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2019-04-28 01:10:04

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診療マル秘裏話    号外Vol.1210 平成30年6月24日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)アルコール摂取がDNA を損傷しガンの発症リスク高める
2)アルツハイマー 病関連遺伝子改変で原因物質分泌抑制

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 アルコール摂取がDNA を損傷しガンの発症リスク高める

 
 
 
 
 
 
 
 
英ケンブリッジ大学のケタン・
パテル教授率いるチームは「ア
ルコールの摂取が、DNA を損傷
し、ガンの発症リスクを高める」
とする英MRC 分子生物学研究所
で行なった研究成果を科学誌『
ネイチャー』に発表しました(
「ニューズウイーク」2018 年1
月9日)。

アルコール(エタノール)を
摂取すると、分解する過程でア
セトアルデヒドが生成されます。
アセトアルデヒドがDNA を損傷
する事実は、培養細胞を使った
数々の研究で確認済みですが、
その明確な機序は未解明でした。

パテル教授のチームは、マウ
スにエタノールを投与したとこ
ろ、エタノールが造血幹細胞の
DNA 二重鎖を切断したため細胞
内のDNA 配列が復元できなくな
ったということです。

パテル教授は「造血幹細胞の
DNA の損傷によって発生するが
んもあるが、DNA の損傷がたま
たま起こる場合もある。今回の
研究はアルコールがDNA の損傷
リスクを高める可能性があると
いう明白な機序を示唆している」
と解説しています。人間はアル
コールに対して2つの自己防衛
機能を備えています。

1つは、アルコールを分解す
る過程で生成される「アセトア
ルデヒドを分解」する機能。つ
まり、アセトアルデヒド脱水素
酵素(ALDH)が、有害なアセト
アルデヒドを酢酸に分解し細胞
のエネルギー源に変える働きで
す。

今回の研究では、ALDHの一種
であるALDH2 が欠如したマウス
にエタノールを投与したところ、
ALDH2 が機能しているマウスと
比べ、DNAの損傷は4倍に達しま
した。このALDH2 が十分に機能
しない人や、欠陥がある人は、
東南アジア人に特に多く、5億4
000 万人に達します。

2つめの防衛機能は「DNAの修
復」ですが、常に機能するわけ
でもなく、うまく機能しない人
もいる点が、大きな懸念です。
日本人の防衛機能は決して盤石
ではありません。パテル教授は
「アルコール処理やDNA 修復の
システムは完璧ではないので、
自己防衛機能が働いている人で
も、アルコールが原因でガンを
発症するリスクがある」と注意
を促しています。

アルコールとの関係が特に強
いガンは、口腔ガン、咽頭ガン、
食道ガン、乳ガン、肝臓ガン、
大腸ガンです。そのリスクは、
ワイン、ビール、蒸留酒などア
ルコールの種類とは無関係で、
しかも安全な飲酒量はありませ
ん。

英国政府のガイドラインが、
推奨する飲酒量は、1週間で14
ユニット以内(1ユニットは純
アルコール8gなので、14ユニッ
トなら112g)です。つまり、度
数4%のビールなら7パイント(
約3.3 リットル)、度数12%の
ワインならワイングラス(125
ml)で9杯と1/3杯に相当します。

ちなみに厚生労働省によると、
「節度ある適度な飲酒量は、1
日平均純アルコールで20g 程度」
です。したがって、1週間(7日)
の飲酒量に換算すれば、英国ガ
イドライン(112g)より多い12
0gになります。飲酒のリスクは、
まだあります。

国立ガン研究センターが行な
った多目的コホート研究(JPHC
研究)の成果報告「飲酒とガン
全体の発生率との関係について」
を見よう(『British Journal
of Cancer』2005年92巻182-187
ページ)。この報告は、岩手県
から沖縄県までの9保健所管内
に居住する40~59歳の男女約7
万3000人を対象に、平成13年(
2001年)まで追跡調査したもの
です。

調査開始から約10年間の追跡
期間中に、約7 万3000人のうち
約3500人が何らかの「ガン」を
発症していました(発症率約4.
8%)。つまり、飲酒量が1日平
均2合以上3合未満のグループは、
ガン全体の発生率が1.4倍、1日
平均3合以上のグループは1.6倍。
酒量が過ぎれば将来ガンになり
やすい事実が裏付けられました。

なお、日本酒1合と同じアル
コール量は、焼酎なら0.6 合、
泡盛なら0.5 合、ビールなら大
ビン1本、ワインならグラス2杯
(200ml )、ウイスキーダブル
なら1杯になる。

参考文献:Health Press 2018
06.02 アルコールとガンの因果関
係が判明! エタノールが造血幹細胞
のDNA2重らせんを切断

一日どの位飲酒するとガンが、

発生するのかという疫学的調査

の結果について、解説している

動画です。

 
 


 
 
 
ヘンリー八世が疫病を発生さ
せた。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 アルツハイマー 病関連遺伝子改変で原因物質分泌抑制

 
 
 
 
 
 
 
 
 
人の人工多能性幹細胞(iPS
細胞)から作った脳細胞で、ア
ルツハイマー病との関連が疑わ
れる遺伝子を改変すると、原因
物質の分泌が、抑えられたとの
実験結果を米国の研究チームが
5月31日付の米科学誌ニューロ
ン電子版に発表しました。

遺伝子は「アポE」と呼ばれ
ます。100 人に14人程度はこの
遺伝子に特定の変異があり、他
の人より、アルツハイマー病を
発症する危険性が高いことが分
かっています。

米マサチューセッツ工科大等
のチームは健康な人のiPS 細胞
から脳の神経細胞などを作製し
ました。一部はゲノム編集技術
でアポEに変異を持たせ、両方
を観察しました。

遺伝子検査について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
監察官が、観察した。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
英ケンブリッジ大学のケタン・
パテル教授率いるチームは「ア
ルコールの摂取が、DNA を損傷
し、ガンの発症リスクを高める」
とする英MRC 分子生物学研究所
で行なった研究成果を科学誌『
ネイチャー』に発表したのは、
偉大な業績です。以前のメルマ
ガでも、飲酒によって、発ガン
の確率が高くなることは申し上
げました。フレンチパラドック
スは、循環器の病気の予防には、
あてはまるのですがガンの発生
を予防することはできません。
その証拠に赤ワイン摂取のブー
ムの時にフランス政府がアルコー
ル摂取を控えるよう、フランス
国民に呼びかけました。それは、
ガンの発生率を抑制するためで
した。ちなみにガンの発生率は、
アルコールの種類によらないと
されていますが、日本酒だけは、
少し低いとされています。それ
は米ぬか成分のフェルラ酸によ
るものとされています。
人の人工多能性幹細胞(iPS
細胞)から作った脳細胞で、ア
ルツハイマー病との関連が疑わ
れる遺伝子を改変すると、原因
物質の分泌が、抑えられたとの
実験結果を発表したのは偉大な
業績です。現在、認知症の根本
的治療をもたらす薬剤の開発を
撤退する企業(製薬会社)が相
次いでいます。 そうした中、
関連が、疑われる遺伝子の改変
で得られる、原因物質の分泌の
抑制が根本的治療をもたらすか
否かはっきりしませんが、一筋
の光がさしてきたような気がし
ます。コリン作動薬アリセプト
の開発の時も、撤退寸前に薬剤
が発見されたということがあり
ました。認知症に苦しんでいる
人がたくさんいる以上、簡単に
諦めないで、このような発見を
踏み台にして、新薬を開発して
頂きたいものです。

企業が起業家を育てる。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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