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2021-01-16 00:01:46

カテゴリー:ブログ



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診療マル秘裏話  号外Vol.1749 令和2年3月14日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍内にある血管を感知できるグリッパー開発
2)体内時計の持続的攪乱が免疫老化促進炎症増進

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 腫瘍内にある血管を感知できるグリッパー開発

 
 
 
 
 
 
 
 金沢大学は2月18日、腫瘍内
にある血管を感知できるグリッ
パーを開発したと発表しました。
これは同大設計製造技術研究所
の米山猛教授、理工研究域フロ
ンティア工学系の渡辺哲陽教授
および医薬保健研究域医学系の
中田光俊教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
国際学術誌「Sensors 」のオン
ライン版に掲載されています。
さまざまな病気の治療で行われ
ている内視鏡を用いた手術は、
患者さんの身体的負担が少ない
という大きなメリットがある一
方、手術空間が狭く、術者の視
界が限られるという問題があり
ます。特に、神経内視鏡で脳を
手術する場合などは、血管を傷
付けると視野が血液で覆われる
ため、止血が必須となり、その
ための時間や労力が追加で必要
になります。内視鏡で観察でき
る表出した血管を傷付けないこ
とは可能ですが、切除すべき腫
瘍の内部にある血管は検出でき
ない場合があります。そのため、
視覚的に検出が難しい血管を検
出する技術が求められています。
研究グループは、開発したグリ
ッパーの性能を確かめるため、
腫瘍を模したモデルを作成しま
した。柔らかい腫瘍として10%
の食塩を混ぜ込んだウレタンゲ
ルを、硬い腫瘍としてはシリコ
ンゴムを用いて、それぞれ3×3
×10ミリメートル(mm)の大き
さで作成しました。その中央に
内径0.5mm、膜厚0.05mm のシリ
コンチューブを通して血管モデ
ルとし、毎分70回の脈動を持つ
ように水を流して動脈を模しま
した。

直径3mm のプローブの先端に力
覚センサーを取り付けた小さな
グリッパーで腫瘍モデルを挟み、
その角度を一定速度で狭めてい
くと、力覚センサーがある角度
に達すると脈動を検知すること
が分かりました。このグリッパ
ーは、柔らかい腫瘍モデル、硬
い腫瘍モデル共に脈動を検知し
ましたが、検知できる挟み角度
は異なることが明らかとなりま
した。

研究グループは、「今回開発さ
れた腫瘍内血管感知グリッパー
を、現在広く普及している手術
支援ロボットに装着、実際の手
術現場での活用されることを目
指し、今後はさまざまな条件下
での実証を行っていく予定。将
来的には、出血を防ぐ安全な脳
腫瘍摘出ロボットの開発につな
がることが期待される」と、述
べています。

血管内治療について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 腫瘍内血管感知グリッパーで
完璧な手術をすることで完治が
見えてきた。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 体内時計の持続的攪乱が免疫老化促進炎症増進

 
 
 
 
 
 
 
 京都府立医科大学は2月14日、
体内時計の持続的なかく乱が免
疫老化を促進させ、慢性炎症の
増進をもたらすことを解明した
と発表しました。この研究は、
同大大学院医学研究科統合生理
学の八木田和弘教授らの研究グ
ループが、京都大学の生田宏一
教授、理化学研究所・千葉大学
の川上英良教授らと共同で行っ
たものです。研究成果は、「Sc
ientific Reports」に掲載され
ています。体内時計は、地球の
自転に伴う環境周期への適応を
担う、ほとんどの生物が持つ根
源的な仕組みのひとつです。近
年、急速に進む都市機能の24時
間化などにより、現代のヒトの
ライフスタイルは「地球本来の
環境に沿った暮らし」から大き
く逸脱しています。体内時計は
食・運動・睡眠などの日常行動
と密接に関連しますが、生活時
間(環境時間)と体内時計の慢
性的なズレは、さまざまな健康
問題(概日リズム障害)を生じ
ることが懸念されています。例
えば、シフトワーカーを対象と
した多くの疫学研究によって、
うつ病、メタボリックシンドロ
ーム、心筋梗塞、脳卒中、不妊
症、ガンなど多岐にわたる疾患
リスクとの関連が指摘されてい
ます。しかし、概日リズム障害
は喫緊の社会的課題であるにも
関わらず、具体的な病態や発症
メカニズムなど、その根本的な
理解が不十分なために未だ有効
な対策が打てていません。今回、
研究グループは、体内時計を明
暗シフトによってかく乱する条
件下(ライトのON/OFF のタイ
ミングだけが異なる条件下)で
約20か月という長期間にわたり
マウスを飼育し観察する「マウ
スコホート研究」という実験系
を構築しました。これは、疫学
調査で指摘された現実社会の問
題に対し、「体内時計の乱れで
本当に健康に大きな影響が起こ
るのか?」という原点となる前
提の検証実験を通して問題解決
に必要な科学的問いを抽出する、
「リバース・トランスレーショ
ナル研究」と呼ばれる研究アプ
ローチです。

