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2019-11-23 22:51:17

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診療マル秘裏話  号外Vol.1390 平成31年1月20日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)次世代型心肺補助(ECMO)システム装置開発に成功
2)日本人女性選手疲労骨折発生のバイオマーカーを同定

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 次世代型心肺補助(ECMO)システム装置開発に成功

 
 
 
 
 
 
 
国立循環器病研究センターは
12月25日、世界最小・最軽量の
次世代型心肺補助(ECMO)シス
テム装置の開発に成功したと発
表しました。この研究は、国循
人工臓器部の巽英介部長、片桐
伸将特任研究員らの研究グルー
プによるものです。

ECMOは人工呼吸器や昇圧剤使用
等、従来の治療法では救命困難
な重症呼吸・循環不全の症例に
用いられています。 近年では
救命救急領域や集中治療領域に
まで広がりを見せ、その有用性
は高まりつつあります。しかし、
現在汎用されている装置は大き
く複雑なため、緊急対応には不
向きで、重症患者の救急搬送時
等、院外での使用も難しい状況
にありました。

抗血栓性や耐久性も不十分なた
め、血栓塞栓症や出血合併症の
リスクが高く、長期使用も困難
とされてきましたが実際の臨床
現場では、救命のためにやむを
得ず綿密な管理を行いながら、
薬機法上、承認されている使用
期間の6時間を超えて使用して
いるというのが現状です。その
ため院内・院外を問わず、装着
が容易で安全に長期間使用可能
なECMOシステムの開発が望まれ
ていました。国循人工臓器部で
は1986年から、抗血栓性と長期
耐久性に優れたECMOシステムの
開発を開始しました。今回開発
された装置では、これまで人工
臓器部が実用化してきたさまざ
まな先端技術を取り入れること
で、高い緊急対応性・携帯性・
抗血栓性・耐久性を実現したと
いうことです。

同装置は世界最小・最軽量(29
×20×26cm、6.6 kg)で、容易
に持ち運び可能です。緊急対応
性を実現するために、専用回路
ユニットを多機能集積型の超小
型駆動装置に装填して、即座に
使用できるシステムとなってお
り、4分以内の迅速な起動も可
能となりました。また、電源や
酸素供給のない場所でも、内臓
バッテリと脱着型酸素ボンベユ
ニットにより、1時間以上連続
で使用することができます。こ
のため、救急車での搬送中など、
院外の緊急装着にも対応できま
す。さらに、人工臓器部が過去
に開発した優れた抗血栓技術が
用いられており、抗凝固療法を
最小限に抑えられるため、血栓
性および出血性合併症を予防し、
安全性を高めることが可能です。
長期耐久性についても、同装置
を用いた長期動物実験で装着後
2週間(4例)および4週間(3
例)の連続心肺補助を行った結
果、全例において、予定期間を
問題なく完遂することができた
ということです。

同装置の開発プロセスはほぼ完
了し、現在は臨床応用・実用化
に向け国循を中心とした多施設
による医師主導治験を2019年度
に実施するための準備を進めて
います。 数週間の長期使用や
院外装着・搬送時使用など、こ
れまで薬機法の承認がなかった
使用方法も治験が完了後に認め
られる予定としています。

研究グループは「今後実用化が
進められることにより、重症呼
吸不全症例における自己肺の回
復促進や血栓症合併症などの治
療、不可逆的症例である肺及び
心肺移植へのつなぎ(ブリッジ)
としての使用など、適用拡大さ
れる可能性がある。さらに、各
国でアウトブレイクが報告され
ているSARSやMARS、H5N1鳥イン
フルエンザなど、重症化しやす
い感染症による重症呼吸不全の
有効な治療手段となる事も期待
される」と、述べています。

人工心肺装着中の血液の流れに

ついての動画です。

 
 


 
 
血栓性合併症との決戦の手術
を行う。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 日本人女性選手疲労骨折発生のバイオマーカーを同定

 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は12月25日、日
本人女性アスリートにおける、
疲労骨折発生のバイオマーカー
を同定したと発表しました。こ
の研究は、同大医学部先進運動
器疾患治療学寄附講座の宮本健
史特任准教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
国際科学誌「Scientific Repor
ts」に掲載されています。

