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2020-11-21 00:12:41

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診療マル秘裏話  号外Vol.1701 令和2年1月18日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)画像強調内視鏡観察が胃ガンリスク評価に有用
2)咀嚼で大脳マイネルト神経活性化,大脳皮質血流増加

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 画像強調内視鏡観察が胃ガンリスク評価に有用

 
 
 
 
 
 
 
 京都府立医科大学は12月24日、
レーザー光による画像強調内視
鏡観察(Linked color imaging)
が、ピロリ菌除菌後に発見され
る胃ガンのリスク評価に有用で
あることを明らかにしたと発表
しました。この研究は、同大大
学院医学研究科消化器内科学の
間嶋淳研修員、土肥統助教、内
藤裕二准教授、伊藤義人教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は、科学雑誌「Gastro
intestinal Endoscopy」に掲載
されています。

現在、日本において胃ガンは罹
患数が2番目に多いガンです。
多くの胃ガンの原因はピロリ菌
であり、胃ガン予防のためにピ
ロリ菌の除菌が有効であること
が分かっています。しかし、ピ
ロリ除菌後にも胃ガンが発症す
ること(除菌後胃ガン)がしば
しばあり、除菌後胃ガンによる
死亡を減少させるためには、そ
ういった胃ガンの発症リスクが
高い人を明らかにする必要があ
ります。

近年、内視鏡検査で胃粘膜の状
態を評価すること(内視鏡所見)
で胃ガンのリスクを判定する方
法が注目を集めています。内視
鏡機器の技術革新はめざましく、
より正確に消化管のガンを発見
し診断することなどを目的とし
て、さまざまな特殊光による観
察(画像強調観察)が開発され
ています。2012年には富士フイ
ルム株式会社がレーザー光源を
用いた内視鏡システムを開発し、
画像強調観察であるLinked col
or imaging (以下、LCI)モード
が日常臨床に応用されるように
なりました。研究グループはこ
れまでに、通常観察と比較して、
LCI を用いることによりピロリ
菌感染を示唆する内視鏡所見を
認識しやすくなることを報告し
ています。しかし、この新しい
画像強調観察であるLCI を用い
た内視鏡所見によるピロリ除菌
後の胃ガンリスク評価について
はあまり報告がないのが現状で
す。今回の研究では、ピロリ除
菌後に京都府立医科大学附属病
院で胃ガンスクリーニングのた
めに胃カメラを受けた患者さん
を対象に、除菌後胃ガンが見つ
かった症例(109 人)と除菌後
胃ガンがない症例(85人)の内
視鏡所見の違いについて比較し
ました。除菌後胃ガンが見つか
った症例に多く見られる内視鏡
所見を解析、ピロリ除菌後に胃
ガンが発症するリスクを判定し
ました。

結果、除菌後胃ガンが見つかっ
た症例では、有意に「地図状発
赤」という所見がみられました。
逆に除菌後胃ガンがない症例で
は、有意に「regular arrangem
ent of collecting venules(R
AC)」という所見がみられると
いうものでした。「地図状発赤」
がある症例は、「地図状発赤」
がない症例に比べて、3.6 倍も
除菌後胃ガンが見つかることも
明らかになりました。さらに「
地図状発赤」は、通常のモード
(白色光、white light imagin
g; WLI)を使って観察するより
もLCI を用いる方がより正確に
評価ができることが分かりまし
た。

これまでもピロリ除菌後の胃が
んのリスクとなる内視鏡所見の
報告はありましたが、今回新た
に地図状発赤がリスクであるこ
とが分かりました。さらに地図
状発赤についてはLCI を用いる
方が見やすく、これまで通りの
観察では胃ガンのリスクを過少
評価してしまう可能性が示唆さ
れました。「本研究成果により、
LCI を用いた胃ガンリスクの正
確な評価が日本だけでなく世界
に広がり、最終的にそのことが
より多くの胃ガンの早期発見・
治療につながることが期待され
る」と、研究グループは述べて
います。

胃ガンの診断についての講演

動画です。

 
 


 
 
 
 胃ガンのため依願退職した。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 咀嚼で大脳マイネルト神経活性化,大脳皮質血流増加

 
 
 
 
 
 
