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2020-02-19 23:28:00

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診療マル秘裏話    Vol.747 平成30年4月4日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)重症肝硬変等の再生医療に2種類の化合物特定
2)尿中代謝物濃度測定で大腸ガン患者を高精度検出

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 重症肝硬変等の再生医療に2種類の化合物特定

 
 
 
 
 
 
 
 
人の肝臓の細胞(肝細胞)に
2種類の化合物を加えて若返ら
せ、強い再生能力を持たせる事
に成功したとの研究結果を、国
立ガン研究センター研究所など
のチームがまとめました。重症
の肝硬変などの再生医療につな
がる可能性があるという事です。
3月21日に横浜市で開かれる
日本00再生医療学会で発表します。

肝細胞は、通常あまり増えま
せんがウイルス感染などで肝炎
になると活発に増殖する状態に
変わり、傷ついた組織を再生し
ようとします。同研究所の勝田
毅研究員らのチームは、人の肝
細胞に、細胞の増殖などに関わ
る80種類の化合物を様々な組
み合わせで加えました。すると、
うち2種類を同時に加えると、
ウイルスに、感染した時と似た
状態になり、急速に増殖しまし
た。

この細胞を慢性肝炎のマウス
の肝臓に移植すると、8週間後
に肝臓の9割以上が人の肝細胞
に置き換わりました。肝機能の
指標になるアルブミンの量も、
人の血液に近い濃度で分泌しま
した。

肝臓の再生では、様々な細胞
に変わるiPS細胞(人工多能
性幹細胞)等から肝細胞へ変化
させる研究が行われています。
しかし、現段階では、この細胞
をマウスに移植しても、肝臓を
完全に再生しません。アルブミ
ンの量も今回の1万分の1程度
にとどまっているという事です。

チームの落谷孝広・同研究所
分野長は「重症の肝硬変や非ア
ルコール性の肝炎、肝ガンなど
の再生医療につなげたい」と話
しています。

宮島篤・東京大教授(分子細
胞生物学)の話「複数の遺伝子
を導入して作るiPS細胞より、
化合物を使った方が安全性は高
いだろう。肝細胞をどのように
入手するかが課題だ」

肝硬変の再生医療について解説

している動画です。

 
 


 
 
艦船内で感染症が蔓延した。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 尿中代謝物濃度測定で大腸ガン患者を高精度検出

 
 
 
 
 
 
 
 
東京医科大学は3月8日、尿中
の代謝物濃度を測定し、そのパ
ターンを人工知能(AI)で解析
することで、大腸ガン患者を高
精度に検出する方法を開発した
と発表しました。 この研究は、
同大学消化器外科・小児外科の
勝又健次教授と低侵襲医療開発
総合センター/健康増進・先制
医療応用部門の杉本昌弘教授(
慶應義塾大学先端生命科学研究
所特任教授兼任)らと慶應義塾
大学先端生命科学研究所との研
究チームによるものです。研究
成果はスイスMDPI団体による「
International Journal of Mol
ecular Sciences Cancers 」に
掲載されました。

日本のガンの部位別年齢調整
死亡率では、大腸ガンは男性・
女性ともに非常に高い傾向にあ
ります。多くは、大腸ポリープ
からガンになるとされ、大腸ポ
リープで発見された場合は内視
鏡的切除で、根治が可能です。
早期ガンであれば、高い確率で
根治が望めます。そのため、早
期発見・早期治療が極めて重要
となります。

しかし現時点では、便潜血反
応検査が、大腸ポリープおよび
ガンの早期発見の可能性を高め
る唯一の方法です。血中の蛋白
マーカーのCEA など、他の腫瘍
抗原は、一般の大腸ガン発見の
スクリーニングテストとして、
精度に限界があり、侵襲性が低
く、感度・特異性が高く、簡便
かつ安価な測定方法の確立が求
められています。そのため研究
グループは、メタボローム解析
を行い、血液などでガン患者さ
ん特有の代謝物が検出できない
かを研究してきました。

研究グループは今回、大腸が
ん患者さん、大腸ポリープ患者
さん、健常者の合計242 名から
尿検体を集め、液体クロマトグ
ラフィー・質量分析装置を用い
て、イオン性の強い尿中代謝物
を測定しました。その結果、が
ん患者では、代謝物の一種であ
るポリアミン類の濃度が、健常
者やポリープを持つ患者に比べ
て高くなっていることが明らか
となったということです。

大腸ガンの発症にはいくつか
の遺伝子の変異が関わっている
ことが分かっており、その中で
もN1,N12-diacetylspermine は、
ガン細胞から血液に移行し、尿
中で濃度が高くなることが知ら
れています。これまで、検査だ
けでは、ガン患者さんを非ガン
患者さんから見分ける感度や、
特異度精度が不十分でしたが、
今回、N1,N12-diacetylspermin
e 以外にも患者さんごとに異な
る濃度パターンを示す別のポリ
アミン類の分子が観測できたこ
とから、これらの組み合わせを
AIに学習させ、高精度に識別を
行うことに成功したということ
です。

また、低侵襲に検体を採取し
扱う研究において、尿の代謝物
は採取時間などの影響を受けて
変動する、特異性が低い、単独
の分子マーカーでは感度・特異
度が低いなどの課題があります。
今回はそれらを、同一被験者か
ら3日間、朝、昼、夕方等、複
数回検体を採取しそのばらつき
を基礎データとし、非ガン患者
さんに健常者だけでなくポリー
プ症例を含め、高感度な分子の
測定方法の活用と複数分子を人
工知能で高度に組み合わせると
いうアプローチで解決したとし
ています。

今後は、大規模な症例データ
での精度検証の実施、高精度で
簡便な測定方法と、システムの
開発など実用化に向けた研究開
発を進める、と研究グループは
述べています。

大腸ガンのメタボロミクス解析

による早期診断について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
簡便な計算機の使用は勘弁頂
きたい。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
人の肝臓の細胞(肝細胞)に
2種類の化合物を加えて若返ら
せ、強い再生能力を持たせる事
に成功したとの研究結果をまと
めたのは素晴らしい業績です。
ウイルス感染の際と同様の再生
能力が得られたということです
から、80種類の化合物から2種
類の化合物まで絞るのは大変だ
ったと思いますが、この2種類
の化合物を使って重症の肝硬変
や非アルコール性の肝炎、肝が
んなどの再生医療に役立てて頂
きたいものです。急速に増殖し
た細胞を、慢性肝炎のマウスの
肝臓に移植すると、8週間後に
肝臓の9割以上が人の肝細胞に
置き換わり、肝機能の指標にな
るアルブミンの量も、人の血液
に近い濃度で分泌したという事
は本当に驚天動地の結果でした。
尿中の代謝物濃度を測定し、
そのパターンを人工知能(AI)
で解析することで大腸ガン患者
を高精度に検出する方法を開発
したと発表したのは偉大な業績
です。代謝物を測定している事
からメタボローム解析を行った
と思われます。このようにメタ
ボローム解析を用いると腫瘍マ
ーカーとは段違いな精度でガン
を診断することができるように
なります。大腸ガンだけではな
く、他のガンでもメタボローム
解析が行われて、有用なマーカー
が発見されることを期待したい
と思います。尿の代謝物は採取
時間などの影響を受けて変動す
る、特異性が低い、単独の分子
マーカーでは感度・特異度が低
いなどの課題があったのをAIを
用いて課題を克服したのは本当
にエレガントな手法と言えるで
しょう。

制度上の精度を上げる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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