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2021-02-26 23:08:50

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診療マル秘裏話  号外Vol.1785 令和2年4月25日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)肺ガンの血液による、診断モデルの作成に成功
2)非結核性抗酸菌薬剤標的候補同定する事に成功

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 肺ガンの血液による、診断モデルの作成に成功

 
 
 
 
 
 
 
 東京医科大学は3月31日、通
常はCTなどの画像検査で診断さ
れる肺ガンについて、血液によ
る診断モデルの作成に成功した
と発表しました。これは、同大
医学総合研究所分子細胞治療研
究分野の落谷孝広教授と、国立
ガン研究センター中央病院・呼
吸器外科研究チーム、横浜みの
るクリニック、東レ株式会社、
株式会社ダイナコムの共同研究
によるものです。研究成果は、
「Communications Biology」に
掲載されています。肺ガンは、
日本ならびに全世界において、
ガンによる死亡原因の第1位で
ある。そして、肺ガンの5年相
対生存率は、1期で81.6%です
が、4期では5.2%まで低下しま
す(国立ガン研究センターガン
情報サービスより)。 つまり、
より早期の段階で肺ガンを発見
することが、肺ガン死亡を減ら
すために最も重要な方策といえ
ます。近年、胸部CT検診による
肺ガン死亡率の低下が報告され
ていますが、CT検診には高い偽
陽性率とそれによる不必要な精
密検査の増加という課題もあり、
より高精度で簡便な診断方法が
求められています。

マイクロRNA は、血液や尿、痰
などの体液中に含まれる19~22
塩基の小さなRNA で、ガン等の
疾患に伴い、体液中でその種類
や量が変化することが近年明ら
かになっています。そして、体
液中で微量でも検出できること
から、患者さんへの負担が少な
い高精度の診断バイオマーカー
として期待されています。研究
チームはこれまでに、卵巣ガン、
食道ガン、脳腫瘍、骨軟部腫瘍
の診断などの研究成果を発表し
ました。今回の研究は、肺ガン
の早期診断に有用なマイクロRN
A を同定することを目的に行わ
れました。切除可能な肺ガンが
ある患者さん1,566人と健常者2
,178人、合計3,744人 の血清中
のマイクロ RNA 2,588種類を網
羅的に解析しました。切除可能
肺ガンで有意に変化する複数の
マイクロRNA を同定し、そのう
ち2種類のマイクロRNA(miR-12
68bとmiR-6075 )を組み合わせ
ることで、切除可能肺ガン患者
さんを極めて高い精度(感度95
%、特異度99%、AUC99.6%)で診
断できるモデルを作成しました。

肺ガンの病期別の検証において、
IA期96.1%、IB期93.7%、IIA期9
7.3%、IIB期96.7%、IIIA期90.2
%、IIIB期83.3%、IV期100%と、
どの病期においても高精度で肺
ガンを診断可能であることが確
認されました。また、組織型別
の検証でも、腺ガン95.1%、扁
平上皮ガン94.2%、小細胞ガン
90.9%と、組織型によらず高精
度で肺ガンを診断可能でした。
さらに、この切除可能肺ガンの
診断モデルは、肺ガン患者さん
180人 の術後の血清については
「陰性」と診断しました。従来
の腫瘍マーカーと似た挙動(肺
ガン切除後に数値が低下)を示
しました。

今回作成された血清マイクロRN
A を用いた切除可能肺ガン診断
モデルは、過去に報告された診
断モデルと比較してきわめて高
精度であり、意義の大きい成果
です。「今後、この診断モデル
の有効性を前向きの臨床研究で
検証し、血液による肺ガン早期
診断の実用化に向けて大きな前
進が期待される」と、研究グル
ープは述べています。

マイクロRNAについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 皮革製品の出来を比較する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 非結核性抗酸菌薬剤標的候補同定する事に成功

 
 
 
 
 
 
