最近の号外Vol.1665メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.1665メルマガ

2020-10-09 23:45:50

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1665 令和1年12月7日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)妊婦黄砂曝露で常位胎盤早期剥離が惹起された
2)エイズは治療の進歩により死の病ではなくなった

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】妊婦黄砂曝露で常位胎盤早期剥離が惹起された

 
 
 
 
 
 
 
 東邦大学は11月8日、ヒトを
対象としたデータを統計的に分
析した疫学研究から、妊婦が黄
砂にさらされると、常位胎盤の
早期剥離が発生し出産が増加し
ている可能性があることを発表
しました。この研究は、同大医
学部社会医学講座衛生学分野の
道川武紘講師、西脇祐司教授ら
の研究グループが、九州大学大
学院医学研究院、国立環境研究
所と共同で行ったものです。研
究成果は産科婦人科学専門誌「
An International Journal of
Obstetrics and Gynaecology(
BJOG)」に掲載されています。
アジア内陸部の砂漠由来の砂ぼ
こりが偏西風に乗って日本を含
む東アジアの国々に飛来する黄
砂は、微生物や大気汚染物質を
巻き込んで日本に到達するため、
ヒトへの健康影響が心配されて
います。黄砂飛来後は呼吸器や
循環器の急性疾患が増加すると
いう研究報告がありますが、妊
婦自身やおなかの子どもへの影
響については不明でした。

研究グループは、妊婦への健康
影響として、産科救急疾患であ
る常位胎盤早期剥離に注目しま
した。全妊婦の1%ほどに発生す
るとされる早期剥離によって、
妊婦については出血が多くなる、
胎児については胎盤を通した酸
素や栄養供給が絶たれ、母と子
と両方の命に関わることが知ら
れています。発生機序はわかっ
ていませんが、もともと形成不
全のある胎盤に炎症などの刺激
が加わることで胎盤血管から出
血が起こり、時間とともに大き
くなる血のかたまりによって胎
盤が子宮の壁からはがれてくる
のではないかという学説があり
ます。これを踏まえ、妊婦が黄
砂にさらされると全身性の炎症
が起こり早期剥離を起こしやす
くなるのではないかと仮説を立
て、検証を行いました。研究グ
ループはまず、調査対象となる
地域と期間を設定し、黄砂飛来
の日を定めました。地域は宮城
県、茨城県、千葉県、東京都、
新潟県、富山県、大阪府、島根
県、長崎県の9都府県です。こ
れらはいずれも「ライダー」と
呼ばれる黄砂の濃度分布(上空)
を計測できる装置が設置されて
いる地域です。また、PM2.5 よ
り大きめの粒子を含む浮遊粒子
状物質の濃度を考慮し、2009~
2014年の6年間から飛来したと
推測される日を定めました。

出産に関するデータは、日本産
科婦人科学会(周産期委員会)
による周産期登録データベース
を用いました。対象の9都府県
で2009~2014年にかけてこの登
録事業に協力した113 病院から
得られた単胎出産妊婦3,014 人
について、妊娠年齢、喫煙、血
圧などの影響と、気象要因(気
温、湿度、気圧)を考慮し、出
産日を起点に1~6日前の黄砂が
早期剥離を伴う出産と関連して
いるのか検討しました。前提と
して、早期剥離発生から出産ま
で1日以内としました。

その結果、出産の1~2日前(前
日と2日前のいずれかあるいは
両方)に黄砂が飛来していた場
合、黄砂がない日と比較して早
期剥離が40%増加(95%信頼区間:
0~100% )していました。また、
黄砂飛来時には二酸化窒素、二
酸化硫黄や光化学オキシダント
などの大気汚染物質の濃度が高
くなる傾向があるため、統計学
的にそれらの要因の影響を取り
除いて分析しました。この結果
も、黄砂と早期剥離の関連性が
認められました。また、妊娠35
週以降の緊急分娩に絞ると、増
加率60%(95%信頼区間:0~170
%)でした。

推察される機序として、黄砂と
ともに飛来する微生物の中に「
グラム陰性桿菌」が含まれ、こ
れにより妊婦に炎症が起こり早
産を誘発した可能性や、または、
大気汚染物質中の二酸化窒素が
早期剥離に影響した可能性もあ
るということです。あるいは、
黄砂により喘息症状が悪化し、
それが早期剥離を引き起こした
とも考えられます。

同研究結果は、早期剥離の発症
機序を解明する糸口になる可能
性があります。研究グループは
「今後も妊婦やその子どもの健
康に影響する環境因子を明らか
にしていくことで、母子保健の
向上を目指す取り組みにつなげ
ていきたいと考えている」と、
述べています。

