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2020-08-29 23:35:54

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診療マル秘裏話  号外Vol.1630 令和1年10月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)長期のエストロゲン の欠乏状態が関係する体の変化
2)急な尿意や昼夜不問頻尿症状出現の過活動膀胱

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】長期のエストロゲン の欠乏状態が関係する体の変化

 
 
 
 
 
 
 
 
 長期にわたるエストロゲンの
欠乏状態が関係する体の変化と
しては、認知機能の低下(記憶
力低下)、外陰や腟(ちつ)の
萎縮症状(外陰腟炎や性交痛)、
血管の老化(動脈硬化)、骨の
脆弱(ぜいじゃく)化(骨粗鬆
症(こつそしょうしょう)、骨
折)などが挙げられます。これ
らの変化には加齢ももちろん影
響していますが、長期のエスト
ロゲン欠乏による以下のような
影響が加わると言われています。

 エストロゲンには、記憶力に
関して重要な役割を持つ「海馬」
という脳の領域への血流を改善
する作用があり、アルツハイマ
ー病で脳に蓄積する老人斑の主
成分であるアミロイドβ蛋白の
沈着を抑制することで、記憶や
認知機能を保護する働きがある
と考えられています。実際、エ
ストロゲンの低下による更年期
障害の症状を訴える女性は、症
状のない女性に比べ、物忘れが
頻繁になるとの報告もあります。

 外陰や腟の組織におけるエス
トロゲンの欠乏は、コラーゲン、
脂肪組織、水分保持能力の低下
を引き起こします。 その結果、
組織の弾力性が失われて薄くな
るため、出血しやすくなります。
これらの変化を背景に、かゆみ
や痛み、灼熱(しゃくねつ)感
を伴う、萎縮性外陰炎や腟炎が
起きます。性的アクティビティ
ーが高い女性では性交後出血を
伴う性交痛を感じるようになり
ます。

 腟では、さらに、グリコーゲ
ンを産生する機能の低下が起き
ます。腟内の善玉菌とされる乳
酸桿菌(かんきん)は、グリコ
ーゲンを利用して腟内の自浄作
用を発揮しています。したがっ
て、グリコーゲンの産生機能が
低下すると腟の自浄作用が弱ま
り、炎症がさらに起きやすくな
るのです。萎縮性の変化は尿道
や膀胱(ぼうこう)にも起こる
ので尿道炎や膀胱炎による排尿
困難、頻尿が生じることもあり
ます。

 血管の老化に関連して起こる
心筋梗塞(こうそく)は、一般
的に女性では閉経年齢付近より
増え始めます。日本人女性にお
いてもその上昇は閉経年齢以降
持続し、約10年間のラグタイム
で男性の発症頻度に追いつくこ
とが報告されています。このこ
とはエストロゲン低下、欠乏状
態がその発症に関与しているこ
とを示しています。エストロゲ
ンの血管への影響には、血管壁
の炎症の抑制、血管内皮(血管
壁の内側)の再生などの直接的
作用もありますが、脂質代謝に
与える影響が動脈硬化には強く
関連してきます。

 脂質代謝とは、主にコレステ
ロールと中性脂肪の体内での動
きをいいます。悪玉コレステロ
ールと言われるLDLコレステ
ロールが血液中に高くなり、そ
れが血管の壁の中に入り込み、
沈着、蓄積する現象が動脈硬化
です。

 これが長期にわたって繰り返
されると血管壁は血管の中に向
かって肥厚し、隆起します。や
がて、隆起した血管壁や、そこ
から発生した血栓は血液の流れ
を阻害し、その結果として心筋
梗塞などの病気を発症します。
血管が詰まったという状態です。

