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2020-05-30 20:21:28

カテゴリー:ブログ



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診療マル秘裏話  号外Vol.1552 令和1年7月28日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)食事肥満の誘導に自然リンパ球という細胞が関与
2)急性肝不全を制御する、新たな免疫細胞を発見

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】食事肥満の誘導に自然リンパ球という細胞が関与

 
 
 
 
 
 
 
理化学研究所(理研)は7月3
日、食事による肥満の誘導に自
然リンパ球という、免疫細胞が
関与することを発見したと発表
しました。この研究は、同生命
医科学研究センター粘膜システ
ム研究チームの佐々木崇晴研究
員、免疫細胞システム研究チー
ムの小安重夫チームリーダー、
自然免疫システム研究チームの
茂呂和世チームリーダーらの研
究グループによるものです。
研究成果は「Cell Reports」に
7月2日付で掲載されました。糖
尿病や高血圧、脂質異常症など
の発症リスクを増加させる「肥
満」の誘導には、さまざまな複
合的要因が関与しており、食事
や生活習慣のみならず、免疫系
や腸内細菌も関与することが知
られています。

リンパ球は獲得免疫系のリンパ
球と、自然免疫系のリンパ球「
自然リンパ球」の2種類に分類
されます。T細胞やB細胞のよう
な獲得免疫系のリンパ球は、外
界から侵入した異物(抗原)の
構造を特異的に認識して活性化
します。一方、自然リンパ球は
近年新しく発見された細胞であ
り、抗原特異的な受容体を持た
ず、周囲の細胞から産生される
サイトカイン等の情報伝達物質
によって活性化します。この自
然リンパ球が肥満の誘導に関与
するのかについては、よく分か
っていませんでした。研究グル
ープは、リンパ球と肥満の誘導
との関連性を明らかにするため
に、獲得免疫系のリンパ球(T
細胞、B細胞、NKT細胞)を欠損
したRag2-/- マウスと、自然リ
ンパ球(ILCs)を含め、全ての
リンパ球を欠損したIl2rg-/Rag
2-/-マウスに高脂肪食を与えま
した。その結果、Rag2-/- マウ
スでは野生型マウスと同様に肥
満が誘導されたのに対し、Il2r
g-/-Rag2-/- マウスは肥満にな
りにくいことが分かりました。
このことは、獲得免疫系のリン
パ球ではなく、自然免疫系のリ
ンパ球が肥満の誘導に関与して
いることを意味しています。そ
こで、どの自然リンパ球が肥満
の誘導に関与しているのかを調
べるために、1型自然リンパ球
(ILC1)、2型自然リンパ球(
ILC2)、3型自然リンパ球(ILC
3 )をそれぞれ欠損したマウス
に肥満を誘導したところ、ILC2
を欠損したマウスとILC3を欠損
したマウスが肥満になりにくい
ことが分かりました。特に、IL
C2欠損マウスの方が肥満になり
にくかったことから、ILC2が肥
満の誘導に重要な役割を持つこ
とが判明しました。

これまでの研究で、脂肪組織の
ILC2が脂肪細胞などから産生さ
れるインターロイキン33(IL-3
3 )と呼ばれるサイトカインに
よって活性化すると、肥満を抑
制することが報告されていまし
た。そこで、野生型マウスから
脂肪組織のILC2を採取し、Il2r
g-/-Rag2-/-マウスに移植して
高脂肪食を摂食させた所、確か
に肥満は誘導されませんでした。
ところが、栄養を吸収する臓器
である小腸に存在するILC2を野
生型マウスから採取し、Il2rg-
/-Rag2-/- マウスに移植して高
脂肪食を与えた結果、肥満が誘
導されるようになりました。こ
の結果は、脂肪組織のILC2では
なく、小腸のILC2が肥満の誘導
に関与することを意味していま
す。

