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2019-09-03 01:30:02

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診療マル秘裏話  号外Vol.1320 平成30年10月30日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)抗肥満作用のベージュ脂肪細胞活性の調節メカニズム
2)蛍光蛋白質を動脈硬化病変部に発現し,光るマウス

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 抗肥満作用のベージュ脂肪細胞活性の調節メカニズム

 
 
 
 
 
 
 
 
富山大学大学院医学薬学研究
部の研究グループは、抗肥満作
用がある「ベージュ脂肪細胞」
の活性の調節メカニズムを解明
しました。ベージュ細胞は肥満
に関与する「白色脂肪細胞」が
寒さを感知して褐色化(ベージ
ュ化)することが知られていま
したが、その過程で脂肪組織の
中にある免疫細胞のマクロファ
ージがベージュ化の調整役を果
たしていました。内臓脂肪や皮
下脂肪とは異なり基礎代謝を高
める働きを示す、ベージュ脂肪
細胞を増やす糸口が見つかった
ことで、新たな肥満予防対策へ
の応用が考えられます。

一般に肥満予防に有効な手段
は、過食を避け運動によってエ
ネルギーを消費することです。
基礎代謝を高めてエネルギーを
燃やすことも有効ですが実践は
難しいとされています。 脂肪
組織には、内臓脂肪や皮下脂肪
の基になってエネルギーを蓄え
る白色脂肪細胞、ベージュ脂肪
細胞、褐色脂肪細胞の3種が存
在し、ベージュ、褐色は白色が
変化して作られます。このうち
褐色脂肪細胞は肩甲骨付近に集
まっており、基礎代謝を高めエ
ネルギー消費を活発化し、肥満
予防や2型糖尿病予防につなが
ります。しかし日本人は、褐色
脂肪細胞の数が少ないことが分
かっています。最近見つかった
ベージュ脂肪細胞は、褐色脂肪
細胞に変化する過程の細胞で、
褐色脂肪細胞ほどではないが、
抗肥満作用のあることが報告さ
れ、数を増やしやすい可能性が
あります。

研究グループはベージュ化を
促進する新たな調節の機序を突
き止めるため研究を開始しまし
た。脂肪組織には、さまざまな
免疫細胞が存在し、このバラン
スの破綻が肥満に関与すること
を参考に、「M2マクロファー
ジ」と呼ばれる細胞の役割に着
目しました。M2マクロファー
ジは生理活性物質であるインタ
ーロイキン(IL)4やIL3
により、糖尿病など代謝疾患の
誘因となるM1マクロファージ
が変化し、アレルギーや炎症の
抑制などに関わります。

実験ではM2マクロファージ
だけを任意のタイミングで除去
できる遺伝子改変マウスを作製
し、これを解析しました。寒冷
にさらすと、正常マウスは皮下
脂肪のベージュ化が起こるので
すが、M2除去マウスではベー
ジュ化をより強く示し促進する
ことが分かりました。正常マウ
スよりも基礎代謝が高まって血
糖値が低下、インスリンの効き
具合も良好になることが確認で
きました。2型糖尿病の新たな
治療法の開発にもつながること
が期待できます。このベージュ
化は前駆ベージュ脂肪細胞の数
が増えることにより起こってい
ました。

この成果を基にして、M2マ
クロファージやその誘導因子を
ターゲットに調節する薬剤や食
品成分などにより、脂肪組織の
ベージュ脂肪細胞を増やすとい
う肥満予防の新たな戦略が見え
てきました。成果は英科学雑誌
「Scientific Re
ports(サイエンティフィ
ック・リポーツ)」に掲載され
ました。

ベージュ脂肪細胞について解説

している動画です。

 
 
 


 
 
 
懐石料理を解析する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 蛍光蛋白質を動脈硬化病変部に発現し,光るマウス

 
 
 
 
 
 
 
 
筑波大学は9月28日、生体を
透過する近赤外光の波長を持つ
蛍光蛋白質「iRFP」を動脈硬化
病変部に発現させて、病変部が
光るマウスを開発したと発表し
ました。この研究は、同大医学
医療系の濱田理人助教、Kausha
lya Kulathunga(ヒューマンバ
イオロジープログラム博士課程)、
三輪佳宏講師、高橋智教授、独
Bonn大学のBernd K. Fleischma
nn教授の研究グループによるも
のです。研究成果は、「Scient
ific Reports 」で公開されまし
た。

