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2020-08-13 20:20:14

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診療マル秘裏話  号外Vol.1616 令和1年10月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)悪性乳ガン細胞の酵素輸送機構と関与の蛋白質
2)慢性痛が抑うつ状態を惹起の脳内メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】)悪性乳ガン細胞の酵素輸送機構と関与の蛋白質

 
 
 
 
 
 
 
 
東京薬科大学は9月11日、高
い浸潤・転移能をもつ悪性の乳
ガン細胞において、浸潤能に関
わる酵素の輸送機構とそれに関
わる蛋白質を発見した発表しま
した。この研究は、同大学生命
科学部分子細胞生物学研究室の
井上弘樹講師の研究グループが、
佐々木研究所の山口英樹博士と
共同で行ったものです。 この
成果は、米国科学誌「Journal
of Cell Biology」に掲載され
ています。ガンによる死因の90
%は、ガン細胞の浸潤・転移が
関係しています。乳ガンにおい
ても、転移の無い場合の5年生
存率は99%ですが、転移すると
27%に低下します。特に、悪性
度の高いトリプルネガティブタ
イプの乳ガンは転移しやすく、
既存の抗ガン剤が効きづらく、
難治性であることから、その診
断および治療の基礎となる遺伝
子、蛋白質レベルでの機構の解
明が求められています。 ガン
細胞の浸潤で中心的役割を果た
すのは、細胞膜に存在する酵素
「MT1-MMP 」です。コラーゲン
を分解して浸潤を助けますが、
細胞の中で作られたMT1-MMP の
輸送される仕組みはよく分かっ
ていませんでした。

今回研究グループは、MT1-MMP
が細胞内輸送に関わる蛋白質Be
t1を利用して効率的に細胞膜ま
で輸送されていることを発見し
ました。通常Bet1は、細胞膜へ
の輸送に関わっていませんが、
MT1-MMP と相互作用することで、
細胞膜への輸送を仲介するよう
になります。つまり、MT1-MMP
はBet1の機能を乗っ取り、自ら
の輸送に役立てているのです。
「この研究をさらに進めること
で、ガン転移の診断・治療法の
開発につながることが期待され
る」、と研究グループは述べて
います。

乳ガンのオーダーメイド治療に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
機構の解明についての説明を
聞こう。         笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 慢性痛が抑うつ状態を惹起の脳内メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
 
北海道大学は9月17日、慢性
痛が抑うつ状態を引き起こす脳
内メカニズムを解明したと発表
しました。この研究は、同大大
学院薬学研究院の南雅文教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は「The Journal of N
euroscience 」に掲載されてい
ます。研究グループは、分界条
床核から腹側被蓋野への神経経
路が慢性痛によってどのような
影響を受けるかを調べるため、
神経障害性疼痛モデルラットを
作製し、4週間にわたる慢性痛
を誘導した後、単一の神経細胞
の活動状態を計測できる電気生
理学的手法を用いて腹側被蓋野
に軸索を送る分界条床核の神経
細胞の活動状態を解析しました。
その結果、腹側被蓋野に軸索を
送る分界条床核の神経細胞は、
慢性痛時に持続的に抑制される
ことが分かりました。

次に、このような慢性痛による
神経回路の変化にコルチコトロ
ピン放出因子(CRF )が関与す
るかを調べました。慢性痛モデ
ルラットにおけるCRF 遺伝子の
発現量を調べると、分界条床核
と、分界条床核との機能的な連
関が知られている扁桃体中心核
の2つの脳領域においてCRF 遺
伝子発現が増えていました。さ
らに、慢性痛による分界条床核
の神経細胞の活動抑制にCRF が
関与するかについて調べたとこ
ろ、慢性痛モデルラットの分界
条床核にCRF の効果を遮断する
薬物を処置すると、分界条床核
の神経細胞の活動抑制は解除さ
れました。これらの結果から、
慢性痛時に分界条床核内のCRF
による神経情報伝達が過剰とな
り、腹側被蓋野に軸索を送る分
界条床核神経細胞が持続的に抑
制されることが示唆されました。

最後に、慢性痛時の分界条床核
における過剰なCRF 神経情報伝
達の遮断が脳内報酬系に与える
影響を検討したところ、脳内報
酬系において重要な役割を担っ
ているドパミン神経の活動が上
昇することが明らかとなりまし
た。以上の結果と、慢性痛時に
ドパミン神経活動が低下してい
るというこれまでの報告をあわ
せて考えると、慢性痛によって
分界条床核でCRF による神経情
報伝達が過剰となり、腹側被蓋
野に軸索を送る分界条床核神経
細胞が抑制されると、脳内報酬
系で中心的な役割を担うドパミ
ン神経が持続的に抑制されるこ
とが考えられ、このような脳内
報酬系の抑制が、慢性痛による
抑うつ状態を引き起こすとみら
れるということです。慢性痛に
よる抑うつ状態の脳内メカニズ
ムを明らかにした、今回の研究
成果は、慢性痛による抑うつや
不安を改善するだけでなく、う
つ病の治療にも役立つ新しい治
療薬の開発に貢献することが期
待されます。

研究グループは、「慢性痛モデ
ル動物において分界条床核にCR
F の効果を遮断する薬物を処置
すると脳内報酬系の抑制が解除
されたことからCRF などの神経
ペプチドを標的とした創薬の可
能性が期待される」と、述べて
います。

慢性疼痛の脳科学について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
高検の調べに貢献する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
東京薬科大学が9月11日、高
い浸潤・転移能をもつ悪性の乳
ガン細胞において、浸潤能に関
わる酵素の輸送機構とそれに関
わる蛋白質を発見した発表した
のは、偉大な業績です。 ガン
細胞の浸潤で中心的役割を果た
すのは、細胞膜に存在する酵素
「MT1-MMP 」です。コラーゲン
を分解して浸潤を助けますが、
細胞の中で作られたMT1-MMP の
輸送される仕組みはよく分かっ
ていなかったということです。
今回研究グループは、MT1-MMP
が細胞内輸送に関わる蛋白質Be
t1を利用して効率的に細胞膜ま
で輸送されていることを発見し
ました。MT1-MMP はBet1の機能
を乗っ取り、自らの輸送に役立
てているそうですからこの研究
をさらに進めることで、ガン転
移の診断・治療法の開発につな
がることに期待したいと、切に
願う次第です。
北海道大学が9月17日、慢性
痛が抑うつ状態を引き起こす脳
内メカニズムを解明したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
いつも痛いと、鬱々とした気分
になるのは、誰でも予想する事
ができますが、そのメカニズム
の解明となると一筋縄ではいか
ぬようです。 慢性痛によって
分界条床核でCRF による神経情
報伝達が過剰となり、腹側被蓋
野に軸索を送る分界条床核神経
細胞が抑制されると、脳内報酬
系で中心的な役割を担うドパミ
ン神経が持続的に抑制されるこ
とが考えられ、このような脳内
報酬系の抑制が、慢性痛による
抑うつ状態を引き起こすとみら
れるということです。 今回の
研究成果で、慢性痛による抑う
つや不安を改善するだけでなく、
うつ病の治療にも役立つ新しい
治療薬の開発に貢献することを
期待したいと思います。

抑うつ状態が常態化する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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