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2021-01-12 23:30:19

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診療マル秘裏話  号外Vol.1747 令和2年3月12日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)母マウス亜麻仁油摂取で仔マウスアレルギー性皮膚炎抑制
2)糖尿病網膜症網膜機能障害のメカニズムとその効果

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 母マウス亜麻仁油摂取で仔マウスアレルギー性皮膚炎抑制

 
 
 
 
 
 
 
 医薬基盤・健康・栄養研究所
(NIBIOHN)は2月13日、オメガ
3脂肪酸が豊富なアマニ油を母
マウスが摂取した際に、仔マウ
スのアレルギー性皮膚炎が抑制
されるメカニズムを解明したと
発表しました。この研究は、同
研究所ワクチン・アジュバント
研究センターの國澤純センター
長、平田宗一郎研究員、長竹貴
広主任研究員らと、京都大学、
理化学研究所、NTT 東日本関東
病院、東京大学の研究グループ
によるものです。研究成果は、
「Allergy 」に掲載されていま
す。

近年、アレルギー・炎症性疾患
の患者数が増加傾向にあり、そ
の要因として食事などの生活習
慣と、それに伴う腸内環境の変
化が注目されています。特に、
乳幼児期に発症するアレルギー
において、妊娠・授乳期の食生
活や母乳に含まれる成分の関与
についてさまざまな指摘や推測
がされてきました。これまでに、
母親の食事や母乳の中のオメガ
3脂肪酸が多いと乳幼児期のア
レルギーの発症率が低いことが、
コホート研究により報告されて
います。しかし、母乳中のオメ
ガ3脂肪酸が乳幼児アレルギー
の発症を抑えるメカニズムは、
明らかになっていません。研究
グループは、オメガ3脂肪酸の
一つであるαリノレン酸を多く
含むアマニ油を妊娠・授乳期に
摂取することで、生まれてくる
仔マウスのアレルギーの発症を
抑制できることを見出しました。
母乳を作る場となる乳腺には、
他の臓器と異なる脂質代謝ネッ
トワークが存在しています。ア
マニ油を摂取することで、母乳
中にオメガ3DPAの14-ヒドロキ
シ化代謝物が増加し、抗アレル
ギー効果を示すことが分かった
ということです。

母乳を介して仔マウスに移行し
たオメガ3DPAの14-ヒドロキシ
化代謝物は、樹状細胞に働きか
け、免疫反応を抑制する作用を
有する分子「TRAIL 」の発現を
誘導します。これにより、T細
胞からの炎症性サイトカイン産
生を抑制し、その結果、アレル
ギー性皮膚炎を抑制することが
明らかになった。

今回、マウスにおける効果が証
明されましたが、今後、ヒトで
も同様の効果があるか確認する
ことが必要です。将来的にはオ
メガ3DPAの14-ヒドロキシ化代
謝物を用いたアレルギー・炎症
性疾患に対する新たな予防・改
善・治療法の開発が期待される、
と研究グループは述べています。

オメガ3脂肪酸について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 照明の重要性を証明する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 糖尿病網膜症網膜機能障害のメカニズムとその効果

 
 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は2月13日、糖尿
病網膜症における網膜機能障害
のメカニズムとその効果を明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同大大学院医学系研究
科眼科学の鈴村文那大学院生、
兼子裕規病院講師、寺崎浩子教
授らの研究グループによるもの
です。研究成果は、国際医学総
合誌「Diabetes」(電子版)に
掲載されています。糖尿病の三
大合併症の1つである糖尿病網
膜症(DR)では、不可逆的な網
膜機能障害(網膜内神経細胞の
障害)が問題となるため、早期
からの神経保護治療が重要です
が、診断基準となる眼底異常の
所見が出現する前から、同障害
は起きていると考えられます。

そこで研究グループは、神経栄
養因子の中でも糖尿病で低下す
ると言われるBDNFに注目し、ω
-3脂肪酸「エイコサペンタエン
酸(EPA )」を内服することに
より、視床下部でのBDNF産生が
改善されるという報告をもとに、
EPA 内服による眼内でのBDNF産
生の改善と網膜機能改善の可能
性を検討するとともに、そのメ
カニズムを検証しました。DR患
者の硝子体中の活性酸素濃度が
明らかに高いことと、DR発症に
酸化ストレスが関与しているこ
とから、細胞実験では酸化スト
レスとして過酸化水素を細胞に
投与することで、DRモデルとし
ました。また、BDNFを産生する
Müller細胞として、MIO-M1細胞
を網膜内神経細胞であるAmacri
ne細胞としてPC12D 細胞を用い、
それぞれに対して過酸化水素を
投与したところそれぞれの細胞
増殖の機能は低下し、MIO-M1細
胞のBDNF産生機能も低下した。
一方、PC12D 細胞に対してBDNF
を投与したところ、その軸索の
長さが短くなる変化が抑えられ、
酸化ストレス下のPC12D 細胞で
も、投与するBDNFの濃度が高い
ほど、細胞増殖の機能は改善し
ました。