 更年期前には十分にあるエス
トロゲンは、血液中のLDLコ
レステロールを肝臓へ戻す(肝
臓に回収して血液中では低くす
る)▽血管壁に入りにくくする
▽沈着しにくくする(動脈硬化
を起こしにくくする)――とい
う作用を持っています。これら
を「エストロゲンによる脂質プ
ロファイルの改善効果」と言い
ますが、この作用により、更年
期前の女性は心血管系の疾患か
ら守られています。逆に言うと、
閉経後はそのリスクが高まるこ
とになります。骨の強度は「骨
密度」という指標で評価するこ
とが多いのですが、日本人女性
の腰椎(ようつい)骨密度は思
春期から高まり、20歳で最大
骨量を獲得します。40代なか
ばまでその骨量を維持し、更年
期とともに低下します。これは
女性の一生を通じたエストロゲ
ンのカーブと驚くほど一致して
います。それほど、骨の強度と
エストロゲンは、関連が強いの
です。

 骨は硬く、完成していて、変
化のない臓器のように思えるか
もしれませんが、本当は新陳代
謝が盛んな臓器で、代謝のバラ
ンスをとることで健常性を維持
しています。つまり、骨の古く
なった部分を取り除く破骨細胞
と、その部分に骨を新しく作る
骨芽細胞の二つの異なる細胞の
絶妙なバランスが保たれている
ことが必要なのです。

 エストロゲンは、骨という組
織の局所だけでなく全身におい
ても、カルシウムやビタミンD
の吸収やそれらの調節に関係す
る他のホルモンを調節するとい
う、大きな役割を果たしていま
す。閉経後の長期にわたるエス
トロゲンの欠乏状態によって、
骨を守るシステムが崩れ、骨の
脆弱化が進むことになります。
骨の脆弱化は骨粗鬆症、骨折と
進み、大腿骨頸部(けいぶ)骨
折が起こると寝たきりの原因と
もなります。では、更年期の向
こう側に見えてくる体の変化や
病気に対してどうすればよいの
か。

 エストロゲン欠乏のみでなく
加齢も影響してきますので、必
ずしも全てを避けられるわけで
はありません。それでも、更年
期の時期から、その向こう側に
起きうることを予測し、対策を
立てることで、その発症を遅ら
せることができるかもしれませ
ん。例えば、血管や骨の老化を
考えて、更年期の時期から食事、
運動を含めた生活習慣に気を配
るのも大切なことです。

 治療としては、それぞれの病
気に特化した薬が使われること
もありますが、エストロゲン投
与については、膨大な臨床的研
究の結果の蓄積から、閉経付近
で投与を始めている場合には、
長期的な使用でも、つまり更年
期の向こう側で起こるようなこ
とに対しても、良い効果の方が
副作用よりもずっと大きいこと
がわかってきています。

女性ホルモンのデメリットにつ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 生活習慣改善の特集を週刊誌
で組む。         笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 急な尿意や昼夜不問頻尿症状出現の過活動膀胱

 
 
 
 
 
 
 
 
 我慢できないほどの急な尿意
や、昼夜問わず頻尿の症状が表
れる「過活動膀胱(OAB)」。
常にトイレの場所を気にしたり、
遠出を控えたりと、日常生活へ
の影響が見過ごせなくなる例も
あります。東京女子医科大学東
医療センター(東京都荒川区)
骨盤底機能再建診療部の巴ひか
る教授に、この病気の特徴や治
療法について聞きました。膀胱
は筋肉でできた袋のような臓器
で、脳からの指令により、尿を
ためる時には緩んで容量が大き
くなり、排尿を意識すると収縮
します。過活動膀胱ではこの仕
組みが乱れ、尿をためている途
中で、膀胱が勝手に収縮(異常
収縮)してしまいます。そのた
め、我慢できない急な尿意を感
じて、尿が漏れそうになる「尿
意切迫感」、トイレに行くまで
に漏らしてしまう「切迫性尿失
禁」、「頻尿」(起きている間
は8回以上、就寝後は1回以上
が目安)といった症状が表れま
す。国内患者数は1040万人と推
計され、40歳以上の人口の14.1
%に上ります。「女性では切迫
性尿失禁を伴うことが多く、生
活の質が低下します」と巴教授
は解説しています。

