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2021-04-12 21:39:12

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診療マル秘裏話  号外Vol.1824 令和2年6月9日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)ガン幹細胞死産物が腫瘍促進性マクロファージを誘導
2)肝性脳症の特徴や,治療早期発見のポイントを解説

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 ガン幹細胞死産物が腫瘍促進性マクロファージを誘導

 
 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は5月13日、
悪性脳腫瘍に生じる新しいプロ
グラム細胞死を同定し、ガン幹
細胞の死産物が腫瘍促進性のマ
クロファージを誘導するという
新たなガン再発の仕組みを発見
したと発表しました。この研究
は、同大難治疾患研究所幹細胞
制御分野の椨康一助教、田賀哲
也教授らの研究グループによる
ものです。研究成果は、「Stem
Cells」オンライン版に掲載さ
れています。日本では高齢化の
影響も相まってガンによる死亡
者数が増加の一途を辿っていま
す。中でも膠芽腫は極めて予後
の悪い難治性の脳腫瘍であり、
根治を目指した病態解明と新規
治療法の開発が喫緊の課題とな
っています。一方、ガン幹細胞
は浸潤・転移、術中診断・放射
線化学療法への抵抗性など、ガ
ンの悪性形質に関与する重要な
治療標的としてその臨床的重要
性が確立されていますが、その
制御によるガンの根治は未だ達
成されていません。

ガン幹細胞を取り巻く微小環境
(ニッチ)は内皮細胞などの血
管構成細胞や、マクロファージ
(Mφ)などの免疫細胞から構
成され、ガン幹細胞の生存・維
持に深く関与することから、理
論上ガン幹細胞の枯渇をもたら
す治療標的として高い関心を集
めています。これまでにも多く
の研究者がニッチの多様な構成
要素を明らかにしてきましたが、
一方でそれらのニッチ要素がど
のように形成・維持されるかに
ついては未だ不明な点が多く、
ニッチの包括的な理解が十分に
進んでいませんでした。以前研
究グループはガン幹細胞が液性
因子を分泌し、骨髄単球からマ
クロファージへの分化を促すこ
とでガン再発に寄与することを
報告しました。今回の研究では
膠芽腫が病理組織学的に壊死(
ネクローシス)を特徴とするこ
とに着目し、ネクローシスのニ
ッチ形成における役割の解明を
目指しました。研究グループは
まず、膠芽腫細胞株の通常培養
系において、PI核染色液に高い
染色性を示し、かつフローサイ
トメーター上において比較的小
さなサイズを呈する死細胞画分
が自発的に産生されていること
を見出しました。透過型電子顕
微鏡を用いた形態学的解析の結
果、この死細胞は細胞膜の崩壊
とメッシュ状の細胞質、細胞質
の断片化と正常な核膜、核膜辺
縁へのクロマチンの濃縮などネ
クローシスのひとつ「オートス
キジス(autoschizis)」 様の
形態を呈していました。またDN
A含有量、活性型caspase-3の発
現、ミトコンドリア膜電位など
生化学的特性を検証した所、核
溶解(karyolysis)とオルガネ
ラの消失を伴う非アポトーシス
性の細胞死であることが確認さ
れました。オートスキジスは 1
995 年にGilloteauxらにより発
見されたガン細胞をビタミンC
およびK3で処理した際に生じる
誘導性の細胞死です。今回見出
したこの死産物を、研究グルー
プは「オートスキジス様産物(
autoschizis-like products; A
LPs)」と命名しました。 ALPs
は移植担癌マウスおよび患者さ
ん由来細胞の初代培養系からも
分離されたことから、膠芽腫に
普遍的に生じる自発的細胞死と
考えられました。

次に、免疫細胞の関わるニッチ
形成・維持機構におけるガン幹
細胞由来ALPsの役割を明らかに
するため、ガン幹細胞および非
ガン幹細胞より産生されるALPs
と骨髄由来Mφの長期培養を行
った所、ALPsはグリオーマの腫
瘍随伴Mφ(tumor-associated
Mφ; TAM)マーカーCD204とCD1
1cを発現するMφに優先的に貪
食され、特にガン幹細胞由来の
ALPs を添加した場合に誘導さ
れるTAM の生存数が有意に増加
することが明らかとなりました。
すなわち、ガン幹細胞はオート
スキジス様細胞死を介してTAM
の発生を促し、ガン幹細胞集団
としての自らの生存を図るもの
と考えられました。さらにALPs
に誘導されたTAM の特性を解析
するため,既知のM1/M2-Mφマー
カー遺伝子の発現を検証したと
ころ、ALPs添加時にM1マーカー
のひとつであるIl12b 遺伝子の
発現上昇が判明しました。Il12
b 遺伝子はT細胞の活性化に関
わるサイトカインIL12および I
L23 の共通サブユニットをコー
ドする遺伝子であることから、
ALPs 誘導性のTAMはマーカー上、
抗腫瘍性であると考えられまし
た。しかし膠芽腫の再発症例に
おいてはIl12の発現と患者さん
の予後が有意に相関し、IL12蛋
白質の添加が膠芽腫患者由来ガ
ン幹細胞の自己複製・増殖能を
有意に促すことも明らかとなり、
ALPs誘導 M1-TAM は膠芽腫の再
発において促進性の作用を持つ
と推察されました。

最後に、膠芽腫再発患者をM1-M
φを高く含む群・M2-Mφを高く
含む群・両タイプの Mφを含ま
ない群に分類し、予後との相関
を検証したところ、従来抗腫瘍
性と考えられていた M1-Mφを
高く含む患者群が最も予後の悪
いことが判明しました。M1/M2
などの既存の生物学的概念の多
くは外科的に摘出された初発例
から得られた知見に基づくもの
が多く、ガン幹細胞の関与する
再発時の事象に対しては既存の
概念にとらわれない、より慎重
な解釈が必要であると考えられ
ました。