次に、動物実験ではストレプト
ゾシン(STZ )という薬剤をラ
ットの腹腔内に注射した糖尿病
モデルラットをコントロール群・
STZ 群・EPA 群の3グループに
分け、EPA 群には5%EPAを含む
餌を与え、コントロール群とST
Z 群に対しては、ω-3脂肪酸を
含まず、かつ5%ひまわり油を含
む餌を与えました。8週間これ
らの餌をそれぞれ与えた後、全
身状態の評価と網膜電図、網脈
絡膜サンプルの解析を行いまし
た。実験開始から8週間後、ST
Z群とEPA群では、コントロール
群と比較して体重の減少・血糖
値が上昇し、ケトーシスにもな
っていましたが、これら2群間
には明らかな差はみられません
でした。

一方、網膜電図でAmacrine細胞
由来と言われる律動様小波(OP
波)をそれぞれ比較したところ、
STZ 群で低くなっていたOP波の
振幅は、EPA 群で明らかに改善
しました。また、網脈絡膜サン
プルの解析により、STZ 群で上
昇した酸化ストレスマーカーは
EPA 群で低下し、STZ 群で低下
したBDNF産生量は、EPA 群で明
らかに改善しました。以上のこ
とから、EPA の内服により、全
身状態の改善はなかったものの、
網膜内の酸化ストレスの改善と
ともにBDNF産生は改善し、DRに
より低下したAmacrine細胞の機
能もEPA の内服で改善すること
が分かりました。

網脈絡膜サンプルを脂質質量解
析したところ、EPA群でEPAの代
謝産物がいくつか検出されまし
た。これらをMIO-M1細胞に投与
したところ、18-HEPE のみがBD
NF産生を改善させました。この
作用を動物実験でも確認した結
果、18-HEPE と同量のPBS を硝
子体注射すると、18-HEPE 投与
眼においてOP波の改善と、BDNF
産生改善を確認できました。

以上の結果から、高血糖下で産
生された酸化ストレスによりMü
ller細胞が障害され、そのBDNF
産生が低下することで、Amacri
ne細胞の活性が低下するという
一連のメカニズムに対して、EP
A の内服によりBDNF産生の改善
とAmacrine細胞障害が抑制され
ることが確認でき、さらに、内
服したEPA は体内で18-HEPE に
代謝されて特定の網膜にのみ作
用していることが分かりました。
今回の研究で、DRで観察される
網膜機能障害には Amacrine 細
胞への直接的な障害だけでなく
Müller細胞から産生されるBDNF
の減少が関与することが示唆さ
れました。また、EPA 内服後の
代謝産物である18-HEPE の特定
の作用によってBDNF産生・網膜
内神経細胞機能が改善されるこ
とが分かりました。

「EPA 内服には神経栄養因子を
介してDR早期の網膜障害を改善
する可能性があり、新たな治療
戦略になると考えられる」と、
研究グループは述べています。

糖尿病網膜症について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 酸性の液体を産生することに
賛成した。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 医薬基盤・健康・栄養研究所
(NIBIOHN)が2月13日、オメガ
3脂肪酸が豊富なアマニ油を母
マウスが摂取した際に、仔マウ
スのアレルギー性皮膚炎が抑制
されるメカニズムを解明したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。人間にあてはめると妊娠
した母親が亜麻仁油をはじめと
するオメガ3脂肪酸を摂取して
いると子どものアトピー性皮膚
炎、アレルギー性皮膚炎が抑制
されるということだと思います。
今回、マウスにおける効果が証
明されましたが、今後、ヒトで
も同様の効果があるか確認する
ことが必要であり、将来的には
オメガ3DPAの14-ヒドロキシ化
代謝物を用いたアレルギー・炎
症性疾患に対する新たな予防・
改善・治療法の開発に期待した
いと思います。
 名古屋大学が2月13日、糖尿
病網膜症における網膜機能障害
のメカニズムとその効果を明ら
かにしたと発表したのは偉大な
業績です。糖尿病の三大合併症
の1つである糖尿病網膜症(DR)
では、不可逆的な網膜機能障害
(網膜内神経細胞の障害)が問
題となるため、早期からの神経
保護治療が重要ですが、診断基
準となる眼底異常の所見が出現
する前から、同障害は起きてい
ると考えられ、それゆえに研究
グループは、神経栄養因子の中
でも糖尿病で低下すると言われ
るBDNFに注目し、ω-3脂肪酸「
エイコサペンタエン酸(EPA )」
を内服することにより、視床下
部でのBDNF産生が改善されると
いう報告をもとに、EPA 内服に
よる眼内でのBDNF産生の改善と
網膜機能改善の可能性を検討す
るとともに、そのメカニズムを
検証したのは慧眼だったと思い
ます。

 以上のような眼底所見の異常
を眼科医が指摘した。   笑

 
 
 
 
 
 
 
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