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2018-03-18 00:04:51

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診療マル秘裏話  Vol.646 平成28年4月28日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)歯のエナメル質の厚さを制御するメカニズムを解明する
2)肺線維症原因蛋白質を阻害する核酸分子を開発

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 歯のエナメル質の厚さを制御するメカニズムを解明する

 
 
 
 
 
 
東北大学は、3月31日、歯の
エナメル質の厚さを、制御する
メカニズムを明らかにする研究
結果を発表しました。この研究
は、同大学病院小児歯科の齋藤
幹講師と、同大大学院歯学研究
科小児発達歯科学分野の福本敏
教授らのグループに、よるもの
です。研究成果は英科学雑誌「
Scientific Reports」電子版に
同日付で掲載されています。
近年、iPS 細胞等幹細胞を用
いた臓器の再生研究が進んでい
ますが、ヒトの歯では再生医療
の実用化には、臓器形成時間の
短縮化が重要な課題となってお
り、増殖因子などを用いた歯胚
形成の促進化が、検討されてい
ます。
Bone morphogenic protein(BMP)
ファミリーは、骨を形成する蛋
白質として同定された増殖因子
の1つであり、現在までに15種
類ほどが発見されています。
その機能は骨や軟骨の形成だ
けではなく胚細胞の発生や分化
にも重要な役割を持っており、
BMP2やBMP4は骨形成に関与する
だけでなく、歯や毛髪等の形成
にも関与するため、歯胚形成促
進因子として注目されていると
いうことです。
しかし、BMP2やBMP4だけでは、
歯のエナメル質形成には不十分
であり他の因子との併用が必要
と考えられています。 そこで
研究グループは、14 番目のBMP
ファミリーである「BMP14/Grow
th differentiation factor 5」
(GDF5)が歯胚に発現すること
に着目しました。解析を実施し
ました。
研究グループが、歯の形成過程
におけるGDF5の発現を調べたと
ころ間葉由来の歯周靭帯が形成
される時期に、発現することを
確認しました。さらにその発現
を検討した結果、発現部位は、
歯周靭帯部だけではなく、エナ
メル芽細胞にも認められたとい
うことです。GDF5が歯の上皮系
細胞に発現していることはこれ
まで報告されておらずこの結果
はGDF5がエナメル質形成に影響
を与えている可能性を示唆する
ものだということです。
そこで、GDF5の歯胚発生過程
における役割を明らかにするた
め、GDF5の立体構造の解析を行
い、受容体との結合部位を特定
しました。この結合部位のうち、
408番目のアミノ酸であるW(ト
リプトファン)が,R(アルギニ
ン)に変異した遺伝子組み換え
マウスでは、関節の異常が見ら
れる事が知られており、GDF5の
408 番目のアミノ酸変異は、GD
F5の機能を阻害すると考えられ
てきました。
しかし、GDF5に遺伝子異常を
有するマウスの歯の形態をマイ
クロCTで解析したところ、エナ
メル質は肥厚しており、歯全体
が一回り大きくなっていること
が判明したということです。
これを受け、研究グループは、
野生型の遺伝子配列であるUGG
からAGG へと一塩基だけ遺伝子
組み換えを行い、408 番目のア
ミノ酸をWからRへ置換した変異
型のGDF5蛋白を作成しその機能
を詳細に検討しました。
同研究グループが以前樹立し
たラット歯原性上皮細胞株であ
るSF2 細胞に野生型GDF5と変異
型GDF5を遺伝子導入し、歯のエ
ナメル質を誘導する蛋白である
アメロジェニンとアメロブラス
チンの発現量を調べたところ、
変異型 GDF5 を導入した細胞で
アメロジェニンとアメロブラス
チンの発現量の顕著な増加が認
められたということです。
BMP2がエナメル芽細胞のアメ
ロジェニンやアメロブラスチン
の発現を上昇させることは知ら
れていましたが、GDF5の変異は、
その作用を更に増強し、エナメ
ル質形成を促進されることが明
らかになったとしています。
今回の研究より、軟骨や骨等
の間葉系組織の形成に重要と言
われていたGDF5が上皮でも発現
しており、上皮由来エナメル芽
細胞の分化調節を行なうことで、
エナメル質形成に関与している
ことが新たに判明しました。こ
の結果により、歯のエナメル質
形成メカニズムの解明や、歯の
再生における歯のサイズや作成
時間短縮などの問題を解決する
糸口になることが期待されると
しています。

エナメル質について解説してい

る動画です。

 


 
 
発現を示唆する発言。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 肺線維症原因蛋白質を阻害する核酸分子を開発

 
 
 
 
 
 
東京大学大学院理学系研究科、
創薬ベンチャー企業のリボミッ
ク(東京都)、東北大学の研究
グループは肺線維症の原因蛋白
質ATXを阻害する核酸分子(
アプタマー)を開発しました。
モデルマウスで治療効果も確認
しました。肺線維症は、有効な
治療法が確立されていません。
抗ATXアプタマーは、新たな
治療薬(核酸医薬)の創出につ
ながることが期待されます。

血中のATXは脂質リゾホス
ファチジルコリンを分解してリ
ゾホスファチジンを産生します。
しかし、ATXが、過剰に働き
大量に産生すると、臓器の線維
化を引き起こします。

核酸アプタマーが塩基配列に
よってさまざまな形をとる性質
に着目しました。リボミックの
核酸アプタマー創製の基盤技術
(RiboART)を活用して、
ATXの機能を阻害する核酸ア
プタマーを探索しました。得ら
れた核酸アプタマーは大型放射
光施設SPring-8を使っ
て結晶構造を決定しました。
構造情報を利用して分子構造
を改良し、ATXの働きをより
強力に抑える核酸アプタマーに
仕上げました。

間質性肺炎について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
核酸の情報を拡散する。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
エナメル質の厚さを制御する
メカニズムを明らかにする研究
結果が発表されたのは、偉大な
業績であると思います。 歯の
エナメル質がなければ、すぐに
虫歯になってしまい、食事をす
ることができなくなってしまい
ます。しかしエナメル質は酸に
弱く、虫歯菌が作る酸で溶かさ
れて、虫歯ができる訳ですが、
今迄、再生医療でエナメル質を
作るということが実現された事
は、無かったと記憶しています。
今回の研究結果で歯のエナメル
質形成メカニズムの解明や、歯
の再生における歯のサイズや、
作成時間短縮などの問題を解決
する糸口になることを期待した
いと思います。
肺線維症の原因蛋白質ATX
を阻害する核酸分子(アプタマ
ー)を開発し、その上その効果
がモデルマウスで確かめられた
というのは、偉大な業績と言え
ましょう。早期の臨床試験実施
が望まれます。肺線維症には、
有効な治療法がないので、患者
さんは、一日千秋の想いで待っ
ていると思われます。

実子に臨床試験を実施する。


 
 
 
 
 
 
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