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診療マル秘裏話  Vol.633 平成28年1月28日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)ALK 融合遺伝子を持つ肺ガンの治療薬耐性の原因
2)ひとつの歯胚から複数の歯胚を発生させる技術

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ALK 融合遺伝子を持つ肺ガンの治療薬耐性の原因

 
 
 
 
 
 
日本医療研究開発機構は2015
年12月25日、ALK 融合遺伝子を
持つ肺ガン(ALK 陽性肺ガン)
に対する、治療薬耐性の原因を
発見したと発表しました。この
研究はガン研究会ガン化学療法
センター基礎研究部の片山量平
主任研究員、マサチューセッツ
総合病院(MGH )ガンセンター
などの研究グループによるもの
です。研究成果は、Cell誌と
Lancet誌が共同でサポートする
新規オープンアクセス誌「EBio
Medicine」に、同年12月18日付
けで公開されました。

ALK 陽性肺ガンは、非小細胞肺
ガンの患者100 人のうち3~5人
程度に見つかるといわれていま
す(日本人で推定2,000 症例/
年)。ALK 融合遺伝子とは、受
容体型チロシンキナーゼをコー
ドするALK 遺伝子と他の遺伝子
が融合してできた異常なガン遺
伝子です。ALK 融合遺伝子から
できたALK 融合蛋白質では、恒
常的なALK チロシンキナーゼの
活性化により細胞増殖シグナル
が出続け、ガン細胞が、増殖し
ます。

ALK 陽性肺ガンに対しては、異
常活性化したALK のチロシンキ
ナーゼ活性を阻害できるALK チ
ロシンキナーゼ阻害薬(ALK 阻
害薬)が有効であることが明ら
かとなっており、現在では複数
のALK 阻害薬が臨床応用されて
います。しかし一方で、多くの
症例で数年以内に薬剤耐性を持
ったガン細胞が出現し、再発し
てしまうことが問題となってい
ます。

研究グループは、ALK 陽性肺
ガンに対する次世代ALK阻害薬C
eritinib(米国、欧州で承認済
み。日本では承認申請中)に対
する耐性を引き起こす原因とし
て、新たに薬剤排出トランスポ
ーターのひとつであるP糖蛋白
質(ABCB1)の過剰発現がCerit
inibの、ガン細胞外への排出を
促進し、Ceritinib 耐性を起こ
していることを発見しました。

そして、その耐性に対してP
糖たんぱく質の阻害剤とCeriti
nibの併用療法や、P糖蛋白質に
よる排出の影響を受けないALK
阻害薬(アレクチニブやLorlat
inib)が有効であることを示す
結果を得たとしています。

これらの研究結果から、今後
様々なALK 阻害薬が使用可能と
なった場合、ALK 阻害薬耐性と
なった時に、ALK 遺伝子の変異
に加えて、P糖蛋白質の発現を
免疫染色法などで検索すること
で、より効果的な治療法の選択
に役立つことが予想されると、
研究グループは述べています。

肺ガンの内科治療について解説

している動画です。遺伝子変異

についても解説されています。

 
 


 
 
 
発言の発現によって、議論が
深まった。笑

 
 
 
 
 
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2】 ひとつの歯胚から複数の歯胚を発生させる技術

 
 
 
 
 
 
理化学研究所は2015年12月24
日、マウスをモデルにした研究
で、歯のもととなる原基(歯胚)
の分割操作を行うことにより、
ひとつの歯胚から複数の歯胚を
発生させる「歯胚分割技術」を
開発したと発表しました。
この研究は、理研多細胞シス
テム形成研究センター器官誘導
研究チームの辻孝チームリーダ
ー東京医科歯科大学医歯学総合
研究科顎顔面矯正学分野の森山
啓司教授らの共同研究グループ
によるものです。研究成果は、
英国のオンライン科学雑誌
「Scientific Reports」に、同
年12月17日付けで掲載されまし
た。
歯の喪失に対する治療として
は、入れ歯やブリッジ、インプ
ラントといった、人工物による
代替治療が行われ、咀嚼機能を
回復する有効な医療技術として
確立しています。しかし、これ
らの治療法だけでは、歯の生理
的機能を完全に回復することが
難しいため、より生物学的な
機能を付加し周囲の組織と連携
して機能する「歯科再生治療」
の開発が期待されています。
現在、歯科再生治療としては、
自身の機能していない歯を歯の
欠損部に移植し、歯の生理機能
を回復する自家歯牙移植や、幼
弱な発生段階の自家歯胚を移植
し歯を発生させる歯胚移植治療
が行われています。 これらの
治療法は、有用な歯科再生治療
として注目されていますが、ひ
とつの個体が持つ移植可能な歯
や歯胚には限りがあるため、歯
胚の数を増やす技術の開発が望
まれていました。
共同研究グループは今回、歯
胚の分割操作を行うことにより、
ひとつの歯胚から複数の歯胚を
発生させる歯胚分割技術を開発
しました。 この技術を用いて
実験を行った所、複数の歯胚が
正常に発生し、天然の歯と同等
の構造を持った歯が再生された
としています。
これら再生歯は、矯正力(歯
列矯正の際に加える力)を加え
ることによって、「骨リモデリ
ング」を介した歯の移動が可能
で、中枢に伝達して痛みなども
感知する神経機能を持っており、
機能的にも天然歯と同等だった
ことも示されました。
今後、この方法をヒトに応用
することで、先天性歯胚欠損や
歯の喪失患者さんの自己歯胚を
用いて免疫学的拒絶反応を受け
ることがなく、歯の数を増やせ
る可能性が示唆され、臨床応用
に近い歯科再生療法へと発展す
ることが、期待されるとしてい
ます。

分割歯胚の様子を描いた動画で

す。

 
 

 
歯胚を増やすことで、賜杯を
獲得し、支配を強め、眼光紙背
に徹すの状態となった。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
ALK 陽性肺ガンに対する次世
代ALK阻害薬Ceritinib(米国、
欧州で承認済み。日本では承認
申請中)に対する耐性を引き起
こす原因として、新たに、薬剤
排出トランスポーターのひとつ
であるP糖蛋白質(ABCB1 )の
過剰発現がCeritinib の、ガン
細胞外への排出を促進し、Ceri
tinib 耐性を起こしていること
を発見したのは、偉大な業績と
言えましょう。更に、その対策
として、P糖蛋白質の阻害剤と
Ceritinibの併用療法や、P糖蛋
白質による排出の影響を受けな
いALK 阻害薬(アレクチニブや
Lorlatinib)が有効であること
が分かったのも貴重な情報であ
ると思います。ただ、耐性には
別の薬を安易に加えるより薬の
処方を変えて、全く別の薬を使
った方が効果的ではないかと考
えています。
歯のもととなる原基(歯胚)
の分割操作を行うことにより、
ひとつの歯胚から複数の歯胚を
発生させる「歯胚分割技術」が
開発されたのは素晴らしい成果
であると思います。臨床応用に
近い歯科再生療法へと早く発展
して欲しいと思います。

捜査は、分割操作を通じて行
う。笑

 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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