最近の号外Vol.1617メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.1617メルマガ

2020-08-14 22:57:46

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.1617 令和1年10月12日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
 
目次

1)初期乳ガンリンパ節転移を効率的治療する新手法
2)便秘薬が慢性腎臓病進行抑制し,循環器リスク低下

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】)初期乳ガンリンパ節転移を効率的治療する新手法

 
 
 
 
 
 
 
 
東北大学は9月17日、リンパ
節辺縁洞で増殖する初期乳ガン
リンパ節転移を効率的に治療す
る新しい手法を開発したと発表
しました。この研究は、同大大
学院医工学研究科腫瘍医工学分
野の小玉哲也教授が、近畿大学
医学部免疫学教室の加藤茂樹助
教らと共同で行ったものです。
研究成果は、国際科学誌「Scie
ntific Reports」(電子版)に
掲載されています。ガン細胞の
リンパ節への転移は、ガン細胞
が全身の臓器に広がる第一ステ
ップであると考えられます。乳
ガンなど多くのガンでは、ガン
細胞が分裂増殖しながらリンパ
管へ侵入します。ガン細胞は、
周囲の所属リンパ節、いわゆる
センチネルリンパ節に輸入リン
パ管を介して侵入し、リンパ節
の辺縁にある空隙(辺縁洞)で
生着・増殖します。これがリン
パ節転移の初期段階です。ガン
細胞は、転移初期段階で辺縁洞
周囲の豊富な血管に侵入し、血
流に乗って全身の主要臓器に転
移します。これまで適切な動物
モデルが存在せず、リンパ節転
移初期段階にある転移リンパ節
に対する新規治療法の開発が遅
れてきました。

そこで研究グループはまず、ヒ
トのリンパ節と同等の大きさ(
直径10mm程度)のリンパ節をも
つマウスと悪性度の高い乳ガン
細胞株を用いて、リンパ節辺縁
洞で腫瘍が増殖する初期乳ガン
リンパ節転移モデルを開発、研
究を進めました。このモデルマ
ウスの腸骨下リンパ節に、薬剤
とナノ・マイクロバブルとの混
合液を投与し、輸入リンパ管か
ら固有腋窩リンパ節に送達しま
した。混合液は辺縁洞で増殖す
る乳ガン細胞を満たし、髄洞へ
と流れ出ることが高周波超音波
画像で観察されました。この流
れの際に超音波を固有腋窩リン
パ節に照射すると、バブルは周
期的な運動や崩壊に伴って機械
的作用が発生し、この作用でが
ん細胞膜の透過性が一時的に亢
進しました。このとき、抗ガン
剤はガン細胞内に効率的に導入
され、強力な抗腫瘍効果が確認
されました。

リンパ洞には血流がないため、
従来の血行性の抗ガン剤の投与
(全身化学療法)ではリンパ節
転移に対する効果は限定的と考
えられますが、今回開発した治
療法は、全身化学療法に比べは
るかに少ない量の抗ガン剤で高
い抗腫瘍効果をもたらすことが
可能です。この手法により、従
来の全身化学療法で問題となる
後遺症や合併症、苦痛などの副
作用が低減され、ガン患者さん
のQOL が飛躍的に改善されるこ
とが期待されます。

センチネルリンパ節生検につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
秘薬で治療効果を飛躍的に高
める。          笑

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
2】 便秘薬が慢性腎臓病進行抑制し,循環器リスク低下

 
 
 
 
 
 
 
 
東北大学は9月18日、便秘症
の治療薬として使用される薬剤
リナクロチド(商品名リンゼス)
が慢性腎臓病の進行を抑え、心
血管疾患のリスクを低下させる
効果があることを、慢性腎臓病
動物モデルにおいて明らかにし
たと発表しました。この研究は、
同大学大学院医学系研究科およ
び大学院医工学研究科の阿部高
明教授、原(南都)文香研究員
(現・農業・食品産業技術総合
研究機構研究員)らが、同大学
薬学研究科の富岡佳久教授、慶
應義塾大学先端生命科学研究所
の福田真嗣特任教授らと共同で
行ったもの。研究成果は、欧州
腎臓協会学術誌「 Nephrology
Dialysis Transplantation 」
電子版に掲載されています。近
年、腸内細菌叢由来の代謝物質
である,トリメチルアミン-N-オ
キシドの血中濃度上昇が心血管
疾患の主要なリスク因子である
ことが臨床研究で示され、加え
て、慢性腎臓病患者さんの死亡
率を上昇させることも明らかと
なっています。そのため、血中
トリメチルアミン-N- オキシド
濃度を低下させることは心腎症
候群の治療と予防の新しいター
ゲットであると考えられます。