自然リンパ球はヒトにも存在し、
マウスと類似した機能を持つこ
とが知られています。「今後、
研究が進んで自然リンパ球がど
のように肥満の誘導に関与する
のかが明らかになれば、新しい
肥満改善法やメタボリックシン
ドロームの予防・治療法の開発
につながると期待できる」と、
研究グループは述べています。

自然リンパ球について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
疾患の予防・治療法を呼ぼう。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 急性肝不全を制御する、新たな免疫細胞を発見

 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は7月3日、急性
肝不全を制御する、新たな免疫
細胞を発見したと発表しました。
この研究は、同大医学部内科学
(消化器)教室の金井隆典教授、
中本伸宏准教授、幸田裕造共同
研究員の研究グループによるも
のです。研究成果は「Journal
of Clinical Investigation」
のオンライン版に掲載されてい
ます。急性肝不全(劇症肝炎)
は、肝臓で激しい炎症が起こり、
急激に肝細胞が破壊される肝疾
患です。肝臓の機能異常が進行
し、全身の臓器に影響すること
で多臓器不全となる致死性の高
い疾患ですが、この疾患に対し
ては肝移植以外に有効な治療法
が少なく、その肝移植もドナー
の確保が難しいという課題を抱
えていました。また、ウイルス
性肝炎、薬剤性肝炎、自己免疫
性肝炎など、さまざまな背景の
急性肝炎から重症化し急性肝不
全となりますが、詳細なメカニ
ズムは明らかにされていません
でした。そこで研究グループは、
急性肝不全の背景となる急性肝
炎患者について、血液中の免疫
細胞の種類を解析し、病態に関
与する免疫細胞の同定を試みま
した。同研究グループは、フロ
ーサイトメトリーにより、各急
性肝炎患者の血液中の免疫細胞
の種類を解析しました。 その
結果、急性期の自己免疫性肝炎
患者さんにおいて、健常者と比
較して、樹状細胞の一種である
「形質細胞様樹状細胞」が顕著
に減少していることを発見しま
した。

次に、自己免疫性肝炎が原因で
急性肝不全となった患者さんの
肝臓組織標本を用いて形質細胞
様樹状細胞の肝臓組織中におけ
る変動を解析しました。 その
結果、急性肝不全患者さんの肝
臓組織においても、形質細胞様
樹状細胞の割合が、健常者の肝
組織標本と比較して、顕著に減
少していました。これらのこと
から、形質細胞様樹状細胞が自
己免疫性肝炎および自己免疫性
肝炎に起因する急性肝不全の病
態に関与していることが示唆さ
れました。

さらに、自己免疫性肝炎モデル
マウスを用いて、形質細胞様樹
状細胞の本疾患における役割の
解明を試みました。遺伝子改変
技術により、形質細胞様樹状細
胞を欠失させたマウスに、ConA
肝炎を誘導し、病態への影響を
検討したところ、健常マウスに
肝炎を誘導した場合と比較して、
顕著な病態の悪化が認められま
した。加えて、骨髄細胞から大
量培養して調製した形質細胞様
樹状細胞をConA肝炎誘発マウス
に移植すると、病態が顕著に改
善しました。これらのことから、
モデルマウスにおいて、形質細
胞様樹状細胞が保護的な役割を
果たしていることが示されまし
た。すなわち、形質細胞様樹状
細胞を移植する、もしくは増殖
を誘導するという方法が、自己
免疫性肝炎および自己免疫性肝
炎に起因する急性肝不全の新た
な治療法となる可能性が示唆さ
れました。

続けて、形質細胞様樹状細胞が
急性肝障害を抑制する詳細なメ
カニズムの検討を行いました。
形質細胞様樹状細胞を移植した
ConA肝炎誘発マウスと移植して
いないConAマウスの血清中サイ
トカイン量を網羅的に解析した
ところ、形質細胞様樹状細胞を
移植したマウスの血清において、
免疫抑制性のサイトカインであ
るIL-35 が顕著に増加している
ことを発見しました。このIL-3
5 というサイトカインは、肝炎
の悪玉因子として働くインター
フェロン(IFN)-γを抑制する
作用があることが知られていま
すが、今回、形質細胞様樹状細
胞を移植したマウスの血清中で、
IFN-γに加え IFN-γ を産性す
る肝臓中TH1 細胞も有意に減少
していることが分かりました。

