最近の号外Vol.1746メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.1746メルマガ

2021-01-12 00:01:43

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1746 令和2年3月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)可溶型蛋白の産生で免疫細胞の殺傷効果を防ぐ
2)人工透析治療に関する現行ガイドライン改定案転換

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 可溶型蛋白の産生で免疫細胞の殺傷効果を防ぐ

 
 
 
 
 
 
 
 筑波大学は2月10日、ガンの
免疫逃避機構について、ガン細
胞が可溶型CD155 蛋白を産生す
ることにより、免疫細胞による
殺傷効果を防いでいるというこ
とを発見したと発表しました。
これは、同大医学医療系/革新
的創薬開発研究センターの渋谷
和子准教授らによるものです。
研究成果は、米国科学誌「Jour
nal of Experimental Medicine」
のオンライン速報版に掲載され
ています。ガン細胞が免疫シス
テムからの排除を免れることを
「免疫逃避」と呼びます。免疫
逃避機構の1つとして、ガン細
胞が免疫細胞に抑制シグナルを
入れることによって免疫逃避を
行っていることがすでに明らか
にされており、これを阻害する
薬剤が、ノーベル賞受賞でも有
名になった、免疫チェックポイ
ント阻害剤です。しかし、免疫
チェックポイント阻害剤が効か
ない症例も多くあり、全く別の
免疫逃避機構の発見が期待され
ています。

正常細胞がガン化すると、ガン
細胞の表面に発現する「CD155
蛋白質」(膜型CD155 )が増加
します。免疫細胞によるガンの
排除には、この膜型CD155 と、
免疫細胞上に発現する活性化受
容体「DNAM-1」の結合が重要で
あることが知られています。一
方、CD155 には膜型の他に、変
異体の「可溶型CD155 」があり
ます。ガン患者さんでは健常人
と比較し、血清中の可溶型CD15
5 が多いことは分かっていまし
たが、その機能は明らかではあ
りませんでした。研究グループ
は、可溶型CD155 を産生するメ
ラノーマ(悪性黒色腫)腫瘍株
と、産生しないメラノーマ腫瘍
株をマウスに移入しました。す
ると、可溶型CD155 を産生する
メラノーマ腫瘍株で、有意に多
くの肺転移が起こることが分か
りました。また、腫瘍から産生
された可溶型CD155 は、ガンを
排除する免疫細胞であるNK細胞
に結合していました。さらに、
可溶型CD155 による肺転移の促
進は、DNAM-1遺伝子欠損マウス
では起こらないことや、試験管
内の分析にて可溶型CD155 がDN
AM-1によるガン細胞の殺傷(細
胞傷害活性)を阻害することな
どから、可溶型CD155 がNK細胞
上のDNAM-1に結合することで、
DNAM-1と膜型CD155 の結合を阻
害し、NK細胞がガンを排除でき
なくなっていることが分かりま
した。

今回の研究により、ガン細胞は
可溶型CD155 を分泌することに
より免疫逃避していることが明
らかになりました。このことか
ら、体内から可溶型CD155 を除
去すれば、体が本来持っている
免疫システムによってガン細胞
が排除されると考えられ、ガン
の新しい治療法の開発につなが
ることが期待されます。「既存
の免疫チェックポイント阻害剤
は、免疫細胞への抑制シグナル
の阻害による治療法である一方、
可溶型CD155 の除去は、活性化
シグナルを促進するものであり、
作用機序が全く異なるものだ。
免疫チェックポイント阻害剤の
効果が薄い患者への治療にも役
立つ可能性がある」と、研究グ
ループは述べています。

ガン免疫細胞治療について解説

している動画です。

 
 


 
 
 碓井峠を髪の薄い人が通過し
て行った。        笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 人工透析治療に関する現行ガイドライン改定案転換

 
 
 
 
 
 
 
 日本透析医学会(理事長=中
元秀友・埼玉医大教授)は2月
16日、東京都内で一般向けの公
聴会を開きました。人工透析治
療に関する現行ガイドライン(
指針)の改定案を巡り、末期腎
不全について「終末期とは言え
ない」としてきた従来の考えを
転換しました。患者さんや家族
が治療を拒否した場合には「終
末期になる」とする見解を示し
ました。一方、厚生労働省は「
透析治療をしていることをもっ
て終末期とは言えない」として
います。最終的な指針案を3月
末にまとめる方針です。公立福
生病院(東京都福生市)で2018
年8月、末期腎不全の女性(当
時44歳)に対して医師が透析治
療継続と中止の選択肢を示し、
中止を選んだ女性が死亡した問
題を受け、学会は指針の改定を
検討してきました。

 末期腎不全について学会はこ
れまで、透析治療を続けること
で生きられるため「それだけで
は人生の最終段階(終末期)と
は言えない」としていました。
しかし、治療を中止すると数日
から数週間で死亡することから、
指針案では患者さんらが治療を
拒否した場合には「終末期にな
る」としました。

 治療中止の選択肢を医師から
提示することを巡っては、1月
に公表した指針案では終末期の
場合にだけ認め、非終末期につ
いては触れていません。公聴会
で指針作成委員長の岡田一義氏
は「医師からは提案はしない」
と明言しました。患者さんや家
族が透析を拒否した場合には説
明するとしました。

 また、透析治療を拒否する患
者さんは経済的に困窮していた
り、うつ状態だったりするケー
スもあるため、精神科の専門医
受診を勧めるなどの支援を行う
としました。

福生病院についてのニュース

動画です。

 
 


 
 
 
 透析を拒否する患者さんは、
医師の心に投石する人だ。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 筑波大学が2月10日、ガンの
免疫逃避機構について、ガン細
胞が可溶型CD155 蛋白を産生す
ることにより、免疫細胞による
殺傷効果を防いでいるというこ
とを発見したと発表したのは、
素晴らしい業績です。「既存の
免疫チェックポイント阻害剤は、
免疫細胞への抑制シグナルの阻
害による治療法である一方、可
溶型CD155 の除去は、活性化シ
グナルを促進するものであり、
作用機序が全く異なるものだ。
免疫チェックポイント阻害剤の
効果が薄い患者への治療にも役
立つ可能性がある」と研究グル
ープが言ったのは、鋭い指摘で
あると感じました。
 人工透析治療に関する現行ガ
イドライン(指針)の改定案を
巡り、末期腎不全について「終
末期とは言えない」としてきた
従来の考えを転換し、患者さん
や家族が治療を拒否した場合に
は「終末期になる」とする見解
を示したのは、妥当なことだと
思います。透析病院で、バイト
していた時に、「奇跡の水を飲
むと透析しなくて済む」と本気
で信じた患者さんが透析を拒否
した挙句、尿毒症の症状が酷く
なって、透析病院に担ぎ込まれ
た時に、本当に救いようが無い
と感じました。

 奇跡の軌跡をたどる。笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。