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2017-12-19 01:27:13

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診療マル秘裏話    号外Vol.786 平成29年2月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)高アンモニア 血症を改善する難吸収性抗菌薬を発売
2)脂質代謝酵素遺伝子変異で躁鬱病発症リスク 上昇

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 高アンモニア 血症を改善する難吸収性抗菌薬を発売

 
 
 
 
 
 
 
肝性脳症における、高アンモ
ニア血症の改善を効能・効果と
する難吸収性抗菌薬「リフキシ
マ」(一般名:リファキシミン)
が2016年11月29日に発売された
ことを受けあすか製薬株式会社
は2017年1月18日「知られざる
『肝性脳症』の病態と最新治療」
と題してプレスセミナーを開催
しました。大阪市立大学大学院
医学研究科 肝胆膵病態内科学
教授の河田 則文氏が講演しま
した。

肝性脳症は、肝炎や肝硬変が
進行し、肝機能の低下によりア
ンモニアなどの有害物質を解毒
化できなくなる事で起こる合併
症で、日本における患者数は、
推計約3万人とされています。
重症化すると、昏睡状態に陥る
危険な疾患です。 初期症状が
認知症、抑鬱、アルコール中毒
による認知機能低下に類似して
いる上、肝疾患の合併症である
ことから十分に認知されていま
せん。

進行すると、自宅住所や電話
番号がいえなくなる指南力障害
や異常行動がみられ、患者本人
だけでなく、家族や周囲の負担
も大きくなる他、特徴的な身体
症状として、手指が鳥が羽ばた
くように動いてしまう「羽ばた
き振戦」があります。 国内の
肝炎患者数が、推計300 万人、
肝炎が、慢性化して発症する肝
硬変の患者数は50万人といわれ
ることから、肝性脳症のリスク
のある患者さんは非常に多いと
考えられています。

通常、アンモニアは、肝臓で
代謝・解毒されますが、肝細胞
障害や門脈-大循環短絡路(シ
ャント)があると代謝されず、
高アンモニア血症をきたして肝
性脳症を発症します。治療では
このアンモニアがターゲットと
なります。従来は、アンモニア
の産生・吸収を抑制する合成二
糖類と、筋肉におけるアンモニ
アの代謝を促進する分岐鎖アミ
ノ酸(BCAA)が用いられてきま
した。今回発売された難吸収性
抗菌薬リフキシマは、合成二糖
類と同じく腸管内で作用して、
アンモニアの産生を抑制します。
肝臓学会による治療アルゴリズ
ムでは、既存治療での不応例に
用いるとされていますが「下痢
による脱水が問題となるような
患者の場合は、まずリフキシマ
を使うケースも出てくるだろう」
(河田氏談)。さらに、問題と
なるような副作用が出てこなけ
れば、認知症との鑑別が難しい
例に対して、治療的鑑別診断と
して同剤を投与し、反応を見な
がら肝性脳症を鑑別する、とい
う使い方も考えられるという事
です。

河田氏は、同剤550mgを1日2
回投与したリフキシマ群では、
プラセボ群に比べ、肝性脳症に
よる入院までの期間を有意に遅
らせた論文や、同剤1,200mg/日
を投与した肝硬変患者は対照群
に比べ5年生存率が有意に改善
された論文を紹介し、実臨床で
これらの結果が裏付けられるか
どうか期待をのぞかせました。

また河田氏は、近年米国では、
自覚症状のない超初期の肝性脳
症である「ミニマル肝性脳症」
が、日常生活のQOL や労働効率
を低下させ、交通事故のリスク
を高めている可能性が指摘され
ていると紹介しました。今後、
同症の認知が高まり、こうした
リスクとの関連が明らかにされ
ていくことを祈念しています。

肝機能が低下するとどのような

症状が現れるのか解説している

動画です。

 
 


 
 
肝性脳症の治療の完成。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 脂質代謝酵素遺伝子変異で躁鬱病発症リスク 上昇

 
 
 
 
 
 
脂質の代謝に関わる、酵素の
遺伝子に変異があると、双極性
障害(そううつ病)の発症リス
クが上がることを、藤田保健衛
生大などの研究チームが突き止
め、1月24日付の米専門誌電子
版に発表しました。患者にω-
3系脂肪酸のドコサヘキサエン
酸(DHA)などを投与し遺伝
子のタイプによって症状の変化
に違いがあるか調べる臨床研究
をしています。

研究チームの岩田仲生(いわ
た・なかお)教授(精神医学)
は「因果関係が分かれば、食事
の工夫などで発症の予防や治療
につながる可能性がある」と話
しました。

双極性障害はうつ状態とそう
状態を繰り返す気分障害の一つ
で、国内の患者さんは数十万人
とされています。遺伝的要因と
ストレスなどの環境要因で発症
しますが、詳しいメカニズムは
不明で、治療や診断が難しいと
されています。

チームは患者約3千人を含む
約6万5千人の日本人のゲノム
解析を実施しました。ω-3系
脂肪酸やω-6系脂肪酸の代謝
に関わり、脂質の血中濃度を決
める「FADS遺伝子」に変異
があると、双極性障害の発症リ
スクが1.18倍になっていました。

チームによると、双極性障害
の患者さんは脂質代謝異常症に
かかっている割合が高いことが
先行研究で分かっており、岩田
教授は、「双極性障害と脂質の
代謝には何らかの関連がある」
としています。

双極性障害の原因について

解説している動画です。

 
 


 
 
躁鬱病の資質を脂質代謝異常
から究明する。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
肝性脳症は、肝炎や肝硬変が
進行し、肝機能の低下によりア
ンモニアなどの有害物質を解毒
化できなくなる事で起こる合併
症で、日本における患者数は、
推計約3万人とされていること
を考えると、あすか製薬の薬は、
たくさんの患者さんを救済する
ことになります。しかしながら
肝硬変がRNA 干渉の手法で治療
できてしまえば、患者さんは先
ぼそりになる事が予想されます。
加えて、C型肝炎の患者さんは、
有効な経口薬が登場して、現実
に減っています。将来は、肝性
脳症の羽ばたき振戦がみられな
くなることも十分考えられるで
しょう。
脂質の代謝に関わる、酵素の
遺伝子に変異があると、双極性
障害(そううつ病)の発症リス
クが上がることが分かったのは、
偉大な業績です。遺伝子検査が
どんどん進歩して、一般の人も
脂質代謝に関わる遺伝子に変異
があることが分かれば、躁鬱病
を発症しないように、予防する
ことが必要となるでしょう。ω
-3系不飽和脂肪酸とω-6系
不飽和脂肪酸の比率が1:4が
望ましいとされていますが、世
の中では、この比率が1:50な
どという異常な値になっている
人が多いそうです。できるだけ
ω-3系不飽和脂肪酸を、沢山
摂取することが望まれます。た
だし、摂取比率が改善しても、
代謝酵素に、異常があると再び
比率がω-6系の不飽和脂肪酸
に偏る可能性があります。

研修医には、羽ばたき振戦が
新鮮に映るかもしれない。笑

 
 
 
 
 
 
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