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2020-11-05 22:07:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.1688 令和2年1月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)リキッドバイオプシー で簡便、高精度の診断モデル作成
2)既存薬がフェロトーシスを抑制する作用を有す

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 リキッドバイオプシー で簡便、高精度の診断モデル作成

 
 
 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは12月
9日、通常CTやMRI などの画像
で診断される脳腫瘍について、
血液を用いたリキッドバイオプ
シーによる、簡便かつ高い精度
の診断モデルの作成に成功した
と発表しました。これは同セン
ター中央病院脳脊髄腫瘍科の大
野誠医員らと、東京医科大学医
学総合研究所分子細胞治療部門
の落谷孝広教授が共同で行った
研究によるものです。成果は「
JAMA Network Open 」に掲載さ
れています。近年の研究で、ガ
ンなどの疾患に伴い、患者さん
の血液中でマイクロRNA の種類
や量が変動することが明らかに
なっており、患者さんへの負担
が少ない診断バイオマーカーと
して期待されています。同セン
ターは、卵巣ガンや食道ガンの
早期検出、骨軟部腫瘍の良悪性
の識別などの研究成果をこれま
でに発表しています。本研究は
脳腫瘍、特に悪性神経膠腫に特
異的なバイオマーカーを同定す
ることを目指し実施されました。
研究グループはまず、脳腫瘍を
有する266例と、有さない314例、
計580例の血清中のマイクロRNA
を網羅的に解析しました。特に
頻度の高い悪性神経膠腫の鑑別
を目指すため、悪性神経膠腫15
7 例、悪性神経膠腫以外の脳腫
瘍109 例それぞれも解析しまし
た。その結果、悪性神経膠腫で
有意に変化する複数のマイクロ
RNAを同定し、そのうち3種のマ
イクロRNA を組み合わせること
で悪性神経膠腫を判別できる判
別式(グリオーマ判別式:「Gl
ioma Index」)を作成しました。

このグリオーマ判別式は、悪性
神経膠腫以外の脳腫瘍109 例の
検証において、上衣腫・毛様細
胞性星細胞腫などの腫瘍100%、
中枢神経系原発悪性リンパ腫93
%、転移性脳腫瘍89%、髄膜腫・
神経鞘腫91%、頭部外傷・脳梗
塞100%の患者群を陽性と診断す
る一方で、2例の脊髄の神経鞘
腫はいずれも陰性と診断しまし
た。このグリオーマ判別式は悪
性神経膠腫を含む脳腫瘍の診断
に役立つ可能性が考えられると
いうことです。

さらに研究グループは、画像所
見からは区別がつきにくい、膠
芽腫、中枢神経系原発悪性リン
パ腫、転移性脳腫瘍について、
グリオーマ判別式と同様の統計
学的手法を用いてこの3種類の
腫瘍を判別するマイクロRNA の
組み合わせ判別式(3種類の脳
腫瘍の判別式:「3-Tumor Inde
x」) を作成しました。組み合
わせ判別式は48種類のマイクロ
RNA で構成され、解析対象例を
探索群と検証群の2つに分け精
度を検証した結果、同モデルは
膠芽腫の94%、中枢神経系原発
悪性リンパ腫の50%、転移性脳
腫瘍の80%を正しく判別しまし
た。

「脳腫瘍診断血液スクリーニン
グの実現は、脳腫瘍の早期発見・
早期治療介入による予後の改善
が期待できるとともに、リキッ
ドバイオプシーを用いた低侵襲
な脳腫瘍診断や治療効果モニタ
リングの実現に大きな前進をも
たらす成果である」と、研究グ
ループは述べています。

マイクロRNAについて解説して

いる講演動画です。

 
 


 
 
 全身全霊で匍匐前進する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 既存薬がフェロトーシスを抑制する作用を有す

 
 
 
 
 
 
