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2021-04-08 22:03:26

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診療マル秘裏話  号外Vol.1820 令和2年6月5日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)妊娠中農薬グリホサート摂取が,発達障害病因に関係
2)自閉症児は,脳脊髄液中のバソプレッシン濃度が低い

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 妊娠中農薬グリホサート摂取が,発達障害病因に関係

 
 
 
 
 
 
 
 千葉大学は5月12日、妊娠中
の農薬「グリホサート」の摂取
により、子の自閉症スペクトラ
ム障害(ASD:autism spectrum
disorder )などの神経発達障
害の病因に関係している可能性
がマウス実験で示されたと発表
しました。これは、同大社会精
神保健教育研究センターの橋本
謙二教授(神経科学)、大学院
医学薬学府博士課程3年の蒲垚
宇氏らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「米国科
学アカデミー紀要(PNAS)」の
電子版に掲載されています。

 ASD は、病因は不明なままで
ありますが、多くの疫学研究か
ら、環境要因(農薬等の環境化
学物質など)が発症に寄与して
いる可能性が指摘されています。
2019年の論文では、米カリフォ
ルニア州の農業地帯の人口ベー
スの症例対照研究において、農
薬の一種であるグリホサートに
暴露された妊婦から生まれた子
どもは、ASD を発症した割合が、
暴露されなかった妊婦から生ま
れた子どもと比較して高かった
ことが報告されています。

 グリホサートは、1970年に米
モンサント社(現在:バイエル
社)が開発した除草剤で、アミ
ノ酸グリシンの窒素原子にホス
ホノメチル基が置換した化合物
です。植物のシキミ酸経路に作
用して、生育に必要な芳香族ア
ミノ酸の合成を阻害し植物を枯
らします。シキミ酸経路はヒト
を含む哺乳類には存在しません
が、ヒトの腸内細菌はシキミ酸
経路を有することから、グリホ
サートはヒトの腸内細菌叢を乱
す可能性があります。近年、AS
D 患者さんにおける腸内細菌叢
の異常が数多く報告されていま
す。2015年、国際ガン研究機関
は、グリホサートを発ガンのリ
スクが高い区分「2A」にしまし
た。また同剤は、「除草剤耐性
遺伝子組み換え作物」に幅広く
使用されています。今回研究グ
ループは、グリホサートを妊娠
中の母マウスに飲料水として与
えた動物モデル(母体免疫活性
化モデル)を用いて、農薬によ
る影響について検討しました。
母マウスにグリホサートを含む
水を離乳期(生後21日)まで与
えると、その仔マウスがASD 様
の行動異常(社会性相互作用の
障害など)を示しました。母体
暴露群と、通常の水を与えた妊
娠マウスから生まれた仔マウス
(以下、コントロール群)を比
較した結果、母体暴露群の腸内
細菌叢はコントロール群と比較
して乱れていたことが確認され
ました。

 さらに、母体暴露群の仔マウ
スの前頭皮質では、多価不飽和
脂肪酸の代謝に関わる「可溶性
エポキシド加水分解酵素」(sE
H : soluble epoxide hydrolas
e)の発現が,コントロール群と
比較して有意に高く、同部位に
おける「エポキシ不飽和脂肪酸」
の量は有意に低下していました。
妊娠マウスにsEH 阻害薬「TPPU」
を妊娠期から離乳期まで投与す
ると、母体暴露群の仔マウスで
ASD 様の行動異常が抑制されま
した。これらの結果から、妊娠
中の農薬の摂取が、子のASD の
発症に関係している可能性が示
唆され、ASD 様の行動異常の発
生に重要な役割を果たしている
ことも明らかになりました。実
験で用いたグリホサートは高濃
度(0.098%)であるため、本結
果からヒトでの妊婦のグリホサ
ートの摂取が、子にASD を引き
起こすという結論は導き出せま
せん。

 しかし、グリホサートなどの
農薬は、残留農薬として輸入小
麦等に混入している可能性が指
摘されており、食事として摂取
している可能性があります。農
薬の母体暴露と子どものASD 発
症との関連については、今後、
妊婦を対象とした大規模な追跡
研究を実施する必要があります。
「妊婦の血液や尿中のグリホサ
ート等の農薬の濃度測定と、生
まれた子どもの追跡調査(ASD
発症率など)を実施することで、
ASD の病因に農薬の母体暴露が
関係しているかが明らかになる
だろう」と、研究グループは述
べています。

グリフォサートの悲劇について

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 足底の農薬濃度測定。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 自閉症児は,脳脊髄液中のバソプレッシン濃度が低い

 
 
 
 
 
 
