最近の号外Vol.1563メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.1563メルマガ

2020-06-12 22:45:02

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1563 令和1年8月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)皮膚での放射線の生体の影響を解明したと発表
2)肺動脈性肺高血圧症新規治療薬候補の治療効果

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】皮膚での放射線の生体の影響を解明したと発表

 
 
 
 
 
 
 
東京工業大学は7月16日、iP
S 細胞から皮膚ケラチノサイト
を作製し、皮膚における放射線
の生体影響を明らかにしたと発
表しました。この研究は、同大
学科学技術創成研究院 先導原
子力研究所の島田幹男助教と松
本義久准教授、大学院総合理工
学研究科の三宅智子大学院生、
科学技術創成研究院 未来産業
技術研究所の沖野晃俊准教授ら
の研究グループが、タカラベル
モント株式会社と共同で実施し
たものです。研究成果は米国放
射線腫瘍学会誌「Internationa
l Journal of Radiation Oncol
ogy Biology Physics 」電子版
に掲載されています。生体では
細胞内代謝により発生する活性
酸素などの内的要因や紫外線、
放射線などの外的要因により、
常に細胞内DNA に損傷が生じて
います。その損傷は生体に本来
備わっているDNA 修復機構によ
って直ちに修復されますが、ま
れに修復し切れなかった損傷が
細胞内に蓄積することにより、
細胞のガン化や老化につながる
と考えられています。皮膚や筋
肉、骨など身体を構成する体細
胞の元になる幹細胞にDNA 損傷
が蓄積すると、細胞減少や細胞
機能低下につながり、さまざま
な老化現象を引き起こします。
例えば、皮膚付属器官である毛
包組織においてDNA 損傷により
幹細胞が枯渇すると白髪、薄毛
などの老化現象に至ります。

これまでヒト皮膚由来ケラチノ
サイトの放射線に対するDNA 損
傷応答に関する報告は少ないと
されてきました。そこで今回の
研究では、ヒトiPS 細胞からケ
ラチノサイトを作製し、幹細胞
から前駆細胞まで分化レベルの
異なる細胞のDNA 損傷応答を比
較しました。また、実際の皮膚
に近い三次元細胞培養実験系を
用いて放射線応答を解析しまし
た。研究グループは、ヒト皮膚
線維芽細胞から作製したiPS 細
胞を皮膚ケラチノサイトに分化
誘導させ、線維芽細胞、iPS 細
胞、iPS 細胞由来皮膚ケラチノ
サイトにおける放射線照射時の
DNA 損傷応答の違いを解析しま
した。その結果、iPS 細胞は線
維芽細胞、ケラチノサイトに比
べて、放射線に対する感受性が
高く、死にやすい性質を持って
いることが明らかになった。

DNA 修復には多くの蛋白質が関
与しますが、クロマチン内のヒ
ストンH2AXのリン酸化などを指
標に解析を行いました。 その
結果、iPS 細胞ではリン酸化H2
AXを持つ細胞が放射線照射8時
間経過後も20%弱残っていたの
に対し、継代1回後のケラチノ
サイトでは5%以下になっていま
した。皮膚ケラチノサイトは、
継代を重ねるごとに、DNA 損傷
修復速度に遅延がみられました。
継代数が少ない細胞は幹細胞に
近い性質を持っており、放射線
照射により細胞生存率が低下し、
プログラムされた細胞死である
アポトーシスの比率が増加しま
したが、継代数の増加に伴い放
射線に対して抵抗性を示すこと
が分かったということです。

以上の結果より、未分化の細胞
であるiPS 細胞には、DNA が少
しでも損傷したらアポトーシス
による細胞死を誘導するなど、
DNA 損傷が残存することを防ぐ
機構が備わっていると考えられ
ました。それに対して、成熟し
たケラチノサイトではDNA 損傷
が修復される速度と割合が減少
していました。ケラチノサイト
は成熟すると細胞核が消失し、
角質層を形成し、物理的な刺激
から体を守るという役割を担っ
ています。つまり、いずれ核が
消失する運命にあるために、成
熟したケラチノサイトはDNA 損
傷を修復する機能が低下しても
問題ないと考えられます。

同研究はiPS 細胞から作製した
皮膚ケラチノサイトにおける基
礎的な放射線応答を解析した最
初の例であり、ガンや老化のメ
カニズム解明だけでなく、放射
線治療における皮膚防護剤や皮
膚疾患の治療薬、化粧品の開発
などにも役立つことから、さま
ざまな分野への波及効果が期待
されます。

放射線の種類と性質について

解説している動画です。

 
 


 
 
 
昨日の機能が低下して定価も
低下する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 肺動脈性肺高血圧症新規治療薬候補の治療効果

