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2017-10-24 00:18:54

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診療マル秘裏話   号外Vol.738 平成28年12月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)心臓サルコイドーシス の新病理組織補助診断法を発見
2)蛋白質が糖脂質の受容体となり免疫応答活性化

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 心臓サルコイドーシス の新病理組織補助診断法を発見

 
 
 
 
 
 
 
国立循環器病研究センターは
11月21日、非虚血性心筋症の、
心筋組織に浸潤する、免疫担当
細胞の種類や性質に着目する事
により、心臓サルコイドーシス
の新たな病理組織補助診断法を
発見したと発表しました。この
研究は、国循心臓血管内科部門
の永井利幸医師、安斉俊久部長、
臨床病理科の池田 善彦医長、
植田初江部長、北海道大学大学
院医学研究科 循環病態内科学
分野の合同研究チームによる物
です。 研究成果は、米国心臓
協会科学誌「Journal of Ameri
can Heart Association 」オン
ライン版に11月17日付で掲載さ
れています。

 
サルコイドーシスは、全身諸
臓器に肉芽腫が形成される疾患
です。発症の一因として、細菌
など何らかの抗原に免疫が過剰
反応する事が報告されています。
サルコイドーシスでは、特に、
心臓病変(心臓サルコイドーシ
ス)の有無が生命予後を左右す
るため心臓病変の早期かつ正確
な診断と、免疫抑制療法による
治療介入が求められています。

心臓サルコイドーシスの診断は、
心筋組織からサルコイド肉芽腫
を証明することが最善の方法で
すが、この手法による診断率は、
心臓サルコイドーシス症例のわ
ずか2~3割程度と報告されてい
ます。そのため、厚生労働省や
米国不整脈学会の診断基準では、
心筋組織からサルコイド肉芽腫
を証明できなくとも診断可能と
していますが、一方で診断精度
の低さも指摘されています。

 
合同研究チームは、国循および
北大に入院し、心臓サルコイド
ーシスの確定診断が得られた95
症例と、他の非虚血性心筋症(
拡張型心筋症、肥大型心筋症、
高血圧性心筋症など)50症例の
心筋組織検体を、免疫組織学的
染色で解析しました。

まず、心臓サルコイド肉芽腫の
病理組織の特徴を調べたところ、
炎症細胞であるT細胞の他に、
免疫細胞(抗原提示細胞)であ
る樹状細胞が多数浸潤している
ことが判明しました。さらに、
浸潤したマクロファージの多く
が炎症性のM1マクロファージで
あるということを突き止めまし
た。次に心臓サルコイドーシス
症例において、サルコイド肉芽
腫を認めない心筋切片の特徴を
調べると心臓サルコイドーシス
以外の非虚血性心筋症と比較し
て、樹状細胞とM1マクロファー
ジが、多数浸潤しているという
特徴が認められたという事です。

合同研究チームはこれらの研究
結果について、診断精度の妥当
性検証や慢性心筋炎との鑑別等
の課題が残るとしています。そ
の一方で非虚血性心筋症の鑑別
診断において、心筋生検によっ
て得られた心筋組織にサルコイ
ド肉芽腫を認めなかった場合も、
樹状細胞やM1マクロファージの
浸潤が多数認められる場合は、
現行の診断基準を満たさなくと
も心臓サルコイドーシスを疑い、
慎重な経過観察と診断確定のた
めに画像診断など検査を繰り返
す必要がある、と述べています。

心臓サルコイドーシスについて

解説している動画です。



 
 
 
政権中枢の人々が心筋生検の
検査を受けた。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 蛋白質が糖脂質の受容体となり免疫応答活性化

 
 
 
 
 
 
九州大学は11月24日、蛋白質
DCARが、結核菌に含まれる特有
の成分であるホスファチジルイ
ノシトールマンノシド (PIM)と
よばれる糖脂質を認識する受容
体として働き、免疫応答を活性
化している事を発見したと発表
しました。 この研究は、同大
生体防御医学研究所の山崎 晶
教授らと琉球大学等の共同研究
グループによるものです。研究
成果は、米科学誌「Immunity」
の電子版で公開されています。

 
結核は、世界人口の約3分の1が
感染しており、先進国のなかで
は日本でも罹患率が高い感染症
です。近年では「結核の再燃」
や「多剤耐性結核」が問題とな
っています。また、今日広く使
われているBCG ワクチンは乳幼
児には有効ですが、成人に接種
した場合の有効性は低く、結核
菌の制御は、今なお世界レベル
で重要な課題です。  しかし、
健康な人間の体が、どのように
結核菌を認識・排除しているの
か、その分子機構は明らかにな
っていませんでした。

 
同研究グループは、DCARと呼ば
れる蛋白質に着目しました。DC
ARはC型レクチン受容体のひと
つとして知られていますが、そ
の機能やリガンドは不明でした。
研究グループは、まず、DCARが
標的を認識すると細胞が蛍光を
発するシステムを構築しました。
この細胞に結核菌を加えて培養
したところ、強い蛍光が検出さ
れたことから、DCARが結核菌の
何かを認識していることが判明
しました。そこで、この結核菌
を、さまざまな溶媒で溶出して
成分を細かく調べ、最終的にPI
M がリガンドであることを特定
したということです。

更に、DCARは特殊なマクロファ
ージに限局して発現しており、
結核菌のPIM がDCARに結合する
と、このマクロファージが活性
化されることが判明しました。
活性化したマクロファージは、
サイトカインを放出してさらに
T細胞を活性化させることで、
菌の排除に寄与していることも
明らかとなったそうです。

この新たな経路を,PIMの合成ア
ナログ、DCARに対する抗体など
を用いて人為的に活性化させる
ことで、結核のみならず、さま
ざまな感染症やガンワクチンの
開発につながることが期待され
ると、研究グループは述べてい
ます。

結核菌について解説している

動画です。



 
 
公開したことを後悔して航海
に出た。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
非虚血性心筋症の、心筋組織
に浸潤する免疫担当細胞の種類
や性質に着目する事により心臓
サルコイドーシスの新たな病理
組織補助診断法を発見したのは
素晴らしい業績です。サルコイ
ドーシスでは、特に、心臓病変
(心臓サルコイドーシス)の有
無が生命予後を左右するため、
心臓病変の早期かつ正確な診断
と免疫抑制療法による治療介入
が求められているので、今後は、
この診断法が、生命予後を改善
したかどうか、検証する必要が
あると思いました。
蛋白質DCARが、結核菌に含ま
れる特有の成分であるホスファ
チジルイノシトールマンノシド
(PIM)とよばれる糖脂質を認識
する受容体として働き免疫応答
を活性化していることが分かっ
たのは、偉大な業績です。DCAR
が結核菌を認識していることが
判明し、最終的にPIM がリガン
ドであることが特定され、更に、
DCARは特殊なマクロファージに
限局して発現しており、結核菌
のPIM がDCARに結合するとこの
マクロファージが活性化される
ことが判明し、活性化したマク
ロファージは、サイトカインを
放出してさらにT細胞を活性化
させることで、菌の排除に寄与
していることが分かった訳です
から、このメカニズムの精密さ
には、驚天動地と言う他ありま
せん。この新たな経路を,PIMの
合成アナログや、DCARに対する
抗体などを用いて人為的に活性
化させることで、結核のみなら
ず、さまざまな感染症やガンワ
クチンの開発に繋げて頂きたい
と思います。

済州島が最終目的地。笑

 
 
 
 
 
 
 
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