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2020-09-18 00:26:41

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診療マル秘裏話  号外Vol.1646 令和1年11月15日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)GD3合成酵素遺伝子をメラノサイトに発生,抑制のスイッチ
2)脊髄損傷モデル動物のまひした手の運動機能再建

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】GD3合成酵素遺伝子をメラノサイトに発生,抑制のスイッチ

 
 
 
 
 
 
 
 中部大学は10月18日、皮膚な
どにできるガンの一種「メラノ
ーマ(悪性黒色腫)」の細胞膜
表面に現れる「酸性スフィンゴ
糖脂質(GD3) 」とその合成酵
素遺伝子の「GD3 合成酵素遺伝
子(GD3 syn. mRNA) 」を正常
細胞の「メラノサイト」に発生
させたり抑制させたりするスイ
ッチを初めて発見したと発表し
ました。この研究は、同大生命
健康科学部生命医科学科の古川
圭子教授と竹内理香助手(現・
関西学院大学理工学部生命科学
科助手)らの研究グループによ
るものです。研究成果は「Scie
ntific Reports」に掲載されて
います。皮膚に紫外線が当たる
と、ケラチノサイトからさまざ
まな物質が生み出されます。そ
のひとつが「メラノサイト刺激
ホルモン(α-MSH)」で、これ
がメラノサイトに作用するとメ
ラニンが生合成され、ケラチノ
サイトに分配されます。 その
結果、ケラチノサイトではメラ
ニンが紫外線によるDNA の損傷
を防ぎます。しかしケラチノサ
イトからはα-MSH以外に「炎症
性サイトカイン」も分泌され、
皮膚の炎症反応を引き起こしま
す。持続的な炎症反応(慢性炎
症)は発ガンの誘因になります。
今回の研究で、炎症性サイトカ
インの一種である「TNFα 」が
メラノサイトに、ガン特有のGD
3とGD3 syn. mRNAを作り出す働
きがあることが分かりました。
一方でTNFα と同じケラチノサ
イトから分泌されるα-MSHがメ
ラノサイトに作用すると、細胞
内情報伝達物質(セカンドメッ
センジャー)であるcAMPのシグ
ナル経路が起動してGD3 syn. m
RNA の発現を抑制することも確
認しました。ケラチノサイトか
ら分泌されるTNFα はガン細胞
にみられる物質を発現し、α-
MSH は逆に発現を抑制するとい
う正反対の性質を持っているこ
とが分かったということです。
まとめると、通常はケラチノサ
イトが出すα-MSHがメラノサイ
ト内でGD3 syn. mRNAの発現ス
イッチをOFF にしており、過度
に紫外線を浴びるとTNFα の働
きが勝ってスイッチをONにする
と考えられ、スイッチのON/OF
Fは、cAMPとTNFαのバランスで
決まることになります。すでに
ガン化したメラノーマの細胞で
はスイッチが常にONになってい
ることも判明したので、GD3 sy
n. mRNA をモニタリングすれば
細胞の前ガン状態を予想できる
可能性があることが分かりまし
た。

メラノーマと異なり、小児ガン
の一種である神経芽細胞腫や悪
性度の高い乳ガンでは、GD2 と
いう酸性スフィンゴ糖脂質が発
現します。そのためGD2 は現在、
抗体医薬開発の標的分子として
も注目されています。GD2 の生
合成過程にはGD3 合成酵素が必
要になります。したがって、こ
れらのガンに関しても、前ガン
状態を知るためにGD3 syn. mRN
A のモニタリングは有用となる
可能性があります。研究グルー
プは、「近年「エクソソーム」
という細胞外分泌小胞が注目さ
れていますが、今後、エクソソ
ーム中のGD3 syn. mRNA を検出
することで、このmRNAのモニタ
リングが可能になる」と、述べ
ています。

悪性黒色腫について解説している

動画です。

 
 


 
 
 合成過程の仮定について家庭
で考える。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 脊髄損傷モデル動物のまひした手の運動機能再建

 
 
 
 
 
 