今回の研究により、膠芽腫にお
ける自発的ネクローシスの存在
が見出され、それらがオートス
キジス様の細胞死であることが
世界で初めて明らかになりまし
た。さらに、それらの細胞死産
物は単なる残骸ではなく、ガン
幹細胞の死産物が、TAM の発生
を促すことでガン再発に寄与す
る機能的な役割を有していまし
た。今後このプログラムガン幹
細胞死を標的とする、根治療法
開発への応用が期待されます。
また、ガン幹細胞中にニッチ形
成に寄与する亜集団と再発に寄
与する亜集団の棲み分けが存在
することも示唆されました。ニ
ッチ形成に寄与する亜集団は、
今後ガン幹細胞ニッチの包括的
な理解に役立つ新たな手掛かり
として、ガン根治療法の開発に
向けた研究を飛躍的に促すこと
が期待されます。

白血球の種類と働きについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 秘薬を飛躍的にグレードアッ
プする。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 肝性脳症の特徴や,治療早期発見のポイントを解説

 
 
 
 
 
 
 
 肝硬変などで肝機能が低下す
ることによって、動作能力や注
意力の低下といった精神神経症
状が表れる肝性脳症という病気
があります。認知症やうつ病に
似た症状もあるため、気付かず
に見逃されるケースもあります。
肝性脳症の特徴や治療、早期発
見のポイントなどを横浜市立大
学付属病院(横浜市金沢区)消
化器内科の中島淳主任教授(肝
胆膵=すい=消化器病学)に聞
きました。 肝臓は,栄養素の分
解・貯蔵、蛋白質の生成、有毒
物質(アンモニアなど)の解毒
などの役割を果たしています。
肝硬変、すなわちウイルス、ア
ルコール、脂肪肝などにより肝
臓が硬くなりますと、肝臓の解
毒作用が十分に働かず、血液中
に残るアンモニアが増えて脳に
到達し、さまざまな神経症状を
引き起こします。これが肝性脳
症です。初期の肝硬変は自覚症
状が乏しいため、「肝硬変に気
付かないまま、肝性脳症を発症
する人も少なくありません」と
中島主任教授は言っています。

 肝性脳症は、意識障害の程度
に応じて5段階に分類されてい
ます。「軽度では昼夜リズムが
逆転したり、身なりに無関心に
なったりする。重症になると昏
睡(こんすい)に陥り、命に危
険が及ぶため、早期発見が重要
になります」と説明しています。

 近年注目されているのが、一
見正常に見えるのに肝性脳症の
テストなどで異常が発見される
「ミニマル肝性脳症」です。「
自覚症状はないものの、仕事で
のミスや交通事故のリスクが高
まるため、日常生活に支障を来
します。肝性脳症に移行する可
能性も高いのです」と指摘して
います。肝臓は、栄養素の分解・
貯蔵、蛋白質の生成、有毒物質
(アンモニアなど)の解毒など
の役割を果たしています。肝硬
変、すなわちウイルス、アルコ
ール、脂肪肝などにより肝臓が
硬くなると、肝臓の解毒作用が
十分に働かず、血液中に残るア
ンモニアが増えて脳に到達し、
さまざまな神経症状を引き起こ
します。これが肝性脳症です。
初期の肝硬変は自覚症状が乏し
いため、「肝硬変に気付かない
まま、肝性脳症を発症する人も
少なくありません」と中島主任
教授は、言っています。

肝硬変の病態と解剖生理につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 痔核を自覚する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京医科歯科大学が5月13日、
悪性脳腫瘍に生じる新しいプロ
グラム細胞死を同定し、ガン幹
細胞の死産物が腫瘍促進性のマ
クロファージを誘導するという
新たなガン再発の仕組みを発見
したと発表したのは素晴らしい
業績です。 腫瘍促進性(腫瘍
関連性)マクロファージはガン
細胞あるいは、ガン組織が誘導
することは、知識として知って
いましたが、ガン幹細胞の死産
物が誘導しているとは、思いも
よらないことでした。膠芽腫再
発患者をM1-Mφを高く含む群・
M2-Mφを高く含む群・両タイプ
の Mφを含まない群に分類し、
予後との相関を検証したところ、
従来抗腫瘍性と考えられていた
M1-Mφを高く含む患者群が最
も予後の悪いことが判明したと
いうことも本当に意外でした。
腫瘍関連性マクロファージを除
くには、嫌酒薬ジスルフィラム
の投与が有効であることが知ら
れています。ジスルフィラムの
投与によってニッチがどのよう
に変化するのか非常に興味深い
所です。
 肝硬変などで肝機能が低下す
ることによって、動作能力や注
意力の低下といった精神神経症
状が表れる肝性脳症という病気
があることは、一般には良く知
られていません。しかし肝硬変
の人には、肝性脳症がつきもの
なので、そのコントロールには
熟知する必要があります。分枝
鎖アミノ酸の投与が、一般的な
治療であると思われますが突然
温厚だった性格が、冷酷な性格
に変わるということも知ってい
なければなりません。また発汗
により、血液が濃縮されるため、
夏場の発症が多いことも念頭に
おいて治療する必要があります。
一見正常に見えるのに肝性脳症
のテストなどで異常が発見され
る「ミニマル肝性脳症」にも注
意が必要です。

 精神の清浄化は、正常な日常
を送るのに必要不可欠です。笑

 
 
 
 
 
 
 
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