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2020-04-23 23:56:31

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診療マル秘裏話  号外Vol.1520 令和1年6月21日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)重症薬疹における、新しい診断マーカーを同定
2)毒ヘビ咬傷死傷者を大幅削減するための新戦略

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】重症薬疹における、新しい診断マーカーを同定

 
 
 
 
 
 
 
新潟大学は5月22日、重症薬
疹であるスティーブンス・ジョ
ンソン症候群と中毒性表皮壊死
症における新たな診断マーカー
(galectin-7)を同定したこと
を発表しました。この研究は、
同大大学院医歯学総合研究科皮
膚科学分野の阿部理一郎教授、
濱菜摘助教らと、北海道大学医
学研究科皮膚科等との共同研究
で行われたものです。研究成果
は、「The Journal of Allergy
and Clinical Immunology:In
Practice 誌」オンライン版に
掲載されています。

重症薬疹であるスティーブン
ス・ジョンソン症候群と中毒性
表皮壊死症は、発症初期は通常
型薬疹(重篤な経過をたどらず
治癒する薬疹)と皮膚症状が大
変良く似ているため、早期診断
を臨床症状から行うことは極め
て困難と考えられてきました。

研究グループは2011年に、早
期診断マーカーとしてgranulys
inを同定し、迅速測定キットの
作製に成功しました。しかし他
の重症薬疹でも上昇してしまう
ことから、疾患特異性は低いも
のでした。そのため、特に致死
率が約25%と高い中毒性表皮壊
死症を早期に診断する手法が、
緊急性の高い課題とされていま
した。

研究グループは、スティーブ
ンス・ジョンソン症候群と中毒
性表皮壊死症の患者さんと通常
型薬疹の患者さんの血液に、原
因薬剤を添加して培養した上澄
みを質量分析し、重症型のみに
含まれる蛋白質を同定しました。
その後、定量プロテオミクス(
Selected/Multiple Reaction M
onitoring:SRM/MRM)を用いる
ことで、スティーブンス・ジョ
ンソン症候群と中毒性表皮壊死
症の患者さんの血液中の蛋白質
の量を定量し、多い蛋白質から
7個に絞りこみました。その後、
実際の患者さんの血液中にどの
程度、候補蛋白質が存在するか
を、ELISA 法で直接測定したと
ころ、CALML5とgalectin-7のみ
が重症薬疹の方のみに上昇して
いました。さらに、その2種類
の蛋白質に対し、サンプル数を
増やしてスティーブンス・ジョ
ンソン症候群と中毒性表皮壊死
症患者24人分の血清と、通常型
薬疹19人分の血清と健常者8人
分の血清で検査したところ、ga
lectin-7のみが、有意差をもっ
て重症薬疹の方で上昇していま
した。

galectin-7は、他の水疱症や
ウイルス疾患での上昇はみられ
ず、また病変部の水疱内用液で
の顕著な上昇がみられました。
また、ステロイド治療後には血
中濃度の低下を認め、重症度と
の関連も考えられることから、
galectin-7がスティーブンス・
ジョンソン症候群と中毒性表皮
壊死症の良いマーカーとなり得
ることが判明しました。

研究グループは、今後は、他
の早期診断マーカーとして知ら
れるgranulysinと組み合わせる
ことで診断の精度をさらにあげ
られる可能性があるため、さら
なる解析を続ける予定だという
ことです。また、galectin-7が、
スティーブンス・ジョンソン症
候群と中毒性表皮壊死症の病態
に関わっている可能性もあり、
検討が必要だとしています。

スティーブンス・ジョンソン症

候群について解説している動画

です。

 
 


 
 
診断の精度を上げる制度を
確立する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 毒ヘビ咬傷死傷者を大幅削減するための新戦略

 
 
 
 
 
 
 
国連(UN)の世界保健機関(
WHO)は5月23日、毒ヘビの咬傷
(こうしょう)による死傷者を
大幅に削減するための新たな戦
略を発表しました。WHO は現状
のままでは抗毒血清の不足が「
公衆衛生上の緊急事態」を引き
起こす恐れもあるとして、警鐘
を鳴らしています。

WHO の統計によると、毒ヘビ
にかまれる人の数は毎年300 万
人近くに上り、そのうちの8万1
000人~13万8000 人が命を落と
していると推測されています。
また、命は助かっても恒久的な
障害やその他の後遺症に苦しん
でいる人の数は40万人に上ると
されました。同機関は2年前、
「毒ヘビの咬傷」を「顧みられ
ない熱帯病(NTDs)」の一つに
分類しています。

