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2021-05-13 21:32:02

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診療マル秘裏話  号外Vol.1850 令和2年7月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)東京医科歯科大が,クローズドループ型人工膵臓開発
2)米製薬が日本で開発、筋ジストロフィー遺伝子治療薬

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 東京医科歯科大が,クローズドループ型人工膵臓開発

 
 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は6月16日、
グルコース応答性ゲルと血液透
析用中空糸を融合したクローズ
ドループ型人工膵臓デバイスを
開発したと発表しました。この
研究は、同大学生体材料工学研
究所バイオエレクトロニクス分
野の松元亮准教授と宮原裕二教
授および名古屋大学環境医学研
究所分子代謝医学分野の菅波孝
祥教授らを中心とする研究グル
ープが、神奈川県立産業技術総
合研究所、奈良県立医科大学、
金沢大学、九州大学、ニプロ株
式会社、株式会社ニコンシステ
ムとの共同で行ったものです。
研究成果は、「Communications
Biology」のオンライン版に掲
載されています。糖尿病はさま
ざまな合併症を発症することか
ら、医療費の増大のみならず、
健康寿命の短縮、労働力逸失に
よる経済的損失など、社会に大
きな影響を及ぼします。厳格な
血糖コントロールが合併症の予
防戦略の中核を形成しますが、
安全かつ長期的に有効な治療法
は未だ確立しておらず、糖尿病
合併症も依然として増加してい
ます。糖尿病合併症を効果的に
予防するためには、平均血糖値
の正常化のみでは不十分であり、
日内変動など急性の血糖値変動
を抑制することで合併症の発症
が予防できることを示すエビデ
ンスが、近年蓄積しています。
また、この目的のためには「ク
ローズドループ型」と呼ばれる、
血糖値変動のフィードバック機
能のあるインスリン供給デバイ
ス(人工膵臓)を用いた治療の
有効性が報告されています。

しかし、現在普及している人工
膵臓は機械型のものであり、患
者さんに及ぼす身体的・心理的
負担、機械特有の補正・メンテ
ナンスの必要性、高額である点
など多くの課題があります。そ
こで、非機械型の人工膵臓の開
発研究が盛んに行われてきまし
た。従来からグルコースオキシ
ダーゼやレクチン等の蛋白質を
基材とするアプローチが主流で
したが、これらは蛋白質の変性
に伴う不安定性や毒性が不可避
であり、未だ実用化されたもの
はありません。また、これらの
システムでは数時間程度の持続
性しか得られないため、上記の
日内変動に対する適応性を調べ
ることがそもそも不可能な状況
にありました。この課題に対し
て研究グループでは、蛋白質を
一切使用しない、完全合成材料
のみによるアプローチを進めて
きました。グルコースと可逆的
に結合するボロン酸を適切な高
分子ゲルネットワークに組み込
むことで、血糖値変化に応じた
ゲルの含水率変化と同期したイ
ンスリン放出量の制御が可能と
なります。そして、完全合成系
であるがゆえの高い安定性、低
免疫原性、拡散制御方式をとる
ことで極めて迅速な応答性(秒
単位)と徐放性(週単位)を両
立するなど、既存アプローチで
は得られないいくつもの利点が
あります。今回の研究では、ま
ずゲルの化学構造を改変し、グ
ルコース応答時の温度依存性を
抑制することで、安全性を格段
に高めた材料技術を開発しまし
た。さらに、デバイスの機能を
定量的に再現する数理モデルを
構築し、糖尿病モデルラットの
治療に最適なデバイス設計の指
針を得るとともに、日内変動の
ような急性の血糖変動抑制への
適応性を確認しました。以上の
検討結果を踏まえ、「中空糸融
合型」人工膵臓デバイスを作成
しました。

糖尿病モデルラットを用いた実
験の結果、当該デバイスが1週
間以上の持続性を持って糖代謝
を良好に制御することを確認し
ました。さらに、平均血糖値を
正常化するのみならず、低血糖
を引き起こすことなく、日内変
動指標を大幅に改善することを
明らかにしました。中空糸構造
による大きな比表面積(放出面
積)の確保と、当該ゲルによる
拡散制御方式に特徴的な「迅速
な応答性と徐放性の両立」とが
相乗的に作用し、日内変動の改
善効果を発揮するものと考えら
れるということです。

