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2020-10-03 21:38:23

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診療マル秘裏話  号外Vol.1660 令和1年12月1日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)肺転移超早期段階では、血管の薬剤送達は無効
2)ASD と健常者の嗅覚脳活動時間的・領域的違い

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】肺転移超早期段階では、血管の薬剤送達は無効

 
 
 
 
 
 
 
 東北大学は11月6日、ガンに
おける肺転移の超早期段階では、
血管を介する従来の薬剤送達は、
治療には有効でないことが示さ
れたと発表しました。この研究
は、同大大学院医工学研究科腫
瘍医工学分野の小玉哲也教授と
スフバートル・アリウンブヤン
特任助教、同大学病院阪本真弥
講師、森士朗講師らの研究グル
ープによるものです。研究成果
は、国際科学誌「Scientific R
eports」電子版で掲載されまし
た。研究グループは、現在の臨
床画像診断システムでは検出で
きない、100µm 以下の超早期の
肺転移病巣を再現できる肺転移
マウスモデルを開発しました。
 マイクロX線CTの解析により、
肺転移モデルでの肺内の総血管
長、総血管体積、総血管分岐数
が著しく減少していることが明
らかになり、病理組織像解析の
結果、肺細動脈が腫瘍細胞で閉
塞されていることが判明しまし
た。すなわち、血行性に投与さ
れた低分子抗ガン剤は、血管内
の腫瘍塞栓により、肺転移巣に
は十分に送達されないことが示
されたということです。腫瘍新
生血管に特徴的なEnhanced per
meability and retention(EPR)
効果は、高分子製剤(10-200nm)
の腫瘍への集積に有効なことが
動物実験で示されています。し
かし、同研究では、超早期の肺
転移病巣への蛍光粒子(直径14
5nm )の集積が確認されません
でした。すなわち、血行性に投
与された高分子製剤のEPR 効果
にもとづく肺転移巣への薬剤送
達は期待できないことが明らか
になりました。

今回の研究結果から、肺転移の
超早期段階における血管を介し
た全身化学療法においては、低
分子抗ガン剤だけでなく高分子
抗ガン剤でも、肺転移病巣に十
分な薬剤を送達させることがで
きないことが示唆されました。
これは、従来の全身化学療法に
代わる新たな薬剤送達法の開発、
ならびに新規な治療法の開発の
必要性が求められることを意味
している、と研究グループは述
べています。

ガンの転移の治療法について、

解説している動画です。ただし、

工夫のない抗ガン剤治療には、

反対したいと思います。

 
 


 
 
 心機一転、新規事業に取り組
む。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ASD と健常者の嗅覚脳活動時間的・領域的違い

 
 
 
 
 
 
 
 東京大学は11月6日、自閉ス
ペクトラム症(Autism Spectru
m Disorders: ASD)者と健常者
における、匂いを嗅いでいる際
の脳活動の時間的・領域的違い
を明らかにしたと発表しました。
この研究は、同大大学院農学生
命科学研究科の奥村俊樹博士課
程学生、同・岡本雅子特任准教
授、同・Singh Archana K 特任
研究員(当時)、同・東原和成
教授、国立精神・神経医療研究
センター 精神保健研究所 児童・
予防精神医学研究部 児童・青
年期精神保健研究室 熊崎博一
室長らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Chemic
al Senses 」に掲載されていま
す。ASD は、対人関係、コミュ
ニケーション、興味の範囲の3
つの場面に障害を持つほか、匂
い、音、光など感覚刺激に対す
る反応にも特徴があることが知
られています。しかし、嗅覚に
ついては、脳における情報処理
のどのような段階に特徴を持つ
のか、明らかにされていません
でした。

そこで研究グループは、脳活動
の時間変化を詳細に捉えられる
脳波を用いて、ASD 患者さんと
健常者の嗅覚誘発脳波を比較し、
ASD 患者さんの感覚処理のどの
段階に違いがあるのかを明らか
にすることを目指し、研究を行
いました。研究では、14名のAS
D 患者さんと19名の健常者の匂
いに対する脳活動を、頭表に設
置した64個の電極において計測
しました。ASD 群と健常群の間
の脳活動の違いを検証するため
に、各電極、各時点における電
位の大きさを比較した所、後頭
部の電極において、匂い呈示後
1039~1113ミリ秒でASD 患者さ
んの電位が小さいことが分かり
ました。次に、64個の電位の分
布パターンを比較したところ、
匂い呈示後、542~552 ミリ秒、
724~738ミリ秒において違いが
認められました。これらの結果
からASD 患者さんの嗅覚処理の
うち、時間的に比較的後期の段
階で違いがあることが示唆され
ました。さらに、これらの違い
がどの脳領域の活動の違いを反
映しているのかを、64個の電位
の分布パターンと頭部の構造お
よび各組織の伝導率から推定し
たところ、楔部や後帯状皮質な
どの、匂いの情報処理の中でも、
高次の認知処理に関与すること
が知られる領域の活動が、ASD
患者さんの方が大きいことが示
唆されたということです。

研究グループは、「現在までア
ンケートを用いた研究などで、
ASD 者の嗅覚特性は健常者と異
なることが報告されていました
が、本研究によって脳波検査に
おいても異なることが明らかに
なったことで、今後ASD 者の病
態についての理解が深まり、よ
り適切な支援の足掛かりとなる
ことが期待される」と、述べて
います。

発達障害の感覚過敏と鈍麻につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 健常者が謙譲の言葉を述べる。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東北大学が11月6日、ガンに
おける肺転移の超早期段階では、
血管を介する従来の薬剤送達は、
治療には有効でないことが示さ
れたと発表したのは素晴らしい
業績です。現在の臨床画像診断
システムでは検出できない、10
0µm 以下の超早期の肺転移病巣
を再現できる肺転移マウスモデ
ルを開発し、そのマウスモデル
のマイクロX線CTの解析により、
肺内の総血管長、総血管体積、
総血管分岐数が著しく減少して
いることが明らかになり、病理
組織像解析の結果、肺細動脈が
腫瘍細胞で閉塞されていること
が判明しましたということです。
すなわち、血行性に投与された
低分子抗ガン剤は、血管内の腫
瘍塞栓により、肺転移巣には十
分に送達されないことが示され
た訳ですが、高分子抗ガン剤で
も同様の送達されない現象があ
ったというのは驚くべき事実だ
と思います。
 東京大学が11月6日、自閉ス
ペクトラム症(Autism Spectru
m Disorders: ASD)者と健常者
における、匂いを嗅いでいる際
の脳活動の時間的・領域的違い
を明らかにしたと発表したのは、
偉大な業績です。ASD は、対人
関係、コミュニケーション、興
味の範囲の3つの場面に障害を
持つほか、匂い、音、光など感
覚刺激に対する反応にも特徴が
あることが知られています。し
かし、嗅覚については、脳にお
ける情報処理のどのような段階
に特徴を持つのか、明らかにさ
れていなかったというのは意外
でした。現在までアンケートを
用いた研究などで、ASD 者の嗅
覚特性は健常者と異なることが
報告されていましたが、本研究
によって脳波検査においても異
なることが明らかになったこと
で、今後ASD 者の病態について
の理解が深まり、より適切な支
援の足掛かりとなることを期待
したいと思います。

 感覚刺激を間隔を空けて投与
する。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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