 
 生理学研究所は10月16日、手
の運動機能を持たない脳領域に
「人工神経接続システム」を使
って、新たに運動機能を付与す
ることに成功したと発表しまし
た。この研究は、東京都医学総
合研究所脳機能再建プロジェク
トの西村幸男プロジェクトリー
ダー(元生理学研究所、元京都
大学)と、加藤健治(元生理学
研究所、現国立長寿医療研究セ
ンター)らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Na
ture Communications 」オンラ
イン版に掲載されています。研
究グループは以前の研究で、脊
髄損傷モデル動物のまひした手
について、脳と脊髄とをつなぐ
人工神経接続システムでその運
動機能を再建することにも成功
しています。 今回の研究では、
脳自体を損傷した脳梗塞モデル
動物(サル)を用いて、この人
工神経接続システムが随意運動
機能再建に有効であり、人工神
経接続システムが切れてしまっ
た神経経路の代わりになるかど
うかを検討しました。研究グル
ープが開発した「人工神経接続
システム」は、脳の神経細胞と
似たような役割をするコンピュ
ーターで、上位の神経細胞の情
報を受け取り(入力)、次の細
胞にその情報を伝える(出力)
ように設計されています。これ
を利用して、脳梗塞により脳と
脊髄をつなぐ神経経路を損傷し
ているモデル動物の損傷部位を
バイパスし、脳の信号をまひし
た筋肉に伝えました。

脳梗塞からの機能回復は1か月
以上の懸命なリハビリにより実
現する場合がありますが、今回
のシステムを用いると、10分程
度で脳梗塞モデル動物は人工神
経接続システムに適応し、まひ
した手を自在に動かすことがで
きるまでに回復しました。その
際、約25分でまひした手の運動
を司る脳領域が小さく集中する
ように脳領域を超えた大規模な
脳活動の適応が起こり、顔や肩
の運動を司る脳領域が、人工神
経接続を介してまひした手を自
分の意思で動かせるようになり
ました。また、もともと運動機
能を持たない脳領域で感覚機能
を持つ体性感覚野でも、同様に、
まひした手を動かせるようにな
りました。このことは、脳梗塞
によって脳の一部が損傷しても、
人工神経接続システムに損傷さ
れずに残存している脳領域をつ
なぐことによって、随意運動機
能の再建ができる可能性を示す
ものです。

今後は、長期間の人工神経接続
システムにより、脳損傷・脊髄
損傷から免れた神経のつながり
を強化し、人工神経接続システ
ムがなくても身体を自分の意志
で動かせるように回復できるか
どうかを検証する必要がありま
す。また、今回の成果とこれま
での成果は、モデル動物で人工
神経接続システムの有効性を示
すことができました。これを脳
梗塞患者と脊髄損傷患者で検証
することが次の課題であると述
べています。

人工神経接続システムについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 医師の意思は、石のように固
い。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 中部大学が10月18日、皮膚な
どにできるガンの一種「メラノ
ーマ(悪性黒色腫)」の細胞膜
表面に現れる「酸性スフィンゴ
糖脂質(GD3) 」とその合成酵
素遺伝子の「GD3 合成酵素遺伝
子(GD3 syn. mRNA) 」を正常
細胞の「メラノサイト」に発生
させたり抑制させたりするスイ
ッチを初めて発見したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
通常はケラチノサイトが出すα
-MSHがメラノサイト内でGD3 s
yn. mRNAの発現スイッチをOFF
にしており、過度に紫外線を浴
びるとTNFα の働きが勝ってス
イッチをONにすると考えられ、
スイッチのON/OFFは、cAMPと
TNFα のバランスで決まること
になります。すでにガン化した
メラノーマの細胞ではスイッチ
が常にONになっていることも判
明したので、GD3 syn. mRNA を
モニタリングすれば細胞の前ガ
ン状態を予想できる可能性があ
ることが、分かったというのも
メカニズム解明には重要なこと
だったと思います。
 生理学研究所が10月16日、手
の運動機能を持たない脳領域に
「人工神経接続システム」を使
って、新たに運動機能を付与す
ることに成功したと発表したの
は、偉大な業績です。 「人工
神経接続システム」は、脳の神
経細胞と似たような役割をする
コンピューターで、上位の神経
細胞の情報を受け取り(入力)、
次の細胞にその情報を伝える(
出力)ように設計されています。
これを利用して、脳梗塞により
脳と脊髄をつなぐ神経経路を損
傷している、モデル動物の損傷
部位をバイパスし、脳の信号を
まひした筋肉に伝えることがで
きたのですから、人間の脊髄の
損傷や脳梗塞の損傷にも当ては
まり、脳の信号をまひした筋肉
に伝えることができると容易に
推測できます。今後は、長期間
の人工神経接続システムにより、
脳損傷・脊髄損傷から免れた神
経のつながりを強化し、人工神
経接続システムがなくても身体
を自分の意志で動かせるように
回復できるかどうかを検証する
必要があるということとモデル
動物で人工神経接続システムの
有効性を示すことができ、これ
を脳梗塞患者と脊髄損傷患者で
検証することが次の課題と言え
るでしょう。

 教科を絞って学力を強化する。


 
 
 
 
 
 
 
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