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2020-08-04 00:14:32

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診療マル秘裏話  号外Vol.1608 令和1年10月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
 
目次

1)指定難病自己免疫性肺胞蛋白症の新治療法開発
2)膵臓ガンの早期診断につながる研究成果を発表

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】指定難病自己免疫性肺胞蛋白症の新治療法開発

 
 
 
 
 
 
 
 
新潟大学は9月5日、指定難病
である自己免疫性肺胞蛋白症の
病因解明に基づく新しい治療法
を開発したと発表しました。こ
の研究は同大学医歯学総合病院
臨床研究推進センターの中田光
教授らを中心とする研究グルー
プ(全国12施設)が、2016年か
ら続けてきた日本医療研究開発
機構(AMED)の難治性疾患実用
化研究事業における研究開発課
題「自己免疫性肺胞蛋白症に対
する酵母由来組換GM-CSF吸入の
多施設共同医師主導治験」およ
び日本肺胞蛋白症患者会のサポ
ートを受けて行ったものです。
研究成果は、「The New Englan
d Journal of Medicine 」に掲
載されています。自己免疫性肺
胞蛋白症は、肺胞および細気管
支に、肺を内側から覆っている
「サーファクタント」という粘
液が貯留し、呼吸不全が進行す
る希少難病です。日本には推定
3,300 人の患者さんがいるとさ
れ、働き盛りである50歳代男性
に好発し、2割は在宅酸素療法
を余儀なくされます。現在の標
準治療は、全身麻酔下に片肺20
~30L の生理食塩水で洗浄する
全肺洗浄法で、患者さんにとっ
て苦痛を伴います。長年病因不
明でしたが、1999年に中田教授
らは、血液および肺に大量の抗
GM-CSF自己抗体が存在すること
を発見しました。健常な肺胞で
は、2型上皮細胞かららサーフ
ァクタントとGM-CSFが放出され
ています。1個の肺胞には50個
程度の肺胞マクロファージが存
在し、古くなった余分なサーフ
ァクタントを取り込んで消化し
ています。肺胞マクロファージ
が育ち、活動するためにはGM-C
SFが不可欠ですが、自己免疫性
肺胞蛋白症では、自己抗体によ
りGM-CSFが枯渇し、サーファク
タントの老廃物が溜まるという
仕組みが分かりました。後に抗
GM-CSF自己抗体を利用した血清
診断法が開発され、次いで、20
05年に研究グループの田澤教授
(現:東京医科歯科大)らが重
症の肺胞蛋白症患者さんにGM-C
SFを吸入投与することにより、
呼吸機能が改善することを報告
し、全世界に次第に同治療法が
普及しました。今回の治験では、
2016年9月から12月まで、全国
12施設(北海道大学、東北大学、
新潟大学、千葉大学、国際医療
研究センター、杏林大学、愛知
医科大学、京都大学、国立病院
機構近畿中央呼吸器センター、
神戸市立医療センター中央市民
病院、倉敷市立市民病院、長崎
大学)の呼吸器内科医が共同で、
自己免疫性肺胞蛋白症患者さん
から治験協力の同意を得て、6
か月間のGM-CSF(実薬)または
偽薬の吸入ののち偽薬群の患者
さんを含め4か月間の治療を行
ってデータを集め解析しました。

研究グループは、患者さんも医
師も投与している薬がGM-CSF(
実薬)なのか偽薬なのかを知ら
ない二重盲検法により、その効
果を検証しました。具体的には、
33人はGM-CSFの実薬を、30人は
偽薬を吸入し、動脈の中の酸素
圧、肺の酸素の取り込みや血清
マーカーの改善を実薬群と偽薬
群の間で比較しました。その結
果、問題となるような副作用は
現れず、肺胞気-動脈血酸素分
圧較差とよばれる酸素の取り込
み能力について、実薬群は偽薬
群に比べて統計的に優位な差が
みられ、GM‐CSFの実薬のほう
が優れていることが証明されま
した。

GM-CSF吸入療法は、枯渇したGM
-CSFを外から補う新しい治療法
です。1日2回20分程度の吸入を
自宅において24週間隔週で続け
るものであるため、何よりも患
者さんにとって楽な治療である
ことが特徴です。GM-CSFはすで
に薬剤(商品名Leukine )とし
て海外では上市されていますが、
日本では未承認薬です。今後、
国内における薬事承認申請と保
険収載を目指す企業を募集して
いく予定だということです。さ
らにGM-CSFは自己免疫性肺胞蛋
白症にとどまらず、肺の感染防
御能を高めることが期待される
ことから、「非結核性抗酸菌症
や肺アスペルギルス症などの肺
難治性感染症の治療に適応拡大
されていくことが予想される」
と、研究グループは述べていま
す。

