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2020-11-04 21:57:05

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診療マル秘裏話  Vol.784 平成30年12月19日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)アボカド由来の脂肪酸が白血病細胞の増殖を抑制
2)AMD治療薬候補の臨床試験の臨床ステージ上昇企画

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 アボカド由来の脂肪酸が白血病細胞の増殖を抑制

 
 
 
 
 
 
 
 順天堂大学は11月21日、アボ
カドから抽出した成分の脂肪酸
avocatin Bが白血病ガン細胞の
脂肪酸代謝を阻害してガン細胞
の増殖を抑制すること、さらに、
白血病化学療法薬(抗ガン剤)
との併用により抗ガン効果を高
めることを発見したと発表しま
した。この研究は、同大大学院
医学研究科臨床病態検査医学の
田部陽子特任教授らと、米国MD
アンダーソンガンセンターのマ
リナ・コノプレバ教授、カナダ
ゲルフ大学のポール・スパヌオ
ロ博士らとの共同研究によるも
のです。研究成果は、英国科学
雑誌「Scientific Reports」オ
ンライン版にて公開されました。

 白血病を含むガンは高齢者に
多発する疾患ですが治療の選択
肢や抗ガン剤投与量が制限され、
十分な治療効果を得ることがで
きない場合が多くあります。そ
のため、高齢患者さんに適用で
きる副作用の少ない新しいガン
治療戦略が求められていました。
白血病ガン細胞は骨髄微小環境
の中で増殖したり、抗ガン剤に
対する抵抗性を獲得したりしま
す。研究グループはこれまでに、
白血病ガン細胞が加齢に伴って
増加する骨髄脂肪細胞との相互
作用によって脂肪酸代謝を亢進
させ、骨髄内で独自のエネルギ
ー代謝を行うことで抗ガン剤へ
の耐性を獲得することを見出し
ていました。

 一方、最近見つかったアボカ
ド由来の成分の奇数炭素脂肪酸
であるavocatin Bは、偶数炭素
脂肪酸と比較して酸化効率が低
いため、競合作用によって細胞
の脂肪酸代謝を阻害する物質で、
生体に副作用が極めて少ない事
が特徴であるとされていました。

 研究グループは高齢者の骨髄
中には、ガン細胞のエネルギー
源となり得る脂肪酸が豊富に存
在することから、脂肪酸代謝を
阻害するavocatin Bがガン細胞
のエネルギー代謝の阻害剤にな
る可能性があると推測しました。
そこで、今回の研究では、avoc
atin Bが新しい白血病治療薬と
なり得る可能性を検証するため
に、白血病ガン細胞の代謝への
影響と抗ガン効果(抗腫瘍効果)
について調べました。まず細胞
計数法と細胞周期解析を用いて、
avocatin Bが、単独培養状態の
急性骨髄性白血病ガン細胞の細
胞死誘導や細胞増殖を阻害する
ことを確認しました。次に、骨
髄微小環境下を再現するため、
骨髄脂肪細胞と白血病ガン細胞
を共培養した状態でのavocatin
Bの効果を比較検討しました。

 その結果、骨髄脂肪細胞との
共培養によって白血病ガン細胞
に対する、avocatin Bの細胞死
誘導および細胞増殖阻害効果は
いずれも減弱されています。こ
のとき、骨髄脂肪細胞との共培
養下では、avocatin B投与後に
白血病ガン細胞の脂肪酸代謝が
阻害される一方、遊離脂肪酸や
糖の取り込みが増強し、解糖系
代謝が高まることが質量解析法
により明らかになりました。

 今回の研究で、骨髄微小環境
において、白血病ガン細胞が脂
肪酸代謝阻害に対しさまざまな
適応機構を作動させ、バイパス
となる代謝経路を活性化させる
ことにより、ガン細胞が生き残
ることが判明しました。これは、
抗ガン剤を単独で用いた場合に
生じるガンの薬剤耐性機構の一
端を示すものです。さらに、脂
肪酸代謝阻害剤のavocatin Bを
抗ガン剤と組み合わせた際に、
相乗的な抗ガン効果を発揮する
ことも発見しました。

 avocatin Bの脂肪酸の代謝制
御は、従来の化学療法薬の併用
療法として白血病領域にとどま
らず高齢者のガン代謝制御治療
に活用できる可能性があること
が明らかとなりました。また、
脂肪酸代謝は、ガン微小環境で
生き残るガン細胞が依存する場
合があることが知られており、
全ての年齢層で求められるガン
の再発予防治療薬としての効果
も期待できます。今後はモデル
動物などを用いて脂肪酸の代謝
制御による生体内での抗ガン効
果を確認していく予定としてい
ます。

