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診療マル秘裏話  Vol.779 平成30年11月14日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)果物・野菜摂取と膵ガン罹患関連の報告を発表
2)パーキンソン病治療薬候補iPS細胞で既存薬から発見

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 果物・野菜摂取と膵ガン罹患関連の報告を発表

 
 
 
 
 
 
 
 国立ガン研究センター社会と
健康研究センターは10月16日、
多目的コホート研究(JPHC研究)
の結果から果物・野菜摂取と膵
ガン罹患の関連の報告を発表し
ました。この研究の成果は「In
ternational Journal of Cance
r 」オンライン版で公開されま
した。

果物・野菜の摂取は、いくつか
のガンに対する予防的効果の可
能性が示されていますが、膵が
んとの関連について、これまで
の研究結果は一定していません。
そこで、研究グループは、今回、
多目的コホート研究であるJPHC
研究より、1995年と1998年に、
岩手県二戸、秋田県横手、長野
県佐久、沖縄県中部、茨城県水
戸、新潟県長岡、高知県中央東、
長崎県上五島、沖縄県宮古、大
阪府吹田の10保健所(呼称は20
18年現在)管内に居住していた、
45~74歳の男女約9万人を2013
年末まで追跡した調査結果に基
づき、果物・野菜摂取と膵ガン
罹患の関連を検討しました。

研究グループは、138 食品が含
まれる食品摂取頻度調査をもと
に、果物(17品目)・野菜(29
品目)の摂取量によって4つの
グループに分け、最も少ないグ
ループと比較して、その他のグ
ループでガンの罹患リスクが何
倍になるかを調べました。解析
では、性別、年齢、地域、BMI、
喫煙、飲酒、糖尿病既往、膵が
ん家族歴、魚摂取量、肉摂取量、
運動習慣、コーヒー摂取、エネ
ルギー摂取量について、果物・
野菜摂取のグループによる違い
が結果に影響しないように統計
学的に配慮しました。 今回の
研究対象に該当した男女約9万
人のうち、約16.9年間の追跡期
間中に577 名が膵ガンと診断さ
れました。

調査の結果、全果物摂取量の最
も多いグループでは、最も少な
いグループに比べて膵ガン罹患
のリスクが低下していたという
ことです。柑橘類(3品目)に
限定した場合でも、ほぼ同程度
でリスクの低下が認められまし
た。果物摂取と膵ガン罹患リス
ク低下の関連は、非喫煙者でよ
り明瞭でした。

一方、全野菜摂取の最も多いグ
ループでは、最も少ないグルー
プに比べて膵ガンリスク増加が
認められました。特定の種類の
野菜では膵ガンリスクとの関連
は明らかではなかったという事
です。全野菜摂取と膵ガン罹患
リスク増加の関連は、喫煙者に
おいてのみ統計学的に有意でし
た。

今回の研究により、果物摂取と
膵ガン罹患リスク低下に関連が
認められました。膵ガンのリス
ク低下には、果物に含まれるビ
タミンなどの抗酸化成分が関係
していると考えられるという事
です。一方で、野菜摂取は、リ
スク増加との関連が認められた
ものの、喫煙者でリスクの増加
が顕著になることから、野菜と
タバコに含まれる成分との相互
作用の可能性が考えられました
が、明確な理由は明らかになっ
ていないとしています。

今回の研究は、日本人において、
これまででは最大規模ですが、
症例数が必ずしも多くなかった
ため偶然の結果の可能性も否定
できないということです。日本
人を含む、アジアにおける疫学
研究が少ないため、今後はさら
なる研究の蓄積が必要だと研究
グループは述べています。

膵臓ガンのリスクに関与する食

事について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 研究の症例数を増やすことを
奨励する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 パーキンソン病治療薬候補iPS細胞で既存薬から発見

 
 
 
 
 
 
 
 運動障害等を引き起こす神経
難病「パーキンソン病」の治療
薬の候補を、iPS細胞(人工
多能性幹細胞)を使って既存薬
から見つけたと、慶応大などの
研究チームが発表しました。論
文が、米科学誌「ステム・セル・
リポーツ」に掲載されました。

 パーキンソン病は脳内で運動
の指令を伝える物質「ドーパミ
ン」を作る神経細胞が減り、体
が震えたり動きが鈍くなったり
する病気です。国内の患者数は
約16万人に上ります。脳内でド
ーパミンに変わる薬を飲む対症
療法が中心で、根本的な治療法
はありません。

 研究チームは、遺伝性パーキ
ンソン病の患者の皮膚細胞から、
様々な細胞に変化できるiPS
細胞を作り、神経細胞に変化さ
せて病気の状態を再現しました。
1165種類の既存薬で効果を調べ
たところ、高血圧の治療薬「ベ
ニジピン」が神経細胞の死滅を
抑えることが分かりました。

 チームの神山淳・慶応大准教
授(幹細胞生物学)は「今後は
脳内に近い実験環境で、効果を
検証したい」と話しています。

核酸医薬でαーシヌクレインを

分解するものについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 際限なく、病気の状態を再現
する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 果物・野菜摂取と膵ガン罹患
の関連の報告を発表したのは、
偉大な業績です。しかし果物を
摂取することで膵ガンのリスク
が下がるというのは意外でした。
解析では、性別、年齢、地域、
BMI 、喫煙、飲酒、糖尿病既往、
膵ガン家族歴、魚摂取量、肉摂
取量、運動習慣、コーヒー摂取、
エネルギー摂取量について果物・
野菜摂取のグループによる違い
が結果に影響しないように統計
学的に配慮したということです
から、多変量解析としては信憑
性が高い研究であると推測され
ます。果物摂取と膵ガン罹患リ
スク低下に関連があり、膵ガン
のリスク低下には、果物に含ま
れるビタミンなどの抗酸化成分
が関係していると考えられると
いうことですから、果糖の糖化
反応を考慮して、日中の間に、
できれば、朝、果物を摂取する
ことをお勧めします。 抗酸化
物質は、皮の部分に多いので、
農薬の影響などがなければ皮の
部分も一緒に摂取することを、
お勧めします。
 運動障害等を引き起こす神経
難病「パーキンソン病」の治療
薬の候補を、iPS細胞(人工
多能性幹細胞)を使って既存薬
から見つけたというのは偉大な
業績です。ドラッグ・リポジシ
ョニングの最たるものだと思い
ます。ドラッグ・リポジショニ
ングとはヒトでの安全性と体内
動態が実績によって既に確認さ
れている既存薬から新たな薬効
を見つけ出し,実用化につなげ
ていこうという研究手法を指し
ています。既存薬だけではなく、
開発途中で、色々な理由で開発
中止になった薬の発掘も含むと
言われていますが、安全性につ
いて言えば、既に市販されてい
る既存薬に勝るものはありませ
ん。本件でもベニジピンという
高血圧の薬で、神経細胞の死滅
を抑えることが分かった訳です
から、副作用として降圧作用に
さえ気を付ければ、十分に実用
性があるものと推測されます。
神経保護作用について無頓着で
ベニジピン(商品名コニール)
を使っていたことについて恥じ
いるばかりです。

 師範が市販品を使用する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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