最近の号外Vol.1740メルマガ

2021-01-04 22:02:04

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.1740 令和2年3月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
 
目次

1)ストレスによってなぜコカインの欲求が増大するか解明
2)セマフォリンが好酸球性副鼻腔炎病態形成に重要役割

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】 ストレスによってなぜコカインの欲求が増大するか解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 金沢大学は2月6日、ストレス
によってなぜコカインに対する
欲求が増大するのかを世界で初
めて明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大医薬保健
研究域薬学系の金田勝幸教授ら
の研究グループが、京都大学大
学院薬学研究科の金子周司教授、
名古屋大学環境医学研究所の山
中章弘教授、北海道大学大学院
薬学研究院の南雅文教授との共
同研究として行ったものです。
研究成果は、国際学術雑誌「Ne
uropharmacology 」のオンライ
ン版に掲載されています。麻薬
や覚醒剤などに対する薬物依存
症では、一旦薬物を止めても、
再び摂取してしまうという再燃
が、治療を困難にしています。
再燃はさまざまな引き金によっ
て引き起こされますが、その重
要な要因の1つとしてストレス
が挙げられます。ストレスは日
常生活の中で避けることが難し
いため、ストレスによって脳内
のどこでどのような変化が生じ、
再燃に至るのかを明らかにでき
れば、再燃を防ぐ手立てを考え
られるようになります。

脳内の神経伝達物質の1つであ
るノルアドレナリン(NA)は、
ストレスホルモンとも呼ばれ、
ストレスが負荷されると青斑核
という脳部位の活性化により放
出されることが知られています。
薬物欲求の情報処理に関与する
内側前頭前野(mPFC)において
も、ストレス負荷時にはNAレベ
ルが上昇することが報告されて
います。これらの知見から、mP
FCでのNA遊離がストレスによる
再燃、つまり、薬物欲求増大に
関与している可能性が考えられ
ます。しかし、NAがmPFCでどの
ように作用するのか、また、実
際に薬物欲求の増大に関与して
いるのかは不明でした。今回、
研究グループは、マウスの脳ス
ライス標本を用いた電気生理学
実験とマウス個体を用いた行動
実験により、mPFCでのNAの作用
とストレスによるコカイン欲求
増大に対するNAの関与を検討し
ました。

他の脳領域へ影響を与えるmPFC
V層錐体神経細胞に着目し、マ
ウスの脳スライス標本でのホー
ルセルパッチクランプ記録法を
用いてNAの作用を調べた所、NA
により、mPFC V層錐体神経細胞
への興奮性神経伝達が増強し、
神経細胞の活動が上昇するとと
もに、これらの作用はNAのα1
受容体を介して発現することが
判明しました。この結果を踏ま
え、次に、ストレスを負荷する
ことでコカインに対する欲求を
強くしたマウスのmPFCにα1受
容体を遮断する薬物を局所投与
した所、コカイン欲求の増大が
抑制されることが分かりました。
つまり、ストレスにより遊離の
増大したNAがmPFCの神経細胞活
動を上昇させ、ストレスによる
コカイン欲求の増大を引き起こ
していることが明らかになりま
した。

研究グループは、「これまで不
明であったストレスによる薬物
欲求増大の神経メカニズムが明
らかになったことで、薬物依存
症の治療において重要な問題と
なる再燃に対する予防法や治療
法の開発につながることが期待
される」と、述べています。

コカインの恐怖について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 薬物依存の治療に異存はない。


 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
2】 セマフォリンが好酸球性副鼻腔炎病態形成に重要役割

 
 
 
 
 
 
 
 
 大阪大学は2月6日、セマフォ
リンという蛋白質が、鼻ポリー
プを形成する難治性のちくのう
症である「好酸球性副鼻腔炎」
の病態形成に重要な役割を果た
しており、治療の標的となるこ
とを明らかにしたと発表しまし
た。これは、同大大学院医学系
研究科の西出真之助教、津田武
医師、猪原秀典教授、熊ノ郷淳
教授らの研究グループによるも
のです。研究成果は、米国アレ
ルギー・喘息・免疫学会の機関
誌「The Journal of Allergy a
nd Clinical Immunology」に掲
載されています。

好酸球性副鼻腔炎は鼻ポリープ
を高い確率で合併し、多くの患
者さんは鼻づまり・どろどろの
鼻汁・嗅覚の障害を訴えます。
日本では、中等度から重症以上
の患者さんの数が約2万人存在
するといわれています。内視鏡
により鼻ポリープを切除する手
術や、ステロイドの投与などが
行われますが、一度治療した後
の再発率が高く、正確な病態の
理解に基づいた安全かつ効果的
な治療方法が求められています。

