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2017-11-14 00:05:34

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診療マル秘裏話    号外Vol.756 平成29年1月10日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)マイクロRNAの静脈投与でインスリン分泌細胞再生に成功
2)ドナーにG-CSF 投与で末梢血幹細胞が出るメカニズム

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 マイクロRNAの静脈投与でインスリン分泌細胞再生に成功

 
 
 
 
 
 
 
東北大学は12月15日、機能性
核酸であるマイクロRNA(miRNA)
の静脈投与による、インスリン
分泌細胞(膵β細胞)の再生に
初めて成功し、糖尿病マウスの
高血糖が改善したと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
学系研究科 糖尿病代謝内科学
分野の山田 哲也准教授、突田
壮平助教、片桐 秀樹教授らの
グループによるものです。研究
成果は、「EBioMedicine」電子
版に掲載されました。

 
インスリンを分泌する膵β細胞
は自己再生能が低く、糖尿病の
根治を、難しくしている大きな
原因のひとつとなっています。
これまでに骨髄移植が膵β細胞
の再生を促進することが報告さ
れており、骨髄細胞から分泌さ
れる何らかの因子が、膵β細胞
の再生を促進している事を示唆
したものの、同定はされていま
せんでした。

 
近年、miRNA と呼ばれる機能性
核酸が、標的遺伝子の発現を負
に制御することで、発生、分化、
細胞の増殖、アポトーシス、組
織再生において重要な役割を担
っていることが示されています。
また、様々な細胞から分泌され
た細胞外小胞(エクソソーム)
が液性因子として生体内を循環
し、内包するmiRNA などの核酸
をほかの細胞へ受け渡すことで、
細胞間の情報伝達を媒介してい
る事も明らかにされていました。

今回、同研究グループは、骨髄
移植マウスで認められた、膵β
細胞再生のメカニズムとして、
エクソソームを介する細胞間mi
RNA 伝達が重要な役割を担って
いることを発見しました。更に、
2種類のmiRNA(miRNA-106bとmi
RNA -222)を同定し、これをイ
ンスリン分泌低下によって発症
した糖尿病マウスに静脈注射で
投与した所、膵β細胞が増殖し
インスリン分泌が回復、血糖値
が改善したということです。

これらの結果から研究グループ
は、miRNA-106bとmiRNA-222 に
よる膵β細胞の再生促進が糖尿
病の根治につながる新規治療法
となる可能性があるとしていま
す。

マイクロRNAについて解説して

いる動画です。



 
 
 
糖尿病完治の移植療法は異色
のものでした。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ドナーにG-CSF 投与で末梢血幹細胞が出るメカニズム

 
 
 
 
 
 
血液のガンである白血病に対
し「造血幹細胞」を移植し正常
な血液が作れるようにする治療
が造血幹細胞移植です。提供者
(ドナー)からの造血幹細胞の
採取は、従来の骨髄ではなく、
血管を流れる血液から行うのが
主流となってきていますが、用
いる薬剤によって、多くの人に
比較的軽い副作用が現れます。
神戸大大学院医学研究科の片山
義雄講師(血液内科学)、大学
院生の川野裕子さんらがそのメ
カニズムを解明しました。

本来、骨髄にある造血幹細胞
を、血管内の血液(末梢血)に
流れ出させ、採取するために用
いられるのが「G-CSF製剤」
です。白血球を増やす作用もあ
り抗ガン剤治療を受ける患者さ
んに広く使われています。ただ
骨髄系の白血病の白血病細胞を
増やしてしまう可能性があるた
め、白血病では、主にリンパ系
白血病の治療に用いられます。

更に、大半の人に腰痛や微熱
などの副作用が現れるという事
です。「痛みが強ければ鎮痛剤
を使うが、痛みが起こるメカニ
ズムが不明で、十分に説明でき
なかった」と川野さんは話して
います。

グループは、マウスを使った
実験で、G-CSF製剤を投与
すると、交感神経からストレス
物質が放出され、白血球の一種
である好中球を刺激することで、
痛みの原因となる炎症物質「プ
ロスタグランジンE2(PGE
2)」ができることを確認しま
した。ストレス物質には幹細胞
を血管に流出させる働きがある
一方で、PGE2がその作用を
抑えていることも明らかにしま
した。

造血幹細胞の移植には骨髄を
直接採取して用いる手法(骨髄
移植)もありますが、全身麻酔
が必要になるなどドナーの負担
は大きいことが知られています。
「末梢血からの採取は成分献血
のような方法ででき負担が少な
いため主流になってきています」

ところが、G-CSF製剤を
投与しても、血液に幹細胞が出
てこない人が、数%~20%の
割合でいるということが分かっ
ています。「幹細胞が出てくる
かどうかは事前に予測できず、
課題となっている」と川野さん
は指摘しています。

今回分かったメカニズムにつ
いて「PGE2の働きが強く、
造血幹細胞が末梢血に流れ出る
のを抑えていることも考えられ
る。事前の予測につながる可能
性がある」と川野さんは話して
います。「この働きを制御すれ
ば、血液に造血幹細胞が出にく
い人も、末梢血からスムーズに
採取できる可能性がある」と話
しています。

造血幹細胞移植について解説し

ている動画です。



 
 
 
生魚の成長を制御する。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
機能性核酸であるマイクロRN
A(miRNA)の静脈投与による、
インスリン分泌細胞(膵β細胞)
の再生に初めて成功し、糖尿病
マウスの高血糖が、改善したと
発表したのは、偉大が業績です。
マイクロRNA(miRNA)投与は、
骨髄移植の際に糖尿病が改善す
るメカニズムに関係している物
を使うことで、今回、動物実験
ではありますが、糖尿病が改善
したということですので、骨髄
移植のような大掛かりな治療を
施すことなく、糖尿病の治療が
達成されたという点で、非常に
エレガントな手法であると言え
ましょう。マイクロRNA(miRNA)
投与は、ガンの治療でも行われ
ており、これからはいろいろな
病気で、特異的なマイクロRNA
(miRNA) を用いることで難治
性の病気も治療がなされていく
可能性が出てきました。難治性
疾患を患う患者さんも決してあ
きらめずにこうした先端の治療
が受けられる日が来ることを夢
みて欲しいと思いました。
本来、骨髄にある造血幹細胞
を、血管内の血液(末梢血)に
流れ出させ、採取するために用
いられるのが「G-CSF製剤」
ですが、そのメカニズムは全く
知られていませんでした。マウ
スを使った実験で、G-CSF
製剤を投与すると、交感神経か
らストレス物質が放出され、白
血球の一種である好中球を刺激
することで、痛みの原因となる
炎症物質「プロスタグランジン
E2(PGE2)」ができる事
を確認しましたがストレス物質
には幹細胞を血管に流出させる
働きがある一方で、PGE2が
その作用を抑えていることも明
らかになり、綱引きをしている
様子が良く分かります。PGE
2の働きが強く、造血幹細胞が
末梢血に流れ出るのを抑えてい
る働きを制御することで血液に
造血幹細胞が出にくい人も、末
梢血からスムーズに採取できる
可能性を大いに追求して頂きた
いと考えています。

詩劇の朗読で、刺激を受ける。


 
 
 
 
 
 
 
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