2018-09-25 22:34:25

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診療マル秘裏話　 　号外Vol.1027　 平成29年11月23日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
 
 
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目次

1)L-セリン摂取で体内時計の“針合わせ”が増強
2)一度熱傷を負った場合の家庭での正しい対処法

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 L-セリン摂取で体内時計の“針合わせ”が増強

 
 
 
 
 
 
九州大学は10月26日、アミノ
酸の一種であるL-セリンを摂取
すると、光による体内時計の“
針合わせ”が強められることを
明らかにしたと発表しました。
この研究は同大大学院農学研究
院の安尾しのぶ准教授と芸術工
学研究院の樋口重和教授が、株
式会社ファンケルと共同で行っ
たものです。同研究成果は「Jo
urnal of Nutrition」に掲載さ
れています。

人の体には約24時間で刻まれ
る体内時計が備わっており睡眠・
覚醒状態やホルモン分泌・血圧
などの生理活動が地球上の昼夜
リズムに合うように制御してい
ます。しかし、現代社会では不
規則な生活や頻繁な時差ぼけ、
夜間にパソコンやスマートフォ
ンの光を見続けるなどの生活に
陥りやすく、体内時計が乱れが
ちです。体内時計が乱れると、
ガンや糖尿病、高血圧、肥満等
のリスクが高まる可能性も指摘
されています。人の体内時計は
もともと24時間より長いため、
朝の光を浴びることで毎日“針
合わせ”がおこなわれますが、
頻繁に生活リズムが狂うと、こ
の針合わせが追いつかなくなる
ということです。

今回、研究グループは、マウ
スを用いた実験により、20種類
のアミノ酸のうち、L-セリンを
摂取すると、体内時計の光によ
る針合わせが強められることを
発見しました。また、昼夜リズ
ムを６時間ずらして、人工的な
時差ぼけを誘導した上で、L-セ
リンを決まった時間に摂取する
と、体内時計の針が早く進み、
新しいリズムに早く同調したと
いうことです。さらに、男子大
学生に夜L-セリンを摂取させ朝
に光を照射した結果、体内時計
の針を示す、メラトニンの分泌
開始時刻が大きく前進しました。
このことから、人でもL-セリン
で体内時計の針合わせが強めら
れる事を実証したとしています。

これらの研究成果から、栄養
学的に、体内時計の乱れや時差
ぼけを改善できることが期待さ
れるということです。海外旅行
の際に生じる時差ぼけや、週末
に３時間以上朝寝坊することで
生じる「社会的時差ぼけ」の改
善、シフトワーカーの健康管理、
生活リズムの乱れによる不眠の
改善、つい夜ふかししてしまっ
た際の体内時計の修正など、広
い範囲での応用が考えられる、
と研究グループは述べています。

体内時計を戻す方法について、

解説している動画です。

 
 


 
 
終生、体内時計の修正が習性
となる。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 一度熱傷を負った場合の家庭での正しい対処法

 
 
 
 
 
 
 
米国皮膚科学会（AAD ）は10
月10日、日常生活で一度熱傷を
負った場合の家庭での正しい対
処法について紹介しました。
患部に塗ってはならない４つの
物質についても言及しています。

日焼けも含めた一度熱傷は、
重度熱傷の場合とは違い大抵は
家で対処できますが、かなりの
痛みがあるうえ痕が残ることも
あるので、正しい対処法を知っ
ておくことが大切です。

AAD が提唱する手順は以下の
通りです。

すぐに冷水や冷湿布を用いて
患部を冷やし、痛みが引くまで
10分ほど冷やし続けます。
ワセリンを日に2‐3回塗ります。
他の軟膏や練り歯磨き、バター
等は感染を起こすおそれがある
ため患部に塗らないこと。抗生
物質を含む塗り薬も使わない事
張り付かない、滅菌済み包帯で
患部を覆います。水泡ができた
ら潰さないようにして覆ったま
ま自然治癒を待ちます。市販の
鎮痛薬を使うことを考えます。
アセトアミノフェンやイブプロ
フェンには鎮痛・消炎作用があ
ります。傷が治ったら、患部を
日光に当てないよう日陰を歩く
か、着衣で覆う、あるいは広域
スペクトルの耐水性日焼け止め
（SPF30 以上）を使用するなど
して気を配ります。熱傷の赤み
が数週間続いた場合にも傷跡が
残りにくくなります
同学会は、一度熱傷は通常、
受診しなくても自然に治ります
が、一度でも熱傷が身体の広範
囲にわたる場合や、乳児や高齢
者が負った場合、また二度以上
の熱傷が疑われる場合は、すぐ
に救急外来を受診するよう推奨
しています。

やけどの対処法について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
硝煙漂う犯行現場で消炎作用
のある薬剤を使う。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
現代社会では不規則な生活や
頻繁な時差ぼけ、夜間にパソコ
ンやスマートフォンの光を見続
けるなどの生活に陥りやすく、
体内時計が乱れがちであり体内
時計が乱れると、ガンや糖尿病、
高血圧、肥満等のリスクが高ま
る可能性が指摘されています。
これらのリスクを高めないよう
に、手軽に体内時計のリセット
を行うためのツールとして、ア
ミノ酸のL-セリンの摂取を行う
ことは非常に有益であると考え
られます。ただファンケルのL-
セリン入りのサプリは、高価で
ややコストパフォーマンスに欠
ける様です。
日常生活で一度熱傷を負った
場合の家庭での正しい対処法に
ついて紹介することは、有益で
あると考えられます。　たがが
火傷と侮らないことが一番であ
り、正しい手順を踏んでも治ら
ない、難治性の熱傷の場合は、
洋の東西を問わず、医療機関の
受診を勧めています。専門外の
医師が熱傷の処置をする場合は、
良く患者さんの状態を診て処置
を適宜変更することの必要性を
自覚するべきです。実際、感染
が起こっているのにラップ療法
を続けていた例があり、専門外
の医師が診ていたため、処置は、
看護師のみで行った結果、どう
にも治らなくなって、私のクリ
ニックを受診した患者さんがお
られました。内服の抗生物質を
処方し、処置をラップ療法から
変更したことで、約３か月で、
完治されました。

痔核を自覚する。笑

 
 
 
 
 
 
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