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2021-05-04 23:18:53

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診療マル秘裏話  号外Vol.1843 令和2年7月2日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)ガン光温熱療法に使う光温熱材が腫瘍増殖抑制
2)長く続く吃逆は重篤な疾患で惹起の可能性あり

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 ガン光温熱療法に使う光温熱材が腫瘍増殖抑制

 
 
 
 
 
 
 
 量子科学技術研究開発機構は
6月8日、ガン光温熱療法に用い
る光温熱材として銅(以下Cu2+)
と黒リン(以下BP)からなるナ
ノ薬剤(BP@Cu@PEG-RGD )を開
発し、モデルマウスで腫瘍の増
殖を著しく抑えられたという研
究結果を発表しました。これは、
同機構量子医学・医療部門放射
線医学総合研究所先進核医学基
盤研究部の胡寛博士研究員、張
明栄部長らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Na
ture Communications 」に掲載
されています。ガンの三大療法
として手術療法、化学療法、放
射線療法が知られていますが、
安全で患者さんへの負担が少な
い、第四の治療法候補の1つと
して「光温熱療法」が注目を集
めています。光温熱療法では、
ガン細胞が正常細胞と比べて相
対的に熱に弱い性質を利用し、
光を当てると発熱する光温熱材
を投与してガン細胞に集積させ、
生体深部まで透過できる近赤外
光を照射し、光温熱材から放出
される熱でガン細胞を死滅させ
ます。

光温熱剤として、金ナノロッド
などのナノ材料が知られており、
光熱効果に優れてはいるものの、
生体内での分解が遅いため生体
への安全性が懸念されています。
安全性を高めるには、生体内で
早く分解される方が良いのです
が、結果として治療に必要な光
熱効果が損なわれてしまう場合
がしばしばあります。このため、
優れた光熱効果(すなわち、高
い光熱変換効率および/または
光熱安定性)を有し、生体内で
速やかに分解される光温熱剤の
開発が、光温熱療法の臨床での
使用を加速する上で課題となっ
ています。そこで研究グループ
は、効率的な発熱性と生体内分
解能力を備えた光温熱剤を構成
する材料として、生命活動の維
持に必須な元素の1つであるリ
ンの一種、BPに着目しました。
BPは熱交換効率が高く、酸化還
元反応により容易に分解される
ことから、近年、光温熱剤の素
材候補として有力視されていま
す。

BPからなる二次元ナノ材料BPNS
に、生体において酸化還元酵素
の補因子として機能するCu2+を
組み合わせることで、光熱効果
と生体への安全性が高い光温熱
材ができると研究グループは予
測しました。BPNSとCu2+と混合
させシート状のBP@Cu を合成し、
生体安定性を高めるためにBP@C
uをポリエチレングリコール(P
EG)で修飾しました。さらに、
ガン細胞と強く結合する環状RG
D ペプチドでコーティングし、
ナノ薬剤BP@Cu@PEG-RGD を作製
しました。

BPNSおよびBP@Cu@PEG-RGD の溶
液それぞれに、近赤外レーザー
を照射した結果、BP@Cu@PEG-RG
D はBPNSよりも高い光熱性能を
有していることが確認されまし
た。また、Cu2+との組み合わせ
により、BP@Cu@PEG-RGD はガン
細胞の殺傷能力の高い活性酸素
(ヒドロキシルラジカルなど)
を生成することが判明しました。
これらのことから、BP@Cu@PEG-
RGD は、高い光熱性能と活性酸
素生成能の相乗効果により、ガ
ン細胞の殺傷効果が高く、生体
への安全性の高い光温熱材であ
ると考えられました。 続いて、
モデルマウスでの治療効果を検
討するための実験を行いました。
6週齢のマウスに悪性黒色腫由
来細胞(B16F10)を皮下注射し、
7日間腫瘍を増殖させた担ガン
マウス作製し、腫瘍モデルとし
ました。腫瘍を増殖させた後の
担ガンマウスに、1、3、5、7日
目に計4回光温熱治療を実施し
ました。治療の各回において、
BP@Cu@PEG-RGD を尾静脈から投
与し、投与の24時間後、腫瘍全
体に近赤レーザー(波長808nm、
1W/cm2)を2分間照射しました。

近赤外レーザー照射後、BP@Cu@
PEG-RGD を投与した担ガンマウ
スでは腫瘍の温度が5分以内に
急速に上昇して、最高56℃に達
し、ガン細胞の殺傷に十分な発
熱が確認できました。一方、生
理食塩水を投与した担ガンマウ
スでは腫瘍の温度は32℃でした。
光温熱治療後、腫瘍体積を実測
したところ、BP@Cu@PEG-RGD を
投与して治療をした担ガンマウ
スのすべての個体で、明らかに
腫瘍の増殖が抑制されました。
抑制効果は顕著であり、対照群
に比べて腫瘍の体積が約10%ま
で減少していました。また、両
群ともに体重は異常なく着実に
増加し、死亡例もなく、顕著な
有害な副作用は認められません
でした。これらのことから、BP
@Cu@PEG-RGD は近赤外レーザー
照射により優れたガン細胞殺傷
効果を発揮する、生体への安全
性が高い光温熱材であることが
分かりました。さらに、PET に
よる治療効果の評価が可能かを
検討するため、BP@Cu@PEG-RGD
のCu2+を放射性元素64Cu2+で置
き換えた放射性薬剤BP@64Cu@PE
G-RGD を作製しました。光温熱
治療開始から2週間後にBP@64C
u@PEG-RGD を投与してPET で撮
影しました。PET 画像から腫瘍
体積を測定して、実測した腫瘍
体積と比べた所、両者が完全に
一致しました。臨床では、腫瘍
が体深部にあり体積の実測をで
きない場合がほとんどですが、
BP@64Cu@PEG-RGD を投与して撮
影したPET 画像から腫瘍体積を
正確に計測することができると
考えられます。

