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2019-03-25 19:23:04

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診療マル秘裏話    号外Vol.1182 平成30年5月22日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)糖尿病性腎臓病の進展における新メカニズムを解明
2)肥満が発ガンを促進する原因の一端を解明する

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 糖尿病性腎臓病の進展における新メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
名古屋大学は4月25日、日本
における透析導入原因で第1位
の原疾患である糖尿病性腎臓病
の進展における新しいメカニズ
ムを解明したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学系
研究科 腎臓内科学の道家智仁
客員研究員、同大学医学部附属
病院腎臓内科の石本卓嗣助教、
同大学医学系研究科分子生物学
の門松健治教授、腎臓内科学の
丸山彰一教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は「
Metabolism」に掲載されていま
す。

20世紀以降、先進国を中心に
砂糖の摂取量が増加しました。
さらに、天然甘味料である果糖
ブドウ糖液が開発されて以降、
清涼飲料水・加工食品に広く使
用されるようになり、それらに
多量に含まれる果糖(フルクト
ース)の摂取量も飛躍的に増加
しています。 フルクトースの
摂取と、肥満・糖尿病・高血圧・
脂肪肝などの代謝性疾患の発症
には、相関関係があることが知
られています。また、フルクト
ースは食事由来のみならず、糖
尿病においてはポリオール経路
を介して体内にて産生されます。
研究グループはこれまでに、外
因性および内因性のフルクトー
スの過剰な代謝を抑制すること
で、メタボリックシンドローム
や糖尿病性腎臓病が改善するこ
とを報告してきました。

フルクトースは主にフルクト
ース代謝酵素であるケトヘキソ
キナーゼ(KHK )で代謝されま
す。さらに、KHKにはKHK-CとKH
K-Aの2種類が存在します。KHK-
Cは腎臓・肝臓・小腸に存在し、
フルクトースの代謝能力が高い
ことが知られています。一方、
KHK-A は腎臓を含め幅広い臓器
に分布し、フルクトースの代謝
能力が低く、詳細な機能は不明
な部分が多かったそうです。

今回の研究では、糖尿病性腎
臓病におけるKHK-AおよびKHK-C
それぞれの役割解析を実施しま
した。その結果、KHK-C による
フルクトース代謝は、酸化スト
レス・核酸分解を介して尿細管
障害を引き起こすことがわかり、
KHK-C によるフルクトース代謝
が糖尿病性腎臓病の増悪の一因
であることが判明しました。そ
の一方で、KHK-A の欠損は腎臓
でのさらなるフルクトース代謝
の亢進・炎症の増悪・低酸素を
誘導し、より重度の尿細管障害・
腎機能障害を引き起こすことか
ら、糖尿病性腎臓病においてKH
K-A は保護的な役割を持つこと
が明らかとなりました。 その
結果から、KHK-A がフルクトー
ス代謝酵素以外の機能を持つ事
に由来することも分かりました。

今回の研究成果は、糖尿病性
腎臓病の進展におけるKHK-C、K
HK-Aの相反する役割を示すもの
であり、選択的なKHK-C 阻害薬
の開発は、糖尿病性腎臓病の進
展抑制が期待されるだけではな
く、メタボリックシンドローム
の新規治療法に結びつくことが
期待されると研究グループは述
べています。

糖尿病性腎症について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
ステルス戦闘機の機体に期待
する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 肥満が発ガンを促進する原因の一端を解明する

 
 
 
 
 
 
 
北海道大学遺伝子病制御研究
所の藤田恭之教授の研究グルー
プは、肥満が発ガンを促進する
原因の一端を突き止めました。
独自で肥満にしたマウスモデル
システムを用いて実験をした所、
かなり初期の段階で正常細胞か
ら生じたガンを誘発する、変異
細胞が蓄積していました。その
原因として肥満による脂肪酸代
謝の変化と慢性炎症だったこと
が分かりました。肥満体のヒト
に適したガン予防法の開発に道
が開けました。

研究グループは、これまでの
研究成果として、ガンのかなり
初期の段階で正常細胞層の中に
ガンを誘発する変異が生じた時、
変異細胞と周りにある正常細胞
との間に「細胞競合現象」とい
う互いに生存を争う現象が起こ
ることを発見しました。健康な
状態では変異細胞が体外へ排除
されることを明らかにしました。
今回、この知見をベースに発が
ん抑制の詳細や肥満になると、
なぜガンの発生が起こりやすく
なるのか解明に取り組みました。

高脂肪食を与えた肥満マウス
にガン遺伝子である「Ras変
異遺伝子」を、さまざまな上皮
組織で働くように操作し、発生
したガンを誘発する、「Ras
変異細胞」がどのような挙動を
示すのか観察しました。Ras
変異細胞によりガンを誘発する
肥満体のマウスは細胞競合機能
が抑制されてしまい、膵臓と小
腸で変異細胞の排除が弱まり、
組織中に残存していました。と
くに、膵臓では1カ月後に残っ
ていた変異細胞が増殖し、小さ
な腫瘍塊の形成が見られました。
これは脂肪酸代謝の亢進と慢性
炎症が影響していることが示唆
できます。

一方、普通食で飼育したガン
細胞誘発マウスは、Ras変異
細胞が、通常マウス同様に体外
へと排除されていたということ
です。肥満による炎症の影響を
検証するため、抗炎症作用のあ
るアスピリン投与を試みると、
肥満マウスでも組織からの変異
細胞の排除が増加し炎症の関与
が分りました。成果は4月25日、
国際科学雑誌「CellRep
orts(セルレポーツ)」に
掲載されました。

肥満とガンについて解説してい

る公演動画です。

 
 


 
 
脂肪酸代謝の亢進が起こり、
代謝が更新された。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
日本における透析導入原因で
第1位の原疾患である糖尿病性
腎臓病の進展における新しいメ
カニズムを解明したと発表した
のは偉大な業績です。糖尿病性
腎症が進むメカニズムの解明か
ら、進行を阻害する方法が浮か
び上がって来るからです。具体
的には、選択的なKHK-C 阻害薬
の開発は、糖尿病性腎臓病の進
展抑制が期待されるだけではな
く、メタボリックシンドローム
の新規治療法に結びつくことが
期待されるという事です。糖尿
病性腎症が非常な勢いで増えて
いる現状では、一人でも多くの
人が透析導入されずに済むこと
を考える必要があり、そのため
の重要な布石と言う事ができる
でしょう。
肥満が発ガンを促進する原因
の一端を突き止めた方法は独自
で肥満にしたマウスモデルシス
テムを用いて実験をした所、か
なり初期の段階で正常細胞から
生じたガンを誘発する変異細胞
が蓄積していたというものでし
た。その原因として肥満による
脂肪酸代謝の変化と慢性炎症だ
ったことが分かったのは素晴ら
しい業績です。肥満体のマウス
は細胞競合機能が抑制されてし
まい、膵臓と小腸で変異細胞の
排除が弱まり、組織中に残存し
ていたそうですから、肥満状態
でガン細胞は排除されず、生き
残る様、働きかけたと言えそう
です。アスピリンによる抗炎症
治療で慢性炎症が解消すると、
細胞競合機能が復活したのも、
慢性炎症の関与を端的に示す物
だと明確に言えます。

強豪チームが競合する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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