 原因はさまざまで、例えば脳
血管障害、パーキンソン病など
の脳疾患や、背骨を通る神経が
圧迫される脊柱管狭窄(きょう
さく)症などの神経疾患があり
ます。また、男性であれば前立
腺肥大による尿道の閉塞(へい
そく)、女性であれば、膀胱や
子宮が元の位置から下がってし
まう膀胱瘤(りゅう)や子宮脱
など骨盤臓器脱による尿道の閉
塞、膀胱や子宮を支える筋肉(
骨盤底筋群)の筋力低下も原因
となります。加齢によるものや
原因不明のケースもあります。
過活動膀胱の治療に使われる薬
剤には、膀胱の異常な収縮を抑
える「抗コリン薬」、膀胱を広
げて尿をためやすくする「β3
アドレナリン受容体作動薬」等
があります。

 抗コリン薬は、副作用として
口内乾燥、便秘などのほか、認
知機能低下やせん妄を引き起こ
すことがあり、高齢者への投与
は注意が必要とされています。
過活動膀胱以外の病気の治療薬
にもこうした抗コリン作用が含
まれることがあるため、重複使
用により副作用が強く表れる点
には注意が必要です。

 β3アドレナリン受容体作動
薬は、ミラベグロンという薬剤
に加え、2018年11月に新薬ビベ
グロンが発売されました。β3
アドレナリン受容体作動薬は抗
コリン薬と比べて、服用する薬
の種類が多い高齢者では使いや
すいとされています。ミラベグ
ロンは生殖可能な年齢への使用
は極力避ける必要がありますが、
ビベグロンにはその必要があり
ません。

 原因となっている病気が明ら
かな場合は、原疾患の治療によ
り改善が期待できます。男性な
ら前立腺肥大症の治療、女性な
ら骨盤臓器脱の治療や骨盤底筋
訓練を行うことで、過活動膀胱
の症状も落ち着くことが多いと
されています。

過活動膀胱について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 
 集中的に下腹部を暴行され、
膀胱破裂となった。    笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
 治療としては、それぞれの病
気に特化した薬が使われること
もありますが、エストロゲン投
与については、膨大な臨床的研
究の結果の蓄積から、閉経付近
で投与を始めている場合には、
長期的な使用でも、つまり更年
期の向こう側で起こるようなこ
とに対しても、良い効果の方が
副作用よりもずっと大きいこと
がわかってきているということ
ですが、女性ホルモン自体の副
作用により、血栓症を持ってい
る患者さんや下肢静脈瘤の患者
さん、喫煙している患者さんで
は、女性ホルモンの補充療法は、
使えないことが多いのです。私
は、更年期となり女性ホルモン
産生の場が、卵巣から副腎に変
わることに着目したいと思いま
す。つまりストレス過多、腸の
炎症の存在で、コルチゾールス
ティールが起こり、副腎でのホ
ルモン産生が副腎皮質ステロイ
ドホルモンに偏っていることを
是正すべきだと考えています。
是正方法は、副腎疲労の解消に
尽きると言えるでしょう。
 我慢できないほどの急な尿意
や、昼夜問わず頻尿の症状が表
れる「過活動膀胱(OAB)」。
常にトイレの場所を気にしたり、
遠出を控えたりと、日常生活へ
の影響が見過ごせなくなる例も
あることは知っていましたが、
2018年11月に新薬ビベグロンが
発売されたというのは初耳でし
た。製造販売元が杏林製薬なの
で、すぐに問い合わせて、説明
会をやってもらおうと考えてい
ます。ミラベグロンは生殖可能
な年齢への使用は、極力避ける
必要がありますが、ビベグロン
にはその必要がないということ
も知りませんでした。ミラべク
ロン(商品名:ベタニス)を、
処方する時は、この点に注意し
ようと思いました。ただ、ミラ
べクロンもビベグロンもアドレ
ナリンのβ3受容体作動薬なの
で、β1の副作用が、受容体の
選択性で出現してしまうのは、
やむを得ないことだと思います。
つまり、重症の循環器疾患を持
っている人には、使えない薬で
あることを明記しておきたいと
思います。

 私用の仕様で開発した製品を
使用する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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