今回の研究は、「エレクトロニ
クスフリー」なクローズドルー
プ型人工膵臓デバイスにより、
日単位での血糖値変動の改善効
果を実証した初めての成果です。
糖尿病におけるアンメットメデ
ィカルニーズ(長期的な血糖管
理、低血糖の回避、患者さん負
担の軽減)の解決に加え、「機
械型」のものと比べて極めて安
価なため使い捨てとすることも
可能です。従来、インスリンデ
バイスは主に重症の1型糖尿病
を対象としてきましたが、この
デバイスが臨床応用されると、
2型糖尿病も含めたインスリン
療法の早期導入が促進され、糖
尿病治療戦略が大きく変化する
可能性があります。特に簡便性
や安全性、低コスト性から、発
展途上国、高齢者、要介護者等
これまで普及が困難であった患
者さんに対しても新たな治療オ
プションを提供する可能性を秘
めています。研究グループは、
「急性の血糖値変動に対する応
答に優れていることから、食後
高血糖や血糖値の日内変動など
血糖変動(血糖値スパイク)を
抑えることにより、長期的な合
併症の予防効果も期待できる」
と、述べています。

インスリンポンプについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 簡便性を重視した財閥の戦略
は勘弁して欲しい。    笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 米製薬が日本で開発、筋ジストロフィー遺伝子治療薬

 
 
 
 
 
 
 
 厚生労働省の専門部会は、米
製薬サレプタ・セラピューティ
クスが日本で開発を進める筋ジ
ストロフィーの遺伝子治療薬を
希少疾病用再生医療等製品に指
定することを決めました。税制
優遇や優先審査などを受けられ
ます。サレプタは遺伝子薬につ
いて米国以外の事業化について
スイス・ロシュと昨年末に提携
しており、ロシュグループの中
外製薬が日本の開発に参画する
かが注目されます。

 サレプタの遺伝子薬「SRP
-9001」は、マイクロジス
トロフィンをコードする遺伝子
を筋肉組織に導入する治療法で
す。治療対象のデュシェンヌ型
筋ジストロフィーは筋肉を作る
ジストロフィン蛋白質が欠損し
ています。小児患者さん4人を
対象にした臨床試験では筋肉で
マイクロジストロフィンが産生
して筋肉が作られることが確認
されました。現在、さらに患者
さんを増やした治験が進んでい
ます。

 再生医療等製品・生物由来技
術部会は電子メールによる持ち
回り開催により、サレプタの遺
伝子薬を含め5つの開発品を希
少疾病用品に指定することを了
承しました。

 創製元がタカラバイオで大塚
製薬と連携している滑膜肉腫に
対する遺伝子治療「TBI-1
301」とサンバイオの外傷性
脳損傷における後遺症の改善に
用いる細胞医薬「SB623」
はすでに先駆け審査制度の指定
も受けています。

 このほかにヤンセンファーマ
の多発性骨髄腫に対するCAR
-T療法「JNJ-68284
528」、ひろさきLI(青森
県)の角膜上皮幹細胞疲弊症の
再生医療に用いる培養自家口腔
粘膜上皮シート「TR9」も指
定を認めました。

筋ジストロフィーについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 両方の療法に期待する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京医科歯科大学が6月16日、
グルコース応答性ゲルと血液透
析用中空糸を融合したクローズ
ドループ型人工膵臓デバイスを
開発したと発表したのは素晴ら
しい業績です。「クローズドル
ープ型」と呼ばれる、血糖値変
動のフィードバック機能のある
インスリン供給デバイス(人工
膵臓)を用いた治療の有効性が
報告されていますが、非機械型
で、なおかつ急性の血糖値変動
に対する応答に優れていること
から、食後高血糖や血糖値の日
内変動など血糖変動(血糖値ス
パイク)を抑えることにより、
長期的な合併症の予防効果も期
待できるということがユニーク
であると思いました。
 厚生労働省の専門部会が、米
製薬サレプタ・セラピューティ
クスが日本で開発を進める筋ジ
ストロフィーの遺伝子治療薬を
希少疾病用再生医療等製品に指
定することを決めたのは喜ばし
いことです。デュシェンヌ型の
筋ジストロフィーの治療薬につ
いては、エクソンスキップの核
酸医薬の製造販売が認可された
(本年3/25)ばかりで、次は、
遺伝子治療薬が希少疾病用再生
医療等製品に指定するとしてい
るので、患者さんにとっては、
全く治療法が無かった所から、
一筋の光が見えたと言えるので
はないでしょうか?

 核酸医薬の情報が拡散する。


 
 
 
 
 
 
 
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