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2020-05-29 23:01:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.1551 令和1年7月27日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)血清ポリアミン と代謝産物種がパーキンソン病バイオマーカー
2)遺伝子治療薬が網膜色素変性治験で一例目投与

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】血清ポリアミン と代謝産物種がパーキンソン病バイオマーカー

 
 
 
 
 
 
 
日本医療研究開発機構(AMED
)は、7月2日、パーキンソン病
患者血清中のポリアミン(スペ
ルミン)とその代謝産物種がパ
ーキンソン病診断・重症度評価
のバイオマーカーになりうるこ
とを発見し、さらに、パーキン
ソン病患者ではオートファジー
誘導作用によって長寿効果を持
つとされるスペルミン産生が年
齢にかかわらず一貫して低下し
ていることを明らかにしたと発
表しました。この研究は、順天
堂大学大学院医学研究科神経学
の斉木臣二准教授、服部信孝教
授、老人性疾患病態・治療研究
センターの吉川有紀子特任助教
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、米国神経学会
誌「Annals of Neurology 」の
オンライン版で公開されていま
す。パーキンソン病は有病率が
10万人あたり140 人に上る日本
で2番目に多い神経変性疾患で、
運動に関する症状(手足・首が
震える、手足がこわばる)が徐
々に進行します。研究グループ
は以前から、微量血液に含まれ
る、パーキンソン病患者さんの
病状を正確に反映するバイオマ
ーカーを探索していますが、現
時点では臨床応用されているも
のはありません。今回、研究グ
ループは「パーキンソン病発症
率が加齢とともに大きく上昇す
る」ことに着目し、患者さん体
内で抗加齢効果を持つ物質が減
少しているという仮説を立て、
研究を開始しました。まず、パ
ーキンソン病患者さんを含む集
団血漿データ(健常者45名、パ
ーキンソン病患者さん145 名)
を検討し、抗加齢効果を持つス
ペルミジンから作られるN8‐ア
セチルスペルミジンの値が上昇
していることを発見しました。
スペルミジンやスペルミンはポ
リアミンの一種であり、線虫・
ショウジョウバエ・マウスにお
いてオートファジーを誘導する
ことで、運動機能保持・記憶力
保持・心機能保護等の抗加齢効
果を持っています。

次にパーキンソン病患者体内で
ポリアミンがどのように代謝さ
れているかを解明するため、別
集団(健常者49名、パーキンソ
ン病患者186 名)において病期・
重症度との関連を血清ポリアミ
ンとその代謝産物7種(スペル
ミジン、スペルミン、N1,N8-ジ
アセチルスペルミジン、N1‐ア
セチルスペルミジン、N8‐アセ
チルスペルミジン、N1,N12-ジ
アセチルスペルミン、N-アセチ
ルスペルミン)に拡張して評価
し、併せてMRI における脳実質
の変化との関係や代謝酵素遺伝
子変異を調べました。その結果、
パーキンソン病患者群ではジア
セチルスペルミジン、N1-アセ
チルスペルミジン、N8-アセチ
ルスペルミジン、ジアセチルス
ペルミン、スペルミジンが有意
に増加している一方、スペルミ
ンは減少していることを発見し
ました。これらの代謝物のうち、
ジアセチルスペルミジンはパー
キンソン病の重症度に相関して
上昇していました。また、ポリ
アミン7種の各濃度により高確
率でパーキンソン病を診断でき
ることがわかり、バイオマーカ
ーとしての有用性が実証できま
した。パーキンソン病患者さん
では黒質ドパミン神経細胞だけ
でなく、他の神経軸索ネットワ
ークも障害されていますが、無
作為に抽出したパーキンソン病
患者さん20名のMRI 像の脳の軸
索変化とジアセチルスペルミジ
ン値の関係を検討した所、ジア
セチルスペルミジンが高いほど、
脳の軸索障害が強いことが分か
りました。研究グループはさら
に、パーキンソン病患者群では
スペルミジンが増加しているに
も関わらず、その下流代謝物で
あるスペルミンが減少している
ことに着目しました。実際、ス
ペルミン/スペルミジン比はパ
ーキンソン病患者で有意に低下
しており、健常者では加齢に伴
いスペルミン/スペルミジン比
が低下するのに対し、パーキン
ソン病患者群では年齢に関係な
く低値を示しました。この結果
は加齢が最大のリスクとされる
パーキンソン病患者さんでは、
スペルミンによる抗加齢作用が
低下していることを示唆するも
のです。また7種のポリアミン
化合物の中でスペルミンが神経
系細胞で最も高いオートファジ
ー誘導能を示しました。

