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2020-05-12 23:15:44

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診療マル秘裏話  号外Vol.1537 令和1年7月11日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)呼吸による異物取り込みに働く特殊な細胞発見
2)眩暈や耳鳴り突然の難聴を特徴とする外リンパ瘻

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】呼吸による異物取り込みに働く特殊な細胞発見

 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は 6月13日、
呼吸によって吸い込んだ異物の
取り込みに働く、特殊な細胞を
発見したと発表しました。この
研究は同大薬学部の木村俊介准
教授、長谷耕二教授、同大医学
部の石井誠専任講師、北海道大
学大学院歯学研究院の武藤麻未
医員、久本芽璃学術研究員を中
心とする研究グループによるも
のです。研究成果は、「Fronti
ers in Immunology 」電子版に
公開されています。

呼吸器粘膜は空気中の花粉、
埃、微生物に常にさらされてい
ます。ヒトの体はこれらの微細
な粒子を認識し、免疫システム
を働かせることで体を守ります
が、時に過剰に反応し、アレル
ギーを引き起こします。

アレルギーは抗体の産生によ
って引き起こされることから、
体内の免疫システムは、抗体が
標的とする抗原(アレルゲン)
を受け取っていると考えられて
います。そのため空気中の抗原
が上皮を越える機構が存在する
と予想されていますが機構につ
いての解析は進んでいません。

研究グループは今回、腸管の
抗原取り込み機構に着目して研
究を進めました。腸管ではM 細
胞と呼ばれる上皮細胞が存在し、
異物に対する高い取り込み能力
を持っています。しかし、呼吸
器に同様なM 細胞が存在してい
るかは不明でした。そこで、腸
管M 細胞に対する特異的分子マ
ーカーであるGP2とTnfaip2を用
いて、マウスの気管・気管支の
免疫染色を行い 、GP2 Tnfaip2
陽性細胞の探索を行いました。
その結果、少数の陽性細胞が気
管・気管支上皮に存在している
ことが分かりました。

続いて、M 細胞の分化を促進
するサイトカイン「RANKL 」を
マウスへ投与したところ、気管・
気管支に非常に多くのGP2 Tnfa
ip2 陽性細胞が出現しました。
この細胞は、空気中の異物に見
立てたナノ粒子を効率よく取り
込む能力を持っていました。同
細胞の微細構造を観察したとこ
ろ、線毛を持たない上皮細胞で
ある事が判明しました。これら
の特徴は、腸管M 細胞とよく似
ていることから、GP2 Tnfaip2
陽性細胞は、呼吸器M 細胞であ
ると結論づけました。さらに呼
吸器M 細胞と呼吸器疾患の関係
を検証するため、疾患モデル動
物を用いて呼吸器M 細胞の存在
を検証しました。その結果、シ
ェーグレン症候群の病態モデル
となるNon obese diabetes (NO
D)マウス、慢性閉塞性肺疾患(
COPD)モデルとしてエラスター
ゼ投与マウス、タバコ煙吸入マ
ウスの気管・気管支にリンパ球
浸潤が認められ、その近傍の上
皮にM 細胞が存在している事が
明らかになりました。

呼吸器M 細胞を、試験管内で
作製することができれば、動物
実験では難しい呼吸器感染症な
どの研究や、同細胞がどのよう
に形成されるかの解析にとって、
非常に有用となります。そこで、
マウスの気道から上皮細胞を分
離し、M 細胞を作製できるかを
検証しました。マウス気管から
上皮細胞を分離し、上段と下段
に別れた特殊な培養容器を用い
て下段にRANKL を添加した培養
液、上段を空気相として、気相
液相界面による培養を10日間継
続しました。その結果、ナノ粒
子をよく取り込む性質を持ち、
M 細胞マーカーを持つ細胞を得
ることに成功しました。

今回の研究は、呼吸器におけ
るアレルギー、感染において、
抗原や微生物が生体に侵入する
経路を明らかにしたものであり、
呼吸器疾患の発症や悪化のメカ
ニズムの解明につながると考え
られます。研究グループは、「
今後は呼吸器M 細胞からの抗原
取り込みを制御することで、新
たな予防・治療法開発等の臨床
応用への発展が期待される」と
述べています。

呼吸器系の構造について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
毛色を変えて逃走経路も変更
する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 眩暈や耳鳴り突然の難聴を特徴とする外リンパ瘻

 
 
 
 
 
 
