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2020-09-07 23:33:51

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診療マル秘裏話  号外Vol.1636 令和1年11月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)抗生物質を医師や薬剤師の指示通り飲まない人
2)マウスで空腹時,味覚を調節する神経ネットワークを発見

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】抗生物質を医師や薬剤師の指示通り飲まない人

 
 
 
 
 
 
 内閣府は10月11日、薬が効か
ない感染症に関する世論調査結
果を公表しました。抗生物質を
医師や薬剤師の指示通り飲まな
いことがあると答えた人は13.0
%にとどまり、指示を常に意識
していると答えた人は82.0%で
した。
 内閣官房の担当者は指示を守
って服用する人の割合が高いこ
とを評価した上で、「決められ
た期間と量を守って飲みきるよ
う啓発活動に努める」と話して
います。
 指示通り飲めない理由を複数
回答で尋ねたところ、「途中で
治ったらそれ以上必要と思わな
い」が最多の52.3%、「薬を飲
むのは最低限にしたい」35.6%、
「飲み忘れてしまう」34.7%が
続きました。
 感染症を起こす菌に抗生物質
が効かなくなる「薬剤耐性」を
知っているか聞いたところ、「
知っている」49.9%に対して、
「知らない」48.7%でした。
調査は8月22日~9月1日、
全国の18歳以上の男女3000人を
対象に個別面接方式で実施しま
した。有効回収率は、55.6%で
した。

抗生物質の正しい付き合い方に

ついて解説している動画です。

 
 
 


 
 
 改修が必要とのアンケートの
結果を回収した。     笑

 
 
 
 
 
 
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2】 マウスで空腹時,味覚を調節する神経ネットワークを発見

 
 
 
 
 
 
生理学研究所は10月8日、マ
ウスにおいて空腹に伴い味覚を
調節する神経ネットワークを発
見したと発表しました。この研
究は、同研究所の中島健一朗准
教授、傅欧研究員が、同研究所
の吉村由美子教授の研究グルー
プ、東京大学大学院農学生命科
学研究科の三坂巧准教授の研究
グループ、同研究科東原和成教
授の研究グループと共同で行っ
たものです。研究成果は「Natu
re Communications 」に掲載さ
れています。摂食行動の基本的
な役割である味覚は、栄養豊富
な食物を積極的に摂取し、有害
な成分を忌避するなど、食物の
価値決定に関与します。しかし、
この判断基準は常に一定ではな
く、空腹のときには味の感じ方
や好みが普段とは異なることが
知られています。 このような
現象はヒトに限らず、マウスや
ショウジョウバエなど異なる種
の生物でも観察されますが、そ
の原因はよく分かっていません
でした。近年、多くの研究によ
り、脳基底部の視床下部弓状核
に存在するアグーチ関連ペプチ
ド産生神経(AgRPニューロン)
が空腹時に活性化することで、
食欲が生み出されることが明ら
かになってきました。また、こ
のニューロンはさまざまな脳部
位とネットワークを形成してお
り、これらの部位の活動を抑制
することが知られています。そ
こで研究グループは、マウスを
モデルに、AgRPニューロンが空
腹時の味覚の変化に寄与するか
を検証しました。まず、空腹に
したマウスの味覚をリック評価
試験により測定しました。その
結果、通常飼育時と比べ、比較
的低濃度の甘味溶液でもリック
(舐める)回数が増大しました。
その一方で、苦味溶液について
は、通常はリック回数が大きく
低下する濃度でもリック回数が
高い状態が維持されました。こ
れらのことから、甘味など好ま
しい味はより嗜好するのに対し、
苦味や酸味など不快な味に鈍く
なることが分かりました。そこ
で、オプトジェネティクスによ
り、AgRPニューロンを活性化さ
せ、マウスの脳内を人工的に空
腹状態にして評価したところ、
マウスを絶食させた時と同様の
味覚の変化が生じました。また、
この変化は、外側視床下部に接
続する(投射する)AgRPニュー
ロンを活性化した場合にのみ生
じ、他の脳部位に投射するAgRP
ニューロンでは誘導されません
でした。次に、DREADD法を用い
て、両グループの活動を人工的
に抑制して味覚を評価したとこ
ろ、興奮性ニューロンの活動が
低下すると空腹時と同じように
甘味や苦味の嗜好性に変化が起
こり、抑制性ニューロンにはこ
のような効果は、ありませんで
した。

