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2020-04-07 21:16:37

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診療マル秘裏話  号外Vol.1507 令和1年6月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)老化に伴う、神経新生能低下の分子機構を解明
2)むくみ発作反復は遺伝性血管性浮腫の可能性大

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】老化に伴う、神経新生能低下の分子機構を解明

 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は、5月10日、
老化に伴う神経新生能低下の分
子機構を解明したと発表しまし
た。この研究は同大医学部生理
学教室の、加瀬義高助教、島崎
琢也准教授、岡野栄之教授らの
研究グループによるものです。
研究成果は「Stem Cell Report
s」に掲載されています。

哺乳動物では、成体においても
日々新たな神経細胞が産出され
ますが(神経新生)、その源の
細胞である神経幹細胞や神経前
駆細胞は老化に伴い減少し、神
経新生が低下することが知られ
ていました。しかし、なぜ神経
幹細胞・前駆細胞が老化に伴い
減少するのかは明らかになって
いませんでした。また、これま
で報告されてきた神経幹細胞の
活性化による神経再生研究では、
直接、神経栄養因子を投与する
こと、または、移植した間葉系
幹細胞からの神経栄養因子分泌
により神経再生を試みていまし
たが、治療後長期にわたって、
どのような弊害が出てくるのか
不明という懸念がありました。
研究グループは今回、加齢によ
る神経前駆細胞の自己増殖能低
下の原因遺伝子としてp38 を同
定しました。さらに、老化個体
の側脳室脳室下帯においてp38
を強制発現させることで、神経
前駆細胞を活性化させ、前駆細
胞の自己増殖、および神経新生
を引き起こす事に成功しました。

これまでは、脳内栄養因子や、
細胞分裂周期に関わる遺伝子の
操作により、神経幹細胞の活性
化を行って神経再生を誘導する
手法が用いられ、神経幹細胞が
細胞分裂を繰り返すことによっ
て、神経幹細胞の枯渇を招くこ
とが示唆されてきました。一方、
今回の、p38 の発現を維持させ
ることによる神経新生を促す新
規手法では、神経幹細胞に作用
させることなく、神経前駆細胞
のみに自己増殖を促進する効果
があるとの結果が得られ、同手
法により神経幹細胞の枯渇を招
くことはないことも明らかとな
りました。実際に、p38を6か月
齢のマウス側脳室脳室下帯で強
制発現させたところ、開始1年
後に神経幹細胞の枯渇はみられ
ず、老化個体脳実質の萎縮によ
り引き起こされる側脳室の拡大
を防ぐことに成功しました。こ
れにより、同手法が長期にわた
り神経新生を促進可能であるこ
とが分かりました。

神経幹細胞の活性化に着目した
既存の治療研究では、長期にわ
たる神経新生促進を確認したも
のはなく、今回の研究のように
神経前駆細胞に着眼し、神経幹
細胞の枯渇なしに再生に成功し
ている報告はありませんでした。
今回得られた神経前駆細胞の自
己増殖能活性化に関する基礎的
知見は、将来にわたる安全で有
効な神経再生医療を実現させる
上で重要な知見となるものです。
今後、脳梗塞などの脳血管障害
に加え、認知症、うつ病などの
神経減少が原因となっているさ
まざまな疾患での神経新生へ応
用が期待されると研究グループ
は述べています。

中枢神経の再生について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
長期にわたる寵姫となる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 むくみ発作反復は遺伝性血管性浮腫の可能性大

 
 
 
 
 
 
 
顔、喉、腹部、四肢、陰部な
どに強いむくみ(浮腫)が表れ、
2~3日、長くても5日ほどで
元に戻る。こんな「むくみ発作」
を繰り返す人は、遺伝性血管性
浮腫(HAE)の可能性が高い
とされています。激しい腹痛や
呼吸困難に陥ることもあり仕事
や学業にも影響する病気です。
2018年11月に、発作時に自分で
注射する治療薬が登場し、速や
かな症状の緩和が可能になりま
した。埼友草加病院(埼玉県草
加市)の大澤勲院長によると、
HAEは5万~10万人に1人
の割合で発生するまれな病気で
す。患者数は全国で約2500人と
推定されますが、大半がHAE
とは診断されていません。患者
さんの8割以上は血縁者に同じ
病気の人がおり、親から遺伝す
る確率も2分の1と高いとされ
ています。

