜんそくが治ら
ないのは、医師のせいと考えて
いる人が多いことを残念に思い
ます。

 羞恥心を捨てることを周知す
る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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