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2019-12-28 22:44:29

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診療マル秘裏話  号外Vol.1420 平成31年2月24日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)免疫細胞内蛋白質に、エイズウイルス増殖を防ぐ働き
2)ALK 融合遺伝子陽性肺ガンの治療薬耐性メカニズム

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 免疫細胞内蛋白質に、エイズウイルス増殖を防ぐ働き

 
 
 
 
 
 
 
ヒトの免疫細胞内の蛋白質に、
エイズウイルス(HIV)の増
殖を防ぐ働きがあることを、熊
本大エイズ学研究センターの有
海康雄准教授らのチームが発見
しました。論文は2月1日までに
米科学誌に掲載されました。
この蛋白質は、免疫細胞の一
種であるマクロファージ内にあ
る「アポリポ蛋白質E」です。
マクロファージにHIVが感染
すると、この蛋白質が増え、H
IVの外膜部分を分解して増殖
を防ぐことが分かったというこ
とです。
有海准教授は「HIVは増殖
が速く、この蛋白質があっても
エイズは発症してしまうが、新
たな治療法の開発などが期待で
きる」と話しています。

HIVウイルスの弱体化について

解説している動画です。

 
 


 
 
蛋白質の淡泊な味わい。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ALK 融合遺伝子陽性肺ガンの治療薬耐性メカニズム

 
 
 
 
 
 
 
ガン研究所は1月30日、ALK融
合遺伝子陽性肺ガン(ALK 陽性
肺ガン)において、アレクチニ
ブ‐ロルラチニブ逐次治療後の
耐性機構として新規ALK 重複変
異体を複数発見し、また、1塩
基変異のみでロルラチニブ耐性
を示すALK-L1256F変異を発見し
たと発表しました。この研究は、
同研究会ガン化学療法センター
基礎研究部の片山量平部長、東
京大学大学院新領域創成科学研
究科の岡田康太郎大学院生、京
都大学大学院医学研究科の奥野
恭史教授、同荒木望准教授らの
研究グループによるものです。
研究成果は、Lancet誌とCell誌
が共同でサポートするオープン
アクセス誌「EBioMedicine」に
1月18日付で公開されました。

肺ガンは、日本で一番死亡率の
高いガン種で、その8割以上を
占める非小細胞肺ガンの3~5%
が、ALK陽性肺ガンです。ALK陽
性肺ガンに対しては、ALK チロ
シンキナーゼを阻害する薬剤が
有効で、日本では、これまでに
4つのALK阻害薬が承認され臨床
応用されています。中でも、一
次治療薬として「アレクチニブ」
が最も多く使用されていますが、
治療後、数年以内にガン細胞が
薬剤耐性化し、ガンが再発する
ことが問題となっていました。
アレクチニブ耐性後に、アレク
チニブ耐性変異に対しても有効
な「ロルラチニブ」で逐次治療
する方法がありますが、さらに
耐性を生じること(重複変異)
が懸念されています。 しかし、
その克服法はほとんど明らかに
なっていませんでした。 今回
研究グループはガン研有明病院
において十分なインフォームド・
コンセントを受けたALK 陽性肺
ガン患者さんのアレクチニブ耐
性腫瘍から培養細胞株を樹立し、
ALK の耐性変異の有無を確認し
ました。この細胞やマウスを用
いたさまざまな実験により、AL
K 陽性肺ガンにおいて、アレク
チニブ耐性変異G1202R変異やI1
171N変異後のロルラチニブ治療
に耐性となるメカニズムとして
G1202RやI1171Nに新たに変異が
蓄積する重複変異を多数発見し
ました。また、L1256F単独変異
が、ロルラチニブに高度耐性を
付与する一方でアレクチニブに
は高感受性であることを発見し
ました。さらに実験を進め、ロ
ルラチニブ耐性を示すALK 重複
変異の大半は、既に臨床で使用
されているALK 阻害薬(クリゾ
チニブ、アレクチニブ、セリチ
ニブ、brigatinib)が再び効果
的に戻っていること、また、あ
らゆるALK阻害薬に耐性を示すG
1202R+L1196M重複変異体には、
ABLチロシンキナーゼ阻害剤のA
G-957やAdaphostin が効果的で
あることを発見しました。

さらに、スーパーコンピュータ
「京」を用いて従来の耐性変異
や今回発見された重複変異と各
ALK阻害薬との結合親和性を「M
P-CAFEE 法」という計算法で算
出したところ、実験的なデータ
とシミュレーションで求めた結
果に高い相関がありました。こ
れは、コンピュータシミュレー
ションによる耐性変異予測の可
能性を示しています。

今回の研究から、さまざまなAL
K 阻害薬耐性機構と耐性克服法
の候補が示されました。また、
治療耐性時に耐性機構が明確に
できれば、そのメカニズムに合
わせた更なる治療の可能性が示
されました。将来的にシミュレ
ーションの予測精度が向上すれ
ば、コンピュータ内で耐性変異
と効果的な薬剤の予測が可能と
なることが期待されると研究グ
ループは述べています。

ALK 陽性肺ガンについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
大勢の耐性機構が明らかにな
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
ヒトの免疫細胞内の蛋白質に、
エイズウイルス(HIV)の増
殖を防ぐ働きがあることを発見
したのは偉大な業績です。エイ
ズウイルスの治療法は、進歩し
ウイルスを完全に排除する方法
も完成されつつありますがまだ
臨床でどんどん使えるという所
まで行っていないので、この様
な増殖を防ぐ働きのある物質を
発見することは、有意義である
と思われます。エイズウイルス
が特異的に感染するTリンパ球
にこの蛋白質を遺伝子導入でき
れば、エイズの予防につながる
と思われます。本人の血液細胞
からiPS 細胞を作り、上記のT
リンパ球に分化させた上で遺伝
子導入すれば、治療にも使える
と思われます。ただ単なる私の
頭の中での妄想に過ぎませんが
そういう妄想の中から、新しい
予防法、治療法が生まれてくる
のではないかと期待しています。
ガン研究所は1月30日、ALK融
合遺伝子陽性肺ガン(ALK 陽性
肺ガン)において、アレクチニ
ブ‐ロルラチニブ逐次治療後の
耐性機構として新規ALK 重複変
異体を複数発見し、また、1塩
基変異のみでロルラチニブ耐性
を示すALK-L1256F変異を発見し
たと発表したのは、偉大な業績
です。ALK 融合遺伝子陽性肺が
んの他にも、遺伝子変異として
は、EGFR遺伝子変異やROS1融合
遺伝子などがあり、それぞれの
遺伝子変異に対する分子標的薬
が分かっています。しかし免疫
学の専門家に言わせると遺伝子
検査を行って、適合する分子標
的薬が見つかったとしてもガン
細胞は、狡猾ですぐに耐性がで
きてしまうことが分かっている
ということです。ガン組織は、
均一なガン細胞で構成されてい
る訳ではなく、さまざまな分化
段階のものが複数の耐性機構を
もつようになるので、いろいろ
治療を変えても当初はうまくい
ったとしても、長い目で見ると
耐性になることが多いと言われ
ています。

耐性機構についての講義を聞
こう。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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