最近の号外Vol.1789メルマガ

2021-03-02 22:50:08

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1789 令和2年4月30日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)新規マラリア伝搬阻止ワクチン前臨床開発プロジェクトスタート
2)高い殺菌力を持つ222nm の紫外線の安全性実証

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 新規マラリア伝搬阻止ワクチン前臨床開発プロジェクトスタート

 
 
 
 
 
 
 愛媛大学プロテオサイエンス
センターと大日本住友製薬は4
月3日、大阪市内で記者会見を
開き、米国PATHと共同で進めて
いる「新規マラリア伝搬阻止ワ
クチンの前臨床開発プロジェク
ト」が公益社団法人グローバル
ヘルス技術振興基金(GHIT Fund)
の助成案件に選定されたと発表
しました。約5億円が交付され
るということです。試験期間は
2年間の計画で、今月中にも前
臨床試験をスタートさせます。
同日の会見で、同社ワクチン担
当の福島晃久シニアフェローは、
「少なくとも10年以内に上市に
もっていきたい」と意気込んで
います。

 プロジェクトの対象となるの
は、愛媛大学と PATH によって
見出された新規熱帯熱マラリア
抗原(Pfs230D1+ )と、大日本
住友製薬が持つ新規ワクチンア
ジュバント(TLR7アジュバント:
DSP-0546E )で構成されるマラ
リア伝搬阻止ワクチン候補製剤
です。Pfs230D1+ には、強い免
疫原性と高い安定性があるほか、
製造効率がいいという特徴があ
ります。また製剤化TLR7アゴニ
ストのDSP-0546E は、持続的な
免疫誘導と高い安全性を兼ね備
えているということです。同日
の会見で福島シニアフェロ―は、
ワクチンを接種し、人工吸血装
置を用いて伝播阻止効果を測定
した所、「抗体が機能的に働き、
ほぼ100%阻止できた」と説明し
ています。「上市されれば、世
界初のマラリア伝搬阻止ワクチ
ンとなる可能性がある」と意義
を強調しました。

 プロジェクトでは、PATHが代
表を務め、プロジェクト全体を
管理し、抗原蛋白質の提供や前
臨床試験、治験申請業務を担い
ます。愛媛大学が、免疫原性な
ど同剤が誘導する抗体の機能評
価を行い、大日本住友製薬は、
アジュバント製剤の開発や非臨
床評価を担当します。プロジェ
クトの終了後に、3者で米国で
の臨床試験に着手する予定です。

 マラリアは、蚊が媒介して毎
年約2億人が感染し、子どもを
中心に約40万人が死亡している
感染症ですが、未だ実用化され
たワクチンは存在していません。
ただ、採算性に乏しいことから、
製薬企業がワクチンや治療薬の
開発に重点的な投資配分を行う
のは難しいとの指摘があります。
愛媛大と大日本住友製薬は19年
にも、マラリアワクチンへの実
用化が期待できる抗原「PfRipr
5」を発見したと発表しました。
非臨床試験を実施するプロジェ
クトに対し、GHIT Fundから約9
300 万円の助成金の交付を受け
ています。

3年前のこのニュースのニュー

ス動画です。

 
 


 
 
 女性が助成金を拝受する。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 高い殺菌力を持つ222nm の紫外線の安全性実証

 
 
 
 
 
 
 神戸大学は3月30日、高い殺
菌力を持つ222nm の紫外線(UV
-C)を反復照射しても、皮膚が
んが発症しないことなどを世界
で初めて実証し、ヒトの皮膚や
目にも安全であることを報告し
たと発表しました。この研究は、
同大大学院医学研究科内科系講
座皮膚科学分野の錦織千佳子教
授、国定充講師、山野希大学院
生らと、ウシオ電機株式会社の
研究グループによるものです。
研究成果は、「Photochemistry
& Photobiology」にオンライン
掲載されています。