Cu2+と放射性元素64Cu2+の化学
的な性質は変わらないため、BP
@64Cu@PEG-RGD は光温熱治療の
光温熱材として利用できるだけ
でなく、PET 撮影に用いること
により、治療効果の客観的な評
価や腫瘍の進行のモニタリング
にも利用できる可能性がありま
す。また、治療前にPET 撮影を
行い、腫瘍にBP@64Cu@PEG-RGD
が集積しているかどうかを確認
することにより、光温熱治療の
効果を予測することにも役立つ
可能性もあります。「さらに、
この薬剤のベースである、BPNS
は、今回修飾に用いたRGD とは
別のペプチドで修飾する、抗体
や抗ガン剤と組み合わせるなど
によって、より効果の高い治療
法を開発するための基盤的な素
材になると期待される」と、研
究グループは述べています。

ガンの温熱療法について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 人員布陣を修飾して就職先を
考える。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 長く続く吃逆は重篤な疾患で惹起の可能性あり

 
 
 
 
 
 
 
 しゃっくりのほとんどは一過
性で数分から数時間で消失する
が、数日間、時に数週間も続く
ことがあります。その場合、生
命に関わる重大な疾患が隠れて
いる例もあるため、原因を突き
止めて原因疾患を治療すること
が重要となります。 友愛記念
病院(茨城県古河市)でしゃっ
くり外来を担当する救急科の近
藤司部長に聞きました。しゃっ
くりは、医学的には「吃逆(き
つぎゃく)」と呼ばれ、2日以
内で消失する「急性吃逆」、2
日以上続く「慢性吃逆」、1カ
月以上続く「難治性吃逆」に分
類されます。1日中続いたり、
数時間置きに出現したりと個人
差があり、呼吸や食事、睡眠な
どが妨げられることもあります。
かなりの苦痛を伴い、長期にわ
たって続くと全身が衰弱する危
険性もあるため、たかがしゃっ
くりと侮ることはできません。

 近藤部長はしゃっくりが生じ
る仕組みについて、「せきやく
しゃみなどと同じ呼吸器系の反
射運動の一つです」と説明して
います。しゃっくりを起こす刺
激は舌の付け根や鼻の奥にある
舌咽(ぜついん)神経という神
経を介して延髄にあるしゃっく
りの中枢に伝達され、中枢から
横隔膜と声帯に対し同時に収縮
する指令が出されます。このた
め、空気を吸うのと同時に声帯
が閉鎖する(吸気が妨げられる)
という運動が起きます。それに
よって「ヒック」という独特の
音が出ます。

 吃逆の中枢はGABA(γ―
アミノ酪酸)という神経伝達物
質によってコントロールされて
おり、GABAの産生や伝達に
何らかの問題が生じると吃逆が
出現しやすくなると考えられて
います。しゃっくりは、気付か
れていない脳梗塞や脳腫瘍、消
化器系疾患などによって引き起
こされている場合もあるため、
「しゃっくり外来では、病歴の
聴取に加え、画像診断など種々
の検査を行い、基礎疾患の有無
を調べます」と近藤部長は言っ
ています。

 原疾患があれば治療し、症状
をコントロールするためGAB
Aの作動薬であるバクロフェン
という薬剤を投与することがあ
ります。こうした治療に加え、
食生活を含めた生活習慣の見直
しも大事だということです。中
には、ストレスで引き起こされ
ている場合もあります。

 近藤部長は「しゃっくりが1
週間以上続くようなら、病院の
総合診療科などを受診して相談
してほしい」とアドバイスして
います。

しゃっくりについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 生活習慣の改善を週刊誌で訴
える。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 量子科学技術研究開発機構が
6月8日、ガン光温熱療法に用い
る光温熱材として銅(以下Cu2+)
と黒リン(以下BP)からなるナ
ノ薬剤(BP@Cu@PEG-RGD )を開
発し、モデルマウスで腫瘍の増
殖を著しく抑えられたという研
究結果を発表したのは、素晴ら
しい業績です。光免疫療法と同
様に対照群に比べて腫瘍の体積
が約10%まで減少していたと言
うことですから、腫瘍壊死症候
群を起こす可能性があります。
つまり、動物実験で腫瘍の縮小
効果が大きいと、人間で、腫瘍
が正常細胞に置き換わっている
所に穴が開いて、腹膜炎や動脈
出血というような激烈な副作用
が生じる可能性があるという事
です。
 しゃっくりのほとんどは一過
性で数分から数時間で消失する
が、数日間、時に数週間も続く
ことがあります。その場合、生
命に関わる重大な疾患が隠れて
いる例もあるため、原因を突き
止めて原因疾患を治療すること
が重要となるということですの
で、まず原因疾患の検索を開始
すべきだと思います。原因疾患
としては、気付かれていない脳
梗塞や脳腫瘍、消化器系疾患な
どですが、しゃっくりからこの
様な疾患を思い浮かべるのは、
困難ではないかと考えられます。
しゃっくり外来では、可能かも
しれませんが、総合診療科で、
検索を行ってくれるかどうかは、
疑問が残ると言わざるを得ませ
ん。診る医者次第と言えるので
はないでしょうか?

 化膿疾患を治療するのは可能
です。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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