HAEのむくみは、じんまし
んとは異なり、正常部位との境
がはっきりしており、赤みやか
ゆみを伴うことはありません。
むくみ発作の頻度は週に数回の
人もいれば、月単位、年単位で
起こる人もいるなど、間隔はさ
まざまです。

発作が喉に起きると、気道が
ふさがれて呼吸ができなくなり、
命に関わることもあります。腹
部に起きると、強い腹痛や吐き
気に襲われます。

また、多くの場合、初発症状
は小児期から思春期に表れてお
り、手術、歯科治療、疲れ、精
神的ストレスなどが症状出現の
引き金になることがあります。
むくみ発作が起きるのは、遺伝
子の異常により、血中の「C1
インヒビター」と呼ばれる物質
が不足またはその機能を低下さ
せ、血管に働くブラジキニンと
いう物質が増え過ぎて、血管内
の水分が血管外に漏れ出るため
です。治療薬はこれまで、C1
インヒビターを補充する注射薬
しかなく、医療機関を受診しな
いと治療を受けられませんでし
た。しかし、28年ぶりの新薬と
して、むくみの原因となるブラ
ジキニンに直接作用する「イカ
チバント」(商品名フィラジル)
という薬が2018年11月から発売
が始まりました。発作時に患者
さん自身で注射できる薬剤です。

臨床試験では注射後約2時間
でむくみが軽くなりました。大
澤院長は「イカチバントによっ
て、命の危険や生活の質を低下
させる負の影響はかなり小さく
なるはず」と期待しています。
更に、むくみ発作の予防を目的
とする新薬の登場が見込まれて
おり、大澤院長は「治療は大き
く進歩している。疑わしい症状
がある人はぜひ診察を受けてほ
しい」と呼び掛けています。

治療を受けられる医療機関は、
HAE情報センターのウェブサ
イトで検索できます。

遺伝性血管浮腫について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
シンポジウムで技術が進歩す
る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
慶應義塾大学は、5月10日、
老化に伴う神経新生能低下の分
子機構を解明したと発表しまし
た。哺乳動物では、成体におい
ても日々新たな神経細胞が産出
されますが(神経新生)、その
源の細胞である神経幹細胞や、
神経前駆細胞は老化に伴い減少
し、神経新生が低下することが
知られていました。 なぜ神経
幹細胞・前駆細胞が老化に伴い
減少するのかは明らかになって
いなかったということですから
今回、加齢による神経前駆細胞
の自己増殖能低下の原因遺伝子
としてp38 を同定しだけでも大
発見と言えましょう。更に実際
に、p38を6か月齢のマウス側脳
室脳室下帯で強制発現させたと
ころ、開始1年後に神経幹細胞
の枯渇はみられず、老化個体脳
実質の萎縮により引き起こされ
る側脳室の拡大を防ぐ事に成功
し、これにより、同手法が長期
にわたり神経新生を促進可能で
あることが分かったのは素晴ら
しい業績です。
顔、喉、腹部、四肢、陰部な
どに強いむくみ(浮腫)が表れ、
2~3日、長くても5日ほどで
元に戻る。こんな「むくみ発作」
を繰り返す人は、遺伝性血管性
浮腫(HAE)の可能性が高い
とされていますが、私は遺伝性
の血管性浮腫は、診たことがあ
りません。 しかし、薬剤性の
血管浮腫なら診たことがありま
す。レニベースという降圧剤を
内服している患者さんで唇がた
らこのようになってしまいこの
薬を中止することで血管性浮腫
は、治まりました。遺伝性血管
性浮腫の場合、このような明確
な誘因がなく、手術、歯科治療、
疲れ、精神的ストレス等が症状
出現の引き金になることがある
ということです。患者数は全国
で約2500人と推定されますが、
大半がHAEとは診断されてい
ないので、原因不明のまま放置
される事態が危惧されます。

注視することを中止する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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