常位胎盤早期剝離について解説

している動画です。

 
 


 
 
 向上性を工場で上げるために
恒常性をとりあげる。   笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 エイズは治療の進歩により死の病ではなくなった

 
 
 
 
 
 
 12月1日は「世界エイズデ
ー」です。かつて「不治の病」
といわれたエイズは治療の進歩
によって、もはや死の病ではな
くなりました。しかし、患者さ
んがいなくなったわけではあり
ません。熊本大学ヒトレトロウ
イルス学共同研究センターの松
下修三教授は「とにかく早期発
見と治療が大事だ」と力説しま
す。厚生労働省エイズ動向委員
会によると、2018年の新規HI
V(ヒト免疫不全ウイルス)感
染者・エイズ患者の報告数は13
17件で、2年続けて減少してい
ます。感染経路の70%以上を性
的接触が占め、その多くが男性
同性間の性的接触によるものだ
とされています。HIVは免疫
機能の中枢であるヘルパーTリ
ンパ球(CD4細胞)という白
血球を攻撃し、免疫力を低下さ
せます。免疫力の低下により、
本来は自分の力で抑えられる病
気を発症するようになります。
これがエイズという病気です。

 HIVに感染して2~4週間
後に発熱や咽頭炎、リンパ節の
腫れ、頭痛などの症状が出るこ
とがありますが、ほとんどの場
合は無症状です。さらに症状が
出ても「インフルエンザの症状
と似ており、HIV感染を疑う
症状がない」と、松下教授は診
断の難しさを指摘しました。

 恐ろしいのは、エイズ脳症や
口腔・食道カンジダ症、ニュー
モシスチス肺炎、サイトメガロ
ウイルス網膜炎などいった疾患
です。ただ、きちんとした治療
を受けていれば、パートナーに
感染することはありません。社
会が「自己責任」を追及してい
けばいくほど、感染者は増えま
す。自己責任を声高に唱えるだ
けではなく、性の多様性を受け
入れられる社会の方がよいので
はないか。松下教授はこう主張
しています。

 日本では血液感染はほぼゼ
ロだ。母子感染も母親を治療す
れば、子どもに移ることはなく、
ゼロにできる」

 進歩してきた治療は、英語の
略称で「ART」と呼ばれる抗
ウイルス療法です。エイズが大
騒ぎになった当初、抗エイズ薬
は「AZT(アジドチミジン)
しかなく、高価でした。松下教
授は「クラス(作用)の異なる
ウイルス薬を組み合わせ、多剤
併用をする」と説明し、「昔と
違い、1日1回服用すればよい
ので患者の負担は少ない。副作
用も少なく、HIVが耐性を獲
得しにくい」と話しています。

 その結果、HIV感染者の平
均寿命は一般の人の平均寿命に
近付きました。HIV検査は、
ほとんどの保健所において無料
で受けることができます。匿名
でプライバシーも保てます。検
査は少量の採血で行い、保健所
によっては他の性病検査を同時
に受けることも可能です。希望
すれば、医療機関での検査や自
宅から郵送する検査といった方
法もありますが、これらは有料
です。

 「検査なくして予防なし。早
期診断、早期治療は個人にとっ
ても、社会にとっても大きな利
益をもたらす。新規感染者を減
らすためには、検査のオプショ
ンを増やして検査への敷居を下
げる必要がある」。松下教授は
こう力を込めました。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 
 狩野さんが絵を描くことは、
可能と言った。      笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 東邦大学が11月8日、ヒトを
対象としたデータを統計的に分
析した疫学研究から、妊婦が黄
砂にさらされると、常位胎盤の
早期剥離が発生し出産が増加し
ている可能性があることを発表
したのは偉大な業績です。早期
剥離の原因として、多いものは、
喫煙です。妊娠して、自分の子
を産むというのに、タバコを吸
うのは、生まれてくる子どもに
対して申し訳が立たないと私は
考えています。黄砂を無くする
ことは、無理ですが、妊婦さん
がタバコを止めるのは、できる
ことだと確信しています。
 12月1日は「世界エイズデ
ー」でありかつて「不治の病」
といわれたエイズは治療の進歩
によって、もはや死の病ではな
くなくなったというのは本当に
凄いことだと思います。しかし、
免疫の中枢のリンパ球が障害さ
れるので、恐ろしい病気である
ことには変わりがありません。
肝炎ウイルスのように、内服薬
を飲むことだけで容易に治すこ
とができれば、どんなに良い事
かと考えています。しかしなが
ら、何時かエイズに罹っても、
心配することは、何もないと言
える位に医療が進歩しているこ
とに期待したいと思います。

 用意周到に準備し、容易に、
勝利を獲得する。     笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。