研究グループは、オートファジ
ー誘導能が最も高いスペルミン
について、その体内濃度を調節
する仕組み・オートファジーを
誘導する仕組みについて検討を
続けており、加齢メカニズムと
パーキンソン病の発症メカニズ
ムとの関係をさらに明らかにす
ることで、パーキンソン病の新
たな治療法の開発を目指してい
くとしています。

パーキンソン病についての講演

動画です。

 
 


 
 
鰈が加齢で華麗に変身した。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 遺伝子治療薬が網膜色素変性治験で一例目投与

 
 
 
 
 
 
 
 
臨床試験(治験)支援大手の
アイロムグループは、100%子会
社のIDファーマが開発を進める
遺伝子治療薬「DVC1-0401」に
ついて、網膜色素変性を対象に
九州大学病院で行っている医師
主導治験で1例目の投与がこの
ほど実施されたと発表しました。
同薬はレンチウイルスの一種で
あるサル免疫不全ウイルスベク
ターに治療用遺伝子を搭載して
います。眼科における遺伝子治
療の治験は国内初の試みで、安
全性と有効性が確認されれば、
患者さんの失明防止へ大きな一
歩となります。ウイルスベクタ
ーはIDファーマと九大が共同で
開発しました。網膜色素変性は
網膜に存在する光を感じる細胞
が徐々に失われていく遺伝性の
病気で、厚生労働省から難病に
指定されています。

網膜色素変性症の再生医療につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
治験で有用な知見を得る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
日本医療研究開発機構(AMED
)は、7月2日、パーキンソン病
患者血清中のポリアミン(スペ
ルミン)とその代謝産物種がパ
ーキンソン病診断・重症度評価
のバイオマーカーになりうるこ
とを発見し、さらに、パーキン
ソン病患者ではオートファジー
誘導作用によって長寿効果を持
つとされるスペルミン産生が年
齢にかかわらず一貫して低下し
ていることを明らかにしたと発
表したのは素晴らしい業績です。
以前から、微量血液に含まれる、
パーキンソン病患者さんの病状
を正確に反映するバイオマーカ
ーを探索していますが、現時点
では臨床応用されているものは
ないということですから、スペ
ルミンに着目したのは慧眼だっ
たと言えるでしょう。
臨床試験(治験)支援大手の
アイロムグループは、100%子会
社のIDファーマが開発を進める
遺伝子治療薬「DVC1-0401」に
ついて、網膜色素変性を対象に
九州大学病院で行っている医師
主導治験で1例目の投与がこの
ほど実施されたと発表したのは、
画期的な試みと言えるでしょう。
同薬はレンチウイルスの一種で
あるサル免疫不全ウイルスベク
ターに治療用遺伝子を搭載して
いるということです。眼科にお
ける遺伝子治療の治験は国内初
の試みで、安全性と有効性が確
認されれば患者さんの失明防止
へ大きな一歩となる事でしょう。
ウイルスベクターはIDファーマ
と九大が共同で開発し、網膜色
素変性は網膜に存在する光を感
じる細胞が徐々に失われていく
遺伝性の病気で、厚生労働省か
ら難病に指定されているので、
このような画期的なウイルス療
法がなされることは、患者さん
にとって大きな福音となること
間違いなしでしょう。

私邸で指定の動画を見る様に
命令した。笑

 
 
 
 
 
 
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