 
外リンパ瘻(ろう)という病
気は、めまいや耳鳴り、突然の
難聴を特徴としています。聞き
慣れない病名ですが、近年あり
ふれた耳の病気と考えられるよ
うになりました。新須磨病院(
神戸市)耳鼻咽喉科の牧野邦彦
副院長は「メニエール病や突発
性難聴などとの鑑別が重要です」
と指摘しています。耳は、外耳、
鼓膜より奥の中耳、さらに硬い
骨に囲まれた内耳に分かれてい
ます。内耳は二重構造になって
いて、外側を外リンパ液が覆い、
内側を内リンパ液が満たしてい
ます。内耳には「卵円窓」と「
正円窓」という二つの窓があり、
普段は閉じていますが、この窓
に何らかの原因で穴が開き、外
リンパ液が内耳から中耳側に流
れ出てしまう状態を外リンパ瘻
といいます。

「外リンパ液はもともと脳脊
髄液が内耳に流れてきているも
ので、内耳の窓に穴が開くと持
続的に漏れるようになります。
そのため、内耳本来の機能であ
る聴覚や平衡感覚に影響が及び、
突然の難聴やめまいが表れ、ふ
らつき、むかつきや嘔吐(おう
と)、冷や汗なども生じるよう
になります」と牧野副院長は説
明します。

穴が開く原因は、ありふれた
動作がきっかけとなります。は
なをかむ、くしゃみやせき、息
むなどです。また、笛を吹く、
ジェットコースターに乗る、高
山へのドライブ、飛行機の離着
陸などで発症することも珍しく
ありません。同病院では2004年
以降、独自の検査方法で外リン
パ瘻を診断しています。検査は
頭の位置が体に対して下がるよ
うあおむけで行います。あおむ
けになると外リンパ液の流出が
促進されるので、内耳の窓に穴
が開いていれば、聴覚と平衡感
覚に変化が生じます。この変化
を観察し、外リンパ瘻を診断し
ます。加えて、中耳と内耳のコ
ンピューター断層撮影(CT)
検査と磁気共鳴画像装置(MR
I)検査により、外リンパ液の
漏出を確認しています。

問診や検査などから外リンパ
瘻によるふらつきやめまい、難
聴が認められたら、症状の進行
を防ぐために生活上の注意点(
予防策4カ条)を伝えるほか、
手術を行うこともあります。入
院は1週間ほどで、卵円窓と正
円窓に開いた穴をふさきます。

2002~2017年に新須磨病院で
外リンパ瘻の手術を受けた患者
さんは437人でした。中には、
突発性難聴やメニエール病、起
立性調節障害、自律神経失調症、
更年期障害、うつ病などと診断
されていたケースもあるという
ことです。「外リンパ瘻でも難
聴が認められない場合、病気の
説明を受けて原因が分かると、
症状が改善する患者さんも少な
くありません。手術を必要とす
る方は5人に1人の割合です」
と牧野副院長は言っています。

別の病気と診断されて、長く
症状に悩まされるケースは少な
くありません。なかなか治らな
いめまいやふらつき、耳鳴りな
どがある場合、外リンパ瘻が隠
れているかもしれません。牧野
副院長は「専門医を受診してみ
てください」と勧めています。

外リンパ瘻について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
牧野さんが薪の調達に走る。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
慶應義塾大学は 6月13日、
呼吸によって吸い込んだ異物の
取り込みに働く、特殊な細胞を
発見したと発表したのは偉大な
業績です。腸管の抗原取り込み
機構に着目して研究を進めた所
腸管ではM 細胞と呼ばれる上皮
細胞が存在し、異物に対する高
い取り込み能力を持っている事
が分かっていて、しかし、呼吸
器に同様なM 細胞が存在してい
るかは不明ということでした。
呼吸器にも同様なM 細胞が存在
していることを免疫染色で証明
したということが、今回の研究
の肝要な所だということです。
今後は呼吸器M 細胞からの抗原
取り込みを制御することで、新
たな予防・治療法開発等の臨床
応用への発展を期待したいと考
えています。
外リンパ瘻(ろう)という病
気は、めまいや耳鳴り、突然の
難聴を特徴としていて、聞き慣
れない病名ですが、近年ありふ
れた耳の病気と考えられるよう
になったそうです。私が医学生
の時には、耳鼻科で習った記憶
がないので、新しく判明した病
ということができるでしょう。
内耳は二重構造になっていて、
外側を外リンパ液が覆い、内側
を内リンパ液が満たしています。
内耳には「卵円窓」と「正円窓」
という二つの窓があり、普段は
閉じていますが、この窓に何ら
かの原因で穴が開き、外リンパ
液が内耳から中耳側に流れ出て
しまう状態を外リンパ瘻という
と定義されています。 問診や
検査などから外リンパ瘻による
ふらつきやめまい、難聴が認め
られたら、症状の進行を防ぐた
めに生活上の注意点(予防策4
カ条)を伝えるほか、手術を行
うこともあり、入院は1週間ほ
どで、卵円窓と正円窓に開いた
穴をふさぐということは、記憶
しておいた方が良さそうです。

新興国での病気の進行を防ぐ。


 
 
 
 
 
 
 
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