最近の号外Vol.1515メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.1515メルマガ

2020-04-17 21:31:06

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.1515 令和1年6月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
 
目次

1)K排出で虚血後脳損傷を軽減する仕組みを解明
2)思春期早発症は通常より早い年齢で思春期開始

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】K排出で虚血後脳損傷を軽減する仕組みを解明

 
 
 
 
 
 
 
 
理化学研究所は5月20日、マ
ウスを用いた研究から、脳内の
カリウムイオン(K+)の排出
(クリアランス)機構を促進す
ることにより、虚血後の脳損傷
を軽減する仕組みを解明したと
発表しました。この研究は、同
脳神経科学研究センター神経グ
リア回路研究チームの毛内拡客
員研究員(お茶の水女子大学基
幹研究院自然科学系助教)、平
瀬肇チームリーダー、慶應義塾
大学医学部の安井正人教授らの
国際共同研究グループによるも
のです。研究成果は「Proceedi
ngs of the National Academy
of Sciences (PNAS)」のオン
ライン版に掲載されています。

脳卒中や外傷性脳損傷などの脳
血管障害では、多くの場合、障
害発生部位のみならず健康な部
位にまで損傷が拡大する二次的
損傷が起こります。損傷拡大に
は、脳血管障害の最初期(超急
性期)に繰り返し生じる異常な
神経興奮の波の伝播(拡延性脱
分極)が関与しており、その発
生は、主に脳内のカリウムイオ
ン(K+) 濃度の急上昇が引き
金となります。脳血管障害の一
種である虚血性脳卒中では、脳
血管が詰まること(梗塞)によ
って生じる虚血が組織の壊死を
引き起こします。現在利用され
ている脳梗塞の治療法は、血栓
溶解剤や脳保護薬などの対処療
法であり、細胞外K+ 濃度の正
常化を標的とした具体的な治療
法の開発が喫緊の課題となって
います。

頭蓋骨の中で脳が浸っている「
脳脊髄液」には,Na+、K+等の
さまざまなイオンが存在し健常
状態の脳では各イオン濃度は、
一定に保たれています。脳脊髄
液は頭蓋内を循環し、その動態
が脳機能の恒常性に重要な役割
を果たしていると考えられます
が、その詳細は完全には解明さ
れていません。これまで脳脊髄
液の動態に、水分子の動態が関
与することに着目して研究を進
めてきた研究グループは、脳脊
髄液を脳組織内へ浸潤させる機
序に、水分子の透過を担う「ア
クアポリン4」という膜蛋白質
(チャネル分子)が関与する事
を既に報告しています。

一方、アドレナリン受容体を阻
害することによって、脳脊髄液
の浸潤が促進されることが報告
されていることから、脳脊髄液
の動態に神経伝達物質のノルア
ドレナリンが関与している可能
性が示されています。さらに脳
梗塞の直後、脳のノルアドレナ
リン濃度が急激に増加すること
が知られています。 これまで、
脳梗塞の超急性期においてアド
レナリン受容体に着目した研究
結果は断片的に報告されていま
すが、統一的な見解は得られて
いませんでした。そこで研究グ
ループは、アドレナリン受容体
を阻害することで、脳脊髄液の
浸潤を促進し、脳梗塞後の細胞
外K+ 濃度の正常化を図れると
予想しました。研究グループは、
レーザーを用いた光血栓法によ
って、大脳皮質に局所的に脳梗
塞を生じる脳梗塞モデルマウス
を作製し、アドレナリン受容体
阻害薬の効果を調べました。24
時間後に脳の損傷を評価するTT
C 染色を行った結果、無処置マ
ウスでは、レーザーを照射した
面積よりも損傷部位が広がって
いました。一方、アドレナリン
受容体阻害薬をあらかじめ投与
したマウスでは、損傷が最小限
に食い止められていました。ま
た、脳梗塞発生から2時間以内
であれば、事後投与も有効でし
た。ヒトの脳梗塞に近いモデル
として用いられる、中大脳動脈
閉塞・再灌流による脳梗塞モデ
ルマウスでも同様の結果が得ら
れたということです。