動脈硬化については、モデル
動物を使用した解析によってさ
まざまなことが明らかになって
います。しかし、これまで実験
動物を使った動脈硬化病変部の
評価には動物の安楽死が必要で
あり、病態を経時的に評価する
ことはできませんでした。また、
血管を摘出するための時間的・
技術的な問題がありました。

今回の研究に先立ち、研究グ
ループは2014年に、iRFPを全身
の全ての細胞に発現するiRFPマ
ウスの作製に成功しました。こ
のiRFPマウス骨髄細胞を用いた
移植実験により、血液細胞のみ
でiRFPを発現する動脈硬化モデ
ルマウスを作製しました。この
マウスに動脈硬化誘導食を8週
間与え続け、iRFPの蛍光を生体
イメージングシステム(IVIS)
により観察しました。その結果、
マウスの胸部から腹部にかけて
iRFPの蛍光が観察されたという
ことです。

また、マウスの大動脈を取り
出し、脂肪染色を行い動脈硬化
病変部を観察した結果、iRFPの
蛍光と脂肪染色で染まる場所が
一致していることが判明しまし
た。さらに、動脈硬化誘導食の
量を調整することにより、経時
的かつ動脈硬化誘導食の量に依
存してiRFPの蛍光の量が変化す
ることがわかったという事です。
これは動脈硬化の病態の変化を、
マウスを殺さずにiRFPの蛍光の
みで判断できることを意味して
います。

研究グループは、「このマウ
スを用いれば、マウスを安楽死
させることなく、動脈硬化に対
する薬剤の効果を調べる治療法
開発や動脈硬化自体の発症機序
を調べる基礎研究などに役立つ
ものと期待される」と述べてい
ます。

動脈硬化の仕組みを分かりやす

く解説している動画です。

 
 


 
 
 
藩命が判明した。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
 
抗肥満作用がある「ベージュ
脂肪細胞」の活性の調節メカニ
ズムを解明したのは偉大な業績
です。減量において、経口摂取
の量を減らすのは、難しいこと
が分かっています。無理に経口
摂取の量を減らすとリバウンド
が起こります。また肥満症の人
に運動させるのも、極端に体重
が増えてから、運動すると関節
に負担がかかり易くなり、運動
療法も困難な人がたくさんいら
っしゃることが分かっていて、
現在の所、強制的に減量するに
は、減量手術が必要と考えられ
るようになりました。ところが
減量手術をする前に、脳下垂体
の腺腫などのクッシング病を疑
う必要があります。脳下垂体の
腺腫と診断されれば、そちらの
手術が優先されます。 しかし
このような手術は、身体の負担
が大きく、手術適応でない人に
は実施することすらできません。
ところが、褐色脂肪細胞を人為
的に増やすことができれば基礎
代謝が上昇し、無理なく痩せる
ことができると予測されます。
生体を透過する近赤外光の波
長を持つ蛍光蛋白質「iRFP」を
動脈硬化病変部に発現させて、
病変部が光るマウスを開発した
と発表したのは偉大な業績です。
生きたまま、蛍光の強さで動脈
硬化が判定できるなら、こんな
にいいことはありません。動物
実験は、人間が身代わりになれ
ない場合にどうしても必要な物
です。しかしながら、必要以上
に動物を殺生することは、厳に
慎まなければなりません。私が
大学病院に勤務して動物実験を
していた時も、一年に一回動物
の慰霊祭に参加していました。
安楽死を伴う実験は、最小限に
して、上記のような生きたまま
動脈硬化病変等の病変部を観察
することは、これから動物実験
をなさる方のせめてもの動物へ
のいたわりだと私は考えていま
す。生きとし生けるもののいた
わりの心を持てない実験者は、
動物実験や人間の臨床試験を行
う資格がないと私は考えていま
す。逆にいたわりの心を持ちつ
つ、動物実験を行い、病気の人
を救済するようにすることは、
それ程、難しいことではないと
私は、考えています。

蛍光の発現について発言する。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
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