 
 東北大学は12月6日、かぜ薬
の成分でもあるプロメタジンや
抗菌薬であるリファンピシンな
どのさまざまな既存薬が、フェ
ロトーシスを抑制する作用を有
していることを発見し、急性腎
障害や肝障害のモデルマウスで
症状を軽減する効果があること
を明らかにしたと発表しました。
この研究は、同大大学院医学系
研究科 腎高血圧 内分泌学分野
の三島英換院内講師、同大大学
院医工学研究科の阿部高明教授
らが、同大大学院農学研究科仲
川清隆教授、九州大学大学院薬
学研究院 山田健一教授の研究
グループと共同で行ったもので
す。研究成果は、米国腎臓学会
誌「Journal of the American
Society of Nephrology 」の電
子版に掲載されています。フェ
ロトーシスは、脂質の過酸化が
引き金となって起きる細胞死の
ひとつであり、急性の臓器障害
やパーキンソン病といった神経
変性疾患などの原因に関わると
考えられていることから、フェ
ロトーシスを抑制する薬剤の開
発が望まれています。過去の研
究から、異物・薬物の代謝酵素
である「シトクロームP450ファ
ミリー」によって代謝される薬
剤の一部は、脂質の過酸化を抑
制する作用を持つことが知られ
ています。脂質酸化を抑制し得
る薬剤は、フェロトーシスを抑
える効果が期待されるため、研
究グループは、シトクロームP4
50ファミリーの基質となる薬剤
の中から、フェロトーシスを抑
制する作用を持つ薬剤を探索し、
その治療効果を急性臓器障害実
験で検証しました。培養細胞を
用いた薬剤探索の結果、かぜ薬
の成分であるプロメタジンや抗
菌薬のリファンピシンなど、さ
まざまな既存薬がフェロトーシ
スを抑制することを明らかにし
ました。また、共同研究者であ
る九州大の山田教授が開発した
脂質ラジカルを特異的に検出す
る試薬「NBD-Pen」により、こ
れらの薬剤が脂質ペルオキシラ
ジカルを消去することでフェロ
トーシスを抑えていることを明
らかにしました。さらに、低濃
度でもフェロトーシス抑制作用
を示すプロメタジンやリファン
ピシンは、急性腎障害や急性肝
障害モデルマウスにおいても、
フェロトーシスを抑えることで
腎障害や肝障害を軽減している
ことも判明しました。

今回、臨床で既に使用されてい
る既存の承認薬の中からフェロ
トーシス細胞死を抑制する薬剤
を見つけたことで、今後これら
の薬剤がドラッグ・リポジショ
ニングとして、フェロトーシス
が関わる病態の治療薬の応用や
発展に貢献することが期待され
ます。また、同研究で用いた薬
剤と評価法が、有効なフェロト
ーシス抑制薬の探索や評価方法
として応用されていくことも期
待されます。

ヨモギの有効成分とトランスフ

ェリンを結合させた物質を乳ガ

ンのモデルラットに投与した所

乳ガンの増殖が抑えられたと言

っている所があります。まさに

フェロトーシスを抑制している

のではないでしょうか?

 
 


 
 
 八点の個展から大展覧会に、
発展する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 国立ガン研究センターが12月
9日、通常CTやMRI などの画像
で診断される脳腫瘍について、
血液を用いたリキッドバイオプ
シーによる、簡便かつ高い精度
の診断モデルの作成に成功した
と発表したのは素晴らしい業績
です。脳腫瘍を発見するのは、
決まって病期が進んだ時に画像
診断でというお決まりのコース
が覆される可能性が高くなりま
した。脳腫瘍は、良性であって
もできた部位が頭蓋底など悪い
所であると根治は、おろか手術
も困難ということになりかねま
せん。手術上の困難を個人的な
スキルと経鼻術式で突破しつつ
あるといえども、大変な病気で
あることは否めません。しかし、
リキッドバイオプシーで、早期
発見、早期治療が徹底されれば、
救命率が高くなること間違いな
いと確信しています。
 東北大学が12月6日、かぜ薬
の成分でもあるプロメタジンや
抗菌薬であるリファンピシンな
どのさまざまな既存薬が、フェ
ロトーシスを抑制する作用を有
していることを発見し、急性腎
障害や肝障害のモデルマウスで
症状を軽減する効果があること
を明らかにしたと発表したのは、
偉大な業績です。フェロトーシ
スは、脂質の過酸化が引き金と
なって起きる細胞死のひとつで
あり、急性の臓器障害やパーキ
ンソン病といった神経変性疾患
などの原因に関わると考えられ
ているということすら私には、
初耳でした。今回、臨床で既に
使用されている既存の承認薬の
中からフェロトーシス細胞死を
抑制する薬剤を見つけたことで、
今後これらの薬剤がドラッグ・
リポジショニングとして、フェ
ロトーシスが関わる病態の治療
薬の応用や発展に貢献すること
に大いに期待したいと思います。

 素手に、既に見つかっている
薬を握りしめた。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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