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2020-05-15 23:14:04

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診療マル秘裏話  号外Vol.1539 令和1年7月13日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)従来の核酸医薬効果を飛躍的に向上する新技術
2)ロスマリン酸摂取で、アミロイドβ凝集を抑制

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】従来の核酸医薬効果を飛躍的に向上する新技術

 
 
 
 
 
 
 
東京医科歯科大学は6月19日、
マイクロRNA を標的とした従来
の核酸医薬の効果を飛躍的に向
上する新技術の開発に成功した
と発表しました。 この研究は、
同大学院医歯学総合研究科脳神
経病態学分野(神経内科)の横
田隆徳教授、吉岡耕太郎特任助
教らと、大阪大学大学院薬学研
究科生物有機化学分野などとの
共同研究グループによるもので
す。研究成果は、国際科学誌「
Nucleic Acids Research」オン
ライン版に、同日付で掲載され
ました。マイクロRNA は、22塩
基長前後の短いRNA 種で、1マ
イクロRNA あたり100 種以上の
メッセンジャーRNA を抑制する
ことで、さまざまな生命現象を
調節しています。マイクロRNA
の発現や機能の異常は、ガンや
神経難病などのさまざまな疾患
と関連していることが近年報告
されています。そのため、ガン
を中心とした疾患の診断のため
のバイオマーカーとしてのマイ
クロRNA は、既に臨床応用され
ているばかりでなく、治療標的
分子として特に重要視されてい
ます。そのマイクロRNA を制御
する最も有望な手法のひとつが、
マイクロRNA に特異的に結合し
機能を抑制する核酸医薬「アン
チミア」です。アンチミアは、
DNAやRNAといった天然の核酸分
子に加えて、化学修飾をした非
天然核酸分子を用いることでマ
イクロRNA への認識や安定性を
向上させることができ、次々と
臨床試験が行われています。そ
の一方で、課題として生体内で
の有効性が不十分である点があ
り、毒性も十分には解決されて
おらず、医療品としての承認認
可に至っていません。

研究グループは2015年、従来の
メッセンジャーRNA を標的とし
た1本鎖核酸医薬の効果を大幅
に向上できるDNA/RNAヘテロ2本
鎖核酸を開発しました。それを
機に、同大発のバイオベンチャ
ーである「レナセラピューティ
クス株式会社」(レナ社)が設
立され、レナ社から日米の大手
製薬企業に次々とヘテロ2本鎖
核酸技術がライセンスされてい
ます。そこで今回研究グループ
は、これまでのメッセンジャー
RNA を標的とした核酸医薬の経
験を生かし、新しい種類のRNA
であるマイクロRNA の制御能の
向上を試みました。 研究グル
ープは、C型肝炎を対象に臨床
試験が行われたアンチミア「ミ
ラベルセン(R )」と全く同一
の1本鎖DNA核酸に対して、相補
的なRNA 鎖を結合したヘテロ2
本鎖核酸「HDO アンチミア」を
考案・合成しました。これをマ
ウスに静脈注射したところ、HD
O アンチミアは従来の1本鎖ア
ンチミアの10倍以上の肝臓内マ
イクロRNA 抑制効果を有するこ
とが判明しました。このマイク
ロRNA 制御能の向上は、肝臓ば
かりでなく腎臓・脾臓などの多
くの臓器でも確認されました。
加えて、1本鎖アンチミアで見
られる腎臓の毒性が、HDO アン
チミアでは回避されました。

このHDO アンチミアによるマイ
クロRNA 制御のメカニズムを詳
しく解析したところ、細胞内で
の効果が大きく向上しており、
HDO アンチミアは従来の1本鎖
アンチミアと異なるマイクロRN
A 制御メカニズムを有している
ことが明らかとなりました。す
なわち、1本鎖アンチミアは標
的のマイクロRNA に直接結合し、
1対1で機能抑制をするだけなの
に対して、HDO アンチミアは結
合するだけでなく、治療標的で
あるマイクロRNA を分解・消失
させる作用も有していました。

今回のヘテロ2本鎖核酸技術に
より、生体内での高効率なマイ
クロRNA 制御が可能になり、製
造コスト削減にもつながると考
えられます。さらに、投与量を
減らすことで副作用の回避も可
能となります。その結果、マイ
クロRNA 制御核酸医薬の臨床開
発が加速され、乳ガン・大腸が
んなどの多くのガンや、アルツ
ハイマー病などの神経難病の画
期的な治療につながる可能性が
あり、さらに心不全の症状改善
や脳梗塞の後遺症軽減などの広
い臨床応用が期待できると、研
究グループは述べています。

マイクロRNAについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
核酸医薬の効果を拡散する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 ロスマリン酸摂取で、アミロイドβ凝集を抑制

 
 
 
 
 
 