これまで女性アスリートの疲労
骨折は、いわゆる三徴と呼ばれ
る1:利用可能エネルギーの低下、
2:視床下部性の無月経、3:骨粗
鬆症、を背景に引き起こされる
ことが知られていました。しか
し、血液や尿に含まれるバイオ
マーカーは明らかになっておら
ず生体内の物質を定量的に把握
することが必要であると考えら
れていました。研究グループは、
アスリートの疲労骨折を防止す
ることを目的に、同大の体育会
所属の女性部員56名を対象に、
疲労骨折既往と、疲労骨折発生
に関わると考えられる月経障害
や食事制限、体重減少の既往と
の関連を調査しました。 また、
血液・尿検査によるバイオマー
カーの同定を試みました。

その結果13名23.2%が疲労骨折
の既往があると答え、月経障害
や体重減少、シンスプリント(
脛骨の疼痛)の既往も、半数以
上に認められることが分かりま
した。これらの項目のうち月経
障害は、疲労骨折発生の既往と
有意に相関し、そのリスクを8
倍に上昇させることが判明しま
した。加えて、疲労骨折の既往
がある者が、新たな疲労骨折を
起こすリスクも約5倍になる事
が示されました。また、過密な
練習の結果、運動による消費エ
ネルギーが高いと疲労骨折を起
こしやすくなることも示されま
した。

血液・尿検体では、クレアチン
キナーゼ(CK)と乳酸デヒドロ
ゲナーゼ(LDH )は一般に運動
の後で高値を示すことが知られ
ていますが、疲労骨折既往者で
は、その値が非骨折者に比べて
有意に高く、また、骨形成マー
カーとして知られるオステオカ
ルシン(OC)と低カルボキシル
化オステオカルシン(ucOC)の
値が有意に低いことも明らかに
なりました。これらのことから、
CKとLDH の高値とOCとucOCの低
値が疲労骨折の有効なバイオマ
ーカーであることが示唆されま
した。

研究グループは「今回の成果は、
日本人女性アスリートの疲労骨
折を防止する有用な情報であり、
競技者のみではなく指導者を含
めた競技関係者に対して、効果
的な疲労骨折発生予防対策とし
て役立つことが期待される」と、
述べています。

シンスプリントと疲労骨折の違

いと見分け方を解説している

動画です。

 
 


 
 
疲労骨折の創部を披露した。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
世界最小・最軽量の次世代型
心肺補助(ECMO)システム装置
の開発に成功したと発表したの
は、喜ばしいことです。ECMOは
人工呼吸器や、昇圧剤使用など、
従来の治療法では、救命困難な
重症呼吸・循環不全の症例に用
いられていて近年では救命救急
領域や集中治療領域にまで広が
りを見せ、その有用性は高まり
つつある事は事実です。しかし、
現在汎用されている装置は大き
く複雑なため、緊急対応には不
向きで、重症患者の救急搬送時
等、院外での使用も難しい状況
にあるということは知られてい
ません。国循人工臓器部では19
86年から、抗血栓性と長期耐久
性に優れたECMOシステムの開発
を開始しており、今回開発され
た装置では、これまで人工臓器
部が実用化してきたさまざまな
先端技術を取り入れることで、
高い緊急対応性・携帯性・抗血
栓性・耐久性を実現したという
ことですから、先端技術もここ
まで来たかと感心しました。
日本人女性アスリートにおけ
る、疲労骨折発生のバイオマー
カーを同定したと発表したのは、
素晴らしい業績です。これまで
女性アスリートの疲労骨折は、
いわゆる三徴と呼ばれる1:利用
可能エネルギーの低下、2:視床
下部性の無月経、3:骨粗鬆症、
を背景に引き起こされることが
知られていました。しかし血液
や尿に含まれるバイオマーカー
は明らかになっておらず生体内
の物質を定量的に把握すること
が必要であると考えられていた
ので、研究グループは、アスリ
ートの疲労骨折を防止すること
を目的に慶応大学の体育会所属
の女性部員56名を対象に、疲労
骨折既往と、疲労骨折発生に関
わると考えられる月経障害や、
食事制限、体重減少の既往との
関連を調査したということでし
ょう。今回の成果は、日本人女
性アスリートの疲労骨折を防止
する有用な情報であり、競技者
のみではなく、指導者を含めた
競技関係者に対して、効果的な
疲労骨折発生予防対策として役
立つことを大いに期待したいと
思います。ただ女性アスリート
の人達には、疲労骨折まで起こ
すような厳しいトレーニングは、
良くない気がします。女性は痛
みに強いことは知られています。
しかし、最低でも痛みを我慢を
することだけは、止めましょう。

聖歌の練習成果を寄付者に認
めてもらう。笑

 
 
 
 
 
 
 
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