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2020-09-12 22:50:14

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診療マル秘裏話  号外Vol.1642 令和1年11月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)発達に伴うγ-アミノ酪酸興奮性から抑制性に変化
2)ジアノッティ症候群の原因はEBウイルスが最も多い

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】発達に伴うγ-アミノ酪酸興奮性から抑制性に変化

 
 
 
 
 
 
 
 浜松医科大学は10月15日、発
達に伴いγ-アミノ酪酸(GABA)
の作用が興奮性から抑制性に変
化するのには、カリウム‐クロ
ライド共役担体(KCC2)のリン
酸化による機能制御が関わって
いることを明らかにしたと発表
しました。 この研究は、同大
神経生理学講座の渡部美穂助教、
福田敦夫教授、イェール大学医
学部のKristopher T. Kahle 博
士らのグループによるものです。
研究成果は、米国科学振興協会
の科学雑誌「Science Signalin
g」 で公開されています。脳内
の主要な抑制性伝達物質である
γ‐アミノ酪酸(GABA)は、発
達期には興奮性伝達物質として
働いています。発達に伴いKCC2
の機能が高まることにより、GA
BAの作用は興奮性から抑制性に
変化しますが、そのメカニズム
は明らかになっていませんでし
た。研究グループは、リン酸化
による KCC2 機能制御の役割に
ついて個体レベルで明らかにす
るため、KCC2の906番目と 1007
番目のスレオニン残基(以下、
Thr906およびThr1007) をグル
タミン酸に置換し、発達に伴う
脱リン酸化を妨げた遺伝子改変
マウス(以下、Kcc2E/E マウス)
を作製し解析を実施しました。

Kcc2E/E マウスは生後10時間前
後で死亡しました。KCC2のクロ
ライドイオンの細胞外へのくみ
出し能力が低下しており、痛覚
および接触刺激によりてんかん
発作が認められ、死亡前には自
発発作の頻度の増加がみられま
した。また、脊髄第4頸神経よ
り記録される自発性の呼吸リズ
ムがみられず、第2腰神経より
記録される歩行リズムが乱れて
いました。さらに、スパイン形
成は正常に認められましたが、
中隔、視床下部、海馬、大脳皮
質の神経分布に異常が確認され
ました。これは、発達期にKCC2
のThr906とThr1007 のリン酸化
が適切に制御されることが、抑
制性GABA伝達の形成、神経発達
および生存に必須であることを
示唆しています。

大人の脳でもKCC2が正常に機能
しないと、細胞内クロライド濃
度が高くなり、GABAによる抑制
作用が低下します。てんかんや
自閉症、統合失調症などのさま
ざまな精神疾患では、神経回路
の興奮性と抑制性のバランスが
崩れることが病因のひとつであ
ることが分かってきていること
から、KCC2の機能低下によるGA
BAの抑制力の低下が関与してい
る可能性が考えられます。研究
グループは、「今回の発見によ
り、KCC2の機能はリン酸化によ
り制御されることが明らかにな
ったため、KCC2のThr906とThr1
007 のリン酸化部位をターゲッ
トとした新薬の開発が期待され
る」と、述べています。

γ-アミノ酪酸について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 傘下の企業を使って、リン酸
化を研究する。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ジアノッティ症候群の原因はEBウイルスが最も多い

 
 
 
 
 
 
 
 ジアノッティ症候群は、ウイ
ルス感染で発疹が出る病気です。
B型肝炎ウイルスを原因とする
ジアノッティ病という病気が先
に報告されましたが、その後、
他のウイルスでも同じような症
状が起こることが分かり、現在
ではそれらをまとめてジアノッ
ティ症候群と呼んでいます。横
田小児科医院(神奈川県小田原
市)の横田俊一郎院長は「ジア
ノッティ症候群は自然に治る病
気なので、あまり心配は要りま
せん」と語っています。ジアノ
ッティ症候群は5歳くらいまで
の幼児に多く、ブツブツとした
米粒大の赤い発疹が、手足の末
端や関節の外側、臀部(でんぶ)、
頬などに左右対称に表れるのが
特徴です。横田院長は「かゆみ
はほとんどありませんが、たま
に発熱や下痢を伴う場合があり
ます。アトピー性皮膚炎がある
と発症しやすいとも言われてい
ます」と説明しています。