また、右側大脳皮質に梗塞をお
こしたマウスを透明な円柱の中
で自由に行動させ、つかまり立
ちをする際に使用する前肢の使
用パターンを観察しました(シ
リンダー試験)。その結果、マ
ウスは脳梗塞後2日間にわたっ
て、左側皮質が支配する右前肢
を使用する頻度が上昇しました。
一方、アドレナリン受容体阻害
薬投与マウスでは、左右の前肢
の使用頻度に差は見られません
でした。これにより、アドレナ
リン受容体阻害薬の事前投与は、
行動試験による運動機能の回復
にも有効であることが分かりま
した。次に、脳梗塞に伴う脳内
の水の動きの変化を詳しく調べ
るために、主にアストロサイト
に発現するアクアポリンのみを
蛍光物質で標識する手法(免疫
組織化学染色法)を用いて、脳
内のアクアポリン4の分布を可
視化しました。その結果、脳梗
塞3時間後では、損傷部位でア
クアポリン4の標識が約6割減
少していました。アストロサイ
トにだけ発現している別の蛋白
質(GLAST )は変化なく見られ
たことから、この減少が細胞死
によるものではないと示されま
した。その一方、アドレナリン
受容体阻害薬を事前投与すると、
アクアポリン4の標識が維持さ
れることを見いだしたました。

さらに、アクアポリン4を欠損
した遺伝子改変マウスでは、ア
ドレナリン受容体阻害薬による
神経保護効果は得られませんで
した。また、アドレナリン受容
体阻害薬投与後に脳梗塞を起こ
し、1時間後に薬を用いてアク
アポリン4の機能を一時的に阻
害しても、アドレナリン受容体
阻害薬の効果は得られませんで
した。これらの結果は、アドレ
ナリン受容体の阻害による神経
保護効果に、アクアポリン4の
機能が重要な役割を果たしてい
ることを示しています。

イオン選択性微小電極を用いて、
大脳皮質細胞外のK+ 濃度を直
接測定した結果、脳梗塞直後か
ら3時間後にわたって通常の4~
5倍高い水準のK+が検出されま
した。一方、アドレナリン受容
体阻害薬を事前投与した場合は、
約60分後に正常な水準に戻って
いました。また、アクアポリン
4欠損マウスではアドレナリン
受容体阻害薬を事前に投与した
としても、K+ 濃度は高いまま
でした。

次に、脳梗塞30分後に、トレー
サーを脳脊髄液中に注入し、次
の30分間でのトレーサーの脳組
織内への浸潤を調べました。そ
の結果、脳損傷部位では脳脊髄
液の浸潤が通常と比べて小さく
なっており、損傷部位では細胞
外組織液が滞留していることが
示されました。一方、アドレナ
リン受容体阻害薬を事前投与し
た場合は、正常に浸潤しました。

これらのことから、研究グルー
プはアドレナリン受容体の阻害
によってアクアポリン4の局在
が確保され、脳脊髄液の移動に
よって、K+ 濃度を正常化し、
神経保護と脳機能回復を促進す
るという排出(クリアランス)
のモデルを提案しました。「将
来的に、細胞外K+ 濃度の正常
化を標的とした脳梗塞の早期対
処法を開発するための橋渡しと
なることが期待できる」と、述
べています。

アクアポリンについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
性状が正常であることを確認
した。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
2】 思春期早発症は通常より早い年齢で思春期開始

 
 
 
 
 
 
 
 