肺胞蛋白症について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
各州で隔週で催しものが開催
された。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 膵臓ガンの早期診断につながる研究成果を発表

 
 
 
 
 
 
 
 
愛媛大学は9月5日、膵臓ガン
の早期診断につながる研究成果
を発表しました。 この研究は、
同大学医学部附属病院地域医療
支援センターの熊木天児准教授
と第三内科(診療科長:日浅陽
一教授)らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Ma
yo Clinic Proceedings 」にオ
ンライン掲載されています。膵
臓ガンは、ガンの中でも最も予
後不良であることが知られてい
ます。一方で、腹部超音波検査
や腹部CT検査で写る、直接所見
である腫瘍(いわゆる「しこり」)
ではなく、腫瘍が写る前の間接
所見(膵管拡張や嚢胞性病変)
が膵臓ガンの早期診断につなが
ることが報告されています。

慢性的な肝臓病を持つ患者さん
では、肝臓ガンを発症しやすい
ため、定期的に腹部画像検査を
受けることがガイドラインで強
く勧められています。したがっ
て、そのような患者さんが膵臓
ガンを発症した場合、直接所見
である「しこり」が写る前に偶
然にも間接所見を指摘され、膵
臓ガンの早期診断につながって
いる可能性があります。研究グ
ループは、過去に愛媛膵胆道疾
患研究グループの施設で膵臓が
んと診断された447 人を対象に
診断の契機を調査しました。そ
の結果、慢性的な肝臓病を持ち
(今回の研究ではB型およびC型
肝炎ウイルスに限定)、定期的
に腹部画像検査を受けていた患
者さん16人は、腹痛など症状が
あるために病院を受診した患者
さん431 人より明らかに早い段
階で膵臓ガンと診断されていま
した。

今回の結果により、膵臓ガンと
は関係の薄い症状で受けた検査
や人間ドックなどによって、偶
然、膵臓に異常が見つかった場
合は、たとえ症状が無くても専
門医のもとで精密検査を受ける
ことを推奨する必要があること
が分かりました。また、どんな
腹部の画像検査においても、医
療従事者は膵臓の間接所見、特
に主膵管拡張の有無について注
意深く観察し、その重要性を認
識する必要がということも明ら
かとなりました。これらの実施
により、膵臓ガンの早期診断に
つながることが期待されます。
しかしながら、定期的に画像検
査を受けていても進行した段階
で診断される患者さんがいるの
も事実であり、膵臓ガンの診断
にはまだまだ多くの課題が残さ
れています。

なお、今回の研究は、膵臓ガン
検診を勧めている研究ではなく、
また慢性的な肝臓病を持つ患者
さんが膵臓ガンになりやすいと
した研究でもないとしています。

血液検査で膵臓ガンを早期発見

する方法について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
多くの課題が過大評価された。


 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
新潟大学が9月5日、指定難病
である自己免疫性肺胞蛋白症の
病因解明に基づく新しい治療法
を開発したと発表したのは偉大
な業績です。自己免疫性肺胞蛋
白症は、肺胞および細気管支に、
肺を内側から覆っている「サー
ファクタント」という粘液が貯
留し、呼吸不全が進行する希少
難病です。日本には推定3,300
人の患者さんがいるとされ、働
き盛りである50歳代男性に好発
し、2割は在宅酸素療法を余儀
なくされるということですから、
重症の肺胞蛋白症患者さんにGM
-CSFを吸入投与することにより、
呼吸機能が改善することを報告
し、全世界に次第に同治療法が
普及したことは本当に喜ばしい
事態であると考えられます。
愛媛大学が9月5日、膵臓ガン
の早期診断につながる研究成果
を発表したのは素晴らしい業績
です。膵臓ガンは、ガンの中で
も最も予後不良であることが知
られています。当クリニックに
よる代替療法でも、末期ガンの
方ではお手上げの状態が続くこ
とがあります。その一方で、腹
部超音波検査や腹部CT検査で写
る、直接所見である腫瘍(いわ
ゆる「しこり」)ではなく、腫
瘍が写る前の間接所見(膵管拡
張や嚢胞性病変)が膵臓ガンの
早期診断につながることが報告
されているのは、初耳でした。
今回の結果により、膵臓ガンと
は関係の薄い症状で受けた検査
や人間ドックなどによって、偶
然、膵臓に異常が見つかった場
合は、たとえ症状が無くても専
門医のもとで精密検査を受ける
必要性を十分に検討すべきであ
ることが良く分かりました。

拳闘の試合で健闘することを
検討した。        笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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