 
 
 
 
 
 
 
東北大学大学院医学系研究科
の下川宏明教授らの研究グルー
プは、心臓から肺に血液を送る
肺動脈の圧力が異常に上昇する
難病「肺動脈性肺高血圧症」の
新規治療薬候補を発見しました。
肺動脈性肺高血圧症患者の細胞
を用いて5562種類の化合物ライ
ブラリーを網羅的に探索した所、
細菌由来の化合物「セラストラ
マイシン」が治療効果を示すこ
とが分かりました。肺高血圧モ
デルマウスや、ラットで顕著な
治療効果が確認されたというこ
とです。病状が進行した患者さ
んに対する本質的な治療薬の開
発が求められている肺動脈性肺
高血圧症への臨床応用が期待さ
れます。

肺動脈性肺高血圧症は、肺動
脈壁の細胞が異常に増殖するこ
とで肺動脈が狭窄・閉塞し、心
臓から肺に向かう血圧が高くな
った結果、心臓(右心室と右心
房)に過剰な負荷がかかり右心
不全を来す恐れのある難病です。
既存薬は狭くなった血管を拡張
させて血管抵抗を下げることに
より肺動脈の血圧を下げる効果
を狙ったもので、肺血管壁の異
常な細胞増殖そのものを抑える
根本的な治療薬は肺移植以外に
ありませんでした。

肺動脈性肺高血圧症の病因と
して、肺動脈の細胞(血管平滑
筋細胞)が増殖してしまうこと
が知られていますが、研究チー
ムはセラストラマイシンに細胞
の増殖を抑制する作用があるこ
とを見いだしました。細胞増殖
抑制にどのように作用するか詳
細に解析した所、抗炎症作用、
酸化ストレス抑制作用、ミトコ
ンドリア機能改善作用を確認し
ました。これらの結果として異
常増殖を抑えることを明らかに
しました。

肺動脈血管平滑筋細胞の異常
増殖を治療標的とした、まった
く新しい切り口の有効性が示唆
されたといえます。研究チーム
は今後、新規治療薬の開発を目
指して基礎研究から臨床応用に
進めていく意向です。

肺高血圧症の新規治療薬につい

ての講演動画です。

 
 


 
 
 
以降の教授の意向を踏まえて
計画を移行する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
東京工業大学が7月16日、iP
S 細胞から皮膚ケラチノサイト
を作製し、皮膚における放射線
の生体影響を明らかにしたと発
表したのは、偉大な業績です。
生体では細胞内代謝により発生
する活性酸素などの内的要因や
紫外線、放射線などの外的要因
により、常に細胞内DNA に損傷
が生じていて、通常その損傷は
生体に本来備わっているDNA 修
復機構によって直ちに修復され
ますが、まれに修復し切れなか
った損傷が細胞内に蓄積するこ
とにより、細胞のガン化や老化
につながると考えられているの
で、こうした損傷が蓄積されな
いようにすることが、ガンや、
老化を予防する元となることで
しょう。この研究は、iPS 細胞
から作製した皮膚ケラチノサイ
トにおける基礎的な放射線応答
を解析した最初の例であり、が
んや老化のメカニズム解明だけ
でなく、放射線治療における皮
膚防護剤や皮膚疾患の治療薬、
化粧品の開発などにも役立つこ
とから様々な分野への波及効果
に期待したいと思います。
東北大学大学院医学系研究科
の下川宏明教授らの研究グルー
プは、心臓から肺に血液を送る
肺動脈の圧力が異常に上昇する
難病「肺動脈性肺高血圧症」の
新規治療薬候補を発見したのは、
偉大な業績です。しかも、既存
の薬物のように、狭くなった血
管を拡張させて血管抵抗を下げ
ることにより肺動脈の血圧を下
げる効果を狙うのではなく、肺
血管壁の異常な細胞増殖そのも
のを抑える根本的な治療薬候補
ということですから、凄いとし
か言いようがありません。私が
研修医の頃から、膠原病による
肺動脈性肺高血圧症は、膠原病
の中で、唯一、劇的な増悪をき
たす病気として知られていまし
た。慢性関節リウマチのような
普通の膠原病では、経過がゆっ
くり進むため、免疫抑制の手法
が取られることが多いのですが、
免疫抑制の手法をとってもとの
膠原病を治療したとしても、こ
の病気が出てきて亡くなる患者
さんを多数見送って来ました。
当然、肺動脈性肺高血圧症は、
膠原病によるものだけではない
ので、急激な症状の増悪を来す
ことなく治療ができるようにな
るのは本当に喜ばしいことです。

主峰を征服するのに登山家が
用いる手法。笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。