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2019-07-10 06:13:52

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診療マル秘裏話  号外Vol.1273 平成30年9月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)心臓が元気に働くため,細胞間コミュニケーションが必要
2)小児ADHD治療薬の成人適応を追加する承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 心臓が元気に働くため,細胞間コミュニケーションが必要

 
 
 
 
 
 
 
 
千葉大学は8月3日、心臓が生
涯にわたり元気に動き続けるた
めには、心臓のさまざまな細胞
が良好なコミュニケーションを
電気的に行うことが重要である
ことを動物実験で明らかにした
と発表しました。 この研究は、
同大大学院医学研究院薬理学の
松本 明郎准教授、神戸大らの
研究グループによるものです。
研究成果は「Scientific Repor
ts」に掲載されています。

心不全の約13~20%は心筋症
が原因とされています。心不全
は日本人死因の第3位を占める
心臓疾患で、2020年には患者数
が日本だけでも120 万人に達す
ると予想されていますが、5年
生存率は、約50%と依然として
重篤な疾患です。そのため、新
たな治療法の開発が喫緊の課題
とされていますが心不全の発症
原因は多岐にわたるため、それ
ぞれの原因に対応した治療法を
開発しなければならず、開発に
は、ヒトの病態を再現した動物
が必要となります。

これまで心筋症に関わる遺伝
子の異常は主として、収縮力を
低下させるものが知られてきま
したが、心筋細胞で電気を生み
出すイオンチャネル(KATPチャ
ネル)の異常も心筋症を引き起
こすことが2004年に米国で報告
されました。しかし、その発症
メカニズムは不明のままでした。

研究グループは、心臓にKATP
チャネル遺伝子の一部を過剰発
現させたチャネル異常マウスを
作成し解析を行った所、約半数
がヒトの中年期に相当する50週
齢までに死亡しました。チャネ
ル異常マウスの心臓は拡張し、
心筋組織内の線維化が加齢とと
もに進行するなど、ヒトの心筋
症と同様の病態が形成されてい
ました。

このマウスではKATPチャネル
が十分に働かず、心筋細胞の活
動電位(電気)に歪みが生じて
いました。この心筋細胞の電気
的異常が隣り合わせに存在する
心線維芽細胞を活性化し、線維
化やサイトカイン産生を促進さ
せるとともに、心筋細胞の肥大
化など心不全の増悪を招いてい
ることが明らかになりました。

心臓は、心筋細胞、心線維芽
細胞、マクロファージなどさま
ざまな細胞が集まっています。
心筋細胞が十分に伸縮できなく
なることが心筋症の原因と考え
られており収縮力を強める治療
薬などが用いられています。今
回の研究成果から、心筋細胞が
作り出す電気に歪みが生じると、
周囲を取り囲む心線維芽細胞と
のコミュニケーションが不良に
なり、心筋症の原因になること
が明らかとなりました。 また、
心筋細胞のつくりだす電気の異
常は、不整脈と密接に関係して
おり、今回の研究成果は、電気
の異常が不整脈だけでなく、心
筋症にも関与することを初めて
明らかにしたものです。研究グ
ループは、「研究成果とモデル
マウスが心筋症の重症化を遅ら
せるための治療法の開発に役立
つことが期待される」と述べて
います。

心不全について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
盛夏に研究成果を発表する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 小児ADHD治療薬の成人適応を追加する承認申請

 
 
 
 
 
 
 
塩野義製薬8月10日、注意欠
陥/多動性障害(ADHD)治療薬
インチュニブ錠 1mg(一般名:
グアンファシン塩酸塩)に成人
適応を追加する承認申請を同日
付で行ったと発表しました。同
剤は、小児適応で2017年に承認
を取得し、同年5月に発売され
ています。今回は、18歳以上の
患者さんに対しプラセボ対照に
治験を行い、有意な改善を確認
しました。

同剤は、塩野義が販売し、シ
ャイアー・ジャパンと共同販促
しています。シナプスに存在す
る受容体を介してノルアドレナ
リン作動性神経を活性化する事
で症状を改善する非中枢神経刺
激薬です。この作用機序である
「選択的α2Aアドレナリン受容
体作動薬は、ADHD治療薬として
は初めてだそうです。1日1回
投与となっています。

小児のADHDの具体例について

の動画です。

 
 


 
 
 
大将がプラセボ対照になる。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
心臓が生涯にわたり元気に動
き続けるためには、心臓のさま
ざまな細胞が良好なコミュニケ
ーションを電気的に行うことが
重要であることを動物実験で明
らかにしたのは偉大な業績です。
心臓の細胞は、バラバラにする
と一個一個が違う周期で収縮し
ますが、再びバラバラの細胞を
ひとつの細胞の塊にすると同じ
周期で動き出します。そのこと
を聞いた時、なぜそのようにな
るのか、不思議に思っていまし
たが、良好なコミュニケーショ
ンをとっているのだと考えれば、
納得する事実であると思われま
す。バラバラにして一個一個が
違う周期で収縮する状態が細胞
の塊にしても続くようなら、あ
るいは心臓という臓器で、バラ
バラな収縮が続くなら生涯にわ
たり元気に動き続けるなどと言
うことには当然なりません。
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
治療薬インチュニブ錠1mg(一
般名:グアンファシン塩酸塩)
に成人適応を追加する承認申請
を行ったのは、本当に素晴らし
いことだと思います。成人の薬
を剤型を変えて、小児適応にす
るというのは、たくさんの実例
があるのですが、小児適応から
成人適応にというのは、少ない
と思います。注意欠陥/多動性
障害(ADHD)は自閉症スペクト
ラム症候群の一病型で、小児の
病気と考えられて来ましたが、
成人になっても、病気の診断が
つかず、大人のADHDという病気
が存在するからこそ、このよう
に、18歳以上の患者さんに対し
プラセボ対照に、治験を行った
結果、有用性が認められ、成人
適応の追加申請の運びとなった
のだと思います。

神聖なる追加申請。笑

 
 
 
 
 
 
 
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