この実験系を用いて解析をした
結果、頻繁に明暗周期がシフト
するために体内時計が適応でき
ない同調不全状態が持続する条
件では、マウスの寿命が有意に
短縮することを確認しました。
実際に体内時計のかく乱によっ
て健康に大きな影響が出る可能
性が示されました。

続いて、寿命が短縮した条件の
長期体内時計かく乱マウスの体
内でどのような恒常性破綻が生
じているのかを推定するため、
肝臓と腎臓の網羅的遺伝子発現
データを用い、対照群マウスと
比較して大きく変化している遺
伝子ネットワークを探索しまし
た。その結果、肝臓でも腎臓で
も免疫系や免疫疾患に関係する
遺伝子ネットワークが顕著に活
性化していることが分かり、免
疫機能に何らかの異常が生じて
いる可能性が推定されました。
実際に肝臓では微小な炎症細胞
浸潤や細胞脱落などの持続する
軽度の炎症(慢性炎症)が増進
しており、さらに、脾臓および
リンパ節の免疫細胞の解析から
PD-1+CD44highCD4 T 細胞(老
化関連T細胞)などT細胞の変化
に加え、CD95+GL7+胚中心性B細
胞の増加など、免疫老化に特徴
的な変化が促進していることが
明らかになりました。

これらの結果から、これらのマ
ウスで「慢性的な体内時計のか
く乱」→「免疫老化の促進」→
「慢性炎症の増進」という病態
メカニズムの存在が明らかとな
りました。慢性炎症はさまざま
な疾患リスクの原因になる可能
性が以前より指摘されており、
慢性的な体内時計の同調不全を
きたすような不規則な生活で懸
念される健康問題の本質的な原
因の1つである可能性が強く示
唆されました。古くから「不規
則な生活は体に悪い」と言われ
てきましたが、今回、これらの
健康問題の背景として「免疫老
化」という具体的な病態メカニ
ズムの存在が明らかになりまし
た。日常生活の乱れによる体内
時計とのズレが免疫細胞の加齢
性変化である「免疫老化」を促
進するという今回の発見は、い
わゆる「概日リズム障害」と総
称される健康問題の根本的な病
態の理解に貢献するものと考え
られます。

また、今回の研究のもう1つの
重要な発見は、明暗シフトのタ
イプによって健康への影響が大
きく異なることを実際に示すこ
とができた点です。「シフトワ
ークは体に悪い」としか言えな
いようでは社会的課題の解決に
はつながりません。病院・警察・
消防・交通など、社会インフラ
の維持は地域社会の存続に必須
です。働き方改革のみならず、
超少子高齢化、人口減少社会、
人口偏在・地域格差など、これ
から我が国が直面する社会構造
変化の多くに、体内時計・概日
リズム研究は深い関わりを持ち
ます。実装可能な社会的課題の
解決のためには、「シフトワー
クは存在しつづける」ことを前
提とした対策が必要となります。
研究グループは今後、個人差も
大きな「概日リズム障害」の予
防に必要な病態メカニズムの全
容解明とともに、体への負担が
少ないシフトの組み方や体内時
計のセルフマネジメントなどの
実証研究につなげていきたいと
しています。

慢性炎症について解説している

動画です。

 
 


 
 
 改名の謎を解明する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 金沢大学が2月18日、腫瘍内
にある血管を感知できるグリッ
パーを開発したと発表したのは、
素晴らしい業績です。さまざま
な病気の治療で行われている内
視鏡を用いた手術は、患者さん
の身体的負担が少ないという大
きなメリットがある一方、手術
空間が狭く、術者の視界が限ら
れるという問題があります。特
に、神経内視鏡で脳を手術する
場合などは、血管を傷付けると
視野が血液で覆われるため、止
血が必須となり、そのための時
間や労力が追加で必要になりま
す。内視鏡で観察できる表出し
た血管を傷付けないことは可能
ですが、切除すべき腫瘍の内部
にある血管は検出できない場合
があります。そのため、視覚的
に検出が難しい血管を検出する
技術が求められているというの
は初耳でした。 腫瘍内にある
血管を感知できるグリッパーが
開発できたのは、渡りに船と言
えそうです。
 京都府立医科大学が2月14日、
体内時計の持続的なかく乱が免
疫老化を促進させ、慢性炎症の
増進をもたらすことを解明した
と発表したのは偉大な業績です。
慢性炎症は、ほとんどの病気の
元と言っても過言ではないほど
大事な病態です。糖化や酸化で
はなく、体内時計の持続的かく
乱が免疫老化を促進させ、慢性
炎症の増進をもたらすのは非常
に意外という印象を受けました。
これからは、糖化酸化に次いで
体内時計の持続的かく乱が慢性
炎症の増進をするという自覚が
ないと生きていけない気がしま
した。慢性炎症の段階で炎症を
消し止めることができれば、本
当の病気を避けることができる
というのは、まさにタバコの吸
い殻の火を消すことで山火事を
防ぐというたとえに酷似してい
ると思いました。

 痔核を自覚した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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