また、形質細胞様樹状細胞を移
植したマウスに、IL-35 活性を
中和する抗体や、IL-35 の主要
な産生細胞である制御性T細胞
を除去する抗体を投与したとこ
ろ、形質細胞様樹状細胞の肝炎
抑制作用は失われました。これ
らのことから、形質細胞様樹状
細胞が制御性T細胞のIL-35を増
加させ、IL-35が肝臓中TH1細胞
を減少させることにより、その
産物である悪玉因子のIFN-γも
減少し、肝臓の炎症が抑制され
ることが示されました。今回の
研究では、形質細胞様樹状細胞
に肝臓を保護する機能を有して
おり形質細胞様樹状細胞の減少
が急性肝不全の発症・病態の増
悪化の原因となっている可能性
が示唆されました。現在、肝移
植以外に急性肝不全を改善する
有効な治療法は報告されていま
せん。研究グループでは、今回
得られた知見に関し、ヒト由来
の形質細胞様樹状細胞を用いた
詳細な検討を予定しており、今
回の成果は、急性肝不全や肝炎
に対する細胞療法などの新たな
治療法の開発につながることが
期待されます。

肝不全の5つの症状と4つの原因

について解説している動画です。

 
 


 
 
商才について詳細な調査を行
う。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 
理化学研究所(理研)は7月3
日、食事による肥満の誘導に自
然リンパ球という、免疫細胞が
関与することを発見したと発表
したのは偉大な業績です。肥満
の誘導には、さまざまな複合的
要因が関与しており、食事や生
活習慣のみならず、免疫系や腸
内細菌も関与することは周知の
事実です。2006年、イギリ
スの科学雑誌『ネイチャー』に
米ワシントン大学のジェフリー・
ゴードン博士らが発表した理論
は、肥満の人とやせている人の
腸内フローラは違うという画期
的なものでした。肥満の人の腸
内細菌には、消化しづらい食物
繊維まで栄養に変えてしまうフ
ァーミキューテス類(デブ菌)
が多く、バクテロイデーテス類
(ヤセ菌)が少ないというので
す。それに対し、やせている人
の腸内細菌は、デブ菌が少なく
ヤセ菌が多かったそうです。こ
のような腸内細菌の差もありま
すが、獲得免疫系のリンパ球で
はなく、自然免疫系のリンパ球
が肥満の誘導に関与している事
が分かったのは画期的な発見と
言えましょう。
慶應義塾大学が7月3日、急性
肝不全を制御する、新たな免疫
細胞を発見したと発表したのは、
素晴らしい業績です。急性肝不
全(劇症肝炎)は、肝臓で激し
い炎症が起こり、急激に肝細胞
が破壊される肝疾患であり肝臓
の機能異常が進行し、全身の臓
器に影響することで多臓器不全
となる致死性の高い疾患です。
この疾患に対しては肝移植以外
に有効な治療法が少なく、その
肝移植もドナーの確保が難しい
という課題を抱えており、ウイ
ルス性肝炎、薬剤性肝炎、自己
免疫性肝炎等、さまざまな背景
の急性肝炎から重症化し急性肝
不全となりますが、詳細なメカ
ニズムは明らかにされていない
ということは、私も身に染みて
感じていました。白血病で急性
肝不全になった患者さんがいた
からです。フローサイトメトリ
ーにより、各急性肝炎患者の血
液中の免疫細胞の種類を解析し
た結果、急性期の自己免疫性肝
炎患者さんにおいて、健常者と
比較して、樹状細胞の一種であ
る「形質細胞様樹状細胞」が顕
著に減少していることを発見し
たのは、本当に凄いとしか言い
ようがありません。

皮革製品をの価格を比較する。


 
 
 
 
 
 
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