 
東京大学は6月18日、ポリフ
ェノールの一種、ロスマリン酸
を摂食したマウスの脳内におい
て、ドーパミンをはじめとする
モノアミンの濃度が上昇し、そ
れらが、アルツハイマー病の主
病態であるアミロイドβ(Aβ)
凝集を抑制することを見出した
と発表しました。 この研究は、
同大大学院農学生命科学研究科
の小林彰子准教授と金沢大学大
学院医薬保健学総合研究科山田
正仁教授、福島大学平修教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は「Scientific Repor
ts」に掲載されました。近年、
世界でアルツハイマー病患者さ
んが増加し、その対策は急務と
なっています。アルツハイマー
病は脳内に毒性の高いAβ ペプ
チドの凝集体等が蓄積すること
により、神経細胞死などが生じ、
記憶や認知力が低下する病気で
す。既存のアルツハイマー病治
療薬は症状を緩和する対症療法
に過ぎず、根本的な治療予防に
つながる新たな抗アルツハイマ
ー病戦略が求められています。
山田教授らは、ポリフェノール
のAβ 凝集抑制作用に着目し、
アルツハイマー病モデルマウス
で高いAβ 凝集抑制活性をもつ
ポリフェノールとしてロスマリ
ン酸を見出してきました。ロス
マリン酸は試験管内においても
高いAβ 凝集抑制活性を示しま
すが、脳内への移行度は比較的
低いため、直接Aβ 凝集抑制を
する以外にもマルチな作用を介
して効果を発揮している可能性
が考えられました。そこで、ロ
スマリン酸を摂食し、脳内Aβ
凝集が抑制されたアルツハイマ
ー病モデルマウスの脳を、DNA
マイクロアレイによる網羅的遺
伝子発現解析にて精査した所、
ドーパミン作動性シナプス経路
の活性化が示唆されました。ド
ーパミンは高齢者やアルツハイ
マー病患者さんの脳内において
減少していること、またドーパ
ミン神経伝達の向上により認知
機能障害が改善されることが報
告されています。そこで実際に
ロスマリン酸を摂食した際に、
これらの経路が活性化するかを
検討した所、11日間の摂食で大
脳皮質において、ドーパミンを
はじめとする4種のモノアミン
が上昇していました。これらの
上昇は、ドーパミンの合成部位
である黒質および腹側被蓋野に
おいて、代謝経路に位置するMA
OBおよびCOMTの発現を低下させ
ることにより、投射先の大脳皮
質において濃度を上昇させてい
ることが分かりました。試験管
内でのAβ 凝集抑制試験では、
ロスマリン酸摂食により脳内濃
度が上昇した4種のモノアミン
すべてがAβ 凝集活性を示しま
した。

今回の研究で、ロスマリン酸の
摂取により、脳内でドーパミン
関連物質が活性化され、それら
がAβ 凝集を抑制するという、
新たなメカニズムが見出されま
した。これらのモノアミン類は
αシヌクレインの凝集抑制も報
告されており、アルツハイマー
病型以外の認知症での効果が期
待されます。この成果は、ポリ
フェノールを摂取することによ
り、アルツハイマー病が予防さ
れる可能性を新たな切り口で示
し、ポリフェノール摂取の意義
を科学的に証明できたものとい
えます。 なお、山田教授らの
研究グループは、現在、ロスマ
リン酸含有レモンバーム抽出物
を用いた認知症予防介入試験を
実施中です。

認知症の原因について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
聖歌で成果を強調する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
東京医科歯科大学は6月19日、
マイクロRNA を標的とした従来
の核酸医薬の効果を飛躍的に向
上する新技術の開発に成功した
と発表したのは、画期的な業績
です。マイクロRNA を制御する
最も有望な手法のひとつがマイ
クロRNA に特異的に結合し機能
を抑制する核酸医薬「アンチミ
ア」です。 アンチミアは、DNA
やRNA といった天然の核酸分子
に加えて化学修飾をした非天然
核酸分子を用いることでマイク
ロRNA への認識や安定性を向上
させることができ、次々と臨床
試験が行われているというのは、
初耳でした。マイクロRNA 制御
核酸医薬の臨床開発が加速され、
乳ガン・大腸ガンなどの多くの
ガンや、アルツハイマー病など
の神経難病の画期的な治療につ
ながる可能性を追求し、更に心
不全の症状改善や脳梗塞の後遺
症軽減等の広い臨床応用を期待
したいと思います。
東京大学は6月18日、ポリフ
ェノールの一種、ロスマリン酸
を摂食したマウスの脳内におい
て、ドーパミンをはじめとする
モノアミンの濃度が上昇し、そ
れらが、アルツハイマー病の主
病態であるアミロイドβ(Aβ)
凝集を抑制することを見出した
と発表したのは、偉大な業績で
す。ポリフェノールのAβ 凝集
抑制作用に着目し、アルツハイ
マー病モデルマウスで高いAβ
凝集抑制活性をもつポリフェノ
ールとしてロスマリン酸を見出
してきたのは尊敬に値します。
ロスマリン酸は、ローズマリー
に含まれるポリフェノールで、
ローズマリーは、若返り伝説の
ハーブと言われています。東洋
では、ロスマリン酸は、シソの
葉に多く含まれることが分かっ
ています。神経細胞を若返りさ
せて、認知症を予防することが
分かれば、伝説が現実になった
と言っても過言ではないと思わ
れます。

常勝の丞相が上昇志向を持つ。


 
 
 
 
 
 
 
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(イジニイワト)

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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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