 原因となるのはEBウイルス
が最も多いとされています。E
Bウイルスはヘルペスウイルス
の仲間で、成人の約95%が気付
かないうちに感染する、ごくあ
りふれたウイルスです。他には、
コクサッキーウイルスやサイト
メガロウイルスなどが報告され
ています。B型肝炎ウイルスに
よる発症は、現在では母子感染
を防ぐ予防措置が取られている
ことと、ワクチンが定期接種と
なっていることで、ごくまれだ
ということです。ジアノッティ
症候群は、これらの原因ウイル
スに初感染した際、一部の人に
表れます。

 この病気は、日本脳炎や三種
混合などのワクチン接種をきっ
かけに発症するケースがありま
す。「免疫学的な仕組みが原因
と思われますが、詳しいことは
分かっていません」と横田院長
は、言っています。親としては
次回以降、ワクチンを接種して
も大丈夫だろうかと心配になり
ますが、「症状が出るのは初回
のみなので、大事なワクチン接
種を避けるべきではありません」
と強調しています。ジアノッテ
ィ症候群の診断は、問診ととも
に血液検査を行います。 横田
院長は「10~60日ほどで自然治
癒するので、発疹以外の症状が
なければ治療の必要はありませ
ん。かゆみがある場合は、かゆ
み止めの塗り薬を使用します」
と話しています。ただしB型肝
炎ウイルスが原因の場合は、長
期にわたって肝炎の経過観察が
必要になります。

 横田院長は「ジアノッティ症
候群は、他の病気による発疹と
紛らわしいこともあるので、一
度は皮膚科医に診てもらうよう
にしてください」と呼び掛けて
います。

ジアノッティ症候群について、

解説している動画です。

 
 


 
 
 私用の使用を禁止する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 浜松医科大学が10月15日、発
達に伴いγ-アミノ酪酸(GABA)
の作用が興奮性から抑制性に変
化するのには、カリウム‐クロ
ライド共役担体(KCC2)のリン
酸化による機能制御が関わって
いることを明らかにしたと発表
したのは、偉大な業績です。恥
ずかしながらγ‐アミノ酪酸(
GABA)は、発達期には興奮性伝
達物質として働いていて、発達
に伴いKCC2の機能が高まること
により、GABAの作用は興奮性か
ら抑制性に変化するということ
は初耳でした。てんかんや自閉
症、統合失調症などのさまざま
な精神疾患では、神経回路の興
奮性と抑制性のバランスが崩れ
ることが病因のひとつであるこ
とが分かってきていることから、
KCC2の機能低下によるGABAの抑
制力の低下が関与している可能
性が考えられ、研究グループは、
「今回の発見により、KCC2の機
能はリン酸化により制御される
ことが明らかになったため、KC
C2のThr906とThr1007 のリン酸
化部位をターゲットとした新薬
の開発が期待される」と言って
いるのは将来の展望が得られて
素晴らしいと思いました。
 ジアノッティ症候群は、ウイ
ルス感染で発疹が出る病気です。
B型肝炎ウイルスを原因とする
ジアノッティ病という病気が先
に報告されましたが、その後、
他のウイルスでも同じような症
状が起こることが分かり、現在
ではそれらをまとめてジアノッ
ティ症候群と呼んでいることは、
初耳でした。しかし、原因とな
るのはEBウイルスが最も多い
とされていて、EBウイルスは
ヘルペスウイルスの仲間で、成
人の約95%が気付かないうちに
感染する、ごくありふれたウイ
ルスですと言っていますが、こ
のEBウイルスについては実は
分かっていないことが多く後に
リンパ球に持続感染を起こすと
非常に治療困難な血液の病気を
起こすことが知られています。
私が研修医の時は、これをバー
キットリンパ腫と呼んで恐れて
いました。EBウイルスは、伝
染性単核球症すなわちキッス病
を起こすウイルスであることが
知られていますが、このキッス
病からリンパ球への持続感染を
起こす機序については分かって
いません。まだまだ怖い病気は
世の中に存在し、すぐ治ると言
われているジアノッティ症候群
や伝染性単核球症を侮っては、
いけません。

 鬼女になる機序は分かってい
ません。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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