アボカドの健康効果について、

解説している動画です。

 
 


 
 
 内科学会会頭が解糖系に言及
する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 AMD治療薬候補の臨床試験の臨床ステージ上昇企画

 
 
 
 
 
 
 
 リボミック(東京都港区、中
村義一社長)は、加齢黄斑変性
(AMD)の治療薬として自社
開発している核酸医薬品候補「
RMB-007」の臨床ステー
ジを引き上げます。現在は米国
で9人を対象にした臨床試験が
進行中ですが、来年夏をめどに
200人での国際共同治験に移
行します。早期に導出し、得た
資金力で他の製品開発にも力を
入れます。

 同社は核酸医薬の一種である
アプタマー医薬に特化したベン
チャーでRMB-007は臨床
試験まで進んだ唯一の製品です。
AMD薬の既存薬である「アイ
リーア」「ルセンティス」とは
作用機序が異なり、投与回数を
減らせる可能性があります。

 AMDに向けた米国での第1
相/前期第2相試験を今年始め
ており、既存薬が効かない患者
さんを対象に安全性などを確認
中です。この試験が来年夏にも
終わる見込みで、次いで後期第
2相試験(P2b)に入ります。
AMD患者さんは白人に多いの
ですが米国だけでは患者数が限
られるため、欧州を含めた国際
共同治験となりそうということ
です。

 AMDの市場規模は1兆円規
模とされ、アイリーアとルセン
ティスが独占しています。両剤
が「VEGF」を阻害するのに
対し、RMB-007は「FG
F2」を阻害します。なお米ア
イオニスもVEGF以外を狙っ
たAMD治療薬の開発を第1相
試験まで進め、10月にスイス・
ロシュに導出しました。

 中村社長は11月19日の第2四
半期決算会見で両社に言及し、
「あのような(早期での)提携
関係が理想」としたが、まずは
独力で次の段階に進める構えで
す。またRMB-007は軟骨
無形成症でも前臨床段階にあり、
大阪大学などと共同研究を進め
ています。AMDでの導出が奏
功すれば次の臨床開始に弾みが
つきます。

加齢黄斑変性症について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 減給に言及した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 アボカドから抽出した成分の
脂肪酸avocatin Bが白血病ガン
細胞の脂肪酸代謝を阻害して、
ガン細胞の増殖を抑制すること、
さらに、白血病化学療法薬(抗
ガン剤)との併用により抗ガン
効果を高めることを発見したと
発表したのは偉大な業績です。
ただ抗ガン剤との併用により抗
ガン効果を高めるということに
ついては、あまりこの併用をお
勧めできません。既存の抗ガン
剤の使い方が、あまり適正でな
い日本では、適正でない使い方
のまま、avocatin Bとの併用が
進められる可能性があるからで
す。抗ガン剤の適正な使い方と
は、時間治療学に基づいたもの
とDDS に基づいたものが存在し
ます。
 加齢黄斑変性(AMD)の治
療薬として自社開発している核
酸医薬品候補「RMB-007」
の臨床ステージを引き上げ来年
夏をめどに、200人での国際
共同治験に移行するというのは、
本当にすばらしい企画だと思い
ます。AMDの市場規模は1兆
円規模とされ、アイリーアとル
センティスが独占していて両剤
が「VEGF」を阻害するのに
対し、RMB-007は「FG
F2」を阻害するという機序が
全く違う製品で勝負するという
ことが見てとれます。FGF1とFG
F2は血管内皮細胞の増殖促進と
筒状構造への組織化、すなわち
血管新生(既存の血管系からの
新しい血管の成長)を促進する
重要な機能を持ち、その効果は
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)や
血小板由来成長因子(PDGF)など
の血管形成因子よりも高いとさ
れているそうですから期待が持
てそうです。

 昨日の重要な機能を考慮する。


 
 
 
 
 
 
 
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