 
 新潟大学は4月1日、肺MAC 症
の病原体である非結核性抗酸菌
の薬剤標的候補を、トランスポ
ゾンシーケンシング(TnSeq )
により、全ゲノム規模で同定す
ることに成功したと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
歯学総合研究科細菌学分野の立
石善隆准教授、松本壮吉教授、
藤田医科大学医学部微生物講座・
感染症科の港雄介講師、ミネソ
タ大学微生物学分野のAnthony
D. Baughn 准教授らの研究グル
ープによるもの。研究成果は、
「Scientific Reports」に掲載
されています。肺MAC 症に代表
される非結核性抗酸菌症は、結
核菌(結核の病原体)ないしは
ライ菌(ハンセン病の病原体)
を除いた抗酸菌(マイコバクテ
リア)によって引き起こされる
感染症です。マイコバクテリウ
ム・アビウムとマイコバクテリ
ウム・イントラセルラーエは、
肺MAC 症の原因菌として、非結
核性抗酸菌症の約7~8割を占め
ています。肺MAC 症は、中高年
の女性に急増しており、既存の
抗結核薬を含めた多剤併用投薬
を行いますが、難治性で慢性化
することも多いとされています。
非結核性抗酸菌症は、日本で急
増していますが、既存の薬を併
用しても効果が低く難治性のた
め、病原体に対する新しい薬の
開発が切望されています。しか
し、新しい薬を開発するために
は、病原体である非結核性抗酸
菌の生存に必須な遺伝子(生存
必須遺伝子)を同定することが
重要となります。そこで今回、
研究グループは、主要な非結核
性抗酸菌であるマイコバクテリ
ウム・イントラセルラーエに対
して、トランスポゾン(動く遺
伝子)による変異株ライブラリ
ーの作成と次世代シーケンサー
による全ゲノムシーケンシング
を組み合わせたトランスポゾン
シーケンシング(TnSeq )を実
施し、全ゲノム規模で生存必須
遺伝子の同定を行いました。

その結果、マイコバクテリウム・
イントラセルラーエの全遺伝子
5,126のうち、506の遺伝子が生
存必須遺伝子であること、そし
て、低酸素条件下でのバイオフ
ィルム形成には175 の遺伝子が
必須であることが分かりました。
研究グループはさらに、これら
の結果に対して、化合物や阻害
薬を使った細菌学的実験を行い、
遺伝子の必須性を確認したとい
うことです。研究グループは、
「今回同定した生存必須遺伝子
群は、非結核性抗酸菌の薬剤標
的となるため、肺MAC 症に対す
る新しい治療薬の開発において
重要な情報源となる」と、述べ
ています。

肺マック症について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 
 急造の家屋が急増した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京医科大学が3月31日、通
常はCTなどの画像検査で診断さ
れる肺ガンについて、血液によ
る診断モデルの作成に成功した
と発表したのは、喜ばしいこと
です。2種類のマイクロRNA(mi
R-1268bとmiR-6075 )を組み合
わせることで、切除可能肺ガン
患者さんを極めて高い精度(感
度95%、特異度99%、AUC99.6%)
で診断できるモデルを作成した
ということですから、リキッド
バイオプシー恐るべしという感
覚を持ちました。CTなどの画像
検査でありがちな被曝という副
作用はなく、高い精度で診断可
ということですから、早く普及
して、たくさんの肺ガン患者さ
んを救済して頂きたいものです。
 新潟大学が4月1日、肺MAC 症
の病原体である非結核性抗酸菌
の薬剤標的候補を、トランスポ
ゾンシーケンシング(TnSeq )
により、全ゲノム規模で同定す
ることに成功したと発表したの
は、素晴らしい業績です。非定
型抗酸菌症は、他人にうつさな
い代わりに、非常に治療に難渋
する感染症だと思います。その
薬剤標的候補の同定に成功した
ということですから、薬剤標的
候補を早く見つけて、非定型抗
酸菌症治療薬の開発につなげて
頂きたいと思います。結核を含
めた抗酸菌症がなぜ治療に難渋
するのかと言えば、菌体の周囲
にバイオフィルムを形成して、
菌体まで薬剤が届きにくいため
とされています。低酸素条件下
でのバイオフィルム形成には17
5 の遺伝子が必須ということ迄
分かっているので、治療薬開発
も夢物語ではないと実感した次
第です。

 菌体のチェックのため、勤怠
が疎かになった。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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