小児から成人に移行する思春
期には、性ホルモンの分泌によ
り生殖器や外見的な性差が顕著
になります。思春期早発症は、
通常よりも早い年齢に思春期が
始まってしまう病気で、時には
他の病気が原因で発症すること
もあります。東京都立小児総合
医療センター(東京都府中市)
内分泌・代謝科の長谷川行洋部
長は「思春期早発症は、脳腫瘍
などの重大な病気が隠れている
こともあるので、疑わしい場合
は検査が必要です」と話してい
ます。女児の思春期は10歳ごろ
乳腺の発達から始まり、陰毛の
発育や初潮が起こります。男児
は11歳ごろに精巣の発達が始ま
り、陰毛や陰茎が発育し、ひげ
が生え、声変わりへと進みます。
思春期早発症は、これらが平均
よりもかなり低い年齢で起こる
疾患で、女児に多いということ
です。ただし、思春期は個人差
の大きい時期でもあります。「
目安として、女児の場合は小学
校低学年以前、男児では小学校
中学年以前に思春期の兆候が見
られたら要注意です」と長谷川
部長は言っています。

思春期が早い時期に始まると、
骨の成熟に拍車が掛かり早期に
止まってしまうため、低身長に
なりやすいとされています。ま
た、周囲と自分の体が違うとい
う違和感から、精神的なストレ
スを感じたり、周囲から嫌がら
せを受けたりすることがありま
す。特に男児の場合は、精巣の
発達から始まるため分かりづら
く、親が気付くまでに時間を要
することが多いということです。
更に「脳腫瘍や、遺伝的な疾患
から思春期早発症を発症するこ
とがあります」と長谷川部長は
付け加えています。思春期早発
症の検査は、外見上のチェック
に加え、採血で性ホルモンや性
ホルモンの分泌を促すホルモン
の値を測定します。磁気共鳴画
像装置(MRI)で、脳腫瘍等
の疾患がないかも調べます。異
常がなく、平均よりも多少思春
期が早い程度なら個人差の範囲
と見なし、特に治療は行いませ
ん。低年齢の場合や、将来の低
身長や精神的なストレスが懸念
される場合は、性ホルモンの分
泌を抑制する薬を月に1回、ま
たは3カ月に1回注射し、通常
の思春期が始まる年齢くらいま
で継続します。脳腫瘍等の病気
がある場合は、手術による切除
など、元となる病気の治療を行
います。

長谷川部長は「脳腫瘍などの
病気が原因で思春期早発症を発
症すると、急に思春期が進む傾
向があります。早期発見と早期
治療が重要なので、兆候を見逃
さずに小児科を受診してくださ
い」と呼び掛けています。

思春期早発症について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
朝貢を課される兆候を発見し
た。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
理化学研究所は5月20日、マ
ウスを用いた研究から、脳内の
カリウムイオン(K+)の排出
(クリアランス)機構を促進す
ることにより、虚血後の脳損傷
を軽減する仕組みを解明したと
発表したのは、偉大な業績です。
アドレナリン受容体を阻害する
ことで、脳脊髄液の浸潤を促進
し、脳梗塞後の細胞外K+ 濃度
の正常化を図れると予想したの
は慧眼と言えるでしょう。 脳
梗塞後の細胞外K+ 濃度の正常
化が虚血後の脳損傷を軽減する
と類推した訳です。 将来的に、
細胞外K+ 濃度の正常化を標的
とした、脳梗塞の早期対処法を
開発するための橋渡しとなる事
が期待できるというのは素晴ら
しい展望と言えるでしょう。
小児から成人に移行する思春
期には、性ホルモンの分泌によ
り生殖器や外見的な性差が顕著
になります。 思春期早発症は、
通常よりも早い年齢に思春期が
始まってしまう病気で、時には
他の病気が原因で発症すること
もあることは、医師の間でも、
余り知られていません。特に脳
腫瘍が原因である時は、早期に
発見して、手術という治療が望
まれます。病気を見逃してしま
い手術の時期を逸してしまうと
いうことが起きるのは、本当に
残念なことです。思春期は個人
差の大きい時期でもあり「目安
として、女児の場合は小学校低
学年以前、男児では小学校中学
年以前に思春期の兆候が見られ
たら要注意」ということを肝に
銘じたいと思います。

じきに、時期が来る。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。