最後に、外側視床下部の興奮性
ニューロンもAgRPニューロンと
同様、さまざまな脳部位に投射
していることに注目し、各投射
経路の活動をDREADDにより1つ
ずつ人為的に抑制することで味
覚調節部位をさらに調べました。
その結果、不安中枢の1つであ
る外側中隔核へ投射するニュー
ロンを抑制すると、空腹時と同
様に甘味への嗜好性が高まりま
したが、苦味に関してはリック
行動に変化がありませんでした。
一方、嫌悪情報の応答部位であ
る外側手綱核に投射するニュー
ロンを抑制すると、苦味に対し
て感度が低下しましたが、甘味
に関してはリック行動に大きな
変化がありませんでした。これ
らのことから、甘味と苦味は別
々の経路で、それぞれの情報が
伝えられていることが明らかに
なりました。実際に、外側中隔
核の活動は甘味摂取により抑制
されますが、空腹時に甘味を摂
取すると、その抑制がさらに強
まります。一方、外側手綱核は
苦味摂取により活性化しますが、
空腹時に苦味を摂取した場合に
は、活性化の程度が抑えられる
ことも判明しました。 今回の
研究成果より、空腹に伴って生
じる味覚の変化は視床下部AgRP
ニューロンを起点とした神経ネ
ットワークにより調節されるこ
とが明らかとなりました。また、
外側視床下部の興奮性神経が中
継点として働き、好きな味と嫌
いな味とで別経路を介して制御
されることが分かりました。視
床下部AgRPニューロンを起点と
した味覚調節システムの元来の
役割は、飢餓が身近な野生環境
において、糖など栄養価の高い
食物を普段以上に好むように嗜
好を変化させ、多少悪くなった
食物でも妥協して食べるように
していると思われます。このよ
うな味覚の調節は、少しでも効
率的にエネルギーを摂取して生
き延びるために存在していると
推定されます。

肥満になると、甘いものの嗜好
が高まる一方、苦味など他の味
に対する好みは変わらないこと
が知られていますが、今回発見
した視床下部を起点とした神経
ネットワークに肥満が及ぼす影
響を調べることで、その原因が
明らかになる可能性があります。
また、同ネットワークが不安・
嫌悪など感情に関わる脳部位の
活動を制御することを考慮する
と、摂食時の生理状態(空腹・
満腹など)により味の感じ方(
美味しさ・不味さ)が変化する
という現象の神経基盤であると
考えられます。

研究グループは「肥満になると、
甘いものの嗜好が高まる一方、
苦味など他の味に対する好みは
変わらないことが知られていま
す。しかし、その原因はよく分
かっていません。今回発見した
視床下部を起点とした神経ネッ
トワークに肥満が及ぼす影響を
調べることで、その原因が明ら
かになる可能性がある」と、述
べています。

亜鉛欠乏と味覚障害について、

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 視床下部を起点とした神経ネ
ットワークが機転を利かす。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 内閣府が10月11日、薬が効か
ない感染症に関する世論調査結
果を公表しました。抗生物質を
医師や薬剤師の指示通り飲まな
いことがあると答えた人は13.0
%にとどまり、指示を常に意識
していると答えた人は82.0%で
あったことは、私にとっては、
残念な結果でした。10%以上の
人達が、医師の指示を守らず、
耐性菌の脅威に対して甘く考え
ているのは、残念としか言いよ
うがありません。 一般細菌の
抗生物質を使った治療法でこの
ようなことが起こっても、心配
が少ないのですが、結核の感染
で、抗生物質を指示通り飲まず
超多剤耐性結核菌を生んでしま
っ他場合は、命に関わります。
結核治療病院に移るまでの間に
超多剤耐性結核菌が家族や近し
い人に拡散されると本当に厄介
と言えましょう。 超多剤耐性
結核菌には、治療法が非常に少
ないということを肝に銘じるべ
きだと思います。
 生理学研究所は10月8日、マ
ウスにおいて空腹に伴い味覚を
調節する神経ネットワークを発
見したと発表したのは、偉大な
業績です。確かに空腹時は食欲
が異常に亢進して、関を切った
ように食べ物の獲得に走るとい
う経験をしたことがありますが、
その際、無意識に血糖値が上が
る食べ物を食べようとした、つ
まり、砂糖が入った甘いものを
食べようとしたと記憶していま
す。また、少々、苦くても、勢
いで、食べていたという記憶も
存在します。言い換えれば甘味
など好ましい味はより嗜好する
のに対し、苦味や酸味など不快
な味に鈍くなると言うことでし
ょう。視床下部AgRPニューロン
を起点とした味覚調節システム
の元来の役割は、飢餓が身近な
野生環境において、糖など栄養
価の高い食物を普段以上に好む
ように嗜好を変化させ、多少悪
くなった食物でも妥協して食べ
るようにしていると言うことが
妙に腑に落ちる感じがしました。
今回発見した視床下部を起点と
した神経ネットワークに肥満が
及ぼす影響をぜひ調べて頂きた
いものです。

 飢餓のニュースに気が気でな
い。           笑

 
 
 
 
 
 
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