セマフォリンは神経発生を誘導
する因子として発見された蛋白
質です。近年は腫瘍免疫や、骨
代謝・自己免疫疾患との密接な
関連が報告されています。さら
に好中球などの「顆粒球」と呼
ばれる白血球におけるセマフォ
リンの機能もここ数年で明らか
になり、血管炎やアレルギー疾
患に対する創薬ターゲットとし
ても注目されています。しかし、
難治性副鼻腔炎におけるセマフ
ォリンの効果は不明のままでし
た。研究グループは、好酸球性
副鼻腔炎の患者の血液から「セ
マフォリン4D」(以下、SEMA4D)
との関わりを調べ、治療の標的
となるかを検証しました。SEMA
4Dは、通常はいろいろな細胞の
膜表面に分子として存在してい
ますが、細胞表面で刺激を受け
て切断されます。切断された遊
離型のSEMA4Dは、細胞間のシグ
ナル伝達にかかわっています。

検証の結果、患者の血中で遊離
型SEMA4D濃度が上昇しており、
その濃度が重症度に相関してい
ることが発見されました。また、
患者さんの白血球において、好
酸球特異的に膜型SEMA4Dが減少
しており、好酸球上のSEMA4Dが
切断され、膜上の発現が低下、
その結果として血中の遊離型SE
MA4D濃度が上昇していたことも
分かりました。好酸球性炎症に
おいて遊離型SEMA4Dがどのよう
な役割を持っているかを検証す
るため、鼻腔上皮細胞株に対す
る刺激実験を行った結果、SEMA
4Dは鼻腔上皮細胞において細胞
内蛋白質のRhoAの活性化を介し
た、透過性の亢進に寄与するこ
とが示されました。

これは、好酸球上に発現してい
るSEMA4Dが、好酸球の活性化に
伴って細胞から遊離し、SEMA内
皮細胞や鼻腔の上皮細胞に働き
かけ、血管や上皮の結合を緩め
て好酸球を通り抜けやすくする
ことが、アレルギー反応を悪化
させ、鼻ポリープの形成に関与
していることを示しています。
さらに、SEMA4Dは、インターロ
イキン6(IL-6)などの炎症を
引き起こすさまざまな分子(サ
イトカイン)を上皮から分泌さ
せることも判明しました。これ
らを踏まえて、好酸球性副鼻腔
炎の動物モデルにおいて、SEMA
4Dに対する抗体を用いて中和実
験を行ったところ、好酸球性炎
症が軽快することを見出しまし
た。「この結果から、血中の遊
離型SEMA4D濃度は、好酸球性副
鼻腔炎の病勢を反映するマーカ
ーとして有用であり、好酸球由
来のSEMA4Dはアレルギー炎症を
増悪させる因子として、好酸球
性副鼻腔炎における新たな治療
ターゲットとなることが考えら
れる」と、研究グループは述べ
ています。

好酸球性副鼻腔炎について解説

している動画です。

 
 


 
 
 軽快な活動を警戒する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 
 金沢大学が2月6日、ストレス
によってなぜコカインに対する
欲求が増大するのかを世界で初
めて明らかにしたと発表したの
は、偉大な業績です。コカイン
のような麻薬は、使用しなくな
ると禁断症状を起こして、欲求
が増大すると考えるのが妥当と
考えていました。しかし、それ
だけではなく、ストレスが加わ
ることによって、再び欲求が、
増大することで、治療が思う様
に捗らないということを知りま
した。本当に、一回依存症にな
ってしまった人には、すこしば
かり、ストレスを与えるだけで
元の木阿弥になり得ることにつ
いて、危ういものだと感じまし
た。
 大阪大学が2月6日、セマフォ
リンという蛋白質が、鼻ポリー
プを形成する難治性のちくのう
症である「好酸球性副鼻腔炎」
の病態形成に重要な役割を果た
しており、治療の標的となるこ
とを明らかにしたと発表したの
は素晴らしい業績です。好酸球
性の難治性蓄膿症として、その
機序が判明し、セマフォリンを
ターゲットにした治療法が確立
されれば、患者さんにとっては、
大きな道しるべとなるのではな
いでしょうか?その治療が好酸
球性肺炎などの同じような病態
を示す病気にも使えれば、なお
喜ばしいことです。

 治療法の確立する確率を論じ
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント