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2017-11-10 00:07:17

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診療マル秘裏話    号外Vol.753 平成29年1月7日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)網膜色素変性症薬剤徐放デバイスの網膜保護効果
2)造血幹細胞細胞死を抑制する分子USP10 を同定

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 網膜色素変性症薬剤徐放デバイスの網膜保護効果

 
 
 
 
 
 
 
東北大学は、12月13日、網膜
色素変性症動物モデル(変異型
ロドプシン遺伝子P347L トラン
スジェニックウサギ)に対する
薬剤(ウノプロストン)徐放デ
バイスの網膜保護効果を報告し
たと発表しました。この研究は、
同大大学院 医学系研究科 細胞
治療分野の阿部 俊明教授らの
研究グループによるものです。
同研究成果は、「Investigativ
e Ophthalmology & Visual Sci
ence」(電子版)に12月1日付
けで掲載されています。

網膜色素変性症は夜盲と視野
狭窄を主症状とする、遺伝性の
網膜疾患で長い年月を経て中心
視力も徐々に障害され、場合に
よっては失明に至ります。確立
された治療法はなく、日本では
特定疾患に指定されています。
近年、緑内障の治療薬であるウ
ノプロストンが視細胞を直接的
に保護することで、網膜の錐体
細胞の変性を抑制する可能性が
あると報告されていました。し
かし、点眼による治療は、患者
さんの治療への理解と積極的な
意思に依存するうえ、点眼のみ
では有効な濃度の薬剤が網膜へ
到達しにくいという課題があり
ました。

そこで研究グループは、ウノ
プロストンを、徐々に放出する
徐放化デバイスを作成し、後眼
部の強膜上に留置して錐体細胞
が集まっている網膜の中心部(
黄斑部局所)に薬物を送る方法
を検討しました。徐放デバイス
は、CAD-CAM を利用した3Dプリ
ンターで光硬化性樹脂を3次元
成型して、作成したということ
です。デバイスは、リザーバー、
薬物、徐放膜から構成され、徐
放膜には分子量の異なる2種類
の光硬化性樹脂を混合して、ウ
ノプロストンが徐々に放出され
るよう工夫したということです。

網膜色素変性症のモデル動物で
あるトランスジェニックウサギ
の強膜上にウノプロストン徐放
デバイスを留置し、網膜電図、
光干渉断層計を4週間おきに40
週間評価した結果、埋植後32週
間まで、視細胞の変性がプラセ
ボデバイス及び未処置群と比較
して有意に抑制されていました。
また、眼内のウノプロストン量
を測定装置(LC/MS/MS)で定量
した結果、眼内にウノプロスト
ンが持続的に検出されたという
ことです。

以上の結果から、ウノプロスト
ン徐放デバイスは32週間の長期
にわたって網膜変性から視細胞
を保護することが示唆されまし
た。 同研究グループは、網膜
色素変性症の、効果的な治療法
開発に向けて、来年度から治験
が始まる予定としています。

網膜色素変性症について解説し

ている動画です。



 
 
 
光硬化性樹脂は、高価だ。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 造血幹細胞細胞死を抑制する分子USP10 を同定

 
 
 
 
 
 
新潟大学は12月14日、造血幹
細胞の細胞死を抑制する分子と
して脱ユビキチン化酵素 「USP
10」を同定、USP10 を欠損した
マウスでは造血幹細胞の数が著
しく減少し、造血不全を発症し
たことを明らかにしたと発表し
ました。この研究は、同大大学
院医歯学総合研究科・ウイルス
学教室の樋口雅也准教授、藤井
雅寛教授、川村宏樹客員研究員
らの研究グループによるもので
す。研究成果は「Stem Cell Re
ports」 に12月13日付けで掲載
されています。

 
造血幹細胞は、すべての血球系
細胞に分化可能な幹細胞であり、
全ての血球系細胞の生存と維持
に必須の役割を果たしています。
造血幹細胞の生存維持に必須の
サイトカインとして stem cell
factor (SCF)が知られており、
SCF は造血幹細胞の自己複製、
細胞死および多分化能の維持
等を制御しています。しかし、
SCF が造血幹細胞の細胞死をど
のように制御するのかについて
は、不明な点がありました。

 
研究グループは造血幹細胞の
細胞死を抑制する分子として脱
ユビキチン化酵素として USP10
を同定しました。USP10 を欠損
したマウスを樹立したところ、
造血幹細胞の数が著しく減少し、
造血不全を発症しました。 USP
10欠損マウスでは、造血幹細胞
の細胞死が昂進しており、 USP
10を欠損した造血幹細胞を、 S
CFを含まない培養液中で培養す
ると、細胞死が誘導されました。
この細胞死は野生型USP10 では
抑制されましたが、脱ユビキチ
ン化酵素活性を欠損した USP10
では抑制できませんでした。こ
れらの結果は、USP10 が造血幹
細胞の細胞死を特異的に抑制す
る脱ユビキチン化酵素であり、
造血幹細胞の維持に関わること
を示しているということです。

造血幹細胞の異常は、造血不全
症候群、免疫不全症および白血
病などの疾患を発症させますが、
その一部については原因が特定
されていません。今後、これら
の疾患に、USP10 がどのように
関与するのかを解析し、 USP10
による細胞死の分子機構を標的
とした治療薬についても研究を
進めていく予定、と研究グルー
プは述べています。

直鎖状ポリユビキチン化につい

ての動画です。



 
 
細胞死の分子機構を専門家に
聞こう。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
網膜色素変性症動物モデル(
変異型ロドプシン遺伝子P347L
トランスジェニックウサギ)に
対する薬剤(ウノプロストン)
徐放デバイスの網膜保護効果を
報告したと発表したのは、偉大
な業績です。具体的には、網膜
色素変性症のモデル動物である
トランスジェニックウサギの、
強膜上にウノプロストン徐放デ
バイスを留置し、網膜電図、光
干渉断層計を4週間おきに40週
間評価した結果、埋植後32週間
まで、視細胞の変性がプラセボ
デバイス及び未処置群と比較し
て有意に抑制されていたという
ことです。網膜色素変性症の、
効果的な治療法開発に向けて、
来年度から治験を確実に行って
実際に患者さんを治療して行っ
て欲しいものです。やがては、
この徐放デバイスが標準治療に
なる事を期待したいと思います。
造血幹細胞の細胞死を抑制す
る分子として、脱ユビキチン化
酵素 「USP10」を同定、USP10
を欠損した、マウスでは造血幹
細胞の数が著しく減少し、造血
不全を発症したことを明らかに
したと発表したのは素晴らしい
業績です。造血幹細胞の異常は、
造血不全症候群、免疫不全症お
よび白血病などの疾患を発症さ
せますが、その一部については
原因が特定されていないので、
今後、これらの疾患に、USP10
が、どのように関与するのかを
解析し、 USP10による細胞死の
分子機構を標的とした治療薬に
ついても、研究を進めていくと
言うことですから、将来的には、
副作用が少ない分子標的治療薬
が生まれてくることを期待した
いと思います。

分子機構の研究が分枝する。


 
 
 
 
 
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藤田 亨
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