 UVC (波長280~200nm)はオ
ゾン層で吸収されるため、地表
には届きません。しかし、その
強い殺菌力を人工的に活用する
ため、UVCの中でも波長254nmを
照射する殺菌ランプが開発され、
使用されています。その254nm
殺菌ランプは強い殺菌力を持つ
反面、皮膚ガンや白内障を生じ
させるなど人体に対して有害性
が強いことから、これまでは照
射中はヒトが立ち入れない場所
でのみ使用されてきました。

 今回の実験で使用したランプ
は、254nm よりさらに短い波長
である222nm を照射するランプ
で、医療での活用を想定して開
発が始まったものです。222nm
は、254nm と比べて、実際にヒ
トの皮膚表面において、254nm
と遜色ない殺菌力を有すること
が神戸大学大学院医学研究科整
形外科学講座(黒田良祐教授)
で報告されていましたが、医療
現場では人体に対して直接、か
つ繰り返し照射する可能性があ
るため、発ガン性などその安全
性についての検証が必要でした。

 今回、研究グループは、紫外
線に対して非常に感受性が高く、
野生型マウスに比べて約1万倍
皮膚ガンになりやすいとされる
色素性乾皮症A 群モデルマウス
に対して222nm 殺菌ランプを繰
り返し照射し、皮膚と目につい
ての安全性を検証しました。そ
の結果、222nm 殺菌ランプ照射
群マウスでは皮膚ガンが全く出
来ませんでした。目については
島根大学眼科学講座(谷戸正樹
教授)の協力のもと検証を行い、
顕微鏡での観察レベルでも全く
異常が出ないことを確認しまし
た。対照として、太陽光中の皮
膚ガンを起こさせる波長である
UVB(波長 280~315nm)を照射
した群では、すべてのマウスに
皮膚ガンができ、また角膜の損
傷や白内障などの影響も広範に
認められました。

 また、222nm が無害であった
理由は、その深達度にあること
が分かりました。皮膚において
は、従来の紫外線が皮膚の表皮
の基底層という一番下層にまで
到達し、細胞のDNA を損傷させ
てしまうのに対し、222nm は角
質細胞層という極めて表層の(
垢になる)部分までしか到達し
ないため、表皮細胞のDNA を損
傷させないことが明らかになり
ました。

 今回の研究成果によって、22
2nm は強力な殺菌力を有しなが
らも人体の皮膚に直接照射でき
ることが明らかになりました。
研究グループは、「今後、医療
現場での手指消毒を始め、学校
や介護施設、食品工場、トイレ
やキッチンなどヒトが立ち入る
場所において、殺菌やウイルス
の不活化を目的とした幅広い用
途拡大が期待できる」と、述べ
ています。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 瀟洒な建物に紫外線を照射す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 愛媛大学プロテオサイエンス
センターと大日本住友製薬が4
月3日、大阪市内で記者会見を
開き、米国PATHと共同で進めて
いる「新規マラリア伝搬阻止ワ
クチンの前臨床開発プロジェク
ト」が公益社団法人グローバル
ヘルス技術振興基金(GHIT Fund)
の助成案件に選定されたと発表
したのは、喜ばしいことです。
採算性に乏しいことから、製薬
企業がワクチンや治療薬の開発
に重点的な投資配分を行うのは
難しいとの指摘がある中、助成
案件に選定されたということで
すから、採算性に乏しくても、
40万人の人の命を奪う、感染症
を食い止められるなら、その有
用性が認められたということで
しょう。
 神戸大学が3月30日、高い殺
菌力を持つ222nm の紫外線(UV
-C)を反復照射しても、皮膚が
んが発症しないことなどを世界
で初めて実証し、ヒトの皮膚や
目にも安全であることを報告し
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。昨今の武漢熱(新型
コロナウイルス感染症)の様な
消毒薬が不足する環境では実用
化されるだけで、どれだけの人
が助かるのか計り知れないと思
われます。今後、医療現場での
手指消毒を始め、学校や介護施
設、食品工場、トイレやキッチ
ンなどヒトが立ち入る場所にお
いて、殺菌やウイルスの不活化
を目的とした幅広い用途拡大を
期待したいと思います。

 私設の介護施設を運用する。


 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント