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2021-04-26 21:50:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.1836 令和2年6月23日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)原発不明ガンに,オプジーボの有効性世界初で示す
2)特定魚類のエキスが,病的血管新生を有意に抑制す

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 原発不明ガンに,オプジーボの有効性世界初で示す

 
 
 
 
 
 
 
 近畿大学は5月31日、原発不
明ガンに対して、分子標的治療
薬「オプジーボ」(一般名:ニ
ボルマブ)の有効性を検討した
P2試験(医師主導治験)で、そ
の有効性を世界で初めて示した
と発表しました。これは、同大
医学部内科学教室腫瘍内科部門
の谷崎潤子助教、林秀敏講師を
中心とした多施設共同研究グル
ープによるものです。研究成果
は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)
の「Special Clinical Science
Symposium」(オンライン)で
発表されました。原発不明ガン
は全ガン患者さんの2~5%であ
り、一般的にその予後は非常に
悪く、診断時からの1年生存率
が50%程度とされています。診
断時にはすでに進行・転移して
いる状況であり、複数の臓器に
転移が認められる患者さんが全
体の半数以上を占め、生存期間
の中央値は約6~9か月、5年生
存率は2~6%と極めて予後が悪
いのが特徴的です。また、診断
の難しさや、さまざまな病態の
患者さんが含まれる集団である
などの特徴から、他のガンと比
べて治療開発が進んでいません。

オプジーボを含む免疫チェック
ポイント阻害剤は、多数のガン
腫において標準治療の一部とな
っていますが、原発不明ガンに
おける免疫チェックポイント阻
害剤の効果については、少数例
の報告があるのみでした。同大
では2019年に、原発不明ガンに
おける免疫プロファイリングを
解析した結果から、原発不明ガ
ンにおいても免疫チェックポイ
ント阻害剤の効果が期待できる
可能性を報告しています。それ
を踏まえ、原発不明ガン患者さ
んに対するオプジーボの医師主
導治験となるP2試験(NIVOCUP
試験)が、同大医学部内科学教
室(腫瘍内科部門)および同大
学病院臨床研究センターの主導
により国内10施設で行われまし
た。原発不明ガンに対して抗ガ
ン剤治療歴のある患者さん(既
治療群)45人と、抗ガン剤治療
歴のない患者さん(未治療群)
11人の合計56人が参加しました。
主要評価項目だった既治療群に
おける奏効率は22.2%(95%信頼
区間:11.2-37.1%)と目標値を
達成しました。また、既治療群
における無増悪生存期間の中央
値は4.0か月(95%信頼区間:1.
9-5.8か月)、6か月時点での無
増悪生存割合は32%、生存期間
中央値は15.9か月(95%信頼区
間:8.4-21.5か月)でした。

一方、未治療群における奏効率
は18.2%(95%信頼区間:2.3-51
.8%)、無増悪生存期間の中央
値は2.8か月(95%信頼区間:1.
1-6.5か月)です。6か月時点で
の無増悪生存割合は27%、生存
期間中央値は未到達(95%信頼
区間:2.6か月-未到達)であり、
過去に報告されている化学療法
による治療成績と比べても有効
な治療成績は認められませんで
した。同試験では、原発不明ガ
ンの腫瘍におけるPD-L1 高発現
患者さんで治療効果が高いこと
が示され、オプジーボの治療効
果(奏効率、無増悪生存期間、
全生存期間)が関連することが
示されました。同試験で示され
た既治療群のオプジーボ奏効期
間は12.4か月(95%信頼区間:2
.8か月-未到達)であり,みなし
標準治療として実地医療で最も
頻用される、プラチナ製剤とタ
キサン製剤の併用療法の奏効期
間中央値の報告(約4~7か月)
と比べて良好な結果でした。

オプジーボの最大の臨床的特徴
として長期間にわたる奏効の持
続がもたらす延命効果が挙げら
れますが、これが原発不明ガン
でも期待できる可能性が示され
ました。「本試験は世界で初め
て報告された原発不明ガンに対
しての有効性を報告した医師主
導治験であり、この結果から今
後オプジーボが原発不明ガンの
標準治療となることが期待され
る」と、研究グループは述べて
います。

このニュースのニュース動画で

す。原発巣を原発すと言ってい

ますがげんぱつそうの間違いで

す。

 
 


 
 
 
 園名を変えることで幼稚園が
延命した。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 特定魚類のエキスが,病的血管新生を有意に抑制す

 
 
 
 
 
 
 
 慶應義塾大学は6月1日、一定
の種類の魚類より抽出された水
溶性エキスが、糖尿病網膜症マ
ウスモデルにおいて、網膜の病
的血管新生を有意に約65%まで
抑制することを確認したと発表
しました。この研究は、同大医
学部眼科学教室の坪田一男教授、
栗原俊英専任講師、三輪幸裕特
任助教、正田千穂共同研究員ら
の研究グループが、静岡県水産・
海洋技術研究所の二村和視上席
研究員、岡本一利所長、日本大
学医学部視覚科学系眼科学分野
の山上聡教授らとの共同研究と
して行ったものです。研究成果
は、「Nutrients 」(オンライ
ン版)に掲載されています。現
在、糖尿病網膜症(diabetic r
etinopathy:DR)や加齢黄斑変
性(age-related macularDegen
eration:AMD)は日本の失明原
因の上位を占め、患者数は増加
傾向にあります。その共通の病
態として、病的血管新生という
特徴があります。近年までに抗
血管内皮細胞増殖因子(vascul
ar endothelial growth factor:
VEGF)療法が確立され、一定期
間においては完全矯正視力の改
善・維持が得られるようになり
ましたが、投与を繰り返す必要
があること、高額な医療費、合
併症、視力改善困難な症例等、
多くの課題が存在します。

近年、研究グループは、網膜組
織内で低酸素誘導因子(hypoxi
a-inducible factor:HIF )が
異常に発現増加することで、病
的血管新生を促進し、これらの
疾患を増悪させうることをマウ
ス実験において報告してきまし
た。このHIF 異常発現増加を抑
制することができるHIF 阻害剤
のほとんどは、現在、抗ガン剤
として使用されている薬剤です。
眼科領域においてもHIF 阻害剤
の治療介入の可能性に関する報
告はありますが、抗ガン剤とし
ての重篤な副作用をもつことか
ら、具体的な創薬に関する報告
はありませんでした。そこで今
回の研究では、HIF の発現を検
知するHIF-ルシフェラーゼアッ
セイを確立し、日常的に摂取す
ることが可能な食物の中からHI
F 阻害作用をもつ物質を探索し
ました。また、これらの物質が、
糖尿病網膜症を模した酸素誘導
網膜症(OIR )モデルマウスに
対し、抗血管新生作用を持つか
を検討しました。研究グループ
は、さまざまな海洋生物の中か
らHIF 阻害作用をもつものを探
索する上で、HIF の発現を検知
するHIF-ルシフェラーゼアッセ
イを用いて、海洋生物から抽出
された水溶性エキス82種類の中
から、HIF を抑制する作用をも
つ6種類の魚エキスを同定しま
した。同定された魚の水溶性エ
キスが、糖尿病網膜症モデルマ
ウスにおいて網膜の抗血管新生
作用を示すことを発見し、同定
された6種類の魚のうち、オア
カムロのエキスをOIR モデルマ
ウスに経口投与しました。する
と、病的血管新生は、コントロ
ール群に比べ、オアカムロエキ
スで有意に抑制されました。さ
らに、同定された魚の水溶性エ
キスが、異常なHIF 発現により
増加したVEGF、EPO を抑制する
ことを発見しました。ストレス
を与えHIF 発現を増加させた培
養網膜細胞に対し、魚の水溶性
エキスによるHIF の抑制作用が
示されました。またストレスに
より増加したHIF の標的遺伝子
であるvegf、epo などの血管新
生因子が、魚の水溶性エキスの
投与により有意に抑制している
ことが確認されました。以上よ
り、魚の水溶性エキスが網膜に
作用しHIF を抑制することによ
って、異常増加した血管新生促
進因子の発現を制御し、血管新
生抑制効果を示している可能性
が示唆されました。

今回の研究は、日常的に摂取可
能な魚の一部の成分が糖尿病網
膜症の増悪を抑制する可能性を
示すものです。研究グループは、
「これらの成果は、糖尿病網膜
症による現存の治療を続ける患
者さんにとって、安全で取り入
れやすい新たな治療法・予防法
につながることが期待される」
と、述べています。

糖尿病網膜症について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 成魚の成長を制御する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 近畿大学が5月31日、原発不
明ガンに対して、分子標的治療
薬「オプジーボ」(一般名:ニ
ボルマブ)の有効性を検討した
P2試験(医師主導治験)で、そ
の有効性を世界で初めて示した
と発表したのは素晴らしい業績
です。原発不明ガンは、全ガン
患者さんの2~5%であり、一般
的にその予後は非常に悪く、診
断時からの1年生存率が50%程
度とされていて、診断時にはす
でに進行・転移している状況で
あり、複数の臓器に転移が認め
られる患者さんが全体の半数以
上を占め、生存期間の中央値は
約6~9か月、5年生存率は2~6
%と極めて予後が悪いのが特徴
的ですので、オプジーボのよう
な有効な治療法があるというの
は素晴らしいことです。 ただ
オプジーボには、一型糖尿病の
ような激烈な副作用があること
を忘れては、なりません。
 慶應義塾大学が6月1日、一定
の種類の魚類より抽出された水
溶性エキスが、糖尿病網膜症マ
ウスモデルにおいて、網膜の病
的血管新生を有意に約65%まで
抑制することを確認したと発表
したのは偉大な業績です。糖尿
病の合併症としては、網膜症が
一番早く起こると言われており、
人間の感覚の90%は視覚に依存
していることから網膜症を予防
することは、非常に重要と言え
るでしょう。 これらの成果は、
糖尿病網膜症による現存の治療
を続ける患者さんにとって、安
全で取り入れやすい新たな治療
法・予防法につながることを期
待させるものと言えるでしょう。
具体的には、上記特定の種類の
魚類より抽出された水溶性エキ
スを摂取することで、新治療法・
予防法に繋げたいということで
あると理解しました。投与量な
ど具体的な所を詰めて提示して
頂きたいものです。

 盛夏に優れた成果を上げる。


 
 
 
 
 
 
 
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