これまでに阿部教授らの研究グ
ループは、腸内環境および腸内
細菌叢由来の代謝物質に注目し
て腎臓病の新たな治療方法の研
究開発を続けてきました。今回
研究グループは、腸内環境を変
化させる薬剤として、便秘症の
治療薬であるリナクロチドを用
い、腎臓病に対する治療効果を
検討しました。腎不全マウスに
リナクロチドを投与すると、腎
臓の機能と組織の障害が改善し、
腎臓病の進行が抑制されました。
またCE-TOFMSという装置を用い、
腎不全時に血液中に蓄積する代
謝物質を測定した結果、リナク
ロチドを投与したマウスでは心
血管疾患のリスク因子であるト
リメチルアミン-N- オキシドの
血中濃度が減少することが明ら
かになりました。そこで、心筋
の繊維化とそのバイオマーカー
についてリナクロチドの効果を
評価したところ、腎不全マウス
で見られた心筋の繊維化の進行
および血中バイオマーカー(Ga
lectin-33 および ST2 )値の
上昇が、リナクロチド投与によ
って抑えられました。さらに、
次世代シークエンサーを用いた
遺伝子レベルでの腸内細菌叢解
析を行ったところ、リナクロチ
ド投与により特定の腸内細菌群
(クロストリジウム目)の割合
が減少しており、この変化がト
リメチルアミン-N- オキシドの
減少に関連していることが明ら
かになりました。

トリメチルアミン-N-オキシド
の元となるコリンなどの栄養素
を多量摂取すると、トリメチル
アミン-N- オキシド血中濃度が
増加し、動脈硬化や腎臓の線維
化が起こることが知られていま
す。そこで、コリンを多く含む
餌で飼育し血中トリメチルアミ
ン-N- オキシドを増加させたマ
ウスを用いてリナクロチドの効
果を検証したところ、リナクロ
チドの投与によりトリメチルア
バイオマーカーの血中濃度の減
少が認められたということです。

「今回の成果から腸内環境の改
善によりトリメチルアミン-N-
オキシドを低減させることは腸
-心臓-腎臓連関を介した心腎
症候群の予防と治療の一助とな
り、リナクロチドはその候補薬
となる可能性が示された」と、
研究グループは述べています。

慢性腎臓病と便秘について解説

している動画です。

 
 
 


 
 
懸賞金の分配方法を検証した。


 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 
東北大学が9月17日、リンパ
節辺縁洞で増殖する初期乳ガン
リンパ節転移を効率的に治療す
る新しい手法を開発したと発表
したのは画期的な業績です。た
だし、腫瘍にだけ、薬剤等が、
到着するドラッグデリバリーシ
ステムに注目した治療法である
ことは、それほど目新しいもの
であるとは、言えない気がしま
す。熊本大学の前田先生が開発
したナノサイズのポリマーを抗
ガン剤につけることで、やはり、
腫瘍にだけ薬剤が到達するとい
うやり方を踏襲しているような
印象を受けます。いずれにして
もこうした効果的治療の裏には、
ドラッグデリバリーシステムの
利用があることが多いと思われ
ます。
東北大学が9月18日、便秘症
の治療薬として使用される薬剤
リナクロチド(商品名リンゼス)
が慢性腎臓病の進行を抑え、心
血管疾患のリスクを低下させる
効果があることを、慢性腎臓病
動物モデルにおいて明らかにし
たと発表したのは、偉大な業績
です。今回の成果から腸内環境
の改善によりトリメチルアミン
-N- オキシドを低減させること
は腸-心臓-腎臓連関を介した
心腎症候群の予防と治療の一助
となり、リナクロチドはその候
補薬となる可能性が示唆された
ということです。即ち便秘の薬
が、心腎症候群の予防と治療に
貢献する薬剤となることを意味
しています。

成果を盛夏に上げる事を目標
にする。         笑

 
 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。