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2020-12-29 23:10:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.1735 令和2年2月27日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)機能的血管構造のあるミニサイズ乳房再構築に成功
2)下肢動脈再狭窄を抑制する薬剤塗布バルーンカテーテル

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 機能的血管構造のあるミニサイズ乳房再構築に成功

 
 
 
 
 
 
 
 京都府立医科大学は1月30日、
患者さんの細胞を用いて機能的
な血管構造を有するミニサイズ
の乳房の再構築に成功し、小動
物への移植実験で高い生着率を
示すことを確認したと発表しま
した。この研究は、大阪大学大
学院工学研究科の松崎典弥教授、
凸版印刷株式会社(先端細胞制
御化学(TOPPAN)共同研究講座)
のFiona Louis(フィオナ ルイ
ス)特任研究員、同大大学院医
学研究科形成外科の素輪善弘講
師の研究グループによるもので
す。

これまで、乳ガン摘出後の乳房
再建術では、シリコン製のイン
プラントを用いた再建が主流で
した。しかし、日本の健康保険
で唯一認可されていたアラガン
社製のインプラントがブレスト・
インプラント関連未分化大細胞
型リンパ腫(BIA-ALCL)の発生
に関連しているとして、アメリ
カ食品医薬品局(FDA )の指示
で2019年7 月24日に、世界中で
販売停止、自主回収となりまし
た。この事態に対し、一般社団
法人日本乳房オンコプラスティ
ックサージャリー学会は緊急声
明を出しており、現在は代替と
なる旧型のインプラントが一部
利用できるようになりましたが、
破損や波うち変形などを引き起
こすリスクが不安視されていま
す。また、患者さん自身の脂肪
細胞を採取して注入する自家組
織再建術も行われていますが、
その生着率は患者さんの背景で
バラツキがあり、課題となって
います。移植のたびに、患者さ
んに負担が生じるという問題も
あります。今回、研究グループ
は、1型コラーゲンのマイクロ
線維(CMF )を用いた独自の沈
殿培養技術を応用し、血管網を
持つミニサイズ(約900μm)の
乳房の再構築に成功しました。
CMF が脂肪細胞と脂肪由来幹細
胞、血管内皮細胞の足場として
機能し、実際に血管網が細胞へ
栄養と酸素を供給します。約10
0 個のミニ乳房を小動物皮下へ
移植することで自発的に集合体
を形成し、従来の吸引脂肪組織
と比較して約2倍高い生着率が
確認されました。患者さん由来
の細胞を用いるため、高い安全
性が期待されるということです。

今回の研究成果は、従来の脂肪
細胞注入法や販売停止となった
インプラントに代わる、高い安
全性と生着率を有する新しい乳
房再生医療技術となることが期
待されています。研究グループ
は、今後、実用化を目指して研
究を進めていくとしています。

今回の研究は、JST 未来社会創
造事業で得られた成果を応用し
て行われました。JST は、平成
29年度より、社会・産業ニーズ
を踏まえ、経済・社会的にイン
パクトのあるターゲット(出口)
を明確に見据えた技術的にチャ
レンジングな目標を設定し、実
用化が可能かどうか見極められ
る段階を目指した研究開発を実
施する事業として未来社会創造
事業を行っています。

脂肪注入による乳房再建につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 製菓を素晴らしくする成果を
出した。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 下肢動脈再狭窄を抑制する薬剤塗布バルーンカテーテル

 
 
 
 
 
 
 BDのグループ会社である株式
会社メディコンは1月23日、末
梢動脈疾患(PAD )による下肢
動脈の再狭窄を抑制する薬剤塗
布バルーンカテーテル「Lutoni
x(R) ドラッグコーティングバ
ルーンカテーテル(大腿膝窩動
脈用)」RXタイプ(以下、ルト
ニックス RX )を2020年2月よ
り全国販売することを発表しま
した。

 下肢末梢動脈疾患は、生活習
慣病や加齢によって足の血管が
細くなったり、血液の流れが悪
くなったりする病気です。重症
化すると足のしびれや痛みで、
歩行が困難になる場合もありま
す。また、下肢を切断しなくて
はならないほど重症化するケー
スや、心筋梗塞や脳卒中につな
がることなどもあります。

 虚血性の下肢末梢動脈疾患で
は、バルーンカテーテルにより
狭窄した血管を拡張する、金属
製ステントを血管内に留置する
といった治療が行われてきまし
たが、バルーンのみによる治療
では1年で約50%が狭窄を再発す
るとされており、金属ステント
治療で再狭窄は減少するものの、
ステント自体が破損する可能性
が指摘されています。

 同製品は、狭窄した血管の病
変部に配置したバルーンを拡張
して血管壁に圧着させることで、
バルーン表面にコーティングさ
れた薬剤「パクリタキセル」が
血管内腔表面に送達され、血管
壁内に拡散する仕組みです。パ
クリタキセルが、血管の再狭窄
を抑制します。

 ルトニックスRXは、欧州で実
施されたLutonix(R) Global SF
A Registryにおいて、実臨床に
おける大腿膝窩動脈病変に対す
る治療1年後の再治療回避率94
.1%、2年後の再治療回避率90.
3%であることが示されています。

 同製品のバルーンは、耐久性
のあるコーティングにより、取
扱中の薬剤剥離を制限し、患者
さんや医療従事者への不要な薬
剤暴露を低減します。また治療
効果に必要十分な濃度の薬剤(
2μg/mm2)が塗布されており、
薬剤の半減期が6~7時間と短い
のが特徴です。また、日本国内
で標準的に使用されている径0.
014 インチのガイドワイヤに対
応しています。対応ガイドワイ
ヤ径は従来品に比べて約60%細
く(同社製品比)、これにより
穿刺部の侵襲を低減するととも
に、屈曲した病変部にカテーテ
ルを通す操作性が向上したとい
うことです。

 同社は、ルトニックスRXにつ
いて、バルーンカテーテルの簡
便さとステントの再狭窄率の低
さを兼ね備えた製品として、PA
D 患者さんの予後向上に貢献す
るものと考える、としています。

下肢動脈閉塞症について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 工場で生産性向上の目標を定
めた。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 京都府立医科大学は1月30日、
患者さんの細胞を用いて機能的
な血管構造を有するミニサイズ
の乳房の再構築に成功し、小動
物への移植実験で高い生着率を
示すことを確認したと発表した
のは、喜ばしいことです。これ
まで、乳ガン摘出後の乳房再建
術では、シリコン製のインプラ
ントを用いた再建が主流でした
が、しかし、日本の健康保険で
唯一認可されていたアラガン社
製のインプラントがブレスト・
インプラント関連未分化大細胞
型リンパ腫(BIA-ALCL)の発生
に関連しているとして、アメリ
カ食品医薬品局(FDA )の指示
で2019年7 月24日に、世界中で
販売停止、自主回収となったた
め、乳房再建術ができない、あ
るいは、旧型のものを使うため、
副作用が心配という状況でした。
それをブレイクスルーするこの
ニュースは、乳房再建術を待ち
望む女性にとって大きな福音と
なることでしょう。
 BDのグループ会社である株式
会社メディコンが1月23日、末
梢動脈疾患(PAD )による下肢
動脈の再狭窄を抑制する薬剤塗
布バルーンカテーテル「Lutoni
x(R) ドラッグコーティングバ
ルーンカテーテル(大腿膝窩動
脈用)」RXタイプ(以下、ルト
ニックス RX )を2020年2月よ
り全国販売することを発表した
のは、喜ばしいことです。末梢
動脈の閉塞疾患を持つ人や糖尿
病の壊疽・潰瘍を患っている人
には、朗報と言えましょう。虚
血性の下肢末梢動脈疾患では、
バルーンカテーテルにより狭窄
した血管を拡張する、金属製ス
テントを血管内に留置するとい
った治療が行われてきましたが、
バルーンのみによる治療では、
1年で約50%が狭窄を再発すると
されていることは初耳でした。
その成績を飛躍的に向上する鍵
となるのが、このバルーンカテ
ーテルだと認識しています。

 欠陥のある血管を探さない。


 
 
 
 
 
 
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