 
 東京都健康長寿医療センター
研究所は12月25日、咀嚼によっ
て大脳のマイネルト神経が活性
化され、大脳皮質の血流量が著
しく増加するという新たなメカ
ニズムを明らかにしたと発表し
ました。これは同センターの堀
田晴美研究部長らの研究グルー
プによるものです。成果は脳循
環代謝の国際ジャーナル「Jour
nal of Cerebral Blood Flow a
nd Metabolism 」に掲載されて
います。咀嚼は、摂食・消化を
助けるだけでなく、覚醒作用や
認知機能の向上など、脳の働き
にも有益な作用があるといわれ
ています。これまで咀嚼中に大
脳の血流量が増加することはわ
かっていましたがその仕組みは
不明でした。研究グループは、
大脳皮質の血流量調節において、
大脳のマイネルト神経細胞が関
わっていること、さらに歩行す
るとこの神経細胞が活性化され、
脳血流が増えることをこれまで
に示してきました。この神経は
認知機能に重要で、アルツハイ
マー型認知症ではこの神経細胞
が変性・脱落してしまうことが
知られています。これをふまえ、
研究グループは「咀嚼は歩行と
同様にリズム運動の一つで、咀
嚼でもマイネルト神経細胞が活
性化されて脳の血流量を増やす
のではないか」と予想し、研究
を行いました。はじめに、麻酔
ラットで咀嚼を起こす大脳皮質
の咀嚼野を電気刺激して、脳の
血流量とマイネルト神経細胞の
活動との関係を調べました。麻
酔ラットの大脳皮質咀嚼野に電
極を埋め込み電気刺激を加える
と、大脳皮質の前頭葉や頭頂葉
で50%近くも血流量が増加しま
した。このとき、マイネルト神
経細胞の活動が著しく増加する
こと、マイネルト神経細胞が活
動できなくする処置を施すと、
咀嚼野の刺激による脳血流増加
反応が小さくなってしてしまう
ことも分かりました。

この反応は咀嚼筋の収縮によっ
て脳が刺激されたことによるも
のなのかを調べるため、筋が収
縮しなくなる薬を投与してから
咀嚼野の刺激をしました。する
と、筋は動かないにもかかわら
ず、脳血流は薬の投与前と同じ
ように増加していたことが分か
りました。

これらの結果から、大脳皮質咀
嚼野がはたらくとき、つまり自
分の意志で咀嚼しようとすると
き、認知機能に重要なマイネル
ト神経細胞が活性化し、大脳皮
質の広範な領域で血流量が増加
すること、しかもこの反応には、
咀嚼筋が、どのように動くかは
関係していないことが新たに分
かりました。咀嚼をイメージす
るだけで、実際に咀嚼するのと
同じように、脳が活性化されう
ると考えられます。「この結果
は、イメージトレーニングを生
かした、高齢者の認知症予防の
新しい方法の開発につながると
期待される」と、研究グループ
は述べています。

咀嚼と認知症の関係について、

解説している動画です。

 
 


 
 
 
荒城の月を歌って認知機能の
向上を図る。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 京都府立医科大学が12月24日、
レーザー光による画像強調内視
鏡観察(Linked color imaging)
が、ピロリ菌除菌後に発見され
る胃ガンのリスク評価に有用で
あることを明らかにしたと発表
したのは、素晴らしい業績です。
ピロリ除菌後にも胃ガンが発症
すること(除菌後胃ガン)がし
ばしばあり、除菌後胃ガンによ
る死亡を減少させるためには、
そういった胃ガンの発症リスク
が高い人を明らかにする必要が
あるということは初耳でした。
ただピロリ菌除菌と一口に言っ
ても、抗生物質を使うものと、
パプラールという内服のサプリ
メント(清涼飲料水に分類)で
は、ちがうのではないかと考え
られます。抗生物質による除菌
では、腸内細菌叢のを乱す影響
を考えなければなりませんが、
パプラール内服では、腸内細菌
叢をむしろ整える良い影響が出
ると考えられるからです。
 東京都健康長寿医療センター
研究所が12月25日、咀嚼によっ
て大脳のマイネルト神経が活性
化され、大脳皮質の血流量が著
しく増加するという新たなメカ
ニズムを明らかにしたと発表し
たのは、偉大な業績です。咀嚼
は、摂食・消化を助けるだけで
なく、覚醒作用や認知機能の向
上など、脳の働きにも有益な作
用があるといわれていて、これ
まで咀嚼中に大脳の血流量が増
加することは分かっていました
がその仕組みは不明だったこと
を考えると大きな進歩と言える
でしょう。大脳皮質咀嚼野がは
たらくとき、つまり自分の意志
で咀嚼しようとするとき、認知
機能に重要なマイネルト神経細
胞が活性化し、大脳皮質の広範
な領域で血流量が増加すること、
しかもこの反応には、咀嚼筋が、
どのように動くかは関係してい
ないことが新たに分かったと言
うことで、しかも咀嚼をイメー
ジするだけで、実際に咀嚼する
のと同じように、脳が活性化さ
れうると考えられるということ
は人間の持っている素晴らしい
能力を発掘したと言っても過言
ではないと思われます。

 医師の巌のごとき固き意思を
感じた。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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