 
 米スタンフォード大学は4月
27日、自閉症児は、そうではな
い児に比べて、新生児期の脳脊
髄液( cerebrospinal fluid、
以下CSF )における「バソプレ
シン」の濃度が、有意に低いこ
とがわかったと発表しました。
これは、同大医学部精神行動科
学のOzge Oztan博士、Karen J.
Parker 准教授らの研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「米国科学アカデミー紀要(PN
AS)」に掲載されています。自
閉症は、行動症状から2歳前後
に診断が可能となりますが、自
閉症と診断できる専門医は少な
い上、バイオマーカーが特定さ
れていないことから、診断が4
歳以降に遅れることもあります。
過去の研究で、自閉症の兄弟が
いるなどハイリスク乳児は、乳
児期には行動症状を示さないこ
とが分かっています。

バソプレシンは、オキシトシン
と同様に9つのアミノ酸からな
るペプチドホルモンです。哺乳
類のオスにおいて、メスとのつ
がい形成や、ファザーリング(
fathering )といった社会的行
動に影響を及ぼしています。同
研究グループは以前に、脳脊髄
液のバソプレシンレベルについ
て調べ、10代以下の自閉症児は、
そうではない児と比較して、バ
ソプレシンの濃度レベルが低い
ことや、バソプレシンレベルが
最も低い児では重度な自閉症症
状がみられることを明らかにし
てきました。また、バソプレシ
ンを自閉症児に投与したところ、
社会生活能力に改善が見られま
したが、オキシトシンの投与で
は改善がみられないことも確認
しています。今回の研究では始
めに、生後3か月未満の乳児か
ら採取・凍結保存されていたCS
F(n=913)をカルテと照合し、
後に幼児期で自閉症と診断され
た児11人を特定しました。12歳
までに自閉症と診断されなかっ
た児を含む2つの対照グループ
と合計して、CSF サンプル33人
分について比較検討しました。

その結果、幼児期に自閉症と診
断された児では、そうでない児
と比べて、乳児期におけるCSF
のバソプレシン濃度が有意に低
いことが分かりました。9人中7
人分のCSF サンプルは自閉症の
発症を正しく予測し、残る2人
分は、後にADHDを発症した児の
ものでした。また、同サンプル
のオキシトシンレベルについて
も調べましたが、自閉症児とそ
うではない児で違いは確認され
ませんでした。

今回の研究により、早期発見が
可能な自閉症のバイオマーカー
が存在する可能性が示されまし
た。バイオマーカーで自閉症を
早期に診断できれば、早期治療
開始も可能となります。「今後、
より大規模な研究を行うことで、
バソプレシンの濃度低下は自閉
症特有のものかを明らかにし、
さらに、新生児期からみられる
自閉症特有の血中バイオマーカ
ーを探索したい」と、研究グル
ープは述べています。

産まれてから自閉症児と診断さ

れるまでの経過を記録している

動画です。

 
 


 
 
 
 会誌の発行を開始する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 千葉大学が5月12日、妊娠中
の農薬「グリホサート」の摂取
により、子の自閉症スペクトラ
ム障害(ASD:autism spectrum
disorder )などの神経発達障
害の病因に関係している可能性
がマウス実験で示されたと発表
したのは偉大な業績です。遂に
自閉症スペクトラムの病因の一
端が明らかになったと考えてい
ます。日本人は、世界でも有数
の農薬使用産物の摂取をしてい
る国と考えられています。それ
ゆえに、最近、自閉症スペクト
ラムの罹患数が急激に伸びてい
るのは、そのような背景があっ
たのかと納得した次第です。そ
うであるとしたならば、農薬の
影響を最小限にするサンゴ焼成
カルシウムを用いるか、50℃の
お湯で野菜の洗浄をするかなど
の方法を採用する必要がありま
す。
 米スタンフォード大学が4月
27日、自閉症児は、そうではな
い児に比べて、新生児期の脳脊
髄液( cerebrospinal fluid、
以下CSF )における「バソプレ
シン」の濃度が、有意に低いこ
とがわかったと発表したのは、
素晴らしいことです。バソプレ
シンは、オキシトシンと同様に
9つのアミノ酸からなるペプチ
ドホルモンです。哺乳類のオス
において、メスとのつがい形成
や、ファザーリング(fatherin
g )といった社会的行動に影響
を及ぼしているということです
から、バゾプレッシン濃度が脳
脊髄液中で低下しているのを、
回復させることが自閉症治療に
は、必要不可欠と言えるでしょ
う。バソプレシンを自閉症児に
投与したところ、社会生活能力
に改善が見られたことからも、
バゾプレッシン濃度回復をゴー
ルとした治療を設定するべき
だと考えます。

 開腹手術から回復する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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(イジニイワト)

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