WHO は今回、長い間過小評価
され、見過ごされてきたこの問
題に対して措置を講じるよう国
際社会への呼びかけを行い、ま
た毒ヘビに関連する死者と障害
者を2030年までに半減させる事
を目指す新たな戦略も提示しま
した。

ヘビ毒は、呼吸を停止させる
まひ状態、失血死につながる出
血性疾患、回復不可能な腎不全、
恒久的な障害や四肢切断の原因
となりうる組織損傷などを引き
起こす恐れがあります。

咬傷被害者の大半は、熱帯地
方の最貧困地域の住民です。子
どもは大人に比べて体が小さい
ため、毒による影響がより強く
なります。

今後の最重要課題は、良質の
抗毒血清の生産を大幅に拡大さ
せることだとWHO は指摘してい
ます。救命で必要となる抗毒血
清については、1980年代以降に
多くの企業が生産を中止してお
り、特にアフリカでは、有効で
安全な血清製品を入手できる可
能性が驚くほど低くなっていま
す。アジア地域でもこれと同じ
ような状況になりつつあるとい
うことです。

この点について報告書では、
「早急な市場の再形成と規制管
理やその他の措置の強化を行わ
なければ、公衆衛生上の緊急事
態の発生は避けられない」と記
されました。

WHO は「毒ヘビ咬傷治療薬の
ための持続可能な市場の回復」
を呼び掛け、適格な製造業者の
数を2030年までに25%増やす必
要性を強く主張しています。こ
れの実現を目指し、世界規模の
血清備蓄体制を構築するための
試験プロジェクトが現在、計画
されているということです。

新たな戦略ではさらに、医療
従事者向けの訓練や地域社会へ
の教育活動の向上など、毒ヘビ
咬傷の治療と対処に関する事項
を、影響を受ける国々の国家保
健計画に盛り込むよう求めてい
ます。

国際医療支援団体「国境なき
医師団(MSF )」は今回の戦略
を称賛しており、ヘビ咬傷によ
る中毒症への対処において「タ
ーニングポイントとなる可能性
がある」と述べています。MSF
によると、ヘビ咬傷中毒は「WH
O のNTDsリストに記載されてい
る他のどの病気よりも数多くの
命を奪っている」のだというこ
とです。

MSF の熱帯医学アドバイザー
を務めるガブリエル・アルコバ
(Gabriel Alcoba)氏は、「ヘ
ビ咬傷によって世界中で発生し
ている犠牲者の数が目に見えな
いまん延をしっかりと表してい
る」とコメントしています。

子どもたちも毒蛇咬傷の被害に

遭っているという国境なき医師

団の告知動画です。

 
 


 
 
 
大所高所に立って対処する。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
重症薬疹であるスティーブン
ス・ジョンソン症候群と中毒性
表皮壊死症における新たな診断
マーカー(galectin-7)を同定
したことを発表したのは偉大な
業績です。研究グループは2011
年に、早期診断マーカーとして
granulysinを同定し、迅速測定
キットの作製に成功しました。
しかし他の重症薬疹でも上昇し
てしまうことから、疾患特異性
は低いものであり、そのため、
特に致死率が約25%と高い中毒
性表皮壊死症を早期に診断する
手法が、緊急性の高い課題とさ
れていました。その背景があっ
て、本当の新たな診断マーカー
(galectin-7)が見つかったの
は素晴らしいことだと思います。
何事も挫折を乗り越えて懸命な
努力をすることで、ゆるぎない
真理にたどり着くのだと実感し
ました。
国連(UN)の世界保健機関(
WHO)は5月23日、毒ヘビの咬傷
(こうしょう)による死傷者を
大幅に削減するための新たな戦
略を発表したのは、素晴らしい
企画です。ヘビ毒は呼吸を停止
させるまひ状態、失血死につな
がる出血性疾患、回復不可能な
腎不全、恒久的な障害や、四肢
切断の原因となりうる組織損傷
などを引き起こす恐れがある、
恐ろしい毒であるという認識を
新たにして、「毒ヘビ咬傷治療
薬のための、持続可能な市場の
回復」を呼び掛け、適格な製造
業者の数を2030年までに25%増
やす必要性を強く主張するのは、
当然のことだと思います。ヘビ
咬傷中毒は「WHO のNTDsリスト
に記載されている他のどの病気
よりも数多くの命を奪っている」
ということですから、引き続き
このプランを実行に移して、蛇
毒で、命を落としたり、回復が
不可能な後遺症を引き起こす事
を予防して頂きたいものです。

鬼才が史書への記載を断行す
る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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