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2019-07-20 06:30:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.1281 平成30年9月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)心の個性(精神的個性)に関わる遺伝子を特定
2)脂肪細胞生成を抑制する働きの新タイプの細胞

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
1】 心の個性(精神的個性)に関わる遺伝子を特定

 
 
 
 
 
 
 
 
東北大学は8月21日、人間が
もつ多様な、「こころの個性(
精神的個性)」に関わる遺伝子
を特定する研究結果を発表しま
した。この研究は、同大大学院
生命科学研究科の佐藤 大気(
博士後期課程学生)と河田雅圭
教授によるものです。研究結果
は、「Evolution Letters 」に
掲載されています。

精神疾患は遺伝率が高く、しば
しば生物学的な適応度(生存や
繁殖)に大きな影響を与える可
能性があります。 その一方で、
精神疾患という表現型は、ヒト
が持つ「個性」の一部として捉
えることもできます。 実際に、
近年行われた多くの研究では、
精神疾患と精神的個性の遺伝的
背景には、かなりの重なりがあ
ることが見出されています。

過去の理論研究は、これら個性
にかかわる遺伝的変異は積極的
に維持されうると提唱していま
すが、実際に、精神疾患および
精神的個性に関わる遺伝的変異
が、自然選択によって積極的に
維持されていることを明確に示
す証拠は、これまで報告されて
いませんでした。

今回の研究では精神疾患の関連
遺伝子に着目しました。哺乳類
15種のゲノム配列を用いて人類
の進化過程で加速的に進化した
精神疾患関連遺伝子588 個の進
化速度を推定しました。また、
約2,500 人分の現代人の遺伝的
多型データを用いて、集団中で
積極的に維持されている遺伝的
変異の特定を試みたということ
です。

その結果、3つの遺伝子(CLSTN
2、FAT1、SLC18A1)が人類の進
化過程で自然選択を受け、加速
的に進化してきたことが判明し
ました。なかでも、人類の進化
過程で自然選択によって有利に
進化してきたSLC18A1 遺伝子が、
ヒトの精神機能に影響を与え、
「こころの個性」に関わる遺伝
子であることが見出されたとい
う事です。更に、ヒトの集団内
で、この遺伝子は遺伝的多様性
をもち、自然選択によって異な
る遺伝子型が、集団中に積極的
に維持されていることが示され
たということです。

今回の研究成果は、ヒトのここ
ろの多様性が進化的に積極的に
保たれている可能性を進化遺伝
学的手法により初めて示したも
のです。研究グループは、「本
研究の進化学的な知見は、個性
や、精神・神経疾患の生物学的
意義や、治療の方向性について
示唆を与えると期待される」と
述べています。

病気と遺伝子の関係性について

解説している動画です。

 
 


 
 
生物学的意義に異議を唱える。


 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 脂肪細胞生成を抑制する働きの新タイプの細胞

 
 
 
 
 
 
 
脂肪がどのようにできるのか
についてはこれまで多くの研究
がありますが脂肪組織には脂肪
細胞になる前の幹細胞や、前駆
細胞といった様々な細胞が含ま
れており、詳しく調べることが
難しいと言われてきました。研
究チームは、細胞の特徴を1細
胞ごとに細かく調べられる「1
細胞RNAシーケンス法」とい
う方法を使いマウスの皮下脂肪
に含まれる細胞を詳しく調べま
した。

すると、脂肪細胞ができるの
を抑制する働きをする新しいタ
イプの細胞があるのを見つけま
した。さらに、ヒトに同じタイ
プの細胞があることも分かりま
した。

研究チームはこの細胞が過剰
な免疫反応を抑える「制御性T
細胞(Treg)」を連想させ
るとして、「脂肪生成制御細胞
(Areg)」と名付けました。

肥満と脂肪細胞について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
皮下脂肪細胞の蓄積に悲歌を
詠う。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
 
人間がもつ多様な、「こころ
の個性(精神的個性)」に関わ
る遺伝子を特定する研究結果を
発表したのは、偉大な業績です。
過去の理論研究は、これら個性
にかかわる遺伝的変異は積極的
に維持されうると提唱していま
すが、実際に、精神疾患および
精神的個性に関わる遺伝的変異
が、自然選択によって積極的に
維持されていることを明確に示
す証拠は、これまで報告されて
いなかったということですから
精神的個性に関わる遺伝子が、
具体的に特定されたのは、正に
コペルニクス的転回と言っても
過言ではないでしょう。本研究
の進化学的な知見は、個性や、
精神・神経疾患の生物学的意義
や、治療の方向性について示唆
を与えることを切に期待したい
と思います。
脂肪がどのようにできるのか
についてはこれまで多くの研究
がありますが脂肪組織には脂肪
細胞になる前の幹細胞や、前駆
細胞といった様々な細胞が含ま
れており、詳しく調べることが
難しいと言われてきました。そ
の壁をブレイクスルーする手法
が、細胞の特徴を1細胞ごとに
細かく調べられる「1細胞RN
Aシーケンス法」という方法で
あり、この方法を使ってマウス
の皮下脂肪に含まれる細胞を詳
しく調べた結果、脂肪細胞がで
きるのを抑制する働きをする新
しいタイプの細胞があるのを見
つけ、さらに、ヒトに同じタイ
プの細胞があることも分かった
ということですから過剰な免疫
反応を抑える「制御性T細胞(
Treg)」を連想させるとし
て、「脂肪生成制御細胞(Ar
eg)」と名付けたのは、言い
得て妙と言うべきでしょう。

脂肪が頸